イタリア四重奏団の鳥(ハイドン)
先日久しぶりに手に入れたケンペのTESTAMENTの新譜を片付けながら、TESTAMENTのアルバムを何枚か取り出して確認していたところ、久しぶりに聴きたくなったのがこれ。

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イタリア四重奏団(The Quartetto Italiano)の演奏で、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.33のNo.3「鳥」、モーツァルトの弦楽四重奏曲17番K.458「狩」、K.156、シューベルトの弦楽四重奏曲D.32の4曲を収めたアルバム。ハイドンの収録は1956年、ミラノにてとしか記載されていません。レーベルは英TESTAMENT。
イタリア四重奏団のハイドンは以前一度だけ取りあげたことがあります。言わずと知れた名クァルテット。奏者の情報は前記事をご覧ください。
2011/03/17 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : イタリア四重奏団の「皇帝」、Op.33 No.2
前記事の演奏は1965年のもの。今回の演奏はその9年前の演奏ということになります。メンバーは変わっていません。
第1ヴァイオリン:パオロ・ボルチャーニ(Paolo Borciani)
第2ヴァイオリン:エリサ・ペグレッフィ(Elisa Pegreffi)
ヴィオラ:ピエロ・ファルッリ(Piero Farulli)
チェロ:ランコ・ロッシ(Franco Rossi)
TESTAMENTのアルバムは、ジャケットから良い音楽が流れ出してきそうな良い写真が使われていて、なんとなく好きなアルバムが多いですね。このアルバムも、このアルバムからしか聴けない音楽が流れてきます。
Hob.III:39 / String Quartet Op.33 No.3 "Vogelquartett" 「鳥」 [C] (1781)
このアルバムの曲はモーツァルトのK.156以外はモノラル。出だしのハイドンは直接音重視のかなりオンマイクのきりりと引き締まった鋭い響き。音の鮮明さは以前取りあげたアルバムよりこちらの方が上かもしれません。Op.33はハイドンの弦楽四重奏曲の中でも明るい曲想のものですが、このタイトな響きによって禁欲的ですらある印象も垣間見せます。バオロ・ボルチャーニのヴァイオリンはちょっとグリュミオーを思わせる張りのある美音。基本的にイタリア風ののびのびとした明るい音色を感じさせるクァルテットという理解でしたが、この演奏はかなり求心的な響きを聴かせます。
2楽章はスケルツァンド。弓のテンションを自在にコントロールして、この楽章の不思議な気配を感じさせる入りをつくっていきます。この辺は独特の味わい深さ。鳥のさえずりのようなヴァイオリンの掛け合いはさっぱりと媚びない表情。ふたたび不思議なフレーズですが、この雰囲気はなかなか。
そして、この曲の聴き所のアダージョ。演奏は粗い感じはありますが、骨格がきっちりしているので、音楽が揺るぎない説得力を持っています。ゆったりと進む音楽、味わい深いアンサンブルに引き込まれます。各パートとも自信に溢れた演奏。まわりからとやかく言う余地なし。終盤にかけての盛り上げ方も絶品。この楽章は独立した曲のような孤高の表現に打たれます。
フィナーレはテープの問題なのか、音程が上がりきらないところがあります。キレはそこそこありますが、ダイナミックレンジは時代なり。現代の録音で聴いたらさぞかし素晴しい迫力だろうと想像してしまいます。アンサンブルの精度は一貫して悪くありません。各奏者の弓さばきも軽々としてキレも十分。この時代の空気をつたえるような、生きな演奏でした。
久しぶりに聴いたイタリア四重奏団の演奏。録音は鮮明さはそこそこありますので聴きにくくはありませんが、もう少し迫力がつたわったらと思ってしまいます。演奏自体はイタリア四重奏団らしい、伸びやかさ、タイトさ、アーティスティックさがあるもので、ヒストリカルな演奏を好む方には評価されるものでしょう。私の評価はちょっと迷いました。アダージョの素晴しさと終楽章の音程の不安定な部分をどうとるかで割れると思いますが、私は[++++]をつけました。手元にイタリア四重奏団のハイドンはもう3組ありますので、またの機会にいろいろ聴いてみたいと思います。

