エルネスト・ロンボーのオーボエ協奏曲(伝ハイドン)
3月に入ってから出張に送別会と忙しい毎日を送っており、ちっとも記事の執筆が進みませんが、こうゆう時は短い曲のアルバムが都合がいいんですね(笑)

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エルネスト・ロンボー(Ernest Rombout)のオーボエ、ヨハン・クラフト(Johan Kracht)指揮のコンセルトヘボウ室内管弦楽団(Conertgebouw Chamber Orchestra)の演奏で、伝ハイドンのオーボエ協奏曲(Hob.VIIg:C1)、モーツァルトのオーボエ協奏曲(K.314)、フンメルのオーボエと管弦楽のためのアダージョ(序奏)、主題と変奏(Op.102)の3曲を収めたアルバム。収録は1993年2月、アムステルダムのWaalse教会でのセッション録音。手元のアルバムはLONDONの国内盤。
当ブログの読者の方ならご存知のとおり、このオーボエ協奏曲はハイドンの作であるかどうかはわからず、偽作というような扱いをされている曲。このアルバムの解説でも、今世紀になってからザクセン州ツィッタウの図書館で発見されたパート譜をもとに、1926年にブライトコップフ&ヘルテル社によって出版され、以来多くの演奏者によって演奏されてきたものとあります。元のパート譜はハイドンの没後10年後に書かれたもので、表紙にうっすらとハイドンの名が書かれたもの。本来の作曲者はオーストリアのイグナーツ・マルツァートやウィーンの宮廷作曲家レオポルド・コジェルフの名が挙がっていますが、本当のところはわからない模様。
この曲、協奏曲としてはなかなかいい出来ゆえ、偽作とのレッテルが定着しているにもかかわらず録音は少なくありません。手元に登録済みのものだけでも現在9種のアルバムがあります。
オーボエ奏者のエルネスト・ロンボーは1959年オランダに生まれた人。王立ハーグ音楽院を経てフライブルク音楽大学で名手ハインツ・ホリガーにオーボエを学び、卒業後はアーノンクールらに師事しました。コンサートデビューは1983年、アムステルダムコンセルトヘボウでリヒャルト・シュトラウスのオーボエ協奏曲。その後世界的に活躍しているとのこと。1985年からユトレヒト音楽院、2007年からはアムステルダム音楽院でオーボエを教えているそうです。
指揮者のヨハン・クラフトはアムステルダム・コンセルトヘボウ管のヴァイオリニストのようですね。小編成の室内管の指揮をとっていたということでしょう。
このアルバム、取り上げたのはもちろん演奏が非常に良いからに他なりません。真贋に耳が行くのではなく純粋に音楽を楽しめるなかなかいい演奏です。
Concerto per il oboe [C] (Hob.VIIg.C1)
往時のDECCAサウンド。実体感のあるオーケストラが教会に響きわたります。PHILIPSの透明感のある録音とは異なりますが、こちらも悪くありません。オケは流石に腕利き揃いと思わせるキレ。序奏だけでも見事なオーケストラの演奏。ロンボーのオーボエは音量はそこそこながら、しなやかさはホリガー譲り。ホリガーはオーボエの音色だけで天上に昇るような崇高さを感じさせますが、ロンボー、そのホリガーの純度の高い高音に近い音を出します。協奏曲なのでもう少しソロにスポットライトを当てても良さそうなのですが、完全にオケの迫力に食われています。オーボエの旋律は親しみやすく美しいもの、冒頭の主題の提示以降の展開が形式的でハイドンの創意がこちらの期待を上回る展開の妙とまでは至らず、やはりハイドンの作ではないとの印象を強くしますが、この時代の協奏曲としてはソロのメロディーのラインの美しさとオケのしっかりとしたサポートはかなり聴き応えがあります。
2楽章はロマンツェ・ポコ・アダージョ。オーボエの美しいメロディーから入ります。オケもそっと寄り添い、時折り短調に振れ、響きのデリケートな変化はなかなか。オーボエ独特の物悲しい音色が映えますね。オーボエも表情豊かなんですが、それ以上にオケが実に雄弁。自然を保ちながらも音楽の陰影が深く、ソロの引き立て役としては十分すぎるくらい。
フィナーレもオーボエから入ります。じきにオケがスロットルをふかして、フル回転でサポート。室内オケにもかかわらず分厚い響きはさすが。メロディーラインの展開の面白さと伴奏の迫力。最後のカデンツァではロンボーが超絶テクニックを披露しますが、オケは何事もなかったように迎えます。
このあとのモーツァルトのオーボエ協奏曲はハインツ・ホリガーの神がかった演奏が刷り込み盤ですが、流石ホリガー門下、オーボエの聴かせどころが似ています。実に伸びやかなオーボエにうっとりです。
エルネスト・ロンボーのオーボエによる、ハイドン、モーツァルト、フンメルと同時代の協奏曲を集めたアルバム。ロンボーの妙技とヨハン・クラフトの操るコンセルトヘボウ室内管の名手たちの技を聴くべきアルバムでした。偽作とのことでいままでちょっと避けて通ってきましたが、これは面白い曲であることがわかりました。特に印象的だったのがクラフト操るオケの雄弁さ。決してソロが悪いわけではありませんが、この伴奏の素晴らしさは目を見張るものがあります。ハイドンの作品とはちょっとだけ印象が異なりますが、後世の人がハイドンの名を冠しようとしたのも頷けますね。評価はオケに敬意を払って[+++++]とします。

