作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

アンナ・ボニタティバスのオペラアリア集(つづき)

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昨日取り上げたボニタティバスの歌曲集のつづきです。

このアルバムの最後におかれたのはカンタータ「ナクソスのアリアンナ」
手元の書籍「作曲家別名曲解説ライブラリーハイドン」などを調べると、ソプラノと鍵盤楽器のための曲ながらソプラノパートの中音域のみで作られているとのことで、メゾ・ソプラノに向いた曲なんでしょう。以下は同書からの抜粋。

構成は、レシタティーヴォ=アリア=レシタティーヴォ=アリアの4部構成。
舞台はナクソス島の岩に囲まれた海岸、テセウスの乗った船がアリアンナを島に残したまま立ち去るところでアリアンナが目を覚まし、愛しいテセウスがどこにいるのかと歌い始めるのが最初のレシタティーヴォ。
続いてアリアで、「私の愛しい人はどこ?」、「もしあなたが帰ってこなければ、私は死んでしまう。この苦しみには耐えられない」「神々よ、私を哀れとお思いなら、私の願いを聴いてください」とつづく。
再びレシタティーヴォでテセウスの乗った船が遠ざかっていくのを見て、「もはや、望みはなくなった。私は裏切られた」と歌い、最後は慰めてくれる人すらいない自分の境遇を嘆く歌詞に変わる。
最後のアリアでは、「ああ、この辛い運命にいっそのこと死んでしまいたい」と始まり、最後は「冷酷な、人でなし」と歌い、フォルテピアノの激しい展開で曲が閉じられます。

この典型的な悲劇の構成をソプラノとフォルテピアノのカンタータとしてまとめ、作曲当時にはハイドンの曲の中でも特に人気の高い作品だったそうです。

このアルバムを含めて手元には8組のナクソスのアリアンナがあります。
こういった構成から、この曲の激しい心情をどう歌うか、オペラ的な視点で見ると、それぞれのアルバムの歌い方に一層感心が高まります。

このアルバムのボニタティバスの歌は、激しい表現よりはオペラティックな良く通るメゾ・ソプラノの声が最も大きな魅力となっています。アラン・カーティスの表現の幅の8分を目一杯つかって表情漬けをするような美しい熟練の伴奏にささえられて、それ以前のオーケストラの伴奏による曲よりも、一層声の魅力が引き立っていますね。

オペラのアリアもナクソスのアリアンナについても、おすすめ盤としてよいと思います。
私の評価はPC版ブログの右ペインのOpera & Vocal 1(オペラ)とOpera & Vocal 3(ナクソスのアリアンナ)をご覧ください。
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