ミッシャ・マイスキー/N響のチェロ協奏曲1番ライヴ(ハイドン)
仕事が忙しかったり、飲みが忙しかったりでちょっとご無沙汰しておりました。今日は最近リリースされて気になっていたアルバム。

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TOWER RECORDS
ミッシャ・マイスキー(Mischa Maisky)のチェロ、NHK交響楽団の演奏で、フェルディナント・ライトナー(Ferdinand Leitner)指揮のハイドンのチェロ協奏曲1番、オトマール・スイトナー指揮のドヴォルザークのチェロ協奏曲、アンコールとしてバッハの無伴奏チェロ組曲5番からサラバンドの3曲を収めたアルバム。ハイドンの収録は1986年5月14日、東京渋谷のNHKホールでのライヴです。レーベルはキング・インターナショナルのNHK CDというシリーズ。
ミッシャ・マイスキーは1948年、バルト三国のひつラトヴィアの首都リガで生まれたチェリスト。クレーメルと同郷でクレーメルが1年先輩との事。8歳からチェロをはじめて、地元のリガ音楽院、1962年にはレニングラード音楽院付属音楽学校に入りました。1965年に全ソヴィエト連邦音楽コンクールで優勝し、その年にレニングラードフィルとの演奏会にデビュー、翌1966年にチャイコフスキー国際コンクールで6位に入賞。その時の審査員だったロストロポーヴィチに才能を認められ指導を受けるようになりました。1972年旧ソ連から出国、渡米し、1973年にイスラエルに移住。世界中に知られるようになったのは1984年から85年にかけてDGに録音されてたバッハの無伴奏チェロ組曲が発売されてから。その後は皆さんご存知の通りの活躍です。
マイスキーは今日取りあげたアルバムと同じ年の1986年にヨーロッパ室内管とハイドンのチェロ協奏曲2曲などを録音していますが、ロマンティックかつ流麗な演奏。ヨーロッパ室内管のキビキビとした魅力もあり、なかなか良い演奏なんですが、個人的にはもう一歩のツッコミを期待したいところ。その他におそらく1983年頃録音されたと思われるロンドンシンフォニエッタとのアルバムもあり、こちらの方はかなり踏み込んだ名演。ただし、激マイナー盤故入手は難しいでしょう。今日取り上げるアルバムはN響との共演の記録ということで、ライヴの少ないマイスキーの貴重な演奏の記録。この時マイスキーは初来日とと言う事だそうです。
Hob.VIIb:1 / Cello Concerto No.1 [C] (1765-7)
フェルディナント・ライトナーのコントロールするオケはゆったり優雅。キビキビした入りの多いなか、このゆったり感はユニーク。N響も最初からかなりおおらか。少し重さを感じるほどですが、これはこれで悪くありません。マイスキーはゆったりしたオケに合わせるように、力を抜いて最初から美音を轟かせます。高音域の柔らかくて伸び伸びとした美しい響きが絶品。1720年製のモンタニアーナというかなり痛んだ楽器を使っていたそうですが、この美音は素晴しい。曲本来のきびきびとした姿とは別に、この日の演奏はチェロの美しい響きを堪能すべき演奏でしょう。カデンツァは短いながらマイスキーが全身全霊で放出する響きに圧倒されるよう。これほど美しいチェロの音は滅多に聴けません。
予想通り、アダージョはこの曲の白眉。1楽章以上にゆったりと入るオケに乗って、マイスキーは美音を駆使してゆったりと自在にメロディーを置いていきます。極度に抑え気味のオケのデリカシーが最高。マイスキーはチェロの最も美しい響きを選んで、すすり泣くように歌っていきます。会場も静寂に包まれます。完全にマイスキーのチェロに呑まれているよう。
フィナーレはようやく普通のテンポにもどり、快活なこの曲本来の姿が見えてきました。オケは1楽章の重さが解釈に寄るものだったとわかるほどに快活。オケもマイスキーも非常に軽いタッチでそよか風のごとき爽やかさ。この対比は見事。速いパッセージでもマイスキーの美音は健在。一音一音響きが深くまさに神がかったような響き。推進力も素晴しくライヴらしい高揚感に満ちたフィナーレ。最後は盛大に盛り上げてフィニッシュ。NHKホールの観客から万来の拍手が降り注ぎます。この日の観客はマイスキーのチェロに圧倒されたことでしょう。
このあとのスイトナーとのドボルザークもマイスキー節炸裂。アンコールで弾かれたサラバンドは孤高の境地。マイスキーの絶頂期の素晴しいチェロの演奏の記録として、まさに素晴しいアルバムです。
マイスキーのチェロ協奏曲は、一般的にはDGのヨーロッパ室内管との演奏なんでしょうが、まとまりと完成度は高いものの、先にふれたように今ひとつ踏み込みが欲しいと思わせる演奏なので、一押しとはしておりません。今日取りあげたN響とのライヴはフェルディナント・ライトナーの穏やかなサポートとマイスキー渾身の美音の共演として、ライヴとしては協奏曲の本質的な醍醐味を味わえる素晴しいもの。ハイドンのチェロ協奏曲の演奏としてはロマンティックに極度に偏った演奏ながら、マイスキーのチェロの美音はやはり流石と思わせるものがあります。評価は踏み込んで[+++++]をつけたいと思います。入手しやすいうちにどうぞ!

