【新着】ファレンティン・ラドゥティウのチェロ協奏曲2番(ハイドン)

協奏曲ものが続きます。

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ファレンティン・ラドゥティウ(Valentin Radutiu)のチェロ、ルーベン・ガザリアン(Ruben Gazarian)指揮のハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団(Württenbergisches Kammerorchester Heilbronn)の演奏でハイドンのチェロ協奏曲2番、アンリ・カサドシュ(Henri-Gustave Casadesus)のチェロ協奏曲ハ短調(J.C.バッハ:チェロ協奏曲 ハ短調 W.C77)、ジャン=バティスト・ジャンソン(Jean-Baotiste Aimé-Joseph Janson)のチェロ協奏曲ニ長調の3曲を収めたアルバム。収録は2016年6月27日から29日、シュトッツガルトの北の街、オッフェナウ(Offenau)のSalineという施設。レーベルはhänssler CLASSIC。

このアルバム、最近の新譜を物色していて手に入れたもの。チェリストも指揮者もはじめて聴く人ということで、いつものことながら新鮮な気分。

ファレンティン・ラドゥティウは1986年ミュンヘン生まれのチェリスト。ミュンヘン放送響のチェロ奏者だった父の手ほどきで6歳からチェロをはじめ、クレメンス・ハーゲン、ハインリッヒ・シフ、ダヴィド・ゲリンガスら名チェリストに師事し、2008年にはカール・ダヴィドフ国際コンクールで第1位と特別賞を同時受賞して頭角を現しました。ラドゥティウという不思議な響きの名前は、父がルーマニアから1977年に亡命したとのことで、ルーマニアの名前なんでしょう。彼のウェブサイトでディスコグラフィーを調べてみると、すでにハイドンの1番もリリース済みでした。ということで1番も追加注文です(笑)

指揮者のルーベン・ガザリアン、はじめて聴く人ではありませんでした! 調べてみると手元にあの、足でホルンを操るフェリックス・クリーサーのアルバムでホルン協奏曲の伴奏を務めていました。もちろんこのアルバムは記事にしています。しかも記事にしていないアルバムでもさらに2枚のアルバム(mDGのトランペット協奏曲、mDGの雌鶏)でもタクトをとっています。いやいや今更ですが記憶力に陰りが忍び寄ってます(苦笑)。どのアルバムのオケは今回のアルバムと同じハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団。調べてみると、このオケはアルゲリッチのハイドンのピアノ協奏曲の伴奏を務めたイエルク・フェルバーが1960年に設立し、2002年からルーベン・ガザリアンが芸術監督兼首席指揮者を務めていましたが、昨年2018年夏よりケース・サリオーネ(Case Salione)に引き継いだとのことです。

ということで、肝心の演奏です。

Hob.VIIb:2 Cello Concerto No.2 [D] (1783)
実にゆったりとして力の抜けた序奏から入ります。録音会場はウェブで調べると平土間の体育館のような感じのホール。それにしては響きもなかなかよく、オケの響きが良く溶け合ったいい録音。ラドゥティウのチェロは伴奏の自然さに呼応してか、こちらもリラックスして自然な入り。虚心坦懐、無欲というか、実に自然な演奏。ハイドンはこう演奏すれば曲の美しさが際立つことを知っているよう。適度に華やかで、抑制も効いて、古典期の協奏曲の理想的な演奏と感じます。そしてリズムは重くなく、むしろ軽やか。速いパッセージをしっかり弾くことで落ち着いた印象も残します。華がないかというとそうではなく、テクニックを誇示しない分音楽自体の魅力が滲む秀演。まだ若いのにこの円熟ぶりはどうでしょう。伴奏のガザリアンとの息もピッタリで、素晴らしい一体感。長大な1楽章は夢見心地です。驚いたのがカデンツァ。Tobias PM Schneid作とありますが、現代音楽風で非常に長いもの。ここで自己主張するということだったんですね。ここでも力むことなく冴えた弓裁きを披露。素晴らしい1楽章でした。
アダージョは予想通り、節度を保ちながらチェロが程よく鳴く見事なもの。全く力みなく非常にリラックスして演奏を楽しんでいるよう。オケの方も余裕たっぷりにさらりとチェロを支える職人芸。音量を抑えてもメロディーが心地良く響きます。2楽章のカデンツァも不協和音を織り交ぜながら訥々と語るような変わったものですが、不思議にこの楽章の静けさを踏まえてマッチしているように聴こえます。
フィナーレは独特の郷愁を誘うような入りからチェロが鳴き気味。引きずるような弓裁きで速いパッセージに陰りを加え、ようやく個性的な色をつけてきました。オケもさっぱりとしながら豊かなニュアンスを残す、ソロとマッチした演奏で花を添えます。

ハイドンのト長調協奏曲は名演揃いですが、このラドゥティウの演奏は薄化粧の美人が爽やかに微笑んでいるような魅力がありますね。協奏曲はソロのテクニックやオケとの掛け合いなど、様々な面白さがありますが、ラデゥティウの冴えたアプローチは、ハイドンの傑作コンチェルトの魅力を最大限に活かす見事なアプローチと言っていいでしょう。レビューのために何度が聴きましたが、全く聴き飽きるどころか、聴くたびに新たな発見がある、実に深い演奏です。私は気に入りました。ということで評価は[+++++]といたします。ハイドンの後の2曲も実に面白い曲。アルバム自体の企画も素晴らしい名盤です。未聴の方は是非!



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tag : チェロ協奏曲

【新着】アレック・フランク=ゲミルのホルン協奏曲(ハイドン)

久々の協奏曲です。

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アレック・フランク=ゲミル(Alec Frank-Gemmill)のホルン、ニコラス・マギーガン(Nicholas McGegan)指揮のスウェーデン室内管弦楽団(Swedish Chamber Orchestra)の演奏で、フォルスター、テレマン、ネルーダ、レオポルド・モーツァルト、ハイドンのホルン協奏曲を収めたSACD。収録は2017年2月、スウェーデンのストックホルムから西に内陸にだいぶ入ったところの街、エレブルー(Örebro)のコンサートホールでのセッション録音。レーベルは素晴らしいプロダクション連発のBIS。

このアルバム、タイトルは「モーツァルト以前のホルン協奏曲集(Before Mozart Early Horn Concertos)」というもので、まさにモーツァルト以前のホルン協奏曲の名曲を5曲収めたもの。その中の最後がハイドンのホルン協奏曲(Hob.VIId:3)。当ブログの読者の皆様なら、ハイドンのホルン協奏曲がモーツァルトのそれに勝るとも劣らないものだというのは先刻ご承知のことと思います。つまりこのアルバムのメインがハイドンといっても過言ではありませんね。

さて、オケはおなじみニコラス・マギーガンが振るスウェーデン室内管ということで、マギーガンの方からさらっておきましょう。これまでマギーガンのアルバムは4回取り上げていますが、最初に取り上げたロンドン、88番、時計がイマイチだったんですが、その後の3枚は絶妙なる演奏で、交響曲も室内楽もアリアの伴奏も見事でした。指揮ばかりでなくハンマーフリューゲルやフラウト・トラヴェルソまでこなす才人。マギーガンについては過去の記事をご参照ください。

2018/08/25 : ハイドン–オペラ : ウィリアム・バーガーのオペラアリア集(ハイドン)
2016/01/26 : ハイドン–室内楽曲 : ガメリート・コンソートのピアノ三重奏曲など(ハイドン)
2015/05/09 : ハイドン–交響曲 : 絶品、ニコラス・マギーガンの交響曲集第2弾(ハイドン)
2011/09/03 : ハイドン–交響曲 : 【新着】ニコラス・マギーガンのロンドン、88番、時計

そして、メインのホルンを吹くアレック・フランク=ゲミルははじめて聴く人。テクニシャン揃いで知られるスコットランド室内管の首席ホルン奏者とのことで、ソロアルバムはこのアルバムで2枚目。ちょっと聴いてみた感じでは弱音のコントロール能力がずば抜けて素晴らしいですね。これは期待できそうです!

