作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

レヴァイン/ベルリンフィルの天地創造

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軽めのものが続いたので、今日は重量級のものを。

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HMV ONLINEicon / amazon / TOWER RECORDS

ジェームス・レヴァイン指揮のベルリンフィルによる天地創造です。
このアルバムの聴き所は、1つはベルリンフィルをオーケストラコントロールに長けたレヴァインが振ったらどのような天地創造になるかという点、もう1つはソプラノのキャサリーン・バトルの歌ではないでしょうか。

私が初めてレヴァインを知ったのは、RCA時代のフィラデルフィア管とのマーラーの交響曲。最初に聴いたのは5番。タイトで細身な音響で録られたトランペットの縁取りが印象的な、これまでのマーラー像とは180度異なる、音響ショーピースのようなあっけらかんとした演奏。そして9番は、明暗の対比をクッキリと描き、楽天的な面ばかりではないマーラーの複雑さを同じ音響からあぶりだすという器の大きさも見せ、深く印象にのこる存在となりました。
その後、大きな印象を残したのは、ウィーンフィルとのモーツァルトの交響曲全集。以前のマーラーでの印象とはまた異なり、構えも気負いもゼロの天真爛漫なモーツァルトの交響曲、といえば聴こえはいいのですが、どこに作為があるのかわからない、無味乾燥なモーツァルトとして、これまた深く印象にのこりました。
そして、このアルバムにも登場するバトルのソプラノをピアノの伴奏で支えた歌曲集。こちらは、ピアニストとは次元の異なる全体を俯瞰する見通しのよいピアノの達人としての、極めて真っ当な印象。

いずれにせよ、この頃のレヴァインはドイツ・グラモフォンの看板アーティストとして、話題を集める人気者という位置づけでした。

さてさて、このような存在であるレヴァインによる天地創造、どのような演奏なんでしょうか。
冒頭で重量級といったのは、別にレヴァインが重量級であるという意味ではなく(笑)、導入部の演出が、ことさら巨大なものを表現しようとするような重量級な演出によるという意味です。

録音は1987年12月、ベルリンのイエス・キリスト教会。
ソリストは3人で担当、ソプラノのキャサリーン・バトル、テノールがウィンバー、バスがクルト・モルです。
合唱はストックホルム放送合唱団、ストックホルム室内合唱団が担当。

さきほど触れたように、冒頭の印象は、非常に重々しい始まり方。史上最重量という感じです。ことさら丹念に冒頭情景を描いていきます。カラヤンがコントロールするベルリンフィルとはまるで別のオケのような感じですが、もちろん演奏の精度はきっちりしていますので間延びして聴こえることはありません。レヴァインのタクトは、非常に丁寧に情景を描こうとすることに集中しています。このような姿勢が一貫している演奏というのがこのアルバムの印象です。

歌は、出だしのモルのバスから極めて安定感の高いもの。テノールのウィンバーもキリッとした声で旋律を奏でていきますが、ちょっと線が細い印象は否めません。期待のバトルは、相変わらずコケティッシュな声が魅力的ですが、ちょっと化粧が濃い少女のような不思議な雰囲気を纏っています。トラック8のガブリエルのアリアは可憐さとちょっと行き過ぎたかもしれないヴィブラートの綱渡りと言った印象。

演奏の特徴はやはりレヴァインのこの曲に対するスタンスを表すような、過剰演出にちかいようなコントロール。天地創造の演奏を数多く聴いた耳からすると、ストライクゾーンははずしてしまったような印象があります。

ただし、オケ、合唱、ソロのそれぞれの精度は非常に高いので、聴いていて危なっかしい部分は皆無。指揮者の存在が重要だと逆に証明しているような演奏です。

評価は、低い評価はつけられない演奏ですが、高い評価もつけられず、消去法的に[++++]としました。この微妙さをどう表現したら良いのでしょうか、、、(笑)
[+++]ではないのはオケ、ソロ、合唱に敬意を表してというところです。
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