作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

フー・ツォンのピアノ協奏曲、快演

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今日はピアノ協奏曲。ハイドンのピアノ協奏曲で最も有名なのはHob.XVIII:11です。
この曲のお気に入りを紹介しましょう。

FouTsong.jpg
HMV ONLINEicon / amazon

幸い現役盤です。このところ紹介するアルバムが、廃盤のものが多く心が痛んでおりました(笑)

フー・ツォンは中国生まれのピアニストですが、1934年3月生まれとのことで、はや76歳です。
このアルバムはライナーノーツのどこを見ても録音年不明。ネットをみてもちょっとわかりません。

演奏ですが、フー・ツォンのピアノと指揮でオケはポーランド室内管。他にベートーヴェンのピアノ協奏曲4番が入ってます。
まず驚かされるのがオケの生き生きとした表現。速めのテンポで颯爽と序奏が始まり、軽々とピアノが合わせて入ります。ピアノのメリハリというか、エッジの利いたアクセントがメロディーラインを鮮明に浮き上がらせ、明解な構成感を表現できています。カデンツァもテンポとメリハリを自在にコントロールしている感じで聴き応え十分です。
2楽章、清明な印象を保ちながら右手のメロディーラインのきらめき感をうまく表現。終盤の弱音部分の静寂感の表現も見事。ピアノの音が輝くような華麗さで引き締めます。
そして終楽章は、余裕持ちながら強弱のコントラストを的確に刻み、ハイドンの終楽章に特有の見事な展開を鮮明に描きます。
残念ながら、一流のオケではないため、オーケストラの音色などは他の盤に一歩譲るところはあるものの、フー・ツォンの指揮者としてのオーケストラコントロールは見事というほかありません。

このアルバムは割と最近入手したものですが、今まで聴いたXVIII:11のなかでは1、2を争う名盤だと思います。評価はもちろん[+++++]です。
フー・ツォンの名前は知っていたものの、その演奏をきちんと聴いていませんでした。これまた無防備だったことになります。

このアルバムに含まれるベートーヴェンの4番が、これまたすばらしい演奏。なんとデリケートなオーケストラコントロール。巨匠風ではないのに風格に満ちているというか、曲を噛み砕いて再構成したような音楽性の高い演奏です。こちらもおすすめです。

これは侮れない存在ですね。モーツァルトなどもチェックしてみなくては、、、
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4 Comments

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yoshimi

ツォンのハイドン、ぜひ聴いてみたいですね

こんにちは。
ツォンのハイドンは未聴ですが、とても高い評価ですね。これはどうしても聴きたくなってしまいます。
実際試聴してもとっても良さそうでしたし、MP3ダウンロードでも聴けるのですが、できればCDを手に入れようと思ってます。

ベートーヴェンの方は聴きました。かなり個性的というか特異な解釈のようには感じますが、それでも素晴らしい演奏です。
これだけ深みのある第4番は演奏はそうそう聴けないでしょうし、アラウの新盤と同じくらいに瞑想的な感じがします。一度聴いたら忘れられないくらいです。
日本の著名な評論家U氏は、恣意的で感動しない、と言っていたそうですが、好みは分かれるでしょうね。

少し調べてみたところ、このハイドンとベートーヴェンの録音は、1989年3月のものです。2ヶ所の情報で確認したので、多分確かだと思います。

Daisy

Re: ツォンのハイドン、ぜひ聴いてみたいですね

yoshimiさん、こんばんは。

コメントありがとうございます。私もこのアルバムはブログのレビューで取り上げて、あまりの良さにビックリしたアルバムです。手に入るようでしたら是非聴いてみてください。
ベートーヴェンの4番は私もアラウの新盤は好きな演奏です。奏者の魂が乗り移ったような演奏ですね。
録音年代の件、ありがとうございます。早速所有盤リストの録音年月に記載したいと思います。

ブログで取り上げられてる、ジェフスキの『不屈の民』変奏曲は私もアムラン盤を愛聴してました。最近きいてませんので、掘り出して聴いてみたいと思います。

  • 2010/12/13 (Mon) 23:13
  • REPLY

yoshimi

ツォンのハイドン、とっても素敵です

早速、新品のCDが入手できました。
ツォンのハイドン、メリハリのある表情がキラキラと輝くようで、とても魅力的なので自然と耳が魅きつけられてしまいます。
無愛想なミケランジェリのハイドンとも、明るく軽やかで茶目っ気のあるピノックとも違って、初期のベートーヴェンのような自由闊達さと、モーツァルトの優美さとがブレンドされている感じがします。

ツォンのハイドンの録音が他にないか探していたら、ソナタ集が来年1月にリリースされる予定ですね。Youtubeでデモ映像がありました。
http://www.youtube.com/watch?v=jK_qBXff20g
わりと相性が良い感じの演奏なので、試聴ファイルが全部揃った時にチェックしてみようと思います。

ハイドンのソナタは、たぶんバックハウスの古い録音しか持っていなかったはずなので、いくつかCDが欲しい気がしてます。
NMLならヤンドーやブラウティハム、コロリオフとかを聴きましたが、CDで聴くならブレンデルがとても良い感じでした。
以前書かれたブレンデルのハイドンの記事を拝見しましたが、NO.32と34が入っているCDはおっしゃるとおり、音がとても綺麗ですね。分売盤を買うか、ソナタ集を買うか、少し思案中です。
ハイドンのソナタは、子供の頃ピアノの練習で何曲が弾いていたので、NO.34を聴くととても懐かしい感じがします。

Daisy

Re: ツォンのハイドン、とっても素敵です

yoshimiさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

ツォンのピアノ協奏曲、新品でまだ手に入るのですね。気に入っていただいたようで何よりです。ご指摘のように初期のベートーヴェンの協奏曲に近い演奏という印象もありますね。
ツォンの新譜情報、ありがとうございます。YouTubeの映像も素晴しいですね。これは手に入れなくてはなりません。Meridianのような小規模なレーベルが元気なのはうれしいことですね。

ピアノソナタをお探しで、ブレンデルがお好きであれば、ブレンデルのソナタ集はどれも良い演奏です。あとは先日ブログでも取り上げたプレトニョフとかエマニュエル・アックスなどはおすすめです。全集ではオルベルツがおすすめです。ちょうど交響曲全集におけるドラティ盤のような決定盤だと思ってます。自然なピアノの響きの中にハイドンの機知が溢れてます。

  • 2010/12/18 (Sat) 19:48
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