Hob.VIId:3 Concerto per il corno [D] (1762)
ハイドンまでの4曲を流して聴いて、さあ、本命。ちょっとヴォリュームを上げて構えて聴き始めます。
マギーガンの振るスウェーデン室内管は爽やかに速めのテンポで入ります。リズムの刻みがキリっと引き締まっていい感じ。フランク=ゲミルのホルンも楽器の難易度を全く感じさせない軽やかな入り。まさに軽々とリズムを合わせていきます。しかもアクセントがくっきりとついて類まれな表現力の持ち主であることがわかります。古楽器のオケに合わせて爽快なメロディーが流れます。徐々に装飾音を付加し始めてテクニックを披露。そのテクニックも尋常でないことが1楽章のカデンツァで明らかになります。ホルンでこれだけの静寂を感じたのは初めて。素晴らしい弱音のコントロールに痺れます。1楽章はそよ風のように流れていきました。
あの弱音をアダージョで披露されたらさぞかしすごかろうという期待を持たせて2楽章に入ります。マギーガンはその期待を知ってか実にしっとりとした入り。序奏から痺れます。予想通り、ホルンという楽器の特性を知り尽くしたハイドンが書いたシンプルなメロディがフランク=ゲミルの演奏で神がかったように厳かに鳴り響きます。音程がぐっと下がるところの筆舌に尽くしがたい美しさ。ホルンの一番美しい響きに痺れます。弱音なのに恐ろしいほどの安定感。そしてこの楽章でもカデンツァは静けさと美しさ極まる素晴らしいもの。絶美。
再び活気に満ちた爽やかフィナーレ。どうしてこれほどまでにホルンを軽々と吹けるのでしょうか。リズムのキレが冴え渡ります。上下する音階の心地よさ。くっきりと浮かび上がるホルンのメロディ。さざめくようにホルンをサポートするオケ。最後のカデンツァも神業。この演奏で聴くと、モーツァルトのひらめきを上回るホルンという楽器の特性と響きを最大限に活かすハイドンの見事な筆致が浮かび上がりますね。短い曲ではありますが、美しさを極める高みと巧みな構成の深みを味わえる素晴らしい演奏でした。

演奏が難しいホルンという楽器をこれだけ見事にコントロールするアレック・フランク=ゲミル、恐ろしい才能の持ち主と見ました。これだけの制御能力を聴かせるのは、ホルン三重奏曲(Hob.IV:5)でのルツェルン祝祭管のアレッシオ・アレグリーニくらいでしょうか。これは是非ともアレック・フランク=ゲミルに超絶技巧を要するホルン三重奏曲に挑んでもらいたいですね。
ということで、評価はもちろん[+++++]とします。ホルン好きな方、必聴です!



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tag : ホルン協奏曲 古楽器

アルト・ノラス/オッコ・カム/ヘルシンキ室内管のチェロ協奏曲1番(ハイドン)

新譜もいろいろ入手して聴いているのですが、なかなかこれぞというものがありません。

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アルト・ノラス(Arto Noras)のチェロ、オッコ・カム(Okko Kamu)指揮のヘルシンキ室内管弦楽団(Helsinki Chamber Orchestra)の演奏で、フィンランドの作曲家ヨーナス・コッコネン(Joonas Kokkonen)のチェロ協奏曲とハイドンのチェロ協奏曲1番を収めたLP。ハイドンの収録は1976年11月9日、アルヴァ・アアルトの設計で有名なヘルシンキの文化の家(Kulttuuritalo)のコンサートホールでのセッション録音。レーベルはFINLANDIA。

このアルバム、オークションで見かけて、ググッときたもの。何よりジャケットに描かれたスケッチはアアルトの有名はフィンランディアホールのホール内部のデザインのスケッチということでビックリ。しかもハイドンとは全く縁遠いと思っていたオッコ・カムの振るヘルシンキ室内管による録音。このような組み合わせの録音があること自体も全く知りませんでしたので、私にとってはかなりのインパクトがありました。

私はシベリウスといえばオッコ・カムが刷り込みで、1昨年の秋に来日して神奈川フィルを振ったコンサートに行っています。

2016/10/18 : コンサートレポート : オッコ・カム/神奈川フィルのシベリウス(みなとみらいホール)

この記事とコメントを読んでいただくと、私のオッコ・カムならびにアアルトに対する格別なる偏愛がわかるかと思います(笑)

さて、このアルバム、本来はチェロのアルト・ノラスが看板であるわけで、ノラスについて触れないわけには参りません。確認してみると手元にスロヴァキア室内管との1987年のチェロ協奏曲1番、2番の録音もありました。いつものようにWikipediaなどを紐解くと、ノラスは1942年フィンランドのトゥルク生まれでヘルシンキのシベリウス・アカデミーでチェロを学び、その後パリ音楽院でポール・トルトゥリエに師事、1966年のチャイコフスキーコンクールで2位となり、欧米で活躍。ソロのみならずクァルテットなど1970年からはシベリウス・アカデミーの教授として教育者としても活躍しています。

さて、このアルバム、ハイドンの協奏曲はB面で、メインのA面はヨーナス・コッコネンのチェロ協奏曲が収められています。ライナーノーツを紐解くと、ヨーナス・コッコネンのこの協奏曲の作曲には3人の存在が深く影響を与えているとのことで、1人目が建築家のアルヴァ・アアルト。コッコネンの自宅をアアルトが設計し、その際の対話から音楽と建築が音楽と言葉よりも近いものであるとの確信に至ったとのこと。それゆえジャケットにアアルトのスケッチが使われているわけですね。2人目がアルト・ノラス。1966年のチャイコフスキーコンクールの演奏の素晴らしさに触れ、この作品はアルト・ノラスに献呈され、1969年にノラスのチェロで初演されました。3人目がコッコネンの母親。初演の年1969年に亡くなりましたが、3楽章のアダージョはコッコネンが母親の思い出のために書いた短いオルガンのための作品のテーマをもとにしているとのこと。

そのコッコネンのチェロ協奏曲は幽玄な雰囲気の中にチェロの深い音色が響き渡る作品。現代風でもありシベリウスの延長上でもあり、北欧風でもある音楽。印象的なのはアルト・ノラスのチェロの引き締まった音色。この作品の価値を問えるほどにフィンランドの音楽を聴いているわけではありませんが、アアルトの自然と抽象芸術の融合と深いレベルで共鳴しているような気がするのが不思議なところですね。

Hob.VIIb:1 Cello Concerto No.1 [C] (1765–67)
さて、B面ながら肝心のハイドンです。オッコ・カムの振る伴奏は予想通り、どこかにローカル色を感じさせながらもオーソドックスな入り。アルト・ノラスのチェロは大変筋の通った律儀な入り。キリリと背筋が伸びる演奏。まさに教科書通りの安心して聴ける演奏。カムの伴奏は徐々にロマンティックな雰囲気にシフトしていき、ノラスも徐々に溜めを効かせてボウイングに勢いが出てきます。チェロの表情に凛とした冷たさを感じさせるので、音楽が引き締まります。高音域と低音域で音色を変化させることで淡々とした流れの音楽にも面白みが加わり、個性的な演奏になります。肩肘張らずに流れの良さを保ち、1楽章のカデンツァに至ってノラスのボウイングが本領発揮。ピシッと筋が通ったカデンツァにこちらも身が引き締まる感じ。
続くアダージョはカムの聴かせ上手さが浮かび上がります。ゆったりとメロディーラインをなぞりながらも、しなやかな深みを感じさせる見事な伴奏。ノラスが入る前に完璧なお膳立てで迎えます。ノラスもアダージョ楽章の美しい旋律をしっかりと腰を落としてこなしていきます。カムの描く程よい情感にノラスが乗ってゆったりとした音楽を作っていきます。半ば過ぎの盛り上がりでぐっと力が入って山を作ったかと思うと、すっと力を抜いてコントラストをしっかりつけることで峻厳な印象を残すあたりの手腕は見事。
フィナーレはこちらも力を抜いてさらっと行くかと思いきや、そこここにくっきりとしたアクセントををつけて推進力を保ちながらも輪唱のようにメロディがこだまするような効果を狙ってきます。一定のリズムによる快速テンポが生み出す独特の効果はこの曲を知り尽くした者のなせる技と言っていいでしょう。最後まで爽快感に満ちた演奏でした。

