ハイドン時代のスクエアピアノの音
昨日手に入れたアルバムをもう1枚。

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TOWER RECORDS
ATHENEという未知のレーベルからリリースされているハイドンのピアノソナタ集。
ただし、普通の演奏ではなく、ジャケットの写真と表記からもわかるとおり、ハイドンが生きていた時代のスクエアピアノ、まあ箱形のフォルテピアノということでしょう。
類似の企画にクラヴィコードによるソナタ集というものもありますが、箱形のフォルテピアノというのは記憶の上では初めて。一体どんな響きが聴こえるのやら。
奏者はジョアンナ・リーチ(と読んでいいのかしら)。ライナーノーツに奏者の略歴などの表記がないため、いつものようにネットで調べると、ありました。ATHENEレーベルの属するDivine Art Recordings Groupのウェブサイトに彼女の略歴などの情報が。
ジョアンナ・リーチ略歴(英文)
このアルバムの他にもう1枚ハイドンのソナタ集があるようですね。
このアルバムに含まれる曲は次のとおり。曲ごとに楽器も異なります。
変奏曲 Hob.XVII:6 楽器 Stodart(1823年頃作)
ソナタ Hob.XVI:35 楽器 Broadwood(1789年作)
ソナタ Hob.XVI:49 楽器 Astor(1800年頃作)
ソナタ Hob.XVI:20 楽器 Longman and Broderip(1787年頃作)
録音は1991年から92年にかけて。曲ごとに音色の変化が楽しめるという趣向です。
演奏は古楽器の響きを楽しむのには十分安定したもの。
変奏曲はこの中で使われる楽器のなかで一番新しいもの。ダイナミクスの幅が広くなっていて、この変奏曲のダイナミックさがが十分生かされているように感じます。こうゆう音をイメージしながらハイドンは作曲していたんでしょうね。古雅な音色にのせて作曲当時のハイドンの思考にトリップできますね。

写真は上記ウェブサイトに掲載されたジョアンナ・リーチと愛機の1823年製(筆者注:1832年との記載ですが1923年の誤植か?)Stodart箱型フォルテピアノです。
2曲目はHob.XVI:35。楽器はさきほどのものよりほんのちょっとチェンバロよりの響き。よく聴くとハンマーだかメカニズムだかが奥でカチカチ言うのが聴こえます。2楽章のアダージョが、少ない音符の向こうに聴こえる響きを楽しめます。録音も我が家で弾いているように聞こえて悪くありません。
3曲目はHob.XVI:49。こちらは中音域に独特の癖のある響きが特徴。弦を鳥の羽の軸ではじいているような音の感じです。高音域に響きの濁りが少々あります。この曲も1楽章は刷り込まれているより新しい楽器での響きと比べると難ありの印象ですが、2楽章でその印象は一変。やはり楽器の古雅な音色に引き込まれます。
最後は私の最も好きなHob.XVI:20。この楽器も面白い。速いパッセージのところで鍵盤をこするようなノイズが入りますが、鑑賞の邪魔になるというよりは、逆にどんな構造になっているのだろうかという興味をかき立てます。鍵盤の打鍵感にばらつきがあるのか、少々弾きにくそうですが、この楽器は高音の旋律が美しい。ちょっと金属的な感じもしますが、右手の音階の上下が特徴的なこの曲に非常にマッチしてます。2楽章はこれまた雅の限り。
演奏ではなく音色で曲が楽しめます。もちろん演奏も悪くありません。
ハイドンの演奏ばかりあつめていると、ただの演奏よりも、こうしたコンセプトが明確なアルバムには強く惹き付けられます。演奏自体のテクニックはこの演奏を上回るものは多いですが、ハイドンの生きた時代に近づこうとする心意気には頭が下がります。楽器の修復家との出会いをきっかけに作曲家の時代の響きを求め続けているピアニスト。そしてそれをリリースする小さなレーベル。ただただ感動です。
手に入れられるかはわかりませんが、このレーベルのハイドンの他のアルバムも是非手に入れたくなりました。
一般的にはあまり高い評価がつく演奏ではありませんが、私個人としては評価は高くつけました。各曲とも[++++]、アルバムとしてもおすすめ盤のタグを付けました。

