イヴォンヌ・ルフェビュールのアンダンテと変奏曲(ハイドン)
久々のピアノものです。フランスのエスプリが香り立つような見事な演奏。

TOWER RECORDS(別装丁盤) / amazon / amazon(別装丁盤) / ローチケHMV
(別装丁盤)
イヴォンヌ・ルフェビュール(Yvonne Lefébure)のピアノによる未発表録音集の第2巻。ラモー、シューベルト、リスト、ブラームス、バルトークなどの曲に混じってハイドンのアンダンテと変奏曲(Hob.XVII:6)が収められています。収録は1971年の2月から10月にかけて、フランス放送のパリのスタジオでのライヴ。レーベルは仏SOLSTICE。
このアルバムは偶然オークションで手に入れたもの。印象的なジャケットの写真が妙に気になって手に入れることになりました。奏者のイヴォンヌ・フレビュールははじめて聴く人。いつものようにWikipediaなどからちょっとさらっておきます。
生まれは1898年、パリ北部の街エルモン(Ermont)。4歳からピアノを学び、コルトーの推薦でパリ音楽院に入り、コルトーらから対位法やピアノを学び、12歳でベートーヴェンの「情熱」ソナタを弾いて一等賞を獲得、その後サン=サーンスのピアノ協奏曲第5番でデビューするなど早くから才能が開花しています。1924年からはコルトーの助手としてエコール・ノルマル音楽院で教鞭を執るようになり、のちにパリ音楽院の教授にもなっています。教えを受けた門下生は多く、ディヌ・リパッティ、サンソン・フランソワ、カトリーヌ・コラール、イモージェン・クーパーなど、錚々たるメンバー。演奏者としては1950年代以降、カザルスが創設したプラド音楽祭に出演して以降、ヨーロッパでは脚光を浴び、有名指揮者との共演も数多くこなしたそう。ただ録音は少なく、1954年のフルトヴェングラーがベルリンフィルを振ったモーツァルトのピアノ協奏曲20番が知られているくらいで、他は最晩年の1970年から80年代に、このアルバムをリリースしている仏SOLSTICEなどにわずかに録音があるくらい。1986年にパリで亡くなっています。
リリースされているアルバムを調べてみると、どうやらハイドンの録音はこれが唯一のようですね。非常に貴重な録音ということになります。
Hob.XVII:6 Andante con Variazioni op.83 [f] (1793)
ハイドンのトラックを選んだ途端、まるで密やかに光り輝く宝石のようなピアノの音が転がり出てきます。もちろん他の演奏と同じ楽譜なのでしょうが、メロディーの滑らかさ、密やかな響き、可憐な展開とこれまで聴いたことのないような輝きに満ちた演奏にいきなり引き込まれます。なんでしょう、この香り立つ芳香の魅力に包まれた音楽は。この芳香はルヴェビュールが教えたリパッティの演奏にも感じられるもの。鍵盤の上を指が転がりながら魔法をかけたように音楽が繰り出されます。変奏が次々と展開するのですが、あまりのなめらかさ、ひとつひとつのメロディーのしなやかながら起伏に富んだ描写にただただ驚くばかり。テンポは意外と速いんですが、ドラマは濃厚。終盤ちょっと指が回っていないところがあるのですが、まったく気になりません。これほど詩情に満ちたこの曲の演奏はありません。絶品です。もちろん評価は[+++++]とします。
このアルバムに含まれる他の曲は小品が中心ですが、どれも素晴らしい演奏で、録音も聴きやすいものばかり。ピアノ好きのかたにはたまらないアルバムに違いありませんね。
なお、最近
イヴォンヌ・ルフェビュール~ピアノの伝説というルフェビュールの録音を24枚にまとめたアルバムがSOLSTICEから発表になっていますので、ピアノの好きな方はこちらもいいかもしれません。SOLSTICE以外の他レーベルの録音も合わせた決定盤的内容のようです。
(2017年7月18日修正:フルトヴェングラーとの共演はウィーンフィルと記載しておりましたがベルリンフィルの誤りでした。竹内貴久雄さんご指摘ありがとうございました。)

イヴォンヌ・ルフェビュール(Yvonne Lefébure)のピアノによる未発表録音集の第2巻。ラモー、シューベルト、リスト、ブラームス、バルトークなどの曲に混じってハイドンのアンダンテと変奏曲(Hob.XVII:6)が収められています。収録は1971年の2月から10月にかけて、フランス放送のパリのスタジオでのライヴ。レーベルは仏SOLSTICE。
このアルバムは偶然オークションで手に入れたもの。印象的なジャケットの写真が妙に気になって手に入れることになりました。奏者のイヴォンヌ・フレビュールははじめて聴く人。いつものようにWikipediaなどからちょっとさらっておきます。
生まれは1898年、パリ北部の街エルモン(Ermont)。4歳からピアノを学び、コルトーの推薦でパリ音楽院に入り、コルトーらから対位法やピアノを学び、12歳でベートーヴェンの「情熱」ソナタを弾いて一等賞を獲得、その後サン=サーンスのピアノ協奏曲第5番でデビューするなど早くから才能が開花しています。1924年からはコルトーの助手としてエコール・ノルマル音楽院で教鞭を執るようになり、のちにパリ音楽院の教授にもなっています。教えを受けた門下生は多く、ディヌ・リパッティ、サンソン・フランソワ、カトリーヌ・コラール、イモージェン・クーパーなど、錚々たるメンバー。演奏者としては1950年代以降、カザルスが創設したプラド音楽祭に出演して以降、ヨーロッパでは脚光を浴び、有名指揮者との共演も数多くこなしたそう。ただ録音は少なく、1954年のフルトヴェングラーがベルリンフィルを振ったモーツァルトのピアノ協奏曲20番が知られているくらいで、他は最晩年の1970年から80年代に、このアルバムをリリースしている仏SOLSTICEなどにわずかに録音があるくらい。1986年にパリで亡くなっています。
リリースされているアルバムを調べてみると、どうやらハイドンの録音はこれが唯一のようですね。非常に貴重な録音ということになります。
Hob.XVII:6 Andante con Variazioni op.83 [f] (1793)
ハイドンのトラックを選んだ途端、まるで密やかに光り輝く宝石のようなピアノの音が転がり出てきます。もちろん他の演奏と同じ楽譜なのでしょうが、メロディーの滑らかさ、密やかな響き、可憐な展開とこれまで聴いたことのないような輝きに満ちた演奏にいきなり引き込まれます。なんでしょう、この香り立つ芳香の魅力に包まれた音楽は。この芳香はルヴェビュールが教えたリパッティの演奏にも感じられるもの。鍵盤の上を指が転がりながら魔法をかけたように音楽が繰り出されます。変奏が次々と展開するのですが、あまりのなめらかさ、ひとつひとつのメロディーのしなやかながら起伏に富んだ描写にただただ驚くばかり。テンポは意外と速いんですが、ドラマは濃厚。終盤ちょっと指が回っていないところがあるのですが、まったく気になりません。これほど詩情に満ちたこの曲の演奏はありません。絶品です。もちろん評価は[+++++]とします。
このアルバムに含まれる他の曲は小品が中心ですが、どれも素晴らしい演奏で、録音も聴きやすいものばかり。ピアノ好きのかたにはたまらないアルバムに違いありませんね。
なお、最近
(2017年7月18日修正:フルトヴェングラーとの共演はウィーンフィルと記載しておりましたがベルリンフィルの誤りでした。竹内貴久雄さんご指摘ありがとうございました。)
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