作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

ヴァンブラ弦楽四重奏団のラルゴ(ハイドン)

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旅日記にかまけておりましたゆえ、正常化しませんと、、、(笑)

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ヴァンブラ弦楽四重奏団(Vanbrugh String Quartet)の演奏によるシューベルトの弦楽四重奏曲D804、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.5の2曲を収めたアルバム。収録はPマークが1986年、ロンドンの聖バルナバ教会でのセッション録音。レーベルは英Collins CLASSICS。

このアルバムも超マイナー盤。お察しの通り湖国JHさんから借りているもの。Collins CLASSICSにはロバート・ハイドン・クラークによる交響曲集という自然な演奏が素晴らしいアルバムがありました。

2010/07/19 : ハイドン–交響曲 : ロバート・ハイドン・クラークの交響曲集

そのCollins CLASSICSの弦楽四重奏曲ということで、かなりの事前期待。まずは聴いてみると、期待通りの素晴らしく自然なメロディーが流れてくるではありませんか。これはやはりレーベルのプロデューサーに一貫した視点があってのことだと思います。

演奏者のヴァンブラ弦楽四重奏団は1985年の設立。設立後1年後にはアイルランド国営放送のRTÉのレジデント・クァルテットになります。アイルランド南部の街コーク(Cork)を拠点に活動し、1988年にはユーディ・メニューインによるロンドン国際弦楽四重奏コンクールで1等となり、1996年にはベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集を録音し、高く評価されたとのこと。設立時および録音時のメンバーは以下のとおりですが、96年に第2ヴァイオリンが変わっています。

第1ヴァイオリン:グレゴリー・エリス(Gregory Ellis)
第2ヴァイオリン:エリザベス・チャールソン(Elizabeth Charleson)
ヴィオラ:サイモン・アスペル(Simon Aspell)
チェロ:クリストファー・マーウッド(Christopher Marwood)

もちろん私は初めて聴くクァルテット。

Hob.III:79 / String Quartet Op.76 No.5 [D] (1797)
しなやかな入り。ゆったりとしながらもざわめきが感じられる演奏。ちょっと遠くに定位するクァルテット。鮮明というよりはゆったりと響きわたります。メロディーの流れはよどみなく、聴き進むうちにせめぎ合うように代わる代わる攻め込まれます。しなやかな演奏から徐々に畳み掛けるような攻めに転じる変化は見事。
2楽章のラルゴは各パートの演奏の雄弁さに耳を奪われているうちに大波に襲われてしまいます。寄せては返す波に揺れて音楽が沁みていきます。くっきりと変化をつける演奏ではなく、しなやかに流れる流麗な演奏。各パートの音色もよく揃って、緊密なアンサンブルから繰り出される感興。終盤ヴァイオリンの突き抜けるようなボウイングが耳に残ります。
メヌエットでもしなやかに流れるメロディーの面白さを浮かび上がらせる演奏。よどみない流れの良さが印象に残りつつ聞きなれたメロディーラインを聴きすすめます。
そしてフィナーレは鮮烈。これまでも踏み込んでいた各パートのボウイングが一層力を込めて、メロディーラインを押し出します。終盤に向けた集中力も見事。すでに踏み込んでいる各パートにさらに力が入り、素晴らしい鬩ぎ合い。耳をつんざくように楽器を鳴らしてメリハリを強調。最後はキレ良くというより、これよりキレることはなさそうなほどの踏み込みを聴かせて終わります。

なんとなく廉価版然とし佇まいのジャケットの印象とは異なり、かなり本格的な演奏。流石Collins CLASSICSというべき演奏でした。ハイドンの晩年の緻密な構成を流麗に表現した見事なアンサンブルで、一体感も見事。アンサンブルの精度だけでなく音楽の流れの良さで聴かせる素晴らしい演奏でした。評価は[+++++]を進呈します。

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