クァルテット・アルモニコ東京のOp.20のNo.2(ハイドン)
出会いは突然のこと。先月弦楽四重奏曲を集中的に聴きましたが、その中でもずば抜けて素晴しかった、Haydn Totalに収められたクァルテット・アルモニコの演奏。先月のHaydn Disc of The Monthに選定したのはご記憶のことでしょう。
2013/08/04 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : クァルテット・アルモニコの「冗談」(ハイドン・トータル)
そのクァルテット・アルモニコのHaydn Totalのよりも前に録音されたアルバムをみつけました。ディスクユニオンの店頭で見つけたときは、ちょっと過呼吸になりました(笑)

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TOWER RECORDS
クァルテット・アルモニコ東京(Quartetto Armonico Tokyo)の演奏で、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.20のNo.2、アルバン・ベルクの叙情組曲、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲Op.105の3曲を収めたアルバム。収録は2001年4月26日、ウィーンの演劇博物館のロプコヴィッツ宮殿、エロイカザールでのライヴ。エロイカザールはハイドンのパトロンとしても知られるフランツ・ヨーゼフ・マクシミリアン・フォン・ロプコヴィッツ侯爵の邸宅で、ベートーヴェンのエロイカを初演した場所との事。レーベルはウィーンのEXTRAPLATTE。
Haydn Totalの演奏は2009年のものですが、その8年前の演奏で、クァルテットの名前もこのアルバムでは末尾にTokyoとついています。メンバーは3人が同じですが、チェロはHaydn Totalの頃とは異なります。
第1ヴァイオリン:菅谷 早葉(Sayo Sugaya)
第2ヴァイオリン:生田 絵美(Emi Ikuta)
ヴィオラ:坂本 奈津子(Natsuko Sakamoto)
チェロ:窪田 亮(Ryo Kubota)
クァルテット・アルモニコは2000年から2004年にかけてウィーンに留学したということで、この録音はまさに留学中の録音。ウィーンの伝統あるホールでコンサートを開くことができるということで、当時からかなりの実力派だったということですね。
演奏はやはり素晴しいものでした。
Hob.III:32 / String Quartet Op.20 No.2 [C] (1772)
Haydn Totalの冗談の演奏が第1ヴァイオリンの菅谷さんの伸び伸びした音色が際立って目立っていたのに対し、こちらは4人のバランスが拮抗したもの。チェロの深みのある柔らかい音とヴァイオリンの線のピンと張った緊張感のある音色の対比が鮮明でいいですね。ライヴらしい流れのいい演奏。太陽四重奏曲のなかでも晴朗さの際立つこの曲の魅力をクッキリ描いていきます。
短調のアダージョに入ると名ホールの響きを楽しむように、一体となったアンサンブルの響きがホール内に漂います。やはりチェロの柔らかい音色と優しいフレージングが癒しのよう。音楽の土台がしっかりしている感じ。後半のゆったりとしたヴァイオリンによるメロディーは後の素晴しい伸びのあるヴァイオリンの片鱗が感じられます。なぜか4人それぞれの演奏に耳が集中し、それぞれのフレージングの面白さが際立ちます。メロディーと伴奏にかなりの音量差をつけてクッキリした表情を作っていることがわかります。
続いて実に自然なメヌエットへの入り。心に染み込むような清透さ。ゆったりとおだやかな心境だからこそ、染み込むような表情が作れるのでしょう。やはり音楽の真髄に触れるような瞬間がありました。メヌエットでこれだけの深みを感じられるとは思いませんでした。
抑えたままフィナーレに入ります。繊細なタッチが印象的な弱音部が続き、最後に音量をぐっと上げますが、その演出が実に上手く、最後に漲る覇気は素晴しいものがあります。会場からは暖かい拍手が降り注ぎ、会場の期待に応えたことがわかります。
クァルテット・アルモニコの2001年、ウィーンでの演奏は、すでにこのクァルテットが音楽的に成熟していることを伝えています。テクニックとはまったく次元の異なる音楽性が脈々と息づいており、しっかりとした音楽が流れています。特に秀逸なのが自然な表情の中に非常に穏やかな心情が浮かび上がるところ。メヌエットがこれほど沁みるとは思いませんでした。評価は[+++++]とします。
