ドロルツ四重奏団の「皇帝」(ハイドン)
今日はまたしてもマイナーなLPです。先日オークションで手に入れたアルバム。

ドロルツ四重奏団(Drolc Quartett)の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.3「皇帝」。このアルバムに収録情報は記載されていませんが、ネットで原盤の情報を調べると1970年にリリースされたものとのこと。最近取り上げたジュリーニ/フィルハーモニア管のアルバムと同様、レーベルはEMIですが、日本のコーキ出版というところがリリースした"Library of Immortal Classics" というシリーズの第6巻。ドロルツ四重奏団の演奏はB面でA面には以前CDを取り上げたヘルムート・シュナイデヴィントによるトランペット協奏曲などが収録されていますが、こちらはレビュー済みです。
2013/08/10 : ハイドン–協奏曲 : ヘルムート・シュナイデヴィントのトランペット協奏曲
このシュナイデヴィントのトランペット協奏曲は湖国JHさんにCDを借りてのレビューだったので手元にアルバムがありませんでしたので丁度いい具合に手に入ってこちらも嬉しい限り。ちょっと怪しいリリース元ゆえ音質を心配しましたが、A面もB面もミントコンディションで国内盤らしからぬ瑞々しいいい音です。
さて、今日のメインディッシュのドロルツ四重奏団ですが、こちらも以前に取り上げています。
2012/12/04 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : ドロルツ四重奏団のOp.77のNo.2
ドロルツ四重奏団はカラヤン時代のベルリンフィルの主要メンバーによって1950年台に結成されたクァルテット。以前取り上げたOp.77の方は結成直後の1950年代の録音であるのに対し、今日取り上げるアルバムは1970年のリリースということで、メンバーもチェロが入れ替わっております。
第1ヴァイオリン:エドゥアルド・ドロルツ(Eduard Drolc)
第2ヴァイオリン:ハインツ・ベトガー(Heinz Böttger)
ヴィオラ:ジークベルト・ユーバーシェール(Siegbert Ueberschaer)
チェロ:ハインリヒ・マヨウスキ(Heinrich Majowski)
このアルバムをオークションで手に入れようと思ったのも、以前のドロルツ四重奏団の演奏が素晴らしかったからに他なりません。針を落としてみると、このアルバムからも心に染みる音楽が流れだしてきました!
Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
いきなり、活き活きとした音楽が流れだします。速めのテンポですが、最初からテンポはかなり変化させて、自在な弓使い。LPらしい独特のダイレクトな響きに圧倒されます。4人の音色を揃えるような方向ではなく、4人の音色はそれぞれながら、肝心の音楽のエッセンスを揃えてくる感じ。響きは多様ながら音楽がピタリと揃っています。逆に響きを揃えるほうが簡単そうですね。時折ぐっとテンポを落としたかと思うと、すっと上げたり、演奏を楽しんでいる様子。
有名なドイツ国歌のメロディーとなった2楽章はしっとりと染みるようなゆったりとした音楽。少々時代がかった雰囲気ではありますが、この曲を癒しに満ちたゆったりとした音楽として演奏されると、まさに黄昏時のゆったりとした気持ちになってしまいます。1楽章同様、各パートがしっかりとヴィブラートをかけて歌いますので、実に味わい深い音楽になります。ちょっと細めのドロルツのヴァイオリンに、ヴィオラやチェロの暖かい音色が織りなす響きの綾の美しさから深い深い音楽が生まれます。
そしてメヌエットは少し遅めで直裁なボウイングが生み出すはっきりとしたメロディーがこれまでのゆったりとした余韻を断ち切り、音楽の展開を印象付けます。特に中間部の弦のくすんだ音色はなんとも言えずいい具合い。LPだからこその美しい響きとたった4本の弦楽器から繰り出される音楽の多彩な表情に驚きます。
そしてフィナーレも力に頼らず、音色の変化を存分に駆使して音楽が展開します。弦楽器の音色の美しさの奥行きが一層深い感じ。この演奏よりも磨かれた演奏は数多くあるかと思いますが、この演奏より深みを感じる演奏はそう多くはありません。まさに4人が目の前で微笑みながら演奏を楽しんでいる様子が目に浮かぶよう。曲の最後をきっちり締めてくるあたりも素晴らしいところです。
ベルリンフィルの腕利き奏者を集めたドロルツ四重奏団によるハイドンの「皇帝」。考えてみると、ドイツ国歌のもとになった曲を、ドイツを代表するオーケストラの精鋭メンバーで構成したクァルテットが演奏するという、これ以上ない組み合わせなわけです。この演奏を聴くと、後年の精緻な響きではなく、ちょっと不揃いなところもありながら唸るような迫力を聴かせたカラヤン全盛期のベルリンフィルを支えたメンバーの息吹が感じられます。クァルテットの多彩な魅力を味わえる名演奏と言っていいでしょう。評価は[+++++]とします。
このところ記事を書きつつもオリンピック中継に気をとられて、なかなか筆が進みませんね。かつてない日本のメダルラッシュ。まだレスリングなどもあり、メダルの数も増えそうですね!