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ヨーロッパの辺境、フィンランドの奏者、レーベルによるハイドンのチェロ協奏曲。少し前に取り上げたニュー・ヘルシンキ四重奏団による日の出同様、素晴らしいプロダクションに仕上がっています。ハイドン目当てで手に入れたアルバムですが、期せずしてアアルトと親交があったヨーナス・コッコネンの作品も知ることとなり、視野を広げることができました。ヘルシンキ北方にあるコッコネンの自邸は調べてみた所、通年一般公開されているようですので、老後の旅行先として候補に入れておくことにします(笑) ハイドンの評価は[+++++]とします。

(参考)
Alvar Aalto's Villa Kokkonen



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tag : チェロ協奏曲

【新着】アルゲリッチ、マイスキーの協奏曲ポーランド放送ライブ(ハイドン)

久々にCDを取り上げます。しかも新譜です!

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マルタ・アルゲリッチ(Martha Argerich)のピアノによるハイドンのピアノ協奏曲(Hob.XVIII:11)、ミッシャ・マイスキー(Mischa Maisky)のチェロによるチェロ協奏曲1番(Hob.XVIIb:1)などを収めたアルバム。伴奏はアグニェシュカ・ドゥチマル(Agnieszka Duczmal)指揮のポーランド放送アマデウス室内管弦楽団(Amadeus Chamber Orchestra of Polish Radio)。収録はピアノ協奏曲が1992年4月13日、チェロ協奏曲が1993年11月26日、ポーランド放送S1コンサートスタジオでのライヴ収録。レーベルはポーランドのフレデリック・ショパンインスティテュート(Narodowy Instytut Fryderyka Chopnia)。

アルゲリッチのハイドンのピアノ協奏曲はこれまでに2種の録音があります。1980年に録音したロンドンシンフォニエッタを自身で振ったもの(伊リコルディ、EMIなど)と、1993年に録音したイェルク・フェルバーの振るハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管との録音(DG)。いずれもアルゲリッチのキレキレのピアノが楽しめる素晴らしい録音。前者はブログを始めたばかりの頃に記事にしています。

2010/07/10 : ハイドン–協奏曲 : 連日のピアノ協奏曲、今日はアルゲリッチにノックアウト

一方、マイスキーのハイドンのチェロ協奏曲にはよく知られた1986年にヨーロッパ室内管を振った1番、2番、ヴァイオリン協奏曲のライヴ(DG)の他、1983年録音のロンドンシンフォニエッタを自身で振った1番、2番(伊リコルディ、CARRERE)の他、1986年にフェルディナント・ライトナーの振るN響に客演した時のライヴ(KING INTERNTIONAL)などの録音があります。N響との演奏は記事に取り上げています。

2013/09/23 : ハイドン–協奏曲 : ミッシャ・マイスキー/N響のチェロ協奏曲1番ライヴ(ハイドン)

アルゲリッチもマイスキーも90年代以降ハイドンの録音は見当たりません。それぞれハイドンを複数回録音していた時期の貴重なライヴということで、このアルバムには期待も高まるわけですね。

このアルバムでタクトをとるアグニェシュカ・ドゥチマルは1946年生まれのポーランドの女性指揮者。Wikipediaなどによるとスカラ座に初めて登場した女性指揮者として知られているそう。ポーランドのポズナニ州立高等音楽学校を卒業しポズナニフィルのアシスタントコンダクター、ポズナニ歌劇場の指揮者などを経験。学生だった1968年に組織したオーケストラが1977年にポーランド放送のオケとなり、のちにこのポーランド放送アマデウス室内管弦楽団と名乗るようになったとのことです。

このアルバムは、1991年に完成したポーランド放送S1コンサートスタジオのオープンを記念して音楽収録のトップに招かれたアルゲリッチが企画した一連のコンサートシリーズの中の演奏のライヴ収録です。

Hob.XVIII:11 Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [D] (1784)
この演奏を聴く前に、リコルディの録音とDGの録音をちょっと聴き直した上で聴き始めました。前2者がセッション録音なので、録音はそちらの方がいいのですが、このアルバムの演奏、ちょっと尋常でない勢いを感じます。まずはドゥチマルの振るアマデウス室内管が冒頭からちょっと暴走気味なほど前のめりの快速テンポで入ります。アルゲリッチのキレを迎え撃つ気満点のエネルギー。そのオケのエネルギーがアルゲリッチを触発したのか、アルゲリッチもこれまでの録音のキレのいい入りとは打って変わって、最初から闘志むき出しでキレキレな入り。1ラウンドのゴングが鳴ると同時に壮絶な打ち合いになった試合のごとき様相。流石に両者ともテクニックは十分とみえて音楽が破綻することなくスリリングな掛け合いが続きますが、どちらも一向にテンションを緩めず1ラウンド、もとい1楽章は見応え十分な撃ち合い。手に汗握るとはこのことです。1楽章のカデンツァは意外にさらりとこなしたのが印象的でした。
2楽章はドゥチマルも落ち着いた序奏で今度はゆったりとアルゲリッチにもリラックスするよう促すかのような入り。もちろんアルゲリッチもそれに応えて輝かしいメロディラインを落ち着いて描いてゆきます。録音のバランスが通常の協奏曲の録音よりもピアノをアップしたものだけに、クッキリと陰影の深い音楽が流れます。ドゥチマルもやや叙情的なサポートで抑揚を大きくとって感情を込めてきます。驚いたのが2楽章のカデンツァ。アルゲリッチはここぞとばかりに美音を散りばめ、きらめく夜空のようなブリリアントなカデンツァを披露。ここを聴きどころとするために、1楽章であえてさらりとこなしたのでしょう。
フィナーレは火花バチバチを期待せずにはいられません。もちろん期待通り、3ラウンドの撃ち合いに入ります。ここにきてアルゲリッチは完全に主導権を確保。キレのいいアクセントは期待通り、若干曲芸的雰囲気すら感じさせる神業の連続は流石アルゲリッチ。スリリングな演奏とはこの演奏のこと。最後はキレまくって終わり、最後のフィニッシュはブラボーと盛大な拍手にかき消されます。

怒涛の拍手にアンコールのスカルラッティのソナタ(K141)が割って入りますが、この曲もアルゲリッチのタッチのキレを聴かせる曲で全盛期のアルゲリッチのライヴの凄さを実感した次第。再び曲の余韻が拍手にかき消され、この日のS1コンサートホールの聴衆の興奮がそのまま収められています。

