作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

【番外】関西・四国・中国大紀行(その10)

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(つづき) その1

この旅5日目の朝、晴天のなか、三朝温泉の旅館大橋を出発します。目的地は数キロ先にある、三朝温泉のイコン、三徳山三佛寺投入堂。昨日旅館に貼ってあった「日本一危ない国宝鑑賞」、あの投入堂です。道路の案内看板に従って道を進むと道に大きな鳥居が現れます。中央には「三徳山」とあり、古くはここからが参道だったということでしょうか。

三徳山三佛寺 国宝投入堂

ここに来たのは、やはり山の断崖絶壁に投げ入れたようなお堂を見るため。このお堂、造りは特段凝ったものではありませんが、やはりこの崖地にお堂をつくったという行為そのものが国宝級だということでしょう。

三徳山三彿寺は天台宗修験道三徳山法流の寺とのことで、その起源は7~8世紀に大和の国で修験道の開祖として活躍していた、役小角(えんのおづの)が、3枚の蓮の花びらを投げたうちの一枚が伯耆の国三徳山に落ち、役小角が三徳山を訪れ、麓で造ったお堂を投げ入れたとの伝説から投入堂との名がついたとのことです。その後、慈覚大師円仁により嘉祥2年(849年)に伽藍が建立され、本尊釈迦如来・阿弥陀如来・大日如来の三仏が安置されたということで三佛寺と呼ばれるようになったとされています。

ここも、3度目の訪問。以前来た時にこのお寺の向かいの細道を登ったところから投入堂を遠くに臨む事ができたので、まずは車で、三佛寺の前を少し過ぎたところを反対側の山に入ってみますが、山をいくら探しても投入堂らしき姿が見えません。実は一本手前の道を登ったからだと後でわかります。

ということで、車を停めて、三佛寺に行ってみる事に。投入堂へ行くにはくさり場や滑りやすい急坂があることはわかっており、今回のメンバーではその道は当然無理ですので、お堂などを見てまわると割り切っての参拝です。私も3回目にもかかわらず、まだ投入堂には到達しておりません。

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道路沿いの入口から登っていくと、拝観料を支払うところまでたどり着きます。そこで5人分の拝観料を払って、境内に。三佛寺の伽藍は投入堂などのある、山上の伽藍と、この石段にそって左右に並ぶ山下の伽藍があります。山下には昔は多くの子院が並んでいたそうですが、今は三院のみです。伽藍の全体はこちらをご覧ください。

三徳山三佛寺 国宝投入堂:三徳山全景

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石段の脇には草花が。何という花かはわかりませんが、最近歳のせいか、こうゆう花を見ると心が癒されるんですね~(笑)

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最初の右側が皆生(かいじょう)院。どれもどことなく古びたお寺でいい雰囲気。うちの父のお墓のあるおてらも天台宗ゆえ、なんとなく親しみがわきます。

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手前のシャクナゲの花が咲いている頃はさぞかし美しかろうと想像。

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つづいてちょっと登った左側が正善(しょうぜん)院。こちらは門が閉まっていたため、石垣。この緑にかこまれた石垣と寺を囲う垣の風情がなんとも言えずいい雰囲気。時の流れを感じます。

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そして、再び右側には輪光(りんこう)院。門前には「百八煩悩転生大念珠」という巨大な数珠がぶる下げられており、まわすとカチ、カチといいながら数珠玉がひとつずつ落ちて、煩悩を清めます。札には「静かに念じて、念珠を下に引いて下さい。『カチカチ』と音と共に厄除け開運を、お祈り下さい。」とあります。言われる通りまわしてみるとカチカチと音がして、果たして煩悩は消えているのでしょうか(笑)

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中にはには池があり、錦鯉や亀がいて微笑ましいと思っていたら、お寺の奥さんらしき人が赤ちゃんを縁側で遊ばせているのを見て、母親が赤ちゃんに興味津々。さながら、ヨーダが神通力で赤ちゃんにフォースの力を授けているようなガラス越しのコミュニケーション(笑) フォースの力があれば、投入堂まで一気に行きたいところですが、そうも参りません。

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輪光院を出て、そのまま登っていくと、石段の両脇の手摺には寄進者の名前が記されていましたが、真ん中は下が隠れていますが、三朝温泉旅館大橋と先程まで泊まっていた宿の名を見つけてにんまり。我々は宿に寄進して、宿はお寺寄進して、そしてお寺は社寺を維持するために大工に仕事を頼む。昔からのサプライ・チェーンというわけです。お金の巡り同様、心と技の巡りもあるわけで、手摺の前でいろいろ考え、古からの世の中の仕組みの妙に感心しきりです。

