ペーター・ダムのホルン協奏曲(ハイドン)
先日奥多摩から甲斐路にかけて出かけたことを番外として書いた記事で、小河内ダムなどに立ち寄ったことは書きましたが、意外にもダムへの反応がいろいろありました。なんと、いつもメールをいただく湖国JHさんから、ダムマニアであるカミングアウトとともに、ダムはダムでもペーター・ダムのホルン協奏曲が所有盤にないことまで、グサッと刺さる指摘をいただきました。
ハイドンのホルン協奏曲は愛聴曲ながら、ペーター・ダム盤がコレクションにないとは、当ブログ痛恨の極み。ネットを探してamazonで海外から中古盤を即発注し、本日それが無事到着した次第。これで我が国におけるハイドン啓蒙の先陣を走るべき当ブログの矜持が保たれました(笑)

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ペーター・ダム(Peter Damm)のホルン、ハルトムート・ヘンヒェン(Hartmut Haenchen)指揮のC.P.E.バッハ室内管弦楽団(Kammerorchester »Carl Philipp Emanuel Bach« der Deutschen Staatsoper Berlin)の演奏で、ハイドンのホルン協奏曲(Hob.VIId:3)の他テレマンなど4人の作曲家のホルン協奏曲を収めたアルバム。収録はPマークが1984年とだけ記載されています。レーベルは旧東独BERLIN Classics。
ペーター・ダムは1937年、ドイツのテューリンゲン州マイニンゲン(Meiningen)生まれのホルン奏者。11歳からヴァイオリンのレッスンを受け、14歳ではじめてホルンを吹き始め、ワイマール音楽院に進みました。1955年にはモーツァルトのホルン協奏曲3番のソリストとしてデビュー、1959年にはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のホルン奏者となり、フランツ・コンヴィチュニー、ヴァーツラフ・ノイマンらの指揮者とともに1969年まで務めました。1969年からはシュターツカペレ・ドレスデンの首席ホルン奏者となり、引退する2002年までその重責を担いました。引退後は名誉団員となっています。教育者としてはドレスデンのカール・マリア・フォン・ウェーバー音楽大学で教職をつづけ、また、ヨーロッパや北米、日本でも指導やセミナーを担当。長年にわたりホルンの教育にも従事した人です。オフィシャルサイトがありますので、紹介しておきましょう。
Peter Damm - Overture
指揮者のヘンヒェンについては過去に2度ほど記事にしています。
2012/08/05 : ハイドン–交響曲 : ハルトムート・ヘンヒェン/C.P.E.バッハ室内管のラメンタチオーネ、受難、悲しみ
2011/01/26 : ハイドン–交響曲 : ハルトムート・ヘンヒェンの哲学者
何気に素晴しいハイドンの演奏をする人。西側のスター指揮者たちとは異なり、地味ながら実力派というところでしょう。
Hob.VIId:3 / Concerto per il corno [D] (1762)
ヘンヒェンの演奏が素晴しいのは知っていますが、この伴奏は絶品。瑞々しいオーケストラがテンポ良く晴朗な序奏を奏でます。録音はとろけるような見事な響きをとらえています。ペーター・ダムのホルンは堂々としながらも、テンポもよく、まさに王道を行くような演奏。古典的なオケの響きですが、キレは十分。1楽章はホルンを圧倒するようなキレと覇気。ダムはオケのキレが当たり前とでもいいたそうに我が道を行く感じ。途中から徐々に音量を上げ、存在感を際立たせていきます。カデンツァに至って、これがホルン協奏曲だったと気づかされるよう。艶やかで豊かなホルンの響き。デリケートなタッチも聴かせながら、ホルンという楽器の美しい響きを存分に表現する見事なカデンツァ。
期待のアダージョ。序奏からとろけるようなオケの響きにこちらがとろけます。この伴奏の雄弁さはどうゆうことでしょう。大波を遠くから眺めるような優雅な気分にさせられる素晴しい演奏。大きなうねりに身を任せます。そしてなんと美しいホルンの入り。ホルンの音が下がるこの曲一番の聴かせどころも抜群の安定感。このホルンの柔らかでビロードのようなしなやかな響き。あまりに洗練されて、演奏のむずかしい管楽器であることを忘れそう。そして、なによりオケ、特に弦楽器のしなやかさもこの演奏の価値を高めています。この楽章のカデンツァも優雅の極み。実に美しい響きだけが耳に残ります。この世のものとは思えません。
フィナーレに入ってもオケの雄弁さは変わらず、ホルンは軽やか、艶やかに駆け回る感じ。これだけ自在に音階をコントロールできれば演奏も楽しいでしょう。リズムに微塵も滞りがなく、何の抵抗もなく吹き上がります。柔らかい音色と磨き抜かれたフレージングはダムの真骨頂でしょう。まさに天上の音楽。
このところ連日素晴しい演奏に、毎晩昇天。いやいや、コレクションの穴は大きかった。ペーター・ダムとハルトムート・ヘンヒェンによるハイドンのホルン協奏曲、この古典派の王道を行くような正統的演奏、ケチのつけようがありません。ダムのホルンの安定感と磨き抜かれた美音は只者ではありませんし、サポートするヘンヒェンとC.P.E.バッハ室内管は、ダムのホルンを圧倒せんばかりの豊かな音楽。協奏曲でこれだけオケが雄弁なのは、演奏によっては音楽を壊す可能性まではらむものですが、揺るぎない安定感のダム相手ではその心配もありません。この曲の決定盤といってもおかしくない素晴らしい仕上がりです。評価は[+++++]以外はつけられません。