Hob.VIIb:1 Cello Concerto No.1 [C] (1765–67)
続いてマイスキーのチェロ協奏曲。ドゥチマル、今度はアルゲリッチの時ほどオケを煽らず、平常心の入り。ただしマイスキーの伸びのあるボウイングを引き立たせるためか、オケはあえて表情を抑え気味に入ります。特に低音弦の伴奏はリズムをクッキリと浮かび上がらせるような感じ。マイスキーも徐々にボウイングにゆとりが出てきていい感じに落ち着いた演奏。これはこれで余裕を感じさせる円熟の演奏として聴きごたえ十分。1楽章のカデンツァに入ってマイスキーのスイッチ・オン! 周りの状況がわかってマイスキーもようやくエンジンがかかってきました。
深いフレージングが印象的な2楽章はマイスキーとオケがゆったり淡々と演奏を重ねていきます。この録音もソロであるチェロを比較的大きな音量で収録し、バランスもソロ重視。後半音量を落としたところの巧みな表情付けが曲の深みを増します。この辺りは流石マイスキー。そしてカデンツァではテクニックではなく音楽が漂う魅力で聴かせる見事な手腕。
そしてフィナーレはオケの方もキレて挑んできました。明らかにリズムの刻みをクッキリとさせるオケに対し、マイスキーもそろそろ本気でボウイングのキレさせてきます。それに対しオケもボウイングが白熱。この演奏は終楽章に聴きどころを持ってきた感じ。最後はスリリングにフィニッシュ。アルゲリッチとは別の日の録音ですが、観客の盛り上がりはこの日も凄いものがありますね。拍手が手拍子に変わると、この日も拍手を止めるようにアンコールのバッハの無伴奏チェロ組曲2番のサラバンドが演奏されます。マイスキーのチェロがうなりを伴って鳴りまくる神業。最後はハイドンで熱狂した観客が静寂に包まれる神々しい雰囲気。驚いたのは、アンコールでバッハをあと2曲、都合3曲も続いたこと。ハイドン本編と同じくらいの時間アンコールを弾いていたことになります。

ポーランド放送S1コンサートホールのオープン直後の貴重なライヴ。アルゲリッチにマイスキーとスターを招いての記念コンサートだけに、聴衆の熱狂度合いも桁違い。録音を通してもその熱気が伝わってきます。当日会場に居合わせた聴衆が羨ましくもあります。この録音は25年以上経ってリリースされるべき価値があるものと断じます。演奏が終わり、拍手からアンコールまでが途切れずに収められていることもライヴ好きな私にとってもありがたいこと。評価は両曲とも[+++++]とします。オススメです。



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tag : ピアノ協奏曲XVIII:11 チェロ協奏曲 ライヴ

ジョージ・マルコム/マリナー/アカデミー室内管のハープシコード協奏曲(ハイドン)

いいLPが立て続けに手に入ります。

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ジョージ・マルコム(George Malcolm)のハープシコード、ネヴィル・マリナー(Neville Marriner)指揮のアカデミー室内管弦楽団(Academy of St. Martin-in-the-Fields)の演奏で、ハイドンの序曲(Hob:Ia.7)、ハープシコード協奏曲(Hob.XVIII.11)、J. C. バッハのハープシコード協奏曲イ長調の3曲を収めたLP。収録はLPには記載されておりませんが、同内容の演奏を収録したEloquence AustraliaのCDの情報によると1968年5月にロンドンのキングスウェイホールでのセッション録音とのこと。LPは米London盤。

マリナーのハイドンの録音は名前付交響曲集や主要ミサ曲、天地創造に四季など多岐にわたりますが、中でも協奏曲の伴奏はかなりの数があります。手元にはほとんどの録音が揃っていると思っていたところ、最近オークションでこのアルバムを見かけ、所有盤リストをチェックすると未知のアルバムであることが判明。そろりと落札して手に入れた次第。しかも録音が60年代とマリナーの録音の中では古い方のものということで、マリナーのハイドンの原点のようなものが見えてくるのではないかとの期待も膨らみます。

ちなみに、当ブログではマリナーの演奏はかなり取り上げています。

2018/03/14 : ハイドン–交響曲 : マリナー/アカデミー室内管の99番、102番(ハイドン)
2012/10/26 : ハイドン–交響曲 : ネヴィル・マリナー/アカデミー室内管の「悲しみ」
2012/08/21 : ハイドン–交響曲 : マリナー/アカデミー室内管の86番
2011/08/10 : ハイドン–声楽曲 : 【お盆特番1】マリナー/ドレスデン・シュターツカペレのネルソンミサ
2011/04/24 : ハイドン–協奏曲 : バリー・タックウェル/マリナーのホルン協奏曲
2011/03/03 : ハイドン–協奏曲 : ハーデンベルガー、マリナー/ASMFのトランペット協奏曲
2011/02/27 : ハイドン–オラトリオ : フィッシャー=ディースカウフル登場、マリナー/ASMFの天地創造-2
2011/02/27 : ハイドン–オラトリオ : フィッシャー=ディースカウフル登場、マリナー/ASMFの天地創造
2010/12/06 : ハイドン–声楽曲 : マリナー/ドレスデン・シュターツカペレの戦時のミサ
2010/10/03 : ハイドン–協奏曲 : リン・ハレルのチェロ協奏曲集

Hob.Ia:7 Overture [D] (1777)
いつものようにLPをVPIのクリーナーで綺麗にクリーニングして針を落とすと、最初の序曲の瑞々しい響きに耳を奪われました。録音は万全。広々とした空間にオケの響きが広がります。自宅が響きの良いキングスウェイホールになったような素晴らしさ。もともと推進力に満ちた序曲ですが、この演奏のすごいのは弦楽器の異次元のキレ味。胸のすくような素晴らしい推進力と爽快極まりないヴァイオリンのボウイングに驚きます。ここまでの愉悦感を感じさせる弦は滅多に聴けるものではありません。マリナーの演奏はモーツァルトを含めて随分聴きましたが、弦の素晴らしさにおいてこの演奏に勝るものはありません。いきなり絶品の演奏に痺れます。

Hob.XVIII:11 Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [D] (1784)
続いてハイドンのクラヴィーア協奏曲の最高傑作が続きます。マリナーの率いるアカデミー室内管の弦楽陣は、この曲の序奏でもキレ味抜群。ピアノやフォルテピアノの演奏に慣れてはいますが、ジョージ・マルコムのハープシコードはマリナーに負けずにリズムのキレが良く、繊細ながらオケをリードすることで十分にソロの役割をこなしています。音量および表現力の幅の大きいオケに対して、マルコムも永遠に続くようなトレモロの繊細さとデリケートな表情づけでオケに劣らぬ存在感を発揮しているのがすごいところ。マリナーもそれを意識してか、疾走感で先行するハープシコードをサポートする姿勢に徹してソロを引き立てる余裕を見せます。カデンツァではマルコムの妙技が見事に決まります。
2楽章は少し速めのテンポで美しい響きのオケがリード。マルコムはハープシコードらしくテンポをあまり揺らさずに淡々と美しいメロディを描いていくことで曲の美しさを際立たせます。マリナーも淡々と応じますが、オケの深い響きの中に繊細なハープシコードの音色が漂う感じが絶妙で、現代楽器にハープシコードの演奏も捨てたものではないとの印象を残します。
終楽章は速めにくると思っていましたが、思った以上に表情豊かな入り。そして予想通り、ギリギリのところまでテンポを上げて推進力を最大限に発揮します。そんな中でもかなりデュナーミクの幅をとってくっきりと表情をつける余裕があります。刻々と変化していく表情を実に克明に表現しながら、どんどん曲が進んでいく快感。この終楽章の表情の変化の見事さもこの演奏の聴きどころ。力任せになりがちなフレーズに十分な余裕を持って臨み、曲の深みを表現する匠の技と言っていいでしょう。このコンチェルトも見事な演奏でした。

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最近レビューがLPばかりですが、珍しくこのアルバムはCDの方もEloquence Australia盤が現役です。手元にはLPしかありませんが、この演奏もLPの録音の素晴らしさがあって、これだけの素晴らしい演奏を楽しめるわけです。CDの方は未聴ですが、若きマリナーが主兵アカデミー室内管からどれだけ素晴らしい響きを引き出していたかは伝わるものと思います。近年の古楽器による演奏は、様々なスタイルで新たな響きを引き出していますが、どっこいこうしたオーソドックスな演奏の最高峰を聴くと、スタイルはともかく、古楽器による演奏も音楽としてまだこの高みに達していないのかもしれないと思うようになります。マリナーのこの演奏、一聴をお勧めします。評価は[+++++]とします。



