【新着】チェリビダッケ/フランス国立放送管の102番ライヴ(ハイドン)
チェリビダッケの102番のライヴと聞けばちょっと気になります。早速入手してレビュー。

HMV ONLINE
/ amazon
/
TOWER RECORDS
セルジュ・チェリビダッケ(Sergiu Celibidache)指揮のフランス国立放送管弦楽団(Orchestre National de l'ORTF)の演奏で、ウェーバーの「魔弾の射手」序曲、ハイドンの交響曲102番、シューマンの交響曲2番の3曲を収めたアルバム。収録は1974年2月27日、パリのシャンゼリゼ劇場でのライヴ。
チェリビダッケはハイドンを得意としていたわけではなさそうですが、手元にはいろいろ録音があり、これまでもライヴを中心に3度取り上げています。
2012/07/23 : ハイドン–交響曲 : チェリビダッケ/ミュンヘンフィルの「ロンドン」1983年7月3日ライヴ
2010/11/11 : ハイドン–交響曲 : チェリビダッケ、RAIナポリの102番、ロンドンライヴ
2010/05/04 : ハイドン–交響曲 : 磨き抜かれた逸品、チェリのロンドン
ザロモンセットについては、ロンドン、太鼓連打、驚愕などの有名曲とこの102番に複数の録音があります。やはり遅いテンポで雄大な演奏をする人との印象があり、怖いもの見たさというところもあり気になる存在です。この102番についても1955年のライブと1971年の録音がすでに手元にありますが、演奏、録音ともにベストのものとは言えないものゆえ、この1974年のシャンゼリゼ劇場のライヴに期待が集まります。しかもAltusのリリースということで、クォリティの高い復刻を期待するところです。
Hob.I:102 / Symphony No.102 [B flat] (1794)
期待通り、録音はそれなりに自然なもの。手に入れたのはCDですが、他にSACDシングルレイヤーもリリースされているということで、録音の質が悪かろうはずがありません。予想通り序奏は実にしなやかに荘重なもの。弦楽器のシルキーな感じと管楽器のクリアな音色がフランスのオケであることを物語ります。やはりチェリビダッケのコントロールは壮大かつ壮麗なもの。音量を上げて聴くと、特に弦楽器の緊張感ある伸びやかさがチェリビダッケならでは。アクセントはかなり抑えて壮麗さを意識したコントロール。録音のせいか重厚さはあまり感じず、低音弦はかなり抑え気味で、弦も高域重視で鮮やかな印象。ホールに響く弦の余韻を楽しむように気持ち良く弓を操ります。
つづくアダージョでも極度にしなやかな弦楽器が印象的。かなりゆったりとしたフレージングで弦の魅力を嫌という程聴かせます。この極端なバランスがチェリビダッケの個性でしょう。管楽器もかなり抑えて、まるで弦楽器の響きの調味料程度に音色をブレンドしているよう。この滔々たる弦楽器による大波のようなメロディーが音楽の核になっています。終盤のもりあがりでようやく低音弦や管楽器が存在感をアピールします。非常に大きなつくりの音楽。
メヌエットもチェリビダッケの手にかかるとかなり壮麗な音楽に聴こえます。やはり弦楽器群のエキセントリックな響きが全体の音楽のポイントになっています。揺るぎない信念にみちたゆったりとした進行。確信にみちた音楽がホールに響き渡ります。オケの音色が脳の官能中枢に直接作用するような独特の快感に浸ります。スタティックなのに恐ろしく艶やかな音楽が続きます。メロディーには躍動感がともないますが、響き自体はブルックナーのような壮麗さを感じるのが不思議なところです。
フィナーレは、その壮麗な響きはそのまま、コミカルな表情を加え、オケが気持ち良く反応し、クライマックスの爆発の予感を感じさせます。奏者の感覚も鋭敏になり、アンサンブルもタイトに引き締まっていきます。オケは異次元の集中を聴かせ、実に心地良い響きでチェリビダッケの指示に従います。最後はさっと力を抜いて粋なところを見せて終わります。じんわりと拍手に包まれるところにこのコンサートの聴衆の満足度合いが表れているよう。
この102番に関しては手元の3種の中ではベストなもの。神がかった迫力が聴かれるかと思いましたがさにあらず。落ち着いたコントロールによって、ハイドンの交響曲の面白さのツボを押さえた理想的な演奏となっています。ちょっとチェリビダッケの演奏ということで事前期待が大きすぎましたでしょうか。ただ、そうしたこちらの想いを良い意味で裏切る堅実な名演奏というところでしょう。落ち着いた入りに対して、曲の終盤にはこの曲の面白さを完全に把握した見事なコントロールを聴かせました。聴き始めた時は無難な演奏との印象もありましたが、やはり流石はチェリビダッケ。これは名演ですね。評価は[+++++]とすることにいたしました。

HMV ONLINE
セルジュ・チェリビダッケ(Sergiu Celibidache)指揮のフランス国立放送管弦楽団(Orchestre National de l'ORTF)の演奏で、ウェーバーの「魔弾の射手」序曲、ハイドンの交響曲102番、シューマンの交響曲2番の3曲を収めたアルバム。収録は1974年2月27日、パリのシャンゼリゼ劇場でのライヴ。
