ラトルの天地創造
今日は久しぶりに天地創造のアルバムを。今はベルリンフィルの主席指揮者・芸術監督となったサイモン・ラトルの20年前の録音です。

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録音は1990年の3月、4月。オケは当時の主席指揮者・音楽監督をしていたバーミンガム市交響楽団とその合唱団。ソリストは3人で担当するパターン。ソプラノがアーリーン・オジェー、テノールがフィリップ・ラングリッジ、バスがダビッド・トーマス。もちろん、オジェーが期待です。このアルバムはマクリーシュ盤と同様英語で歌われています。
導入部はラトルらしい視点の明確な純音楽的は進行。どちらかというと強音部のキレよりは弱音部の丹念な描写に意識が集中しているよう。冒頭から模範的ともいえる隙のない展開。ラトルのハイドンは打楽器奏者出身らしくテンポの変化、フレーズのメリハリの付け方、浮き立たせ方が巧く音楽の進行が整理されてわかりやすいという特徴がありますが、まさにその通りの展開。テンポは速めでキビキビ感があっていいです。
ウリエルのラングリッジは良く通るキリッとした声で中音域の響きが美しい。ラファエルのトーマスは声質がちょっと軽いですが、テノールと声の質がマッチしていて違和感はないです。そしてガブリエルのオジェー。いつものガブリエルのアリアですが、オジェーの可憐な歌声が心地よいです。
それと触れなくてははらないのはコーラス。このアルバムの聴き所の一つは精緻なコーラス。オケとともにラトルの指示でフレーズを丹念に歌い上げていくところは見事。響きも透明感がありいいです。
第一部のクライマックスの盛り上がりは周到にと思いきや、途中で突然のギアチェンジでいきなりトップスピードに入る意表をついたもの。力は入りますが若干単調さもはらんでしまっているような気がします。
第二部に入り、第5日のクライマックスはさきほどと異なり正統な展開。安心してCD1を終われます。
CD2に入れ替えると第6日のレシタティーヴォ「神はまた言われた」のオケの表情付けはラトルならではの演出。チューバの号砲が利いてます。第二部は第一部と比較して変化に富んだオケの演出を楽しめる展開です。第二部のフィナーレの合唱「大いなる御業は成りぬ」はリズムを弾ませながらオーソドックスに閉めます。
第三部のアダムとエバの掛け合いは、オペラの一場面のような展開で、ラトルの演出がぐっと冴えます。そして最後の終結合唱「 全ての声よ、主に向かって歌え!」では、ソロが乱舞するもののオケは粛々と落ち着いたエンディング。
この演奏はラトルによる明確な表情付けを特徴とした現代楽器による天地創造の秀演の一つとして位置づけられるもの。ラトルのわかりやすい棒が長所でもあり、深みや迫力の表現では、いま一歩踏み込まない印象のもとでもあります。
分厚い響きの坩堝と化すカラヤン盤、機知と機転、楽天を合わせたノリントン盤、そして落ち着いた古楽の洗練を極めたクリスティ盤などと比較すると一歩及ばないというところでしょうか。この辺は好き嫌いの範囲かもしれません。評価は[++++]としました。
ラトルはベルリン・フィルの定期でもハイドンを取り上げているようですので、ここはベルリン・フィルの総力を結集した新録音も期待したいところですね。

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録音は1990年の3月、4月。オケは当時の主席指揮者・音楽監督をしていたバーミンガム市交響楽団とその合唱団。ソリストは3人で担当するパターン。ソプラノがアーリーン・オジェー、テノールがフィリップ・ラングリッジ、バスがダビッド・トーマス。もちろん、オジェーが期待です。このアルバムはマクリーシュ盤と同様英語で歌われています。
導入部はラトルらしい視点の明確な純音楽的は進行。どちらかというと強音部のキレよりは弱音部の丹念な描写に意識が集中しているよう。冒頭から模範的ともいえる隙のない展開。ラトルのハイドンは打楽器奏者出身らしくテンポの変化、フレーズのメリハリの付け方、浮き立たせ方が巧く音楽の進行が整理されてわかりやすいという特徴がありますが、まさにその通りの展開。テンポは速めでキビキビ感があっていいです。
ウリエルのラングリッジは良く通るキリッとした声で中音域の響きが美しい。ラファエルのトーマスは声質がちょっと軽いですが、テノールと声の質がマッチしていて違和感はないです。そしてガブリエルのオジェー。いつものガブリエルのアリアですが、オジェーの可憐な歌声が心地よいです。
それと触れなくてははらないのはコーラス。このアルバムの聴き所の一つは精緻なコーラス。オケとともにラトルの指示でフレーズを丹念に歌い上げていくところは見事。響きも透明感がありいいです。
第一部のクライマックスの盛り上がりは周到にと思いきや、途中で突然のギアチェンジでいきなりトップスピードに入る意表をついたもの。力は入りますが若干単調さもはらんでしまっているような気がします。
第二部に入り、第5日のクライマックスはさきほどと異なり正統な展開。安心してCD1を終われます。
CD2に入れ替えると第6日のレシタティーヴォ「神はまた言われた」のオケの表情付けはラトルならではの演出。チューバの号砲が利いてます。第二部は第一部と比較して変化に富んだオケの演出を楽しめる展開です。第二部のフィナーレの合唱「大いなる御業は成りぬ」はリズムを弾ませながらオーソドックスに閉めます。
第三部のアダムとエバの掛け合いは、オペラの一場面のような展開で、ラトルの演出がぐっと冴えます。そして最後の終結合唱「 全ての声よ、主に向かって歌え!」では、ソロが乱舞するもののオケは粛々と落ち着いたエンディング。
この演奏はラトルによる明確な表情付けを特徴とした現代楽器による天地創造の秀演の一つとして位置づけられるもの。ラトルのわかりやすい棒が長所でもあり、深みや迫力の表現では、いま一歩踏み込まない印象のもとでもあります。
分厚い響きの坩堝と化すカラヤン盤、機知と機転、楽天を合わせたノリントン盤、そして落ち着いた古楽の洗練を極めたクリスティ盤などと比較すると一歩及ばないというところでしょうか。この辺は好き嫌いの範囲かもしれません。評価は[++++]としました。
ラトルはベルリン・フィルの定期でもハイドンを取り上げているようですので、ここはベルリン・フィルの総力を結集した新録音も期待したいところですね。
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