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tag : ピアノ協奏曲XVIII:11 序曲

ミハイル・ワイマンによるヴァイオリンとハープシコードのための協奏曲(ハイドン)

ちょっと間が空きました。最近手に入れたLPのうち、ググッと来たのでレビューです。

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ミハイル・ワイマン(Michail Waiman)のヴァイオリン、アラ・ショチョワ(Alla Schochowa)のハープシコード、リュウ・シンダー(Lew Schinder)指揮のレニングラード室内フィルハーモニー(Kammerorchester der Leningrader Philharmonie)の演奏で、ハイドンのヴァイオリンとハープシコードのための協奏曲(Hob.XVIII:6)、テレマンのヴァイオリン協奏曲ロ長調、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲Op.3のNo.6の3曲を収めたLP。収録年、場所は記載されておりませんが、1973年にリリースされたLPで、Мелодия原盤のETERNA盤です。

このアルバム、いつものように必殺美顔ブラシとVPIのクリーナーでクリーニングして針を落としてみると、素晴らしく切れ込みの良いタイトなヴァイオリンとオケの響きに圧倒されます。

ヴァイオリンのミハイル・ワイマンはもちろん初めて聴く人。LPのジャケットがいい具合に古びているのでかなり年配の人かと思いきや、そうではありませんでした。1953年、現ウクライナのオデッサに生まれ、地元の音楽学校からモスクワのチャイコフスキー音楽院に進み、オイストラフなどに指導を受けました。若い頃から才能が開花し、完璧なテクニックからヴァイオリンの詩人と呼ばれ、多くのコンクールで頭角を表し、以来世界的に活躍している人。レパートリーは古典から現代音楽まで幅広く、現在もヨーロッパを中心に活動しており、アルバムも色々リリースされています。

ハープシコードのアラ・ショチョワ、指揮者のリュウ・シンダーについてははほとんど情報がありませんので、あまり有名な人ではなさそうです。

ということで、早速曲のレビューに入りましょう。

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Hob.XVIII:6 Concerto per violino, cembalo e orchestra [F] (1766)
LP独特の澄み渡るように引き締まりながらもキレキレの響きに魅了されます。序奏を聴く限りオケは小気味良く非常に俊敏。そしてワイマンのヴァイオリンも鋭利なカミソリのように素晴らしい切れ込み具合。この落ち着いた曲の入りなのに抜群の切れ味に鳥肌がたたんばかり。リズムは動かさずにグイグイ前にせり出してくるような迫力に満ちた演奏。ハープシコードは完全に脇役に徹してこの鋭利な演奏に典雅な雰囲気を加える感じ。こちらも安定して繊細な演奏。オケの方は各パートがヴァイオリンの迫力に負けんばかりに交互にせり出してきます。音量を上げて聴くとまさに響きが刺さってくるよう。ETERNAのこれほどシャープな録音は聴いたことがありません。
2楽章のラルゴはいきなりデュナーミクの幅いっぱいに使って、高コントラストなのに陰影豊かなモノクロプリントのような立体感。この楽章はオケのピチカートに乗った美しいメロディーが聴きどころなんですが、甘美な感じの演奏が多い中、キリリと引き締まりまくった超辛口の演奏。辛口のキレの良さに舌鼓。この楽章はハープシコードが雄弁に美しい音階を奏でて1楽章からギアチェンジしてきています。ヴァイオリンソロとのメロディーの交換はヴァイオリンの迫力に負けていません。そして伴奏のオケの弦楽セックションの迫力も只者ではなく、奏者全員の集中力の結晶のような演奏にうっとり。カデンツァのヴァイオリンとハープシコードの掛け合いも見事。
そしてフィナーレは鮮烈さを極めた辛口の響きの饗宴。リズムのキレが良いのに冷静さも保ちながらここでもグイグイと曲を進め、ボウイングの一つ一つが赤熱した鉄の塊を思わせるアチチな感じ。このオケのホットさは本当に只者ではありません。レニングラード室内フィル、全奏者の気合いが乗りまくった素晴らしい充実度。いやいや見事でした!

出会い頭の超名盤。演奏、録音とも抜群に冴えているLPでした。全く未知の奏者ながら、このヴァイオリンの存在感はシゲティやクレーメルと比べても勝るとも劣らぬものだと断じます。特にLPだからこそのこの刺さってくるようなど迫力が味わえるわけです。この曲も名演奏が多い曲ですが、辛口タイプの演奏では筆頭格の名盤と言っていいでしょう。もちろん評価は[+++++]といたします。

ディスクユニオンやオークションでは見たことがないアルバムがあると、所有盤リストでダブってないかを確認して、少しずつコレクションを増やし続けているのですが、このアルバムのようなインパクト抜群のアルバムに出会う喜びを味わってしまうと、未知なる名演奏を追い続けるモチベーションがますます湧いてくるわけですね。やめられません(笑)



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tag : ピアノとヴァイオリンのための協奏曲XVIII:6

ヴァレンティナ・カメニコヴァのピアノ協奏曲集(ハイドン)

LPが続きますが、今度はマイナー盤。

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ヴァレンティナ・カメニコヴァ(Valentina Kameníková)のピアノ、リボール・フラヴァチェク(Libor Hlaváček)指揮のヴィルトゥオージ・プラジェンセス(Virtuosi Pragenses)の演奏で、ハイドンのオルガン協奏曲(Hob.XVIII:1)とピアノ協奏曲3曲(Hob.XVIII:4、XVIII:11、XVIII:3)の4曲を収めたLP。 収録は1974年2月、5月、9月にプラハの”DOMOVINA"スタジオでのセッション録音。レーベルはSUPRAPHON。

最近ディスクユニオンで仕入れたLP。ピアニストも指揮者もオケも未知のアルバム。こういったアルバムに針を落とす瞬間はドキドキします(笑) いつものようにVPIのクリーナーで綺麗に洗浄して針を落としてみると、実にしなやかな音楽が流れ出てくるではありませんか。特にカメニコヴァのピアノがしっとりと染み入るような優しい演奏。「当たり!」ですね。

ということでいつものように奏者についてさらっておきましょう。

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ピアノのヴァレンティナ・カメニコヴァは1930年、ソ連の黒海沿岸の街オデッサ(現ウクライナ)の音楽一家に生まれ、戦時中はユダヤ系だったことからシベリアに避難してピアノを学びます。戦後、オデッサ音楽院、モスクワ音楽院に進み、1954年に結婚後、1957年にチェコスロバキアに家族とともに移住。1959年から61年までプラハ芸術アカデミーの大学院で学んだ後、1963年からはプラハ音楽院、プラハ芸術アカデミーで教職に就き、録音も多数残したとのこと。特にロシア音楽の正当な解釈により注目すべき存在だったということです。1989年、57歳の若さで亡くなっています。今日取り上げるアルバムの録音が1974年ということでカメニコヴァ43歳での録音になります。

指揮者のリボール・フラヴァチェクの方はほとんど情報がなく、通常指揮者を置かないプラハ室内管などのアルバムにクレジットされたものがあるくらいで、リーダーとして活躍した人だろうと想像しています。