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ATHENEという未知のレーベルからリリースされているハイドンのピアノソナタ集。
ただし、普通の演奏ではなく、ジャケットの写真と表記からもわかるとおり、ハイドンが生きていた時代のスクエアピアノ、まあ箱形のフォルテピアノということでしょう。
類似の企画にクラヴィコードによるソナタ集というものもありますが、箱形のフォルテピアノというのは記憶の上では初めて。一体どんな響きが聴こえるのやら。
奏者はジョアンナ・リーチ(と読んでいいのかしら)。ライナーノーツに奏者の略歴などの表記がないため、いつものようにネットで調べると、ありました。ATHENEレーベルの属するDivine Art Recordings Groupのウェブサイトに彼女の略歴などの情報が。
ジョアンナ・リーチ略歴(英文)
このアルバムの他にもう1枚ハイドンのソナタ集があるようですね。
このアルバムに含まれる曲は次のとおり。曲ごとに楽器も異なります。
変奏曲 Hob.XVII:6 楽器 Stodart(1823年頃作)
ソナタ Hob.XVI:35 楽器 Broadwood(1789年作)
ソナタ Hob.XVI:49 楽器 Astor(1800年頃作)
ソナタ Hob.XVI:20 楽器 Longman and Broderip(1787年頃作)
録音は1991年から92年にかけて。曲ごとに音色の変化が楽しめるという趣向です。
演奏は古楽器の響きを楽しむのには十分安定したもの。
変奏曲はこの中で使われる楽器のなかで一番新しいもの。ダイナミクスの幅が広くなっていて、この変奏曲のダイナミックさがが十分生かされているように感じます。こうゆう音をイメージしながらハイドンは作曲していたんでしょうね。古雅な音色にのせて作曲当時のハイドンの思考にトリップできますね。

写真は上記ウェブサイトに掲載されたジョアンナ・リーチと愛機の1823年製(筆者注:1832年との記載ですが1923年の誤植か?)Stodart箱型フォルテピアノです。
2曲目はHob.XVI:35。楽器はさきほどのものよりほんのちょっとチェンバロよりの響き。よく聴くとハンマーだかメカニズムだかが奥でカチカチ言うのが聴こえます。2楽章のアダージョが、少ない音符の向こうに聴こえる響きを楽しめます。録音も我が家で弾いているように聞こえて悪くありません。
3曲目はHob.XVI:49。こちらは中音域に独特の癖のある響きが特徴。弦を鳥の羽の軸ではじいているような音の感じです。高音域に響きの濁りが少々あります。この曲も1楽章は刷り込まれているより新しい楽器での響きと比べると難ありの印象ですが、2楽章でその印象は一変。やはり楽器の古雅な音色に引き込まれます。
最後は私の最も好きなHob.XVI:20。この楽器も面白い。速いパッセージのところで鍵盤をこするようなノイズが入りますが、鑑賞の邪魔になるというよりは、逆にどんな構造になっているのだろうかという興味をかき立てます。鍵盤の打鍵感にばらつきがあるのか、少々弾きにくそうですが、この楽器は高音の旋律が美しい。ちょっと金属的な感じもしますが、右手の音階の上下が特徴的なこの曲に非常にマッチしてます。2楽章はこれまた雅の限り。
演奏ではなく音色で曲が楽しめます。もちろん演奏も悪くありません。
ハイドンの演奏ばかりあつめていると、ただの演奏よりも、こうしたコンセプトが明確なアルバムには強く惹き付けられます。演奏自体のテクニックはこの演奏を上回るものは多いですが、ハイドンの生きた時代に近づこうとする心意気には頭が下がります。楽器の修復家との出会いをきっかけに作曲家の時代の響きを求め続けているピアニスト。そしてそれをリリースする小さなレーベル。ただただ感動です。
手に入れられるかはわかりませんが、このレーベルのハイドンの他のアルバムも是非手に入れたくなりました。
一般的にはあまり高い評価がつく演奏ではありませんが、私個人としては評価は高くつけました。各曲とも[++++]、アルバムとしてもおすすめ盤のタグを付けました。
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