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ミッシャ・マイスキー(Mischa Maisky)のチェロ、NHK交響楽団の演奏で、フェルディナント・ライトナー(Ferdinand Leitner)指揮のハイドンのチェロ協奏曲1番、オトマール・スイトナー指揮のドヴォルザークのチェロ協奏曲、アンコールとしてバッハの無伴奏チェロ組曲5番からサラバンドの3曲を収めたアルバム。ハイドンの収録は1986年5月14日、東京渋谷のNHKホールでのライヴです。レーベルはキング・インターナショナルのNHK CDというシリーズ。
ミッシャ・マイスキーは1948年、バルト三国のひつラトヴィアの首都リガで生まれたチェリスト。クレーメルと同郷でクレーメルが1年先輩との事。8歳からチェロをはじめて、地元のリガ音楽院、1962年にはレニングラード音楽院付属音楽学校に入りました。1965年に全ソヴィエト連邦音楽コンクールで優勝し、その年にレニングラードフィルとの演奏会にデビュー、翌1966年にチャイコフスキー国際コンクールで6位に入賞。その時の審査員だったロストロポーヴィチに才能を認められ指導を受けるようになりました。1972年旧ソ連から出国、渡米し、1973年にイスラエルに移住。世界中に知られるようになったのは1984年から85年にかけてDGに録音されてたバッハの無伴奏チェロ組曲が発売されてから。その後は皆さんご存知の通りの活躍です。
マイスキーは今日取りあげたアルバムと同じ年の1986年にヨーロッパ室内管とハイドンのチェロ協奏曲2曲などを録音していますが、ロマンティックかつ流麗な演奏。ヨーロッパ室内管のキビキビとした魅力もあり、なかなか良い演奏なんですが、個人的にはもう一歩のツッコミを期待したいところ。その他におそらく1983年頃録音されたと思われるロンドンシンフォニエッタとのアルバムもあり、こちらの方はかなり踏み込んだ名演。ただし、激マイナー盤故入手は難しいでしょう。今日取り上げるアルバムはN響との共演の記録ということで、ライヴの少ないマイスキーの貴重な演奏の記録。この時マイスキーは初来日とと言う事だそうです。
Hob.VIIb:1 / Cello Concerto No.1 [C] (1765-7)
フェルディナント・ライトナーのコントロールするオケはゆったり優雅。キビキビした入りの多いなか、このゆったり感はユニーク。N響も最初からかなりおおらか。少し重さを感じるほどですが、これはこれで悪くありません。マイスキーはゆったりしたオケに合わせるように、力を抜いて最初から美音を轟かせます。高音域の柔らかくて伸び伸びとした美しい響きが絶品。1720年製のモンタニアーナというかなり痛んだ楽器を使っていたそうですが、この美音は素晴しい。曲本来のきびきびとした姿とは別に、この日の演奏はチェロの美しい響きを堪能すべき演奏でしょう。カデンツァは短いながらマイスキーが全身全霊で放出する響きに圧倒されるよう。これほど美しいチェロの音は滅多に聴けません。
予想通り、アダージョはこの曲の白眉。1楽章以上にゆったりと入るオケに乗って、マイスキーは美音を駆使してゆったりと自在にメロディーを置いていきます。極度に抑え気味のオケのデリカシーが最高。マイスキーはチェロの最も美しい響きを選んで、すすり泣くように歌っていきます。会場も静寂に包まれます。完全にマイスキーのチェロに呑まれているよう。
フィナーレはようやく普通のテンポにもどり、快活なこの曲本来の姿が見えてきました。オケは1楽章の重さが解釈に寄るものだったとわかるほどに快活。オケもマイスキーも非常に軽いタッチでそよか風のごとき爽やかさ。この対比は見事。速いパッセージでもマイスキーの美音は健在。一音一音響きが深くまさに神がかったような響き。推進力も素晴しくライヴらしい高揚感に満ちたフィナーレ。最後は盛大に盛り上げてフィニッシュ。NHKホールの観客から万来の拍手が降り注ぎます。この日の観客はマイスキーのチェロに圧倒されたことでしょう。
このあとのスイトナーとのドボルザークもマイスキー節炸裂。アンコールで弾かれたサラバンドは孤高の境地。マイスキーの絶頂期の素晴しいチェロの演奏の記録として、まさに素晴しいアルバムです。
マイスキーのチェロ協奏曲は、一般的にはDGのヨーロッパ室内管との演奏なんでしょうが、まとまりと完成度は高いものの、先にふれたように今ひとつ踏み込みが欲しいと思わせる演奏なので、一押しとはしておりません。今日取りあげたN響とのライヴはフェルディナント・ライトナーの穏やかなサポートとマイスキー渾身の美音の共演として、ライヴとしては協奏曲の本質的な醍醐味を味わえる素晴しいもの。ハイドンのチェロ協奏曲の演奏としてはロマンティックに極度に偏った演奏ながら、マイスキーのチェロの美音はやはり流石と思わせるものがあります。評価は踏み込んで[+++++]をつけたいと思います。入手しやすいうちにどうぞ!
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