作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

クリュイタンスの告別、奇跡

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今日は何をとりあげようか、CDラックの前でしばしうろうろ。

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HMV ONLINEicon

室内楽を紹介と思っていたんですが、ふと取り上げた1枚は、クリュイタンスの交響曲集。
最近手に入れたものですが、これがまったく予期せぬ名演だったので、やはり紹介しないわけにはいかないでしょう。

パリ音楽院管弦楽団との45番告別と96番奇跡。
先に種を明かしちゃいますと、両曲とも最高評価の[+++++]としています。
録音は両曲とも1955年とだけ表記されています。告別は所有盤のうち録音年が明らかなもののうち、最も古い演奏年代の曲になります。

クリュイタンスといえば、日本ではフランスものの名手として知られていますが、ベルギー生まれなんですね。
はっきり言って、フランス風のハイドンなんだろうなとの軽いノリで手に入れましたが、あっぱれそんなレベルではありません。

告別は切れのいい弦のフレージングと、若干腰高な高音重視の録音もあって、キリッとしまった第1楽章で始まります。もともと55年の録音のLP起こしということで録音はあまり期待してませんでしたが、かなりの鮮明さ。スクラッチノイズもほとんど気になりません。ぐいぐい推進力を感じるクリュイタンスのドライブにオケが見事に応えています。
2楽章は中庸なテンポと深いフレージングが印象的。もしかしたら古い録音の雰囲気が一番のスパイスなのかもしれませんが、非常に叙情的な魅力に溢れた演奏です。3楽章も力の抜けた表現がすばらしく、途中のホルンがとろけそうです。そして有名な終楽章。プレストの部分は力まずメリハリをきっちり描いて極めてバランスのよい入り。そして楽員が一人ずつ去るアダージョ。ふっとテンポを落として、曲調がゆっくりとフィナーレに向かっておおらかさを増していき、静かな最後。静かな感動が心の中にひろがるような滋味に溢れた名演というべきでしょう。

そして奇跡。一転厳しい和音から始まりますが、意外とおおらかな序奏。そして軽さとスピードを狙ったような感じで主題にはいり、1楽章を一気に進めます。2楽章のアンダンテ、3楽章とも基本的に軽さを巧く表現したもの、そしてハイドンの才能の限りをつくした終楽章の盛り上がり。

クリュイタンスの良さは、気品溢れるフレージングの美しさと、曲への明確な視野の存在。この2曲の特質を見事にとらえて、それぞれの曲にすばらしい表情を与えています。

このアルバムは日本製でEINSÄTZ RECORDSというレーベルのもので、リリースは2008年。
これはいい仕事ですね。

最後にレーベルのウェブサイトを紹介しておきましょう!

EINSATZ RECORDS

こうゆうレーベルは応援しなくてはね。
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