作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

レイモン・レッパード/イギリス室内管の交響曲39番(ハイドン)

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このところ間が空きがちになってましてスミマセン。あっという間に3月も終盤。湖国JHさんに貸していただいた3月の課題曲があと1枚のこってますので、それを取りあげましょう。

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レイモン・レッパード(Raimond Leppard)指揮のイギリス室内管弦楽団(English Chamber Orchestra)の演奏で、交響曲39番、ハリー・ニューストン(Harry Newstone)指揮のハイドン管弦楽団(Haydn Orchestra)の演奏で交響曲46番、52番の3曲を収めたアルバム。米Haydn HouseのCD-Rなんですが、収録情報は記載されておりません。ネットでレイモン・レッパードの方を調べたところ、この39番とおそらく同時期の録音だと想像される交響曲22番と47番を一緒に収めたLPの収録がPマークが1969年、47番はPHILIPSのマリナーの名前付き交響曲集に、マリナーの録音がなかったので、穴埋めでレッパードの録音が収められており、こちらは1968年12月の録音との記載があることから、おそらく同じ1968年12月の録音であろうと想像されます。またハリー・ニューストンの録音はおそらく1950年代から60年代と想像されますが、詳細はわかりません。

レイモン・レッパードのハイドンはこれまで知らず知らずのうちに、結構な数取りあげています。

2013/06/01 : ハイドン–協奏曲 : モーリス・ジャンドロンのチェロ協奏曲1番、2番
2012/08/27 : ハイドン–交響曲 : レイモン・レッパード/イギリス室内管のラメンタチオーネ
2011/02/20 : ハイドン–協奏曲 : アルテュール・グリュミオーのヴァイオリン協奏曲
2010/11/03 : ハイドン–オペラ : ベルガンサのオペラアリア集
2010/06/05 : ハイドン–交響曲 : レイモン・レッパードのハイドン

レッパードの略歴はイギリス室内管とのラメンタチオーネの記事をご参照ください。このアルバムのオケでもあるイギリス室内管には1960年代、70年代に頻繁に客演していたそうですので、親密な関係にあったのでしょう。今一地味な存在ですが、職人気質の指揮者として、いろいろなアルバムで堅実な演奏をきかせている人ですね。

Hob.I:39 / Symphony No.39 [g] (before 1770)
そのレッパードの名曲39番。短調の疾走する曲調から入りますが、この演奏は、これまで聴いたレッパードの交響曲ではハイドンの良さを上手く表現しています。速めのテンポで畳み掛けるように入りますが、いい意味で落ち着き、バランス感覚があり余裕を感じます。リズムのキレもあり、余裕もあるという理想的な演奏。タイトながら入り込みすぎず、落ち着いたキビキビ感。曲を読みこなして、さらりと仕上げる、まさに職人の技。
つづくアンダンテに入ると、さっとテンポを切り替えて、こんどは淡々とハイドンの諧謔的なメロディーラインを奏でて行きます。淡々とはしているものの適度な彫りの深さもあり、独特の時の流れを感じさせます。この時期のハイドンの哀愁を帯びた独特の響きと間。
そして、絶妙なつなぎを経てメヌエット。メロディーが象徴的に浮かびあがり、そのメロディーの起伏だけで聴かせる圧巻のコントロール。やはり淡々としながら、音楽から立ちのぼる詩情。私の好きな素朴な演奏。ハイドンの交響曲の最も本質的な魅力が迫ってきます。主旋律の起伏だけでこれだけの聴き応えとは素晴しい。
フィナーレは予想通りバランスの良いもの。ジェントルに畳み掛けます。適度な起伏と古典の均衡の範疇での盛り上がり。迫力と均整のとれたフォルムのバランスが絶妙。これは快心の演奏!

つづくハリー・ニューストンの演奏は簡単に。ネットで調べたところ2006年の訃報の記事が見つかりました。1916年にロシア移民としてカナダのウィニペグに生まれ、建築の仕事から音楽に転身、1950年頃このアルバムのオケであるハイドン管弦楽団を設立したとの事。はじめて聴く人家と思いきや、手元には伝ハイドンのオーボエ協奏曲のアルバムがありました。

Hob.I:46 / Symphony No.46 [B] (1772)
レッパードの演奏は録音は非常にバランスの良いものでしたが、こちらはそれより若干の古さを感じさせ、直接音重視で少しデッド気味。ただし音の厚みと迫力はなかなかのもの。オケはざっくりとした風合いの音色。原盤はL'Oiseau LyreのLP。オケの精度は今ひとつなところもありますが、クナの指揮のように、時にザクザクと、時にゆったりと妙に味わいを感じさせる演奏です。これは好きな人がいそうな演奏ですね。

Hob.I:52 / Symphony No.52 [c] (before 1774)
前曲と同様のサウンド。前曲よりも躍動感があり、悪くありません。推進力の1楽章に続いて印象的な静寂からはじまるアンダンテ、後半2楽章は独特の陰影の深さがある味わい深い演奏でした。

メインに聴いたレイモン・レッパードの39番は名演奏ですね。レッパードの面目躍如ですね。やはり相当ハイドンを演奏している人らしく、ハイドンの本質をよく理解して、手堅く仕上げてくるあたり、流石の手腕でしょう。評価は[+++++]とします。また、ハリー・ニューストンの2曲も悪くありません。独特のざっくりとした表情は個性的であり、味わいもある佳演。こちらは2曲とも[++++]としておきましょう。

これで湖国JHさんの3月の課題曲、終了です(笑) いつものように次の指令をお待ちしています!

さてさて、手元の未聴盤の山が、高くなったままですので、少々片付けることにしましょう。

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