連日ですが湖国JHさん、参りました(笑)
ハイドンのホルン協奏曲は愛聴曲ながら、ペーター・ダム盤がコレクションにないとは、当ブログ痛恨の極み。ネットを探してamazonで海外から中古盤を即発注し、本日それが無事到着した次第。これで我が国におけるハイドン啓蒙の先陣を走るべき当ブログの矜持が保たれました(笑)

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ペーター・ダム(Peter Damm)のホルン、ハルトムート・ヘンヒェン(Hartmut Haenchen)指揮のC.P.E.バッハ室内管弦楽団(Kammerorchester »Carl Philipp Emanuel Bach« der Deutschen Staatsoper Berlin)の演奏で、ハイドンのホルン協奏曲(Hob.VIId:3)の他テレマンなど4人の作曲家のホルン協奏曲を収めたアルバム。収録はPマークが1984年とだけ記載されています。レーベルは旧東独BERLIN Classics。
ペーター・ダムは1937年、ドイツのテューリンゲン州マイニンゲン(Meiningen)生まれのホルン奏者。11歳からヴァイオリンのレッスンを受け、14歳ではじめてホルンを吹き始め、ワイマール音楽院に進みました。1955年にはモーツァルトのホルン協奏曲3番のソリストとしてデビュー、1959年にはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のホルン奏者となり、フランツ・コンヴィチュニー、ヴァーツラフ・ノイマンらの指揮者とともに1969年まで務めました。1969年からはシュターツカペレ・ドレスデンの首席ホルン奏者となり、引退する2002年までその重責を担いました。引退後は名誉団員となっています。教育者としてはドレスデンのカール・マリア・フォン・ウェーバー音楽大学で教職をつづけ、また、ヨーロッパや北米、日本でも指導やセミナーを担当。長年にわたりホルンの教育にも従事した人です。オフィシャルサイトがありますので、紹介しておきましょう。
Peter Damm - Overture
指揮者のヘンヒェンについては過去に2度ほど記事にしています。
2012/08/05 : ハイドン–交響曲 : ハルトムート・ヘンヒェン/C.P.E.バッハ室内管のラメンタチオーネ、受難、悲しみ
2011/01/26 : ハイドン–交響曲 : ハルトムート・ヘンヒェンの哲学者
何気に素晴しいハイドンの演奏をする人。西側のスター指揮者たちとは異なり、地味ながら実力派というところでしょう。
Hob.VIId:3 / Concerto per il corno [D] (1762)
ヘンヒェンの演奏が素晴しいのは知っていますが、この伴奏は絶品。瑞々しいオーケストラがテンポ良く晴朗な序奏を奏でます。録音はとろけるような見事な響きをとらえています。ペーター・ダムのホルンは堂々としながらも、テンポもよく、まさに王道を行くような演奏。古典的なオケの響きですが、キレは十分。1楽章はホルンを圧倒するようなキレと覇気。ダムはオケのキレが当たり前とでもいいたそうに我が道を行く感じ。途中から徐々に音量を上げ、存在感を際立たせていきます。カデンツァに至って、これがホルン協奏曲だったと気づかされるよう。艶やかで豊かなホルンの響き。デリケートなタッチも聴かせながら、ホルンという楽器の美しい響きを存分に表現する見事なカデンツァ。
期待のアダージョ。序奏からとろけるようなオケの響きにこちらがとろけます。この伴奏の雄弁さはどうゆうことでしょう。大波を遠くから眺めるような優雅な気分にさせられる素晴しい演奏。大きなうねりに身を任せます。そしてなんと美しいホルンの入り。ホルンの音が下がるこの曲一番の聴かせどころも抜群の安定感。このホルンの柔らかでビロードのようなしなやかな響き。あまりに洗練されて、演奏のむずかしい管楽器であることを忘れそう。そして、なによりオケ、特に弦楽器のしなやかさもこの演奏の価値を高めています。この楽章のカデンツァも優雅の極み。実に美しい響きだけが耳に残ります。この世のものとは思えません。
フィナーレに入ってもオケの雄弁さは変わらず、ホルンは軽やか、艶やかに駆け回る感じ。これだけ自在に音階をコントロールできれば演奏も楽しいでしょう。リズムに微塵も滞りがなく、何の抵抗もなく吹き上がります。柔らかい音色と磨き抜かれたフレージングはダムの真骨頂でしょう。まさに天上の音楽。
このところ連日素晴しい演奏に、毎晩昇天。いやいや、コレクションの穴は大きかった。ペーター・ダムとハルトムート・ヘンヒェンによるハイドンのホルン協奏曲、この古典派の王道を行くような正統的演奏、ケチのつけようがありません。ダムのホルンの安定感と磨き抜かれた美音は只者ではありませんし、サポートするヘンヒェンとC.P.E.バッハ室内管は、ダムのホルンを圧倒せんばかりの豊かな音楽。協奏曲でこれだけオケが雄弁なのは、演奏によっては音楽を壊す可能性まではらむものですが、揺るぎない安定感のダム相手ではその心配もありません。この曲の決定盤といってもおかしくない素晴らしい仕上がりです。評価は[+++++]以外はつけられません。
連日ですが湖国JHさん、参りました(笑)
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