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エルネスト・ロンボー(Ernest Rombout)のオーボエ、ヨハン・クラフト(Johan Kracht)指揮のコンセルトヘボウ室内管弦楽団(Conertgebouw Chamber Orchestra)の演奏で、伝ハイドンのオーボエ協奏曲(Hob.VIIg:C1)、モーツァルトのオーボエ協奏曲(K.314)、フンメルのオーボエと管弦楽のためのアダージョ(序奏)、主題と変奏(Op.102)の3曲を収めたアルバム。収録は1993年2月、アムステルダムのWaalse教会でのセッション録音。手元のアルバムはLONDONの国内盤。
当ブログの読者の方ならご存知のとおり、このオーボエ協奏曲はハイドンの作であるかどうかはわからず、偽作というような扱いをされている曲。このアルバムの解説でも、今世紀になってからザクセン州ツィッタウの図書館で発見されたパート譜をもとに、1926年にブライトコップフ&ヘルテル社によって出版され、以来多くの演奏者によって演奏されてきたものとあります。元のパート譜はハイドンの没後10年後に書かれたもので、表紙にうっすらとハイドンの名が書かれたもの。本来の作曲者はオーストリアのイグナーツ・マルツァートやウィーンの宮廷作曲家レオポルド・コジェルフの名が挙がっていますが、本当のところはわからない模様。
この曲、協奏曲としてはなかなかいい出来ゆえ、偽作とのレッテルが定着しているにもかかわらず録音は少なくありません。手元に登録済みのものだけでも現在9種のアルバムがあります。
オーボエ奏者のエルネスト・ロンボーは1959年オランダに生まれた人。王立ハーグ音楽院を経てフライブルク音楽大学で名手ハインツ・ホリガーにオーボエを学び、卒業後はアーノンクールらに師事しました。コンサートデビューは1983年、アムステルダムコンセルトヘボウでリヒャルト・シュトラウスのオーボエ協奏曲。その後世界的に活躍しているとのこと。1985年からユトレヒト音楽院、2007年からはアムステルダム音楽院でオーボエを教えているそうです。
指揮者のヨハン・クラフトはアムステルダム・コンセルトヘボウ管のヴァイオリニストのようですね。小編成の室内管の指揮をとっていたということでしょう。
このアルバム、取り上げたのはもちろん演奏が非常に良いからに他なりません。真贋に耳が行くのではなく純粋に音楽を楽しめるなかなかいい演奏です。
Concerto per il oboe [C] (Hob.VIIg.C1)
往時のDECCAサウンド。実体感のあるオーケストラが教会に響きわたります。PHILIPSの透明感のある録音とは異なりますが、こちらも悪くありません。オケは流石に腕利き揃いと思わせるキレ。序奏だけでも見事なオーケストラの演奏。ロンボーのオーボエは音量はそこそこながら、しなやかさはホリガー譲り。ホリガーはオーボエの音色だけで天上に昇るような崇高さを感じさせますが、ロンボー、そのホリガーの純度の高い高音に近い音を出します。協奏曲なのでもう少しソロにスポットライトを当てても良さそうなのですが、完全にオケの迫力に食われています。オーボエの旋律は親しみやすく美しいもの、冒頭の主題の提示以降の展開が形式的でハイドンの創意がこちらの期待を上回る展開の妙とまでは至らず、やはりハイドンの作ではないとの印象を強くしますが、この時代の協奏曲としてはソロのメロディーのラインの美しさとオケのしっかりとしたサポートはかなり聴き応えがあります。
2楽章はロマンツェ・ポコ・アダージョ。オーボエの美しいメロディーから入ります。オケもそっと寄り添い、時折り短調に振れ、響きのデリケートな変化はなかなか。オーボエ独特の物悲しい音色が映えますね。オーボエも表情豊かなんですが、それ以上にオケが実に雄弁。自然を保ちながらも音楽の陰影が深く、ソロの引き立て役としては十分すぎるくらい。
フィナーレもオーボエから入ります。じきにオケがスロットルをふかして、フル回転でサポート。室内オケにもかかわらず分厚い響きはさすが。メロディーラインの展開の面白さと伴奏の迫力。最後のカデンツァではロンボーが超絶テクニックを披露しますが、オケは何事もなかったように迎えます。
このあとのモーツァルトのオーボエ協奏曲はハインツ・ホリガーの神がかった演奏が刷り込み盤ですが、流石ホリガー門下、オーボエの聴かせどころが似ています。実に伸びやかなオーボエにうっとりです。
エルネスト・ロンボーのオーボエによる、ハイドン、モーツァルト、フンメルと同時代の協奏曲を集めたアルバム。ロンボーの妙技とヨハン・クラフトの操るコンセルトヘボウ室内管の名手たちの技を聴くべきアルバムでした。偽作とのことでいままでちょっと避けて通ってきましたが、これは面白い曲であることがわかりました。特に印象的だったのがクラフト操るオケの雄弁さ。決してソロが悪いわけではありませんが、この伴奏の素晴らしさは目を見張るものがあります。ハイドンの作品とはちょっとだけ印象が異なりますが、後世の人がハイドンの名を冠しようとしたのも頷けますね。評価はオケに敬意を払って[+++++]とします。
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