さて、このアルバム、先に触れたように実にしっとりとしたピアノが妙に染み入る見事な演奏なんですね。レビューに入りましょう。

Hob.XVIII:1 Concerto per il clavicembalo(l'organo) [C] (1756)
この曲は通例オルガンで演奏される曲。録音は年代なりでしょうか。オケは響きが少々濁り気味ながらオーソドックスにテンポよく序奏を奏でます。ピアノソロは協奏曲の録音としては控えめな音量で慎ましやかに入りますが、聴き進めていくうちに音量の問題ではなく、しっとりとピアノがオケに寄り添うような優しい演奏であることに気づきます。これが実に心地よい。グイグイ引っ張る演奏が多い中、このオケと寄り添って、時に少しリードし、時にリードされという微妙な掛け合いの面白さが浮かび上がります。これぞ燻し銀の演奏という感じ。逆にオケはメロディーラインをくっきりと描いていくので、ピアノの表情の微妙な変化がわかりやすいですね。カメニコヴァが落ち着き払ってソロのデリケートな表情の表現に集中しているのがわかります。
続くラルゴではオケもしっとりとした表情になり、ピアノはさらに染み渡るように慈しみ深い表情になります。1楽章よりもオケの表情が豊かになり、音楽に深みが増します。オルガンの演奏と違ってピアノによるこのラルゴはメロディーが綺羅星のごとくまばゆく輝く絶美の音楽であることがわかります。しかも驚くのがカデンツァの穏やかさ。技巧的要素は皆無。ただただ美しい音楽が流れます。
フィナーレはオケの表情が再びクッキリと引き締まり、ピアノもリズミカルに応じます。この自然なリズム感、ちょっと雰囲気は異なりますがハスキルを思わせる自然なタッチ。指のフリクションというかモーメントが全くなく実に軽やかに音階を刻みます。まさに魔法のタッチと言っていいでしょう。そう、ハスキルをイメージさせる自然さがカメニコヴァの独特の音楽の印象を作っているんですね。

Hob.XVIII:4 Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [G] (c.1770)
入りのリズムの面白さが特徴の曲。カメニコヴァの演奏のツボが何となくわかってきたので、安心して聴くことができます。ただ、この曲、ピアノの調律がちょっと甘い感じでせっかくのカメニコヴァの自然なタッチにどっぷりと浸かることができません。起伏に富んだメロディーが進んでいくうちに幾分か慣れてきます。オケの方もカメニコヴァの自然さとタメを張るくらい淀みない流れの良さを感じさせるのがわかります。そしてこの曲でもカデンツァは詩的で可憐なもの。
2楽章のアンダンテ・カンタービレに入ると前曲同様、穏やかさに磨きがかかり、呼吸が深くなって磨き抜かれた美しさが際立ちます。この柔らかな音楽の魅力はカメニコヴァの真骨頂でしょう。ハスキルのサラサラとした疾走感とは逆にしっとりと落ち着いた深みが魅力ですね。そしてあっという間ながら美しさを極めたカデンツァも見事。
フィナーレはカメニコヴァとフラヴァチェクの自然な掛け合いが双方いい勝負。オケの方もカメニコヴァに負けず劣らず自然な呼吸の魅力を発散して洗練の極みに達します。ただ自然な演奏とはレベルが違いますね。

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Hob.XVIII:11 Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [D] (1784)
LPの2枚目。ご存知の通り、最も有名な協奏曲ですが、この曲に至って、あまりの流れの良さにこのコンビの実力がよくわかった次第。全く淀みのない音楽の流れの良さはただならぬもの。自然な起伏をつけながらピアノのタッチもオケのソロも実に気持ちよく流れます。ピアノのメロディーをよく聴くと先ほどはハスキルを感じさせましたが、この流れの良さは今度はアンスネスのよう。透徹したタッチが素晴らしいですね。
緩徐楽章の素晴らしさはこれまで通り。大きな流れの起伏とディティールの響きの美しさ、そして淀みのない清透さ。カメニコヴァのタッチは魔法のように滑らかさを極め、この曲のカデンツァでようやく素晴らしい技巧を聴かせますが、それとて自然な響きに包まれテクニックの誇示のような印象は皆無。
フィナーレは言うことなし。ただただ音楽の流れに身を任せて至福のひと時を味わいます。自然な音楽の流れの中の表情のデリケートな変化の妙。絶品です。

Hob.XVIII:3 Concerto per il clavicembalo(l'organo) [F] (1765)
最後に軽めの曲を持ってきました。まるで有名レストランで次々と料理を味わうような変化を楽しみます。もうメロメロ(笑) 穏やかながら千変万化する表情の多彩さ。どの瞬間も美しく研ぎ澄まされた最高のハイドン。メロディーの美しさを極めたモーツァルトのコンチェルトとは異なり、ウィットも含めて構成や表情の多彩さを味わえるハイドンのコンチェルトの究極の演奏。特にふとした瞬間に訪れる軽さの表現は秀逸。オケも柔らかな響きで応じていますが、1曲目で感じた響きの濁りはどこかに消え去り響きの純度が突き詰められています。美しすぎる瞬間の連続に昇天。
2楽章のラルゴ・カンタービレ。ここにきてオケもピアノも完全にゾーンに入ってます。奏者自身が完全に無になって音楽と一体化。ハイドンの魂が乗り移っているよう。静かに満天の星を眺める心境。幸福感に包まれます。
最後の楽章はホルンの柔らかい響きが加わりながら鮮明にキリリと引き締まり、前楽章が音量をかなり抑えていたことがわかります。最後は流れるようなカメニコヴァのタッチの見事さ、オケの鮮度、転調の面白さ、そして表情の絶妙な変化とこのアルバムの特徴がフルに発揮されて終わります。

絶品です。たまたま手に入れたアルバムですが、ハイドンのクラヴィーアのための協奏曲の最高の演奏の一つでしょう。キレキレの演奏でもなく、超個性的な演奏でもなく、オーソドックスな演奏の最高の姿。ハイドンの書いた音楽の美しさ、構成の面白さをとことん味わえる燻し銀の演奏。ピアノのヴァレンティナ・カメニコヴァを知る人は少ないかもしれませんが、このアルバムによって、その素晴らしい音楽が心に刻まれました。LPの再生環境がある方はぜひ手に入れて聴いてみてください。評価はもちろん全曲[+++++]とします。



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tag : ピアノ協奏曲XVIII:1 ピアノ協奏曲XVIII:4 ピアノ協奏曲XVIII:11 ピアノ協奏曲XVIII:3

ヘルムート・フッケ/フリッツ・レーハンのオーボエ協奏曲、協奏交響曲(ハイドン)

しばらく間が空きました。今日は最近手に入れたLP。

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ヘルムート・フッケ(Helmut Hucke)のオーボエ、フリッツ・レーハン(Fritz Lehan)指揮のコンソリティウム・ムジクム(Consortium Musicum)の演奏で、伝ハイドン作のオーボエ協奏曲とハイドンの作による協奏交響曲の2曲を収めたLP。協奏交響曲の独奏者は別記します。収録情報は記載されていませんが、以前湖国JHさんに貸していただいたこのLPと同一演奏であると思われるオーボエ協奏曲を収めたCDの情報では1961年3月8日から10日にかけてのセッション録音とのことです。レーベルはcolumbiaとEMIの両方のロゴが配されたもの。

このアルバムを取り上げたのはひとえに演奏と録音が絶妙に良いからに他なりません。

当ブログの読者の方なら先刻ご承知の通り、オーボエ協奏曲はハイドンの作品として出版され多くの録音もありますが、近年の研究によってハイドンの作ではなく、作曲者不明の曲というのが最近の見解です。それでもごく最近でも録音され続けているのはなかなか侮れない、いい曲だというのが理由でしょう。これまで取り上げたアルバムは皆それぞれ素晴らしい演奏でした。

2017/08/09 : ハイドン–協奏曲 : ハインツ・ホリガーのオーボエ協奏曲(伝ハイドン)
2015/04/28 : ハイドン–協奏曲 : 【新着】フランソワ・ルルーのリラ協奏曲、オーボエ協奏曲(ハイドン)
2015/03/23 : ハイドン–協奏曲 : パウルス・ファン・デア・メルヴェ/ヴァントのオーボエ協奏曲(伝ハイドン)
2015/03/22 : ハイドン–協奏曲 : エルネスト・ロンボーのオーボエ協奏曲(伝ハイドン)