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イタリア四重奏団(The Quartetto Italiano)の演奏で、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.33のNo.3「鳥」、モーツァルトの弦楽四重奏曲17番K.458「狩」、K.156、シューベルトの弦楽四重奏曲D.32の4曲を収めたアルバム。ハイドンの収録は1956年、ミラノにてとしか記載されていません。レーベルは英TESTAMENT。
イタリア四重奏団のハイドンは以前一度だけ取りあげたことがあります。言わずと知れた名クァルテット。奏者の情報は前記事をご覧ください。
2011/03/17 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : イタリア四重奏団の「皇帝」、Op.33 No.2
前記事の演奏は1965年のもの。今回の演奏はその9年前の演奏ということになります。メンバーは変わっていません。
第1ヴァイオリン:パオロ・ボルチャーニ(Paolo Borciani)
第2ヴァイオリン:エリサ・ペグレッフィ(Elisa Pegreffi)
ヴィオラ:ピエロ・ファルッリ(Piero Farulli)
チェロ:ランコ・ロッシ(Franco Rossi)
TESTAMENTのアルバムは、ジャケットから良い音楽が流れ出してきそうな良い写真が使われていて、なんとなく好きなアルバムが多いですね。このアルバムも、このアルバムからしか聴けない音楽が流れてきます。
Hob.III:39 / String Quartet Op.33 No.3 "Vogelquartett" 「鳥」 [C] (1781)
このアルバムの曲はモーツァルトのK.156以外はモノラル。出だしのハイドンは直接音重視のかなりオンマイクのきりりと引き締まった鋭い響き。音の鮮明さは以前取りあげたアルバムよりこちらの方が上かもしれません。Op.33はハイドンの弦楽四重奏曲の中でも明るい曲想のものですが、このタイトな響きによって禁欲的ですらある印象も垣間見せます。バオロ・ボルチャーニのヴァイオリンはちょっとグリュミオーを思わせる張りのある美音。基本的にイタリア風ののびのびとした明るい音色を感じさせるクァルテットという理解でしたが、この演奏はかなり求心的な響きを聴かせます。
2楽章はスケルツァンド。弓のテンションを自在にコントロールして、この楽章の不思議な気配を感じさせる入りをつくっていきます。この辺は独特の味わい深さ。鳥のさえずりのようなヴァイオリンの掛け合いはさっぱりと媚びない表情。ふたたび不思議なフレーズですが、この雰囲気はなかなか。
そして、この曲の聴き所のアダージョ。演奏は粗い感じはありますが、骨格がきっちりしているので、音楽が揺るぎない説得力を持っています。ゆったりと進む音楽、味わい深いアンサンブルに引き込まれます。各パートとも自信に溢れた演奏。まわりからとやかく言う余地なし。終盤にかけての盛り上げ方も絶品。この楽章は独立した曲のような孤高の表現に打たれます。
フィナーレはテープの問題なのか、音程が上がりきらないところがあります。キレはそこそこありますが、ダイナミックレンジは時代なり。現代の録音で聴いたらさぞかし素晴しい迫力だろうと想像してしまいます。アンサンブルの精度は一貫して悪くありません。各奏者の弓さばきも軽々としてキレも十分。この時代の空気をつたえるような、生きな演奏でした。
久しぶりに聴いたイタリア四重奏団の演奏。録音は鮮明さはそこそこありますので聴きにくくはありませんが、もう少し迫力がつたわったらと思ってしまいます。演奏自体はイタリア四重奏団らしい、伸びやかさ、タイトさ、アーティスティックさがあるもので、ヒストリカルな演奏を好む方には評価されるものでしょう。私の評価はちょっと迷いました。アダージョの素晴しさと終楽章の音程の不安定な部分をどうとるかで割れると思いますが、私は[++++]をつけました。手元にイタリア四重奏団のハイドンはもう3組ありますので、またの機会にいろいろ聴いてみたいと思います。
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