オルランド四重奏団のOp.54(ハイドン)
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オルランド四重奏団(Orlando Quartet)の演奏で、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.54のNo.1とNo.2の2曲を収めたLP。収録情報には触れられていませんが、レーベル面にはPマークが1981年と印刷されています。レーベルは今は亡き名門蘭PHILIPS。
オルランド四重奏団は1976年にアムステルダムで設立されたクァルテットで、1997年まで活動していました。この演奏当時のメンバーは以下のとおり。
第1ヴァイオリン:イシュトヴァン・パルカニー(István Párkányi)
第2ヴァイオリン:ハインツ・オーベルドルファー(Heinz Oberdorfer)
ヴィオラ:フェルディナント・エルブリヒ(Ferdinand Erblich)
チェロ:シュテファン・メッツ(Stefan Metz)
幸松肇さんの「世界の弦楽四重奏団とそのレコード第5巻英加北欧諸国編」を紐解くと、活動当初、1978年10月ヘルシンキで開催されたヨーロッパ放送連合の国際コンクールで優勝し、その特典で与えられたムジークフェラインザールでのコンサートがヨーロッパ各国で放送され、以来ヨーロッパで活躍することになったとのこと。手元にはこのLPの他、Op.76のNo.4「日の出」、No.6の2曲を収めたCDもありますが、そちらの録音表記はPマークが1982年。ということで今日取り上げるLPの方が録音が古いことになります。幸松さんの本にはこのLPが彼らの最初の録音であるように書かれているので、これがデビュー盤ということでしょう。
手に入れたLPはミントコンディション。針を落とすとPHILIPSらしい透明感溢れるクァルテットの響きに釘付けになります。

Hob.III:58 String Quartet Op.54 No.1 [G] (1788)
これぞハイドンのクァルテットの理想的な響き。軽快なテンポで瑞々しく伸びやかな響きが広がります。メロディー上のアクセントが4人ともピタリと揃う快感。鮮烈さも力強さもあり、1楽章からオルランドの覇気に呑まれます。
続くアレグレットでは第1ヴァイオリンのパルカニーのみならず4人それぞれがかなりの表現意欲を見せ、緩徐楽章にもかかわらず素晴らしい充実感。パルカニーのヴァイオリンはすぅっと伸びる自然な高音の美しさが魅力でしょう。燦々と輝く陽の光を浴びて陰影もくっきりとつく素晴らしい立体感。
メヌエットは晴朗な響きに満ちながらもフレーズごとに推進力をはっきりと変えて音楽の表情をクッキリと浮かび上がらせます。このメヌエットの表情の描きわけの面白さこそオルランドの真骨頂かもしれません。そしてフィナーレは一段テンポを上げて曲の締めにふさわしい充実感を残します。もちろん集結に至るまでのコミカルな展開の描きわけも見事。ハイドンが仕込んだウィットに鮮やかに反応します。極めて正当的な充実したアンサンブル。弦楽四重奏の魅力をストレートに表現した名演奏。
Hob.III:57 String Quartet Op.54 No.2 [C] (1788)
この曲独特の鮮烈な入りも、このクァルテットのキレの良い響きでいきなりあっと言わせます。あまりに見事な入りに言葉が出ません。たかが4本の楽器ですが、素晴らしい迫力に圧倒されます。ハイドンが織り込んだメロディーの美しさを最上の形で響きに変換していきます。曲が進むにつれて、少しずつメロディーを崩しながらこちらの予測を超える表情をつけていきます。時折音量を極端に落とす場面を設けてこの曲に仕込まれたハイドンの仕掛けを次々と掘り起こしていきます。1楽章から圧倒的なパフォーマンス。
2楽章はすすり泣くような実にユニークな短調のアダージョですが、ヴァイオリンの自在なボウイングに対し、伴奏の音量のコントロールが実に緻密でここでも曲に仕込まれた音楽をしっかりと汲みとります。そこからメヌエットへの入りの絶妙な間。次に流れる音楽の気配が無音の中に響くよう。恐ろしい集中力。そしてメヌエットも漆黒の夜に気配を頼りに歩くような見事な進め方。
そして、非常に珍しいアダージョからは始まるフィナーレ。彼らがなぜこの2曲をデビュー盤に選んだかわかりました。ハイドンのクァルテットの中でもことさら表現力が試される構成の曲ゆえ、このオルランド四重奏団のもっとも得意なところが活かせる曲ということでしょう。4人の創意が見事に統一されて、このユニークな終楽章の最上の姿が浮かび上がります。最後のプレストは爆速! そして最後は静寂の中に消え入るように終わります。
いやいや、見事の一言。特にNo.2の方は超絶的名演と言っていいでしょう。全盛期のオランダPHILIPSの名録音によって、全盛期のオルランド四重奏団の演奏が記録された名盤。LPの方はオークションなどでもまだまだ見かけますので、好きな方は是非入手してみてください。
(参考)Op.76のCD

