H. R. A. Award 2014
【交響曲部門】

2014/02/22 : ハイドン–交響曲 : ハイティンク/コンセルトヘボウ管の奇跡、99番(ハイドン)
やはり、ハイティンクはいいですね。力感みなぎるとはこのこと。軽妙な奇跡もハイティンクの手にかかるとミケランジェロの彫像のような筋骨のデフォルメが実にアーティスティック。PHILIPSの録音ですが、PHILIPSにはマリナーやコリン・デイヴィスがハイドンの録音を多く残しているためか、未だにCD化はされていません。たまたま出会ったLPですが、このような素晴らしい演奏を聴かせれては選ばないわけには参りませんね。振り返ってみるとHaydn Disk of the Monthでも交響曲のアルバムをあまり積極的に選んでいませんが、それはこちらの好みも枯れてきているからに他なりません。ただし進行中のファイの交響曲全集も順調にリリースが続いているのに加え、先日紹介したイル・ジャルディーノ・アルモニコが全集を目指して第1巻をリリースしており、目が離せませんね。
【管弦楽・協奏曲部門】

2014/10/26 : ハイドン–協奏曲 : 【新着】アレクサンドル・タローのピアノ協奏曲(ハイドン)
協奏曲は今年も名盤目白押しでした。ヴァイオリン協奏曲でもカントロフやアルベルト・リジーの名盤などが記憶に残っていますが、今年一番突き抜けていたのはタローのこのアルバム。記事を読んでいただければわかる通り、ハイドンの機知をはるかに上回るアイデアでやりたい放題。しかもただのやりたい放題ではなく、リズムのキレは尋常ではなく、表現も本質を突いたもの。ここまでのキレっぷりは滅多に聴けない貴重なものということで選びました。ハイドンが聴いても唸ったことでしょう。
【室内楽部門】

2014/08/09 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : 絶品! ペターセン四重奏団の弦楽四重奏曲Op.1(ハイドン)
そして室内楽はこのアルバム。ウィーンピアノ三重奏団と迷ったのですが、こちらは精緻なだけではなく、音符に潜む気配のようなものまで描ききった素晴らしい演奏。弦楽四重奏曲のOp.1がこれほどまでに緻密に響くとは想像だにしていませんでした。
【声楽部門】
今年は声楽曲をあまり多く取り上げませんでした。Haydn Disk of the Monthでも何枚か選定しましたが、他部門の素晴らしい演奏に匹敵するものはなく、今年は該当アルバムなしとします。
【映像部門】

2014/08/30 : ハイドン–ピアノソナタ : マルカンドレ・アムランのXVI:31ライヴ(ハイドン)
これはHaydn Disk of the Monthに選定したものではありませんが、DVDなど映像で見たもので今年一番心に残ったアルバムということで選定しました。コンサートの出だしにハイドンのソナタを弾いているのですが、一瞬にしてホールに濃密な音楽が流れ、聴衆の耳を釘付けにしてしまうようすが見事に撮られています。演奏はアムランらしい冴え渡る知的刺激にあふれたもの。これは稀有なコンサートですね。
以上4点を今年のH. R. A. Awardに選定いたしました。入手しやすいものばかりではありませんが、ハイドンの演奏としてはどれも超一級品。機会がありましたら是非聴いてみてください。
皆さま、来年も良い一年でありますように!


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コメントの投稿
交響曲
Re: 交響曲
イル・ジャルディーノ・アルモニコの全集、これもいいですね。ファイのような外連ではなく、イキイキとした躍動感にあふれた構成で、新時代の全集が期待できますね。ブログの立ち位置からすると、このアルバムをベストに選んでおくという手もありましたが、同月に聴いたウィーンピアノ三重奏団とアバドがあまりに素晴らしかったので選外となってしまいました。
私もこの全集が完成する、そしてハイドン生誕300年のアニバーサリーまでブログを続けられるよう精進しなくてはなりませんね。
こちらこそ本年もよろしくお願いいたします。ツッコミお待ちしております(笑)