チェリビダッケはハイドンを得意としていたわけではなさそうですが、手元にはいろいろ録音があり、これまでもライヴを中心に3度取り上げています。
2012/07/23 : ハイドン–交響曲 : チェリビダッケ/ミュンヘンフィルの「ロンドン」1983年7月3日ライヴ
2010/11/11 : ハイドン–交響曲 : チェリビダッケ、RAIナポリの102番、ロンドンライヴ
2010/05/04 : ハイドン–交響曲 : 磨き抜かれた逸品、チェリのロンドン
ザロモンセットについては、ロンドン、太鼓連打、驚愕などの有名曲とこの102番に複数の録音があります。やはり遅いテンポで雄大な演奏をする人との印象があり、怖いもの見たさというところもあり気になる存在です。この102番についても1955年のライブと1971年の録音がすでに手元にありますが、演奏、録音ともにベストのものとは言えないものゆえ、この1974年のシャンゼリゼ劇場のライヴに期待が集まります。しかもAltusのリリースということで、クォリティの高い復刻を期待するところです。
Hob.I:102 / Symphony No.102 [B flat] (1794)
期待通り、録音はそれなりに自然なもの。手に入れたのはCDですが、他にSACDシングルレイヤーもリリースされているということで、録音の質が悪かろうはずがありません。予想通り序奏は実にしなやかに荘重なもの。弦楽器のシルキーな感じと管楽器のクリアな音色がフランスのオケであることを物語ります。やはりチェリビダッケのコントロールは壮大かつ壮麗なもの。音量を上げて聴くと、特に弦楽器の緊張感ある伸びやかさがチェリビダッケならでは。アクセントはかなり抑えて壮麗さを意識したコントロール。録音のせいか重厚さはあまり感じず、低音弦はかなり抑え気味で、弦も高域重視で鮮やかな印象。ホールに響く弦の余韻を楽しむように気持ち良く弓を操ります。
つづくアダージョでも極度にしなやかな弦楽器が印象的。かなりゆったりとしたフレージングで弦の魅力を嫌という程聴かせます。この極端なバランスがチェリビダッケの個性でしょう。管楽器もかなり抑えて、まるで弦楽器の響きの調味料程度に音色をブレンドしているよう。この滔々たる弦楽器による大波のようなメロディーが音楽の核になっています。終盤のもりあがりでようやく低音弦や管楽器が存在感をアピールします。非常に大きなつくりの音楽。
メヌエットもチェリビダッケの手にかかるとかなり壮麗な音楽に聴こえます。やはり弦楽器群のエキセントリックな響きが全体の音楽のポイントになっています。揺るぎない信念にみちたゆったりとした進行。確信にみちた音楽がホールに響き渡ります。オケの音色が脳の官能中枢に直接作用するような独特の快感に浸ります。スタティックなのに恐ろしく艶やかな音楽が続きます。メロディーには躍動感がともないますが、響き自体はブルックナーのような壮麗さを感じるのが不思議なところです。
フィナーレは、その壮麗な響きはそのまま、コミカルな表情を加え、オケが気持ち良く反応し、クライマックスの爆発の予感を感じさせます。奏者の感覚も鋭敏になり、アンサンブルもタイトに引き締まっていきます。オケは異次元の集中を聴かせ、実に心地良い響きでチェリビダッケの指示に従います。最後はさっと力を抜いて粋なところを見せて終わります。じんわりと拍手に包まれるところにこのコンサートの聴衆の満足度合いが表れているよう。
この102番に関しては手元の3種の中ではベストなもの。神がかった迫力が聴かれるかと思いましたがさにあらず。落ち着いたコントロールによって、ハイドンの交響曲の面白さのツボを押さえた理想的な演奏となっています。ちょっとチェリビダッケの演奏ということで事前期待が大きすぎましたでしょうか。ただ、そうしたこちらの想いを良い意味で裏切る堅実な名演奏というところでしょう。落ち着いた入りに対して、曲の終盤にはこの曲の面白さを完全に把握した見事なコントロールを聴かせました。聴き始めた時は無難な演奏との印象もありましたが、やはり流石はチェリビダッケ。これは名演ですね。評価は[+++++]とすることにいたしました。
- 関連記事
-
-
尾高忠明/オーケストラ・アンサンブル金沢の「ロンドン」ライヴ(ハイドン)
2014/11/18
-
レッパード、マッケラスの交響曲77番、34番、18番(ハイドン)
2014/11/11
-
【新着】イル・ジャルディーノ・アルモニコの交響曲全集第1巻(ハイドン)
2014/11/08
-
【追悼】ホグウッド/AAMのロンドン、軍隊(ハイドン)
2014/10/25
-
【新着】チェリビダッケ/フランス国立放送管の102番ライヴ(ハイドン)
2014/10/21
-
ジョージ・セル/ボストン響97番1945年ライヴ(ハイドン)
2014/09/11
-
【追悼】ブリュッヘン/スコットランド室内管の「王妃」ライヴ(ハイドン)
2014/08/23
-
【新着】トーマス・ファイ/ハイデルベルク響のの98番、太鼓連打(ハイドン)
2014/08/18
-
ラースロー・ショモギー/ウィーン響の89番、90番(ハイドン)
2014/08/06
-