オーボエのヘルムート・フッケは調べてみたのですが、手元のアルバムの解説にもネット上にも詳しい情報はありませんが、コレギウム・アウレウムの中心的メンバーだったとのこと。指揮者のフリッツ・レーハンについてもほとんど情報がなく、手元には他にこのアルバム同様コンソリティウム・ムジクムを振ったトランペット協奏曲などを収めたLPがあるのみ。そしてこのコンソリティウム・ムジクムもよくわかりません(苦笑)。Discogsの記載を見るとConsortium Musicum Ljubljanaという同名のオケもあり、こちらは旧ユーゴスラビア、現セルビアの首都であるリュブリャナのオーケストラのようですが、果たして同じオケなのかも判然としません。いつもは奏者やアルバムの背景を色々調べるのですが、久しぶりに調べがつきません(笑)

Concerto per il oboe [C] (Hob.VIIg.C1)
いきなり迫力満点で素晴らしく広がりのあるオケの序奏に驚きます。最新録音に劣るどころかキレキレのオケの響きに釘付けになります。比較的速めのテンポに乗ってグイグイと推進力満点のオケ。フリッツ・レーハン、素晴らしいオーケストラコントロール能力の持ち主とみました。協奏曲の中でも一際オケの伴奏が充実したこの曲だけに、このオケの充実ぶりは聴き応え充分。ヘルムート・フッケのオーボエもオケのエネルギーに反応して艶やか伸びやかな音色で応戦します。フッケもオーボエ特有の音を伸ばしたところの表情が特に豊かでホリガー並みの見事なオーボエさばき。曲が進むにつれて、ふとした陰りと明るさの間を行き来しながら美しいメロディーが交錯するこの曲の魅力が際立ってきます。鮮やかなオーボエの音色に負けないオケの瑞々しい響きでソロもオケも実に華麗な演奏に夢見心地。
続くアンダンテでは、フッケのオーボエ音色の美しさがさらに際立ちます。1楽章の華やかさから一転、しっとりとした響きの美しさを印象付けるように演奏もリラックスして癒しに満ちあふれます。ハイドンの作ではないとはいえ、このメロディーの美しさと展開は見事ですね。特にオケは完全に抑えられ、すべての楽器がデリケートな音量コントロールで弱音の豊な表情を作り上げます。
フィナーレの入りも絶妙に抑えられて、前楽章の余韻をしっかりと踏まえます。徐々にオケが力を取り戻しますが、今度はおおらかにオケを鳴らすことで、1楽章とは印象を変えてくる巧みな演出。中間部の実にニュアンス豊かな演出といい、大局的な設計の確かさといいフリッツ・レーハンという指揮者、素晴らしい実力の持ち主ですね。最後は華麗な響きで締めくくります。ブラヴォー。

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Hob.I:105 Sinfonia Concertante 協奏交響曲 [B] (No.105) (1792)
4人の独奏者は下記のメンバー。おそらくコンソリティウム・ムジククムのメンバーではないでしょうか。

ヴァイオリン:ウェルナー・ノイハウス(Werner Neuhaus)
チェロ:ハンス・プリューマヒャー(Hans Plümmacher)
オーボエ:ヘルムート・フッケ(Helmut Hucke)
ファゴット:ウェルナー・マウルシャット(Werner Mauruschat)

しなやかなオケのコントロールはオーボエ協奏曲と変わらず。穏やかにコントロールされた推進力はこの曲の雰囲気にピタリ。冒頭から4人の独奏者はイキイキとした鮮やかな演奏で見事なアンサンブルを聴かせます。完全に息が合って独奏者同士が楽しんで演奏している雰囲気がよくわかります。フリッツ・レーハンのコントロールするオケはあえて表現を抑えながら溜めを作らず清水の流れのように淀みのない清々しい音楽。この曲の本質的な魅力を教わった気になります。じわりと湧き上がる演奏の喜び。天真爛漫にメロディーが奏者の間を飛び回るような愉悦感に包まれます。なんという洞察力。フリッツ・レーハンという人、音楽の本質を見極める類まれな能力を持っているようですね。
続くアンダンテはこの曲も美しいメロディの宝庫。やはりヘルムート・フッケのオーボエの艶やかさが一際目立ちますね。オケの方はオーボエ協奏曲の時とはちょっとテンションが変わって、伴奏に徹する感じで表情も少し平板。
2楽章でちょっとテンションが落ちたと思っていたら、フィナーレではオケにもソロにも生気が戻ってきました。ピチカートを織り交ぜたりして華やかさを加えながら響きの新鮮さを保ちます。最後は古典の折り目正しさを印象付けて終わります。

知る人ぞ知るフリッツ・レーハンとコンソリティウム・ムジクムによる協奏曲集のLPでしたが、これが絶品でした。名のある奏者のいい演奏も色々ある中、このアルバムに収められた2曲は、オーボエ協奏曲は華やかな力感、そして協奏交響曲はとそれぞれの曲の本質的な魅力を知らしめてくれる玄人好みの名演でした。これだけの名演にも関わらず、現役盤ではなく、入手も苦労することとは思いますが、一聴すべき価値のあるアルバムと言っていいでしょう。評価は両曲とも[+++++]とします。



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tag : オーボエ協奏曲 協奏交響曲 LP

ロベルト・ゲルレのメルク協奏曲世界初録音(ハイドン)

珍しいLPを手に入れました。

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ロベルト・ゲルレ(Robert Gerle)のヴァイオリン、ロベルト・ツェラー(Robert Zeller)指揮のウィーン放送管弦楽団(Vienna Radio Orchestra)の演奏で、ミヒャエル・ハイドンのヴァイオリン協奏曲変ロ長調(MH36)、ヨゼフ・ハイドンのヴァイオリン協奏曲(Hob.VIIa:3)の2曲を収めたLP。収録は1965年6月、ウィーンのコンツェルトハウスのモーツァルト・ザールでのセッション録音。

このLPは未入手のものということで何気なくオークションで落札したものですが、ジャケットを見てびっくり。タイトルは"HAYDN:VIOLIN CONCERTOS"ということで、ヨゼフとミヒャエルの二人のハイドンのヴァイオリン協奏曲を並べたアルバムとしては別に当たり前のものですが、問題はその下。”FIRST RECORDINGS FROM NEWLY DISCOVERED SCORES”、つまり「新たに発見された楽譜による新録音」というもの。ということで所有盤リストと見比べて見ると、収録されているメルク協奏曲では手元にある26種のアルバムでも最も古いものが1967年の録音ということで、1965年に録音されたこのアルバムが初録音盤というのも頷けます。

手元の中野博詞さんの「ハイドン復活」を紐解いて見ると、もともとメルク協奏曲はハイドンがエステルハージ家の副学長だった時期に楽団のヴァイオリニストだったルイジ・トマシーニのために書かれたもので、楽譜自体は1949年にオーストリアのメルク修道院で発見されましたが、その楽譜は弦楽合奏にオーボエとホルンが加わったものでした。ところが1965年にはハイドン研究所のフェーダーが弦楽合奏のみによる伴奏の筆写譜をヴェネツィアで発見し、その後の研究にてこの弦楽合奏による伴奏のものが元々の姿であるということになったとのこと。ということで、このLPはまさにその1965年の6月の録音ということで発見したての楽譜での録音ということになります。また、解説によると、ミヒャエル・ハイドンの曲の方も、ブダペストの国立博物館で直近に発見された楽譜による録音とのことです。

ヴァイオリンのロベルト・ゲルレはアドリア海沿いの現クロアチアのオパティア(Opatija)に1924年に生まれたヴァイオリニスト。フランツ・リスト音楽院でヴァイオリンを学び、1942年にフバイ賞に輝きましたが、戦時中はユダヤ人ということでブダペストの強制労働収容所に収容されてしまいました。戦後はパリやルクセンブルクの放送局でヴァイオリン奏者として働き、1950年に渡米。音楽大学で教鞭をとりながら演奏活動を行い、1972年からはメリーランド大学などでオーケストラ教育プログラムを始めて指揮活動を行うようになったとのこと。晩年はパーキンソン病に悩まされ2005年に亡くなりました。

