エアリング・ブロンダル・ベンクトソンのチェロ協奏曲2番旧盤(ハイドン)
今日も湖国JHさんから送り込まれたアルバム。

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モーゲンス・ヴェルディケ(Morgens Wöldike)指揮のデンマーク国立放送室内管弦楽団(The Chamber Orchestra of the Danish State Broadcasting Corp.)の演奏で、ハイドンの交響曲6曲(48番「マリア・テレジア」、44番「悲しみ」、50番、91番、43番「マーキュリー」、61番)とドイツ舞曲(Hob.IX:12)、そしてチェロ協奏曲2番の8曲を収めた2枚組のアルバム。チェロ協奏曲のチェロはエアリング・ブロンダル・ベングトソン(Erling Blöndal Bengtsson)。今日取り上げるのはチェロ協奏曲で、収録は1956年のセッション録音のようです。レーベルはデンマークのdanacord。
実はエアリング・ブロンダル・ベングトソンがチェロを弾くチェロ協奏曲のアルバムは、以前に一度取りあげたことがあり、そのアルバムも湖国JHさんから借りたもの。
2013/12/21 : ハイドン–協奏曲 : エアリング・ブロンダル・ベンクトソンのチェロ協奏曲集(ハイドン)
また、モーゲンス・ヴェルディケの振るハイドンについても、ウィーン国立歌劇場管弦楽団との有名なアルバムを取りあげています。
2012/04/28 : ハイドン–交響曲 : モーゲンス・ヴェルディケ/ウィーン国立歌劇場管弦楽団の99番、「軍隊」
どちらも演奏者の情報はそれぞれ前記事に記載しておりますので、そちらをご参照ください。
特にベンクトソンのチェロ協奏曲は、力の抜けた燻し銀のえも言われぬ高雅なチェロが素晴しく、湖国JHさんに借りてレビューして、その後自身でも手に入れたもの。以前レビューしたアルバムは1993年録音のもの。そして今日取り上げる演奏はそれから37年も前に収録されたチェロ協奏曲ということで、俄然興味がわきます。
Hob.VIIb:2 / Cello Concerto No.2 [D] (1783)
ヴェルディケの指揮するデンマーク国立放送室内管は実にゆったりとした入り。録音は1956年と言う年代にしては鮮明。モノラルですが鑑賞にはまったく問題ありません。響きは古風ですが折り目正しく、古き良き時代の演奏という感じ。ベンクトソンはゆったりとした伴奏に安心して合わせていきます。この演奏時は24歳くらいですが、すでに音楽は燻し銀。若いのに枯淡の境地に入ってます。若干リズムに重さがありますが、律儀なフレージングとオケに対して大きめの音量で存在感を誇示するような印象。演奏は一貫して堂々としています。1楽章の終盤には後年に聴かせる高音の美音を織り交ぜながら、自身の音楽にグイグイ引き込んで行くように音楽をドライブして行きます。後年の成熟の片鱗をすでに聴かせているあたり、流石ベンクトソンというところ。単なる古風な演奏とは異なります。カデンツァは音数を絞ったアーティスティックなものですでに孤高の境地。
アダージョは、過度に歌わず、さっぱりとした伴奏に乗って、純粋に伸び伸びとした音楽を奏でていきます。切々と語るような抑えた高音の表現にベンクトソンの美学があるよう。
フィナーレに入ってもベンクトソンの演奏スタイルは一貫して穏やか。抑えた表現の中で歌心を聴かせるあたりのこだわりはより大きな音楽の流れを求めているよう。ヴェルディケのコントロールするオケもそれを知ってか、一貫して穏やかなサポート。2人の演奏スタイルはそれぞれ異なるものの、方向は同じものを目指しているようで、緊張感ある一体感を感じさせます。
このアルバム、聴き所はヴェルディケの振る交響曲でしょうが、その演奏はあらためて取りあげたいと思います。というのも、このアルバムも非常に興味深く、すでに自身のコレクションとすべく注文を入れてしまいました。
意外に良かったのがCD2の冒頭に置かれたドイツ舞曲。こちらはレビューしておきましょう。
Hob.IX:12 / 6 Dances Allemandes "Tedeschi di ballo" (c.1792)
ハイドンが1792年に書いた12曲のドイツ舞曲からNo.1からNo.6の6曲を取り出したもの。6曲合わせても5分弱の短い曲。録音は1949年でモノラルですが、驚くのは音の良さ。ライナーノーツにもLPでのリリース当時もその新鮮な響きで話題になったとのこと。明るい典雅な曲調の曲が続きますが、このアルバムに収められたヴェルディケが振った交響曲が遅めのテンポで古風さを感じさせるのに対し、この曲での躍動感と鮮度はかなりのもの。調を変えながら舞曲が次々と奏でられ、まさに舞踏会のような雰囲気。この曲も他にミハエル・ディトリッヒ盤しか手元にないため貴重なものです。
エアリング・ブロンダル・ベングトソンの若き日のチェロ協奏曲2番の録音、後年の味わい深い演奏の片鱗を感じさせる、これも貴重なものでした。ベンクトソンのチェロもヴェルディケとデンマーク国立放送室内管の伴奏も一聴すると古風で、ダイナミックでもなければ磨き込まれたものでもありませんし、録音もモノラルで大人しいものですが、流れてくる音楽には不思議とジェントルな奏者の控えめな息吹のようなものが感じられ、妙に心に残る演奏です。音楽は技術だけではありませんね。名盤の多いチェロ協奏曲やベンクトソン自身の後年の素晴しい演奏と比べると、やはり差のつくところですが、この演奏にはわかる人にはわかる独特の良さがあります。評価は[++++]とします。また、オマケで取りあげたドイツ舞曲は[+++++]を進呈です。

