Haydn Disk of the Month - May 2017
気を取り直して、いつものように季節を感じる写真を一枚。

この花は職場の近くの川沿いに咲いていた花。調べたところニオイバンマツリ(匂蕃茉莉)というそう。白と紫の花が混ざって咲く姿がなかなか可憐で美しいですね。南米原産で花は最初紫色で、だんだん白くなっていくそう。街中で見かけたと思って花屋の店頭を確認すると鉢植えも出回っているので、結構ポピュラーな花のようですね。東京でも街路樹や庭木の花が季節によって色々咲くのを楽しむことができます。そろそろ南天の花の蕾が膨らみ始め、ヤマボウシも手裏剣のような花を咲かせる季節になりました。そうこうするうちに暑い夏になっていくんですね。
さて、このところレビューする記事数も少ない中、今月もベスト盤はしっかり選びます。今月選んだのは、定番中の定番ですが、最近聴き直して、その素晴らしさに改めて驚いた一枚です。

2017/05/17 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : コダーイ四重奏団のOp.9(ハイドン)
ハイドンといえば弦楽四重奏曲というほど、魅力に溢れたジャンルですが、その弦楽四重奏曲の全集をリリースしている、ご存知NAXOSの看板アーティストであるコダーイ四重奏団によるOp.9の前半3曲を収めた1枚。しなやかで味わい深い演奏が特徴のコダーイ四重奏団の演奏ですが、このアルバムはその中でも絶品の1枚。聴き直してあまりの素晴らしさに圧倒されました。演奏の隅々まで心地よい緊張感に包まれ、伸び伸びとした美音とボウイングの面白さを堪能できる演奏。そしてOp.9というハイドンの弦楽四重奏曲の中では今ひとつ目立たぬ曲の面白さを再認識させてくれる素晴らしい演奏です。全集をお持ちの方も多いと思いますが、この全集の中でも指折りの名演と言っていいでしょう。お持ちの方は是非聴き直してみてください。きっと幸せな気持ちにさせてくれます。
そして、5月の高評価盤は以下のとおり。
2017/05/30 : ハイドン–室内楽曲 : アンサンブル・オブ・ザ・クラシック・エラのピアノ三重奏曲など(ハイドン)
2017/05/23 : ハイドン–協奏曲 : ニキタ・マガロフのピアノ協奏曲XVIII:11(ハイドン)
2017/05/12 : ハイドン–ピアノソナタ : フランツペーター・ゲーベルスのソナタ集(ハイドン)
2017/05/05 : ハイドン–交響曲 : ハンス・スワロフスキーの交響曲集(ハイドン)
4月は新着アルバムの割り合いが多かったんですが、その反動か(笑)、5月は古い録音ばかり取り上げる事となりました。記事にした通り、どれもいぶし銀の名演と言っていい演奏でした。
最後にニュースを一つ。いつもコメントをいただくだまてらさんから先日予告があった通り、最新号のステレオサウンドに、だまてらさんの友人であるカワサキヤさんこと岡崎哲也さんが書かれた連載記事が掲載されています。ステレオサウンドの最新号である203号の発売日は6月2日とありましたが、本日本屋さんを覗いてみると、何と1日前にも関わらず最新号がすでに積んであるではありませんか! もちろん手に入れて早速見てみると、連載記事である「レコード芸術を聴く悦楽」のタイトルは、何と「ハイドンを聴く」。ハイドンの録音が取り上げられるとは聞いていましたが、まさにど真ん中の直球ストレートがミットにビシッと収まるドストレート。バックハウスの「アンダンテと変奏曲」に始まり、ザンデルリンクの「めんどり」、そしてスメタナとボロディンによる「ひばり」と名盤の名解説がずらり。たっぷり8ページ分の解説は読み応えも十分。確認してみると、ボロディン四重奏団のひばりは手元にないため、これは手に入れなければなりませんね。日本ではイマイチメジャーになりきれないハイドンですが、最近読んだ記事の中では間違いなく一番読み応えのある素晴らしい記事です。皆さんも是非ご一読を!
さて、東京もこのところ蒸し暑い日が続き、季節は夏が近づいています。夏になっても未聴盤探しの巡礼は続きます。6月はどんな名演奏に出会えるでしょうか。
2017年5月のデータ(2017年5月31日)
登録曲数:1,361曲(前月比±0曲) 登録演奏数:10,169(前月比+56演奏)


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コメントの投稿
No title
当時は失礼ながら「何処の馬の骨」みたいな論評でした。
それを払拭したのが、器楽ではヤンドーのピアノ、カーラーのヴァイオリン、
そして室内楽では当コダーイSQだと思います。
(オケは、レパートリー優先のためもあり、ちょっと怪しいのもあった?)
ステ・サンの記事、お互い「我が意を得たり」ですね!
Re: No title
雑誌やネットの評価の影響は大きいですが、やはりいいものはいいんですね。NAXOSも昔は安かろう悪かろうという評判もありましたが、意欲的にカタログの充実を図り、質の高い演奏が増えるにつれてブランド価値も上がりましたね。今ではメジャーレーベル顔負けの録音も少なくありません。
コダーイの演奏もその一つですね。
ステレオサウンドの記事ですが、当ブログの記事を通じて湖国JHさんの手元にも届いたようです。ハイドンが好きな人には必読の記事でしょう。