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このLPですが、いただけないのがラベルの誤り。両面ともミヒャエル・ハイドンと記載されている明らかな誤り。しかもside1とside2のラベルが逆に貼られている始末。しかもLPの表面に盛大に擦り傷があるんですが、傷は表面のみのようで、針を落としてみるとほとんど傷の影響はありません。驚くのがヴァイオリンのリアルさ。超鮮明にキレキレのヴァイオリンが刺さるような音で収録されているんですね。この時期の米盤の素晴らしいクォリティを味わえます。

Hob.VIIa:3 Violin Concerto "Merker Konzert" 「メルク協奏曲」 [A] (c.1765/70)
針を落とした途端、あまりに鮮明な音に仰け反ります。現代の録音からもCDからもSACDからもこれほどリアルなヴァイオリンの音は出てきません。残響は少なめなんですが、聴きずらいことはなく逆にあまりにリアルなヴァイオリンの迫力に圧倒されます。ゲルレのヴァイオリンは巨匠風というか楽器を思い切りならし、特に高音は張り詰めた素晴らしい浸透力で迫ってきます。オケとヴァイオリンの録音上のバランスもヴァイオリン重視ですね。オケは音量は控えめながら典雅が雰囲気漂ういい伴奏。聴きなれたハイドンの協奏曲ですがヴァイオリンの緊張感からかパガニーニでも聴いているのような気になります。特に圧倒的だったのがカデンツァの妙技。完全にヴァイオリンのテクニックのショーピースとなってます。1楽章はまずはヴァイオリンの迫力で聴かせる演奏。
続くアダージョに入るとオケもソロもしっとりと濡れたような表情に変わり、実に丁寧にハイドンのメロディーを紡いていきます。ゲルレのヴァイオリンは気高さに溢れた見事なもの。シゲティやシェリングよりも神々しいです。伴奏のウィーン放送管も弱音器付きの柔らかく深い音色でゲルレのヴァイオリンを引き立てます。弦楽合奏のみの伴奏ならではの音色と納得です。
フィナーレは再びオケも華やかな響きを取り戻し、ゲルレの妙技と相待って素晴らしい高揚感に包まれます。糸を引くように浸透力のあるヴァイオリンの音色が眼前に飛び散ります。最後のカデンツァも美音炸裂。いやいや素晴らしい演奏、録音でした。

ロベルト・ゲルレというヴァイオリニストは初めて聴きましたが、奇跡的とも言える素晴らしい録音によって、1965年と50年以上前のコンツェルトハウスで至近距離で聴いているような極上の演奏でした。演奏スタイルとしては古いものですが、古さという表現が当てはまらないほど普遍的な力を持つ演奏と言っていいでしょう。もちろんハイドンの新発見の楽譜による演奏というアルバムの企画通りの演奏ですが、ゲルレの芸術というタイトルの方がふさわしい演奏でした。これは至宝ですね。評価は[+++++]とします。

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tag : ヴァイオリン協奏曲

【新着】イッサーリス/ドイツ・カンマーフィルのチェロ協奏曲集(ハイドン)

珍しく新着アルバムが続きます。

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TOWER RECORDS / amazon / ローチケHMVicon

スティーヴン・イッサーリス(Steven Isserlis)のチェロと指揮、ドイツ・カンマーフィル・ブレーメン(Deutsche Kammerphilharmonie Bremen)の演奏で、ハイドンのチェロ協奏曲1番、モーツァルトの歌劇「偽の女庭師」(K.196)より「ああ小鳥は嘆く」(編曲:イッサーリス)、C.P.E.バッハのチェロ協奏曲H.439、ハイドンのチェロ協奏曲2番、ボッケリーニのチェロ協奏曲(G.480)よりアダージョの5曲を収めたアルバム。収録は2016年9月25日から27日にかけて、ブレーメンのカンマー・フィルハーモニーでのセッション録音。レーベルは英hyperion。

スティーヴン・イッサーリスははじめて取り上げます。1958年ロンドン生まれのチェリストで、ガット弦による個性的な音色で有名な人とのこと。イッサーリスはこのアルバムの前にRCAに1996年にノリントンの振るヨーロッパ室内管をバックにハイドンの協奏曲2曲と協奏交響曲などを録音しています。今回あらためて聴きなおしてみると、ノリントンの楽天的に良く響くオケに乗ったオーソドックスな名演奏。ノリントンはリズミカルにオケをのびのびと鳴らして演奏の主導権を握っており、どちらかというとノリントンペースの演奏という感じ。イッサーリスは、ノリントンの快活なオケに乗ってキレよく妙技を披露していますが、このアルバム入手当時はなんとなくそれがそそくさとして踏み込みが足りない印象を残していたため、記事にしなかった次第。ただ、今あらためて聴きなおしてみると、これはこれでハイドンの晴朗さを表すユニークな名演奏という印象。こちらの器が大きくなったのでしょう。

今回の録音は指揮者をおかず弾き振りによるもの。前録音から20年の時が流れており、チェロの熟成と自身のオケのコントール能力が問われる録音と言っていいでしょう。

Hob.VIIb:1 Cello Concerto No.1 [C] (1765–67)
序奏のオケはノリントンのキリリと明確なリズム感を持ったものとは異なり、ゆったりと美しく壮麗な響きでチェロの入りを待ちます。イッサーリスは楽器をよく鳴らしてこちらもゆったりと入ります。やはりというか、この演奏を聴いてかえってノリントンのユニークさがよくわかりました。今回の演奏はオケとソロが一体となって美しい響きを自在に鳴らす演奏。あえてリズムの刻みを強調することなく微妙にテンポを揺らしながらこの曲の真髄に触れに行きます。オケの方はヴィブラートを抑えて透明感ある響きを作っているのはノリントン譲りですが、指揮者の個性が異なることで音楽はまったく異なって聴こえますね。期待されたチェロの演奏は流石に20年の熟成を経て、実に落ち着いて味わい深いもの。深みのある柔らかな音色は流石イッサーリスといったところ。弾き振りだけにチェロが主導権を握る演奏となり、この曲の魅力を素直に堪能できる演奏。このアルバムに含まれる曲のカデンツァは全てイッサーリスによるもの。意外にオーソドックスな構成のものですがチェロの響きの美しさをしっかり踏まえたもの。
続くアダージョもこの曲のオーソドックスな演奏と言っていいでしょう。極上のオケの響きにイッサーリスの美音で紡がれるハイドンの名旋律を堪能できます。前録音がノリントンによる表現意欲に溢れた演奏だったのに対し、こちらは悟りを開いたかのような達観した境地に至っています。ハイドンの曲に全てを語らせようとするような純粋無垢な心情が感じられる演奏。
フィナーレもしなやかさが際立ちます。速いパッセージも余裕たっぷりにに弾き進め、オケとの掛け合いでは自在に音量を変えながら陶酔感を巧みに演出。力みや表現意欲から解放された虚心坦懐な陶酔。見事です。

この後モーツァルトとC.P.E.バッハが挟まりますが、モーツァルトの穏やかな歌とC.P.E.バッハの変幻自在な響きの坩堝を実に上手く表現していて両者とも見事な出来。

Hob.VIIb:2 Cello Concerto No.2 [D] (1783)
1番が純粋無垢な素晴らしい出来だったので弥が上にも期待が高まります。

入りからオケの色彩感と響きの美しさが際立ちます。基本的にはノンヴィブラートの現代楽器による演奏なんですが、その前の世代のロマンティックな演奏の延長線上の良さもあり、非常にバランスの良くチェロもオケもよく鳴っていて、まさにこの曲の決定盤的演奏。もちろん最新の録音だけに演奏の良さが鮮明に録られています。イッサーリスのチェロは自在さを極め、所謂ゾーンに入って完全にハイドンの音楽と一体化しています。ライヴでもこのような域に達することは希なレベル。カデンツァは1番とは打って変わってかなり踏み込んだ表現でチェロの音色の限りを使