作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

カラヤン/ベルリンフィルの「ジュピター」1956年ライヴ

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今日12月5日はモーツァルトの命日。モーツァルトは1791年12月5日に亡くなりました。ハイドンとモーツァルトが互いに尊敬しあっていたのは有名なのでご存知のことでしょう。折角の記念日なので、久しぶりにモーツァルトのお気に入り盤を取りあげます。

KarajanMozart41.jpg
HMV ONLINEicon / amazon(何れもaudite盤)

ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan)指揮のベルリンフィルの演奏で、モーツァルトの交響曲41番「ジュピター」K.551、35番「ハフナー」K.385、ピアノ協奏曲20番K.466の3曲を収めたアルバム。収録はジュピターとピアノ協奏曲が1956年1月21日、ベルリンのツェーレンドルフ、パウロ派教区信徒会館でのライヴ、ハフナーは1955年2月27日、アメリカ、ワシントンでのライヴ。レーベルは伊JOKER。

このアルバム、手に入れたのはずいぶん前。たしか今は亡き六本木WAVEで入手したものです。それもモーツァルト没後200年の1991年頃だったと記憶しています。手に入れた当初は、カラヤンのモーツァルトということで、さして期待していませんでしたが、冒頭に置かれたジュピターを聴き始めたところ、もの凄いエネルギーに満ちた演奏でビックリ。しかも、そのエネルギーが徐々に高まり、終楽章は圧倒的な迫力。後年はスタイリッシュかつスタティックな演奏が多かったカラヤンですが、50年代は違いました。

1956年と言えばモーツァルト生誕200年の年。モーツァルトの誕生日は1月27日ですから、まさに誕生日の少し前、生誕200周年のアニヴァーサリーに沸いていた頃でしょう。まさにモーツァルトの生誕を祝うコンサートということで、カラヤン自身も尋常なテンションではなかったことと想像しています。

以来、このアルバムは愛聴盤として、ラックの取り出しやすいところに置いてたまに楽しんでいましたが、流石にハイドンのブログをはじめてからは手にとっていませんでしたので、久しぶりに聴く事になります。今日はこのジュピターです。

モーツァルト 交響曲41番「ジュピター」
音質はモノラル、時代なりですが、そこそこ聴きやすいもの。入りはカラヤンらしく整ったフォルムで整然とした印象。徐々にベルリンフィル弦楽器が力を帯びてきます。カラヤンらしい迫力を帯びても余裕がある表情。曲全体を見渡した造形。きりりと引き締まったリズムにのって、オケが輝きます。音量を上げて聴くと陽光に輝く大理石の神殿のごとき威容。どこをとっても完璧なプロポーション。このころのカラヤンはレガートを多用せず、むしろフレージングはさっぱりして、音楽の骨格をクッキリ表現しているよう。1楽章は実に気高い演奏。
2楽章に入ると、きっちり流麗なテンポに乗って、ダイナミックレンジを大きく取って弦楽器陣がフレーズではなく音楽の振幅を聴かせるような迫力ある演奏。カラヤン時代のベルリンフィルの特徴である分厚い弦楽器の響き。唸るように歌いますが、気高さを保って情に流されないところは流石。ライヴのためかオケは適度に荒れていますが、それが妙に迫力につながっています。後年は室内楽的な透明感を帯びるような演奏も多かったですが、この覇気は貴重。
メヌエットに入ると、さらに迫力が増しますが、オケにはまだ余裕があるのが流石。カラヤンの曲全体を見渡した骨格設計は完璧。カラヤンの覇気が吹き出してきそう。大迫力なのに優雅。
フィナーレに入ると、明らかにオケにスイッチが入ります。ここでようやく本気モード。録音に少々混濁感がともないますが、それも迫力のうち。フーガのフレーズが次々と唸るように襲ってきて、素晴しい推進力。適度に荒れた表情のベルリンフィルが髪を振り乱してカラヤンのコントロールにあわせて爆音を轟かせます。最後はホール中に轟く音塊に圧倒されます。このときカラヤン48歳。最も覇気が溢れていたときのカラヤンとベルリンフィルの底力を思い知らされます。最後は拍手入り。

モーツァルトの生誕200年を祝うコンサートに登場したカラヤンとベルリンフィル。この前年の1955年にベルリンフィルの終身首席指揮者兼芸術総監督に就任し、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった頃でしょう。古い録音を通してさえ、その時の空気のようなものが伝わってくる演奏でした。このアルバム、紹介したJOKER盤はおそらく海賊盤で入手は難しいでしょうが、同じソースだと思われるaudite盤は流通しています。こちらは未聴なので録音の程度がどうかはわかりませんが、そこそこ楽しめる物だと想像しています。

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