ドロルツ四重奏団(Drolc Quartett)の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.3「皇帝」。このアルバムに収録情報は記載されていませんが、ネットで原盤の情報を調べると1970年にリリースされたものとのこと。最近取り上げたジュリーニ/フィルハーモニア管のアルバムと同様、レーベルはEMIですが、日本のコーキ出版というところがリリースした"Library of Immortal Classics" というシリーズの第6巻。ドロルツ四重奏団の演奏はB面でA面には以前CDを取り上げたヘルムート・シュナイデヴィントによるトランペット協奏曲などが収録されていますが、こちらはレビュー済みです。
2013/08/10 : ハイドン–協奏曲 : ヘルムート・シュナイデヴィントのトランペット協奏曲
このシュナイデヴィントのトランペット協奏曲は湖国JHさんにCDを借りてのレビューだったので手元にアルバムがありませんでしたので丁度いい具合に手に入ってこちらも嬉しい限り。ちょっと怪しいリリース元ゆえ音質を心配しましたが、A面もB面もミントコンディションで国内盤らしからぬ瑞々しいいい音です。
さて、今日のメインディッシュのドロルツ四重奏団ですが、こちらも以前に取り上げています。
2012/12/04 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : ドロルツ四重奏団のOp.77のNo.2
ドロルツ四重奏団はカラヤン時代のベルリンフィルの主要メンバーによって1950年台に結成されたクァルテット。以前取り上げたOp.77の方は結成直後の1950年代の録音であるのに対し、今日取り上げるアルバムは1970年のリリースということで、メンバーもチェロが入れ替わっております。
第1ヴァイオリン:エドゥアルド・ドロルツ(Eduard Drolc)
第2ヴァイオリン:ハインツ・ベトガー(Heinz Böttger)
ヴィオラ:ジークベルト・ユーバーシェール(Siegbert Ueberschaer)
チェロ:ハインリヒ・マヨウスキ(Heinrich Majowski)
このアルバムをオークションで手に入れようと思ったのも、以前のドロルツ四重奏団の演奏が素晴らしかったからに他なりません。針を落としてみると、このアルバムからも心に染みる音楽が流れだしてきました!
Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
いきなり、活き活きとした音楽が流れだします。速めのテンポですが、最初からテンポはかなり変化させて、自在な弓使い。LPらしい独特のダイレクトな響きに圧倒されます。4人の音色を揃えるような方向ではなく、4人の音色はそれぞれながら、肝心の音楽のエッセンスを揃えてくる感じ。響きは多様ながら音楽がピタリと揃っています。逆に響きを揃えるほうが簡単そうですね。時折ぐっとテンポを落としたかと思うと、すっと上げたり、演奏を楽しんでいる様子。
有名なドイツ国歌のメロディーとなった2楽章はしっとりと染みるようなゆったりとした音楽。少々時代がかった雰囲気ではありますが、この曲を癒しに満ちたゆったりとした音楽として演奏されると、まさに黄昏時のゆったりとした気持ちになってしまいます。1楽章同様、各パートがしっかりとヴィブラートをかけて歌いますので、実に味わい深い音楽になります。ちょっと細めのドロルツのヴァイオリンに、ヴィオラやチェロの暖かい音色が織りなす響きの綾の美しさから深い深い音楽が生まれます。
そしてメヌエットは少し遅めで直裁なボウイングが生み出すはっきりとしたメロディーがこれまでのゆったりとした余韻を断ち切り、音楽の展開を印象付けます。特に中間部の弦のくすんだ音色はなんとも言えずいい具合い。LPだからこその美しい響きとたった4本の弦楽器から繰り出される音楽の多彩な表情に驚きます。
そしてフィナーレも力に頼らず、音色の変化を存分に駆使して音楽が展開します。弦楽器の音色の美しさの奥行きが一層深い感じ。この演奏よりも磨かれた演奏は数多くあるかと思いますが、この演奏より深みを感じる演奏はそう多くはありません。まさに4人が目の前で微笑みながら演奏を楽しんでいる様子が目に浮かぶよう。曲の最後をきっちり締めてくるあたりも素晴らしいところです。
ベルリンフィルの腕利き奏者を集めたドロルツ四重奏団によるハイドンの「皇帝」。考えてみると、ドイツ国歌のもとになった曲を、ドイツを代表するオーケストラの精鋭メンバーで構成したクァルテットが演奏するという、これ以上ない組み合わせなわけです。この演奏を聴くと、後年の精緻な響きではなく、ちょっと不揃いなところもありながら唸るような迫力を聴かせたカラヤン全盛期のベルリンフィルを支えたメンバーの息吹が感じられます。クァルテットの多彩な魅力を味わえる名演奏と言っていいでしょう。評価は[+++++]とします。
このところ記事を書きつつもオリンピック中継に気をとられて、なかなか筆が進みませんね。かつてない日本のメダルラッシュ。まだレスリングなどもあり、メダルの数も増えそうですね!
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