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オルランド四重奏団(Orlando Quartet)の演奏で、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.54のNo.1とNo.2の2曲を収めたLP。収録情報には触れられていませんが、レーベル面にはPマークが1981年と印刷されています。レーベルは今は亡き名門蘭PHILIPS。
オルランド四重奏団は1976年にアムステルダムで設立されたクァルテットで、1997年まで活動していました。この演奏当時のメンバーは以下のとおり。
第1ヴァイオリン:イシュトヴァン・パルカニー(István Párkányi)
第2ヴァイオリン:ハインツ・オーベルドルファー(Heinz Oberdorfer)
ヴィオラ:フェルディナント・エルブリヒ(Ferdinand Erblich)
チェロ:シュテファン・メッツ(Stefan Metz)
幸松肇さんの「世界の弦楽四重奏団とそのレコード第5巻英加北欧諸国編」を紐解くと、活動当初、1978年10月ヘルシンキで開催されたヨーロッパ放送連合の国際コンクールで優勝し、その特典で与えられたムジークフェラインザールでのコンサートがヨーロッパ各国で放送され、以来ヨーロッパで活躍することになったとのこと。手元にはこのLPの他、Op.76のNo.4「日の出」、No.6の2曲を収めたCDもありますが、そちらの録音表記はPマークが1982年。ということで今日取り上げるLPの方が録音が古いことになります。幸松さんの本にはこのLPが彼らの最初の録音であるように書かれているので、これがデビュー盤ということでしょう。
手に入れたLPはミントコンディション。針を落とすとPHILIPSらしい透明感溢れるクァルテットの響きに釘付けになります。

Hob.III:58 String Quartet Op.54 No.1 [G] (1788)
これぞハイドンのクァルテットの理想的な響き。軽快なテンポで瑞々しく伸びやかな響きが広がります。メロディー上のアクセントが4人ともピタリと揃う快感。鮮烈さも力強さもあり、1楽章からオルランドの覇気に呑まれます。
続くアレグレットでは第1ヴァイオリンのパルカニーのみならず4人それぞれがかなりの表現意欲を見せ、緩徐楽章にもかかわらず素晴らしい充実感。パルカニーのヴァイオリンはすぅっと伸びる自然な高音の美しさが魅力でしょう。燦々と輝く陽の光を浴びて陰影もくっきりとつく素晴らしい立体感。
メヌエットは晴朗な響きに満ちながらもフレーズごとに推進力をはっきりと変えて音楽の表情をクッキリと浮かび上がらせます。このメヌエットの表情の描きわけの面白さこそオルランドの真骨頂かもしれません。そしてフィナーレは一段テンポを上げて曲の締めにふさわしい充実感を残します。もちろん集結に至るまでのコミカルな展開の描きわけも見事。ハイドンが仕込んだウィットに鮮やかに反応します。極めて正当的な充実したアンサンブル。弦楽四重奏の魅力をストレートに表現した名演奏。
Hob.III:57 String Quartet Op.54 No.2 [C] (1788)
この曲独特の鮮烈な入りも、このクァルテットのキレの良い響きでいきなりあっと言わせます。あまりに見事な入りに言葉が出ません。たかが4本の楽器ですが、素晴らしい迫力に圧倒されます。ハイドンが織り込んだメロディーの美しさを最上の形で響きに変換していきます。曲が進むにつれて、少しずつメロディーを崩しながらこちらの予測を超える表情をつけていきます。時折音量を極端に落とす場面を設けてこの曲に仕込まれたハイドンの仕掛けを次々と掘り起こしていきます。1楽章から圧倒的なパフォーマンス。
2楽章はすすり泣くような実にユニークな短調のアダージョですが、ヴァイオリンの自在なボウイングに対し、伴奏の音量のコントロールが実に緻密でここでも曲に仕込まれた音楽をしっかりと汲みとります。そこからメヌエットへの入りの絶妙な間。次に流れる音楽の気配が無音の中に響くよう。恐ろしい集中力。そしてメヌエットも漆黒の夜に気配を頼りに歩くような見事な進め方。
そして、非常に珍しいアダージョからは始まるフィナーレ。彼らがなぜこの2曲をデビュー盤に選んだかわかりました。ハイドンのクァルテットの中でもことさら表現力が試される構成の曲ゆえ、このオルランド四重奏団のもっとも得意なところが活かせる曲ということでしょう。4人の創意が見事に統一されて、このユニークな終楽章の最上の姿が浮かび上がります。最後のプレストは爆速! そして最後は静寂の中に消え入るように終わります。
いやいや、見事の一言。特にNo.2の方は超絶的名演と言っていいでしょう。全盛期のオランダPHILIPSの名録音によって、全盛期のオルランド四重奏団の演奏が記録された名盤。LPの方はオークションなどでもまだまだ見かけますので、好きな方は是非入手してみてください。
(参考)Op.76のCD

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