このあとのベルクの叙情組曲もライヴならではの素晴しい演奏。録音もホールの美しい響きが伝わるもの。室内楽が好きな方にはオススメのアルバムです。まだ手に入りそうです。
2013/08/04 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : クァルテット・アルモニコの「冗談」(ハイドン・トータル)
そのクァルテット・アルモニコのHaydn Totalのよりも前に録音されたアルバムをみつけました。ディスクユニオンの店頭で見つけたときは、ちょっと過呼吸になりました(笑)

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クァルテット・アルモニコ東京(Quartetto Armonico Tokyo)の演奏で、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.20のNo.2、アルバン・ベルクの叙情組曲、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲Op.105の3曲を収めたアルバム。収録は2001年4月26日、ウィーンの演劇博物館のロプコヴィッツ宮殿、エロイカザールでのライヴ。エロイカザールはハイドンのパトロンとしても知られるフランツ・ヨーゼフ・マクシミリアン・フォン・ロプコヴィッツ侯爵の邸宅で、ベートーヴェンのエロイカを初演した場所との事。レーベルはウィーンのEXTRAPLATTE。
Haydn Totalの演奏は2009年のものですが、その8年前の演奏で、クァルテットの名前もこのアルバムでは末尾にTokyoとついています。メンバーは3人が同じですが、チェロはHaydn Totalの頃とは異なります。
第1ヴァイオリン:菅谷 早葉(Sayo Sugaya)
第2ヴァイオリン:生田 絵美(Emi Ikuta)
ヴィオラ:坂本 奈津子(Natsuko Sakamoto)
チェロ:窪田 亮(Ryo Kubota)
クァルテット・アルモニコは2000年から2004年にかけてウィーンに留学したということで、この録音はまさに留学中の録音。ウィーンの伝統あるホールでコンサートを開くことができるということで、当時からかなりの実力派だったということですね。
演奏はやはり素晴しいものでした。
Hob.III:32 / String Quartet Op.20 No.2 [C] (1772)
Haydn Totalの冗談の演奏が第1ヴァイオリンの菅谷さんの伸び伸びした音色が際立って目立っていたのに対し、こちらは4人のバランスが拮抗したもの。チェロの深みのある柔らかい音とヴァイオリンの線のピンと張った緊張感のある音色の対比が鮮明でいいですね。ライヴらしい流れのいい演奏。太陽四重奏曲のなかでも晴朗さの際立つこの曲の魅力をクッキリ描いていきます。
短調のアダージョに入ると名ホールの響きを楽しむように、一体となったアンサンブルの響きがホール内に漂います。やはりチェロの柔らかい音色と優しいフレージングが癒しのよう。音楽の土台がしっかりしている感じ。後半のゆったりとしたヴァイオリンによるメロディーは後の素晴しい伸びのあるヴァイオリンの片鱗が感じられます。なぜか4人それぞれの演奏に耳が集中し、それぞれのフレージングの面白さが際立ちます。メロディーと伴奏にかなりの音量差をつけてクッキリした表情を作っていることがわかります。
続いて実に自然なメヌエットへの入り。心に染み込むような清透さ。ゆったりとおだやかな心境だからこそ、染み込むような表情が作れるのでしょう。やはり音楽の真髄に触れるような瞬間がありました。メヌエットでこれだけの深みを感じられるとは思いませんでした。
抑えたままフィナーレに入ります。繊細なタッチが印象的な弱音部が続き、最後に音量をぐっと上げますが、その演出が実に上手く、最後に漲る覇気は素晴しいものがあります。会場からは暖かい拍手が降り注ぎ、会場の期待に応えたことがわかります。
クァルテット・アルモニコの2001年、ウィーンでの演奏は、すでにこのクァルテットが音楽的に成熟していることを伝えています。テクニックとはまったく次元の異なる音楽性が脈々と息づいており、しっかりとした音楽が流れています。特に秀逸なのが自然な表情の中に非常に穏やかな心情が浮かび上がるところ。メヌエットがこれほど沁みるとは思いませんでした。評価は[+++++]とします。
このあとのベルクの叙情組曲もライヴならではの素晴しい演奏。録音もホールの美しい響きが伝わるもの。室内楽が好きな方にはオススメのアルバムです。まだ手に入りそうです。
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