作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

ヴィルトゥオージ・ディ・プラハの協奏交響曲(ハイドン)

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今日もなんだか嬉しいマイナー盤(笑)

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ルドルフ・クレッチメル(Rudolf Krecmer)指揮のヴィルトゥオージ・ディ・プラハ (Virtuosi di Praga)の演奏で、シュターミッツの協奏交響曲、ディッタースドルフの協奏交響曲、ハイドンの協奏交響曲の3曲を収めたアルバム。収録は1994年10月22日から24日にかけて、プラハのコルンニスタジオ(Korunni Studio)でのセッション録音。レーベルは今は亡きKOCHグループのKOCH DISCOVER INTERNATIONAL。

このような激マイナー盤はもちろん、いつもアルバムを貸していただく湖国JHさんからのレビュー課題です(笑)。アルバムのジャケットを最初にしげしげと見ると、前記事で取りあげたヨセフ・スークが独奏者として載っているではありませんか。これは只ならぬとばらかりに、今一度よく見ると、スークはヴィオラを弾いているんですが、ハイドンの協奏交響曲ではヴィオラソロはないため、肝心のハイドンの演奏に参加していないんですね。1曲目のシュターミッツはヴァイオリンとヴィオラ、2曲目のディッタースドルフはヴィオラとコントラバスがソロ。ということで、きょくの構成、配置から考えてもハイドンの協奏交響曲がオマケ的なアルバムのようですが、そこはハイドンの演奏をレビューする当ブログ。スークの存在もありますが、ビシッとハイドンの協奏交響曲をレビューしたいと思います。

オケのヴィルトゥオージ・ディ・プラハははじめて聴く団体。1976年にプラハ室内管弦楽団のコンサートマスターだったオルドリッヒ・ヴルチェク(Oldrich Vlcek) によって創設されたオケ。当初は11人のソリストによる特別な演奏を行う団体だったとのことですが、ヴルチェクがプラハ室内管から離れると、弦楽オーケストラとして様々な歌手やソリストと演奏を行うようになり、ヨーロッパ中を演奏して廻るようになったとのことです。このアルバムの指揮者のルドルフ・クレッチメルについてはアルバムにもネットにも情報がなく、よくわかりません。

また、ハイドンの協奏交響曲のソリストは以下のとおり。おそらくヴィルトゥオージ・ディ・プラハのメンバーと言う事でしょう。

ヴァイオリン:オルドリッヒ・ヴルチェク(Oldrich Vlcek)
チェロ:フランチセク・ホスト(Frantisek Host)
オーボエ:ヤン・コラー(Jan Kolar)
ファゴット:フランチセク・ヘルマン(Frantisek Herman)

Hob.I:105 / Sinfonia Concertante 協奏交響曲 [B] (No.105) (1792)
非常にクリアな録音。小編成オケによる引き締まった伴奏に各ソロ楽器が合わせていきます。協奏曲というより、各パートがソロと対等に溶け合っているよう。各ソロの演奏の精度は抜群。冒頭から各ソロがよく歌って愉悦感溢れる演奏。メロディーが受け渡されながらも実に一貫したテイストを保っているのが流石。オケもその一貫したテイストを持ているので抜群の一体感。オケとソロが鬩ぎ合うのではなく、完全に調和した演奏。この曲は名手と名オケが演奏してもどこかギクシャクしたところが残る印象な演奏が多いのですが、この一体感ははじめて感じるもの。
アダージョでも盤石な一体感を感じさせます。チェロの雄弁さを可憐なヴァイオリンとしっとりしたファゴット、抜けるようなオーボエが支える感じ。伴奏にまわるオケは控えめで室内楽的な精緻な響きを造っていきます。ヴァイオリンのヴルチェクはスークを彷彿とさせる伸び伸びとした美音を聴かせます。
フィナーレはゆったりとした入り。落ち着いたフレージングで曲をじっくりと描いて行きます。しっかりと間をとり、メリハリをつけます。ヴァイオリンが無欲にメロディーを奏でていきますが胴鳴りの美しい響きが乗ってじつにいい趣き。響きは少し固いもののチェロがメロディーを受け、鳴りの良さも引き継ぎます。オーボエとファゴットは軽快にメロディーを重ね、響きの複雑な綾を織り上げていきます。控えめにホルンが響きを重ねてえも言われぬハーモニー。ダイナミックではないのですが、音楽は実に豊か。最後は規律正しく曲を締めて終わります。

メロディーは聴き慣れていてもこの協奏交響曲にはどこか違和感を感じる演奏が多かったんですが、この演奏を聴いて、この曲の真髄に触れたような気がします。協奏曲というよりはソロが活躍する室内楽といった印象が強い演奏です。プラハ室内管同様、腕利きの奏者が長年つちかった信頼関係で強く結ばれ、奏者同士が阿吽の呼吸で音楽を造っていく感じが素晴しい演奏。ソリストも名の知れた人ではありませんが、腕は確か。協奏交響曲の一押し盤といっていいでしょう。評価は[+++++]を進呈します。

スークの登場するハイドンと同時代の2人の作曲家の協奏交響曲も見事な演奏。amazonなどでまだ手に入りますので、興味のある方は今のうちに、、、

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