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そして、さらに石段を登ってみると、妙に澄んだ独特の水が跳ねるような音が聴こえてきます。こちらは本堂前の水琴窟。説明するより、動画の方がわかりやすいので、ネットでみつけたYouTubeの動画のリンクを貼っておきましょう。



なにか不思議な仕組みで水が金属のようなものに当たって跳ねる音がするわけです。写真とは違い、動画で見るとわかりやすいですね。仕組みはこちら。

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水琴窟
「小さな仏さまへ、水を柄杓で一杯、お供えいたしますと、琴のような音色が楽しめます。静かに合掌し、お聴きください。」
水琴窟の原理
(水を利用した音響装置)
「地中に伏瓶(ふせがめ)を埋めて空洞を造り、そこにしたたり落ちる水が反響して琴の音のように聞こえるものです。」

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涼しげな音色を楽しんだあと、振り返ると本堂があります。本堂前の狛犬が妙に迫力があり、狛犬越しに本堂を臨みます。

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そして、狛犬の横には菩提樹があり、看板には菩提樹が「煩悩を断じ不生・不滅の真如の理を悟って得る仏果」との解説があり、その横にはシューベルト作曲の「冬の旅」第五曲のリンデンバウムは同属の樹である」と妙に高らかに記されていました。

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なんとなくありがたさ炸裂な気分で菩提樹を仰ぎ見てみます。

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そしてようやく本堂に。本堂はお寺の伽藍の中心ではありますが、江戸後期の作で、投入堂の国宝、この上にある文殊堂、地蔵堂などの重要文化財などほどの希少なものではなく鳥取県の指定保護文化財とのこと。

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本堂の内部には出雲で聴いた雅楽の太鼓。なんとなく旅で韻を踏んでいるよう。はたまた旅はロンド形式(笑)

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そして本堂内に阿形像、反対側に吽形像があったのでしょうか。

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そして本堂脇から山上の伽藍に昇る入口に立つ看板。今回も登れずということで感慨深げに眺めました。帰ってからいろいろ調べてみると、この先の道は大人でも山登りの恰好ではないと危険な道のりですね。今夏の旅のメンバーで登るのは無理とあきらめていましたが、正解でした。いつかは間近に投入堂を拝みたいという気持ちで、本堂から下りました。ここまでの道のりも足の悪い母親には厳しいもの。ゆっくり杖をつきながら石段を下り、三佛寺を後にしました。

停めてあった車に乗り込み、先程一本手前で投入堂の遠景を見逃しましたので、見える場所に行ってみます。

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陽が高くなり、ちょうど投入堂がある中央部分の窪みが影になってハッキリ見えません。投入堂は遠かったということでしょう。ということで、ネットで見つけたYouTubeを貼っておきましょう。なかなかの臨場感です。



また、いつか来れる日まで、さらば投入堂。



朝一で三佛寺に来ましたが、やはり石段をゆっくり登って、降りてくる間ですでに時刻はお昼近く。この日は神戸泊まりの予定。そして昼食は中間の岡山県津山でとる予定でした。三徳山を後にして、まずは三朝温泉まで戻り、国道179号を南下して津山方面に向かいます。津山までは典型的な田舎の一般道。途中奥津温泉など、私たち夫婦だけだったら、共同浴場を探して入りたいところですが、時間が押しているため先を急ぎます。三朝から津山までは約60kmほど。空いている田舎道なら1時間ほどと読んでいましたが、なんと、途中、またしてもカーナビに巨大な魚群が映ります。

もしかしてこれは、、、ダム!

旅はゆったりと続きます。

その11へ)

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2 Comments

There are no comments yet.

sifare

ついに!!!

こんばんは~

妖気漂うダムが再度出現!ってのももちろん楽しみにしていたんですが、、、実は当初から密かに期待していたのが今回の「投入堂」!あるバラエティ番組でこの「投入堂」のことを知り、それ以来うちの夫が是非訪れたい場所の一つだったので、今回Daisyさんのご旅行日程に組み込まれていることを知りワクワク(^-^)

訪れたい場所とは言いつつもなかなか難しい、そうおいそれとは行けない場所ですよね、でも今回の旅行記を夫婦で読ませて頂き(笑)こういうお参りの仕方でも楽しめるんだぁ~と俄然気持ちも強くなりました!有難うございます~、是非一度我々も~~~

ちなみに私は高所恐怖症なので最初から辞退するつもりでしたが(・_・;)

Daisy

Re: ついに!!!

sifareさん、こんばんは〜

まだ、旅日記にかまけてます。ハイドンのレビューの仕方忘れそうです(笑)
投入堂は次回、ぜひ登りたいですね。早く行かないとこちらも知らぬ間に高齢者になってしまいます!
関西からだと、もちろん関東からより行きやすい場所だと思いますので、是非勇気を出して行ってみてください。

  • 2014/06/13 (Fri) 00:40
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