ジラール四重奏団のOp.76のNo.5(ハイドン)
湖国JHさんから新たなアルバムを借りております。

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ジラール四重奏団(Quatuor Girard)の演奏で、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.5、シューベルトの弦楽四重奏曲12番「四重奏断章」、シューマンの弦楽四重奏曲Op.41-1の3曲を収めたアルバム。収録は2012年7月、パリのテアトル・ADYAR(読めません!)でのセッション録音。レーベルは仏df(DISCOPHILES FRANÇAIS)。
ジラール四重奏団はもちろん、はじめて聴くクァルテット。下記のメンバー表のとおり、ジラール4兄弟という珍しい構成。南仏アヴィニョンに生まれ、パリおよびリヨンの国立高等音楽院の出身。ヨーロッパ室内楽アカデミーのハット・バイエルレ(アルバン・ベルク四重奏団の創設メンバー)のサポートにより、アルティス四重奏団、アルバン・ベルク四重奏団、リンゼイ四重奏団、ターリッヒ四重奏団、アルフレート・ブレンデルなど錚々たる音楽家から学ぶ機会を与えられ、各地のフォーラム等に参加しました。デビューは2012年1月、ロンドンのウィグモア・ホールということで、この録音はデビュー直後の録音ということになります。
第1ヴァイオリン:ユーグ・ジラール(Hugues Girard)
第2ヴァイオリン:アガサ・ジラール(Agathe Girard)
ヴィオラ:メユール・ジラール(Mayeul Girard)
チェロ:ルーシー・ジラール(Lucie Girard)
4人兄弟による、できたてのホヤホヤの若手クァルテットのハイドンは如何なる演奏でしょうか。
Hob.III:79 / String Quartet Op.76 No.5 [D] (1797)
瑞々しくフレッシュな音色の入り。録音は生々しいほどに鮮明でオンマイク気味。前記事で聴いたエルメス四重奏団がかなり抑え気味な表情だったのに対し、ジラールの方は若々しく溌剌とした表情。曲を考えると、こちらの方が抑えた演奏でもよかったかもしれませんが、これはクァルテットのキャラクターということでしょう。若い奏者らしく活き活きとした表情で、アンサンブルはそろっているものの、それぞれのパートの音色がかなり異なります。楽器の違いでしょうか。
聴き所の2楽章のラルゴは、かなりしっかり、くどくなる寸前までメリハリをつけた演奏。程よく精妙な響きも聴かせるため、すっきりした表情も見せます。良い意味で若さが出た演奏であり、素直な音楽を楽しめます。伸び伸びとはしているのですが、もう一歩リラックス感が表現できるとさらに表現の幅が広がると思います。
メヌエットに入ると、チェロの存在感がかなりのもの。低音の音階のハードな響きが心地良いほど。かわらずクッキリした表情ですが、欲を言えばもう少し潤いと深みが欲しい所。
フィナーレは速めのテンポで、彼らの持つテクニックを存分に披露した内容。速いパッセージのキレは十分ですが、ちょっと力技的に聴こえなくもありません。スタリッシュに弾こうと言うより、ガチでキレを追求するようで、もうすこし余裕が合った方が良いかもしれませんね。
アヴィニョンの4人兄弟、ジラール四重奏団によるハイドン晩年の傑作の演奏でしたが、若手らしい溌剌とした演奏であり、その心意気ななかなかのものと評価できます。眼前にリアルに定位するクァルテットが迫真の演奏をしているようすが鮮明に録られたアルバム。若手の演奏をおおらかに見守る視点でいえば、なかなか面白い演奏です。ただし、ハイドンの名曲たるこの曲の演奏としてどう評価するかと問われると、ちょっと厳しくせざるを得ない所もあります。私の評価は[+++]とします。
このクァルテットが齢を重ね、燻し銀の表情が感じられるようになると化けるかもしれませんね。おそらくデビュー盤だろうと思いますが、その冒頭にハイドンのラルゴを持っきた心意気は買わねばなりませんね。弦楽四重奏マニアの方はちょっと聴いてみる価値はありだと思います。

