作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

ヘルムート・シュナイデヴィントのトランペット協奏曲(ハイドン)

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弦楽四重奏曲のレビューすべきアルバムは山のようにあるのですが、本日は訳あってこのアルバム。

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フリッツ・レーアン(Fritz Lehan)指揮のコンソルティウム・ムジクム(Consortium Musicum)の演奏で、ハイドンのトランペット協奏曲、ハイドン作とされた3つの協奏曲であるフルート協奏曲、オーボエ協奏曲、ホルン協奏曲(VIId:4)を収めたアルバム。トランペット協奏曲のソロはヘルムート・シュナイデヴィント(Helmut Schneidewind)収録は1964年6月8日から14日にかけてドイツ南部のブリュールの教会堂でのセッション録音。レーベルはEMI。

このアルバム、いつものように湖国JHさんにお借りしているもの。ハイドンの管楽協奏曲を集めたアルバムですが、今日ハイドンの真作とされているのはトランペット協奏曲のみ。ということで、今日はトランペット協奏曲のみ取りあげます。

演奏者の情報を調べてみたのですが、ネットにはなかなか情報がありません。このアルバム、ライナーノーツは同じシリーズのアルバムの宣伝ばかりで、曲の解説も演奏者の解説もありません。この組み合わせのアルバムであれば、なにがしかの解説があったほうが良いですね。

ということで、割り切って純粋に音楽を楽しむ事としましょう。

Hob.VIIe:1 / Concerto per il clarino [E flat] (1796)
いきなり素晴しい音響に驚きます。1964年という録音年代が信じられない素晴しくつややかなオケの序奏。全盛期のEMIの覇気が感じられるもの。オケは非常に上手い。磨き抜かれて各楽器の粒立ちがよく、華麗、流麗、うっとりするほどのオケ。トランペットも安定感、リズム、高音の伸び、どれをとっても文句のつけようがありません。ハイドンのトランペット協奏曲の演奏として理想的なもの。これだけの名演奏をする奏者なのに、情報がほとんどないとは。驚きはカデンツァ。何という高音の伸び、驚愕の存在感です。1楽章から痺れっぱなし。演奏の種類としては、以前取りあげた、グラン・カナリア・フィルの演奏に近い、のびのびとした正攻法の演奏。

2013/03/31 : ハイドン–協奏曲 : グラン・カナリア・フィルのトランペット協奏曲、2つのホルンのための協奏曲

つづくアダージョも、惚れ惚れするような伸びのあるトランペットによって、ハイドンの癒しに満ちたフレーズがゆったりと朗々と奏でられます。ゆったりとしたオケに乗ってトランペットも実にゆったりとメロディーを吹いていきます。メロディーがクッキリと浮かび上がるのは彫りの深いフレージングによって。強音の力強さはモーリス・アンドレさながら。
フィナーレはリズムの刻みをすこし強調して、軽快感を際立たせます。オケもトランペットもリズムのキレが良く、安心して聴いていられます。そしてオケもトランペットも強音の吹き上がりが素晴しい。なにげに名演奏ですね。

今となっては全く知られていない演奏者のトランペット協奏曲ですが、正直モーリス・アンドレ盤と良い勝負というクラスの演奏です。この素晴しい演奏が解説なしの廉価盤として埋もれいることに驚くべきでしょう。つづくフルート協奏曲、オーボエ協奏曲、ホルン協奏曲もオケの上手さは変わらず、そしてソロを担当する奏者も腕利きぞろいで、十分楽しめます。トランペット協奏曲は[+++++]とします。

このアルバム、中古盤もほとんど見た事がないので、アルバム自体はほとんど流通していないですが、iTunesになぜかオーボエ協奏曲を除いた3曲がありますので聴く事ができます。

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3 Comments

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michael

No title

こんにちは
シュナイドヴィントはブランデンブルクNo.2を聴くかぎり、上手い人だなと思っていましたが、ハイドンtp.conは知りませんでした、希少な音盤ですね。
ピエール・ティボーのハイドンtp.conでグラモフォンから出ていたLPの中古もつい先日、買い逃しました;名演なのに復刻されない録音ってありますね。気長にアンテナ張っていこうと思いますが。

Daisy

Re: No title

michaelさん、こんばんは。
シュナイドヴェイントは情報がほとんどありませんね。ブランデンブルク協奏曲は検索してみつけました。ハイドンは私も存在を知らなかったアルバムです。たしかに名演なのに流通されないアルバムはまだまだあるのでしょう。このアルバムはCD化されただけ良しというところでしょうが、演奏の格に相応しい解説などをつけてもらいたいものです。まさに埋もれた名演ということでしょう。
>気長にアンテナを張って
そのとおり。こちらも気長にやっております(笑)

  • 2013/08/11 (Sun) 19:45
  • REPLY

Daisy

シュナイデヴィントの情報

このアルバムのトランペット奏者であるシュナイデヴィントについてはあまり情報がないと書きましたが、なんと、この記事を読んだ、シュナイデヴィントに直接トランペットを師事した、ドイツ在住の小野さんから情報提供がありましたので、小野さんのお許しを得て掲載しておきます。

ヘルムート・シュナイデヴィント(Helmut Schneidewind)は1928年、ザクセン生まれのトランペット奏者。ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団首席トランペット奏者のハインリヒ・トイビヒ氏に師事し、1947年に同オーケストラの副首席奏者、1950年より首席奏者となりました。1957年に西ドイツへ活動拠点を移し、同年、ケルン放送交響楽団の首席奏者に就任し、1991年に引退されたとのこと。教育者としては、1960年代から70年代はデットモルト音楽大学、1979年から1991年はデュッセルドルフ音楽大学のトランペット科教授を勤められたとのこと。2011年に亡くなられたということです。

小野さんによれば、シュナイデヴィントは60年代から70年代のドイツに於いては、バッハの演奏で定評のある名トランペット奏者だったそうです。しかし、オーケストラの活動が多かったこともあり個人名の出ている録音は多くないそうです。いくつかのアルバムの情報もいただいていますのでこれも掲載しておきましょう。

Brandenburgische Konzert Nr.2 F dur,
Karl Ristenpart, Saarländische Kammerorchester Aufn. 1960

Brandenburgische Konzert Nr.2 F-Dur,
Jörg Fäber, Würtemberg Kammerorchester Aufn. 1961 oder 1962

Telemann, Torelli , Manfredini Trompete Konzert (テレマン1曲、トレッリ2曲, マンフレディーニ1曲)Helmut Müller-Brühl 、Kölner Kammerorchester (複数のLPに別れいる)64-72年頃

G. H. Stöltzel Concerto Grosso a 4, 6 Trompeten (第一コーラス 1番トランペット)

なお、ハイドンのこのトランペット協奏曲はB♭ロータリートランペットを使用して録音しているそうです。通常少し短いE♭管を使用する録音が多いなかB♭管を使用した録音は珍しいということです。

小野さん、貴重な情報ありがとうございました!

このコメントをご覧の方で、シュナイデヴィントについて、他の音源情報やご存知のことがあれば、情報いただけると嬉しいです。

  • 2014/01/25 (Sat) 00:13
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