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モーゲンス・ヴェルディケ(Morgens Wöldike)指揮のデンマーク国立放送室内管弦楽団(The Chamber Orchestra of the Danish State Broadcasting Corp.)の演奏で、ハイドンの交響曲6曲(48番「マリア・テレジア」、44番「悲しみ」、50番、91番、43番「マーキュリー」、61番)とドイツ舞曲(Hob.IX:12)、そしてチェロ協奏曲2番の8曲を収めた2枚組のアルバム。チェロ協奏曲のチェロはエアリング・ブロンダル・ベングトソン(Erling Blöndal Bengtsson)。今日取り上げるのはチェロ協奏曲で、収録は1956年のセッション録音のようです。レーベルはデンマークのdanacord。
実はエアリング・ブロンダル・ベングトソンがチェロを弾くチェロ協奏曲のアルバムは、以前に一度取りあげたことがあり、そのアルバムも湖国JHさんから借りたもの。
2013/12/21 : ハイドン–協奏曲 : エアリング・ブロンダル・ベンクトソンのチェロ協奏曲集(ハイドン)
また、モーゲンス・ヴェルディケの振るハイドンについても、ウィーン国立歌劇場管弦楽団との有名なアルバムを取りあげています。
2012/04/28 : ハイドン–交響曲 : モーゲンス・ヴェルディケ/ウィーン国立歌劇場管弦楽団の99番、「軍隊」
どちらも演奏者の情報はそれぞれ前記事に記載しておりますので、そちらをご参照ください。
特にベンクトソンのチェロ協奏曲は、力の抜けた燻し銀のえも言われぬ高雅なチェロが素晴しく、湖国JHさんに借りてレビューして、その後自身でも手に入れたもの。以前レビューしたアルバムは1993年録音のもの。そして今日取り上げる演奏はそれから37年も前に収録されたチェロ協奏曲ということで、俄然興味がわきます。
Hob.VIIb:2 / Cello Concerto No.2 [D] (1783)
ヴェルディケの指揮するデンマーク国立放送室内管は実にゆったりとした入り。録音は1956年と言う年代にしては鮮明。モノラルですが鑑賞にはまったく問題ありません。響きは古風ですが折り目正しく、古き良き時代の演奏という感じ。ベンクトソンはゆったりとした伴奏に安心して合わせていきます。この演奏時は24歳くらいですが、すでに音楽は燻し銀。若いのに枯淡の境地に入ってます。若干リズムに重さがありますが、律儀なフレージングとオケに対して大きめの音量で存在感を誇示するような印象。演奏は一貫して堂々としています。1楽章の終盤には後年に聴かせる高音の美音を織り交ぜながら、自身の音楽にグイグイ引き込んで行くように音楽をドライブして行きます。後年の成熟の片鱗をすでに聴かせているあたり、流石ベンクトソンというところ。単なる古風な演奏とは異なります。カデンツァは音数を絞ったアーティスティックなものですでに孤高の境地。
アダージョは、過度に歌わず、さっぱりとした伴奏に乗って、純粋に伸び伸びとした音楽を奏でていきます。切々と語るような抑えた高音の表現にベンクトソンの美学があるよう。
フィナーレに入ってもベンクトソンの演奏スタイルは一貫して穏やか。抑えた表現の中で歌心を聴かせるあたりのこだわりはより大きな音楽の流れを求めているよう。ヴェルディケのコントロールするオケもそれを知ってか、一貫して穏やかなサポート。2人の演奏スタイルはそれぞれ異なるものの、方向は同じものを目指しているようで、緊張感ある一体感を感じさせます。
このアルバム、聴き所はヴェルディケの振る交響曲でしょうが、その演奏はあらためて取りあげたいと思います。というのも、このアルバムも非常に興味深く、すでに自身のコレクションとすべく注文を入れてしまいました。
意外に良かったのがCD2の冒頭に置かれたドイツ舞曲。こちらはレビューしておきましょう。
Hob.IX:12 / 6 Dances Allemandes "Tedeschi di ballo" (c.1792)
ハイドンが1792年に書いた12曲のドイツ舞曲からNo.1からNo.6の6曲を取り出したもの。6曲合わせても5分弱の短い曲。録音は1949年でモノラルですが、驚くのは音の良さ。ライナーノーツにもLPでのリリース当時もその新鮮な響きで話題になったとのこと。明るい典雅な曲調の曲が続きますが、このアルバムに収められたヴェルディケが振った交響曲が遅めのテンポで古風さを感じさせるのに対し、この曲での躍動感と鮮度はかなりのもの。調を変えながら舞曲が次々と奏でられ、まさに舞踏会のような雰囲気。この曲も他にミハエル・ディトリッヒ盤しか手元にないため貴重なものです。
エアリング・ブロンダル・ベングトソンの若き日のチェロ協奏曲2番の録音、後年の味わい深い演奏の片鱗を感じさせる、これも貴重なものでした。ベンクトソンのチェロもヴェルディケとデンマーク国立放送室内管の伴奏も一聴すると古風で、ダイナミックでもなければ磨き込まれたものでもありませんし、録音もモノラルで大人しいものですが、流れてくる音楽には不思議とジェントルな奏者の控えめな息吹のようなものが感じられ、妙に心に残る演奏です。音楽は技術だけではありませんね。名盤の多いチェロ協奏曲やベンクトソン自身の後年の素晴しい演奏と比べると、やはり差のつくところですが、この演奏にはわかる人にはわかる独特の良さがあります。評価は[++++]とします。また、オマケで取りあげたドイツ舞曲は[+++++]を進呈です。
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