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ジラール四重奏団(Quatuor Girard)の演奏で、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.5、シューベルトの弦楽四重奏曲12番「四重奏断章」、シューマンの弦楽四重奏曲Op.41-1の3曲を収めたアルバム。収録は2012年7月、パリのテアトル・ADYAR(読めません!)でのセッション録音。レーベルは仏df(DISCOPHILES FRANÇAIS)。
ジラール四重奏団はもちろん、はじめて聴くクァルテット。下記のメンバー表のとおり、ジラール4兄弟という珍しい構成。南仏アヴィニョンに生まれ、パリおよびリヨンの国立高等音楽院の出身。ヨーロッパ室内楽アカデミーのハット・バイエルレ(アルバン・ベルク四重奏団の創設メンバー)のサポートにより、アルティス四重奏団、アルバン・ベルク四重奏団、リンゼイ四重奏団、ターリッヒ四重奏団、アルフレート・ブレンデルなど錚々たる音楽家から学ぶ機会を与えられ、各地のフォーラム等に参加しました。デビューは2012年1月、ロンドンのウィグモア・ホールということで、この録音はデビュー直後の録音ということになります。
第1ヴァイオリン:ユーグ・ジラール(Hugues Girard)
第2ヴァイオリン:アガサ・ジラール(Agathe Girard)
ヴィオラ:メユール・ジラール(Mayeul Girard)
チェロ:ルーシー・ジラール(Lucie Girard)
4人兄弟による、できたてのホヤホヤの若手クァルテットのハイドンは如何なる演奏でしょうか。
Hob.III:79 / String Quartet Op.76 No.5 [D] (1797)
瑞々しくフレッシュな音色の入り。録音は生々しいほどに鮮明でオンマイク気味。前記事で聴いたエルメス四重奏団がかなり抑え気味な表情だったのに対し、ジラールの方は若々しく溌剌とした表情。曲を考えると、こちらの方が抑えた演奏でもよかったかもしれませんが、これはクァルテットのキャラクターということでしょう。若い奏者らしく活き活きとした表情で、アンサンブルはそろっているものの、それぞれのパートの音色がかなり異なります。楽器の違いでしょうか。
聴き所の2楽章のラルゴは、かなりしっかり、くどくなる寸前までメリハリをつけた演奏。程よく精妙な響きも聴かせるため、すっきりした表情も見せます。良い意味で若さが出た演奏であり、素直な音楽を楽しめます。伸び伸びとはしているのですが、もう一歩リラックス感が表現できるとさらに表現の幅が広がると思います。
メヌエットに入ると、チェロの存在感がかなりのもの。低音の音階のハードな響きが心地良いほど。かわらずクッキリした表情ですが、欲を言えばもう少し潤いと深みが欲しい所。
フィナーレは速めのテンポで、彼らの持つテクニックを存分に披露した内容。速いパッセージのキレは十分ですが、ちょっと力技的に聴こえなくもありません。スタリッシュに弾こうと言うより、ガチでキレを追求するようで、もうすこし余裕が合った方が良いかもしれませんね。
アヴィニョンの4人兄弟、ジラール四重奏団によるハイドン晩年の傑作の演奏でしたが、若手らしい溌剌とした演奏であり、その心意気ななかなかのものと評価できます。眼前にリアルに定位するクァルテットが迫真の演奏をしているようすが鮮明に録られたアルバム。若手の演奏をおおらかに見守る視点でいえば、なかなか面白い演奏です。ただし、ハイドンの名曲たるこの曲の演奏としてどう評価するかと問われると、ちょっと厳しくせざるを得ない所もあります。私の評価は[+++]とします。
このクァルテットが齢を重ね、燻し銀の表情が感じられるようになると化けるかもしれませんね。おそらくデビュー盤だろうと思いますが、その冒頭にハイドンのラルゴを持っきた心意気は買わねばなりませんね。弦楽四重奏マニアの方はちょっと聴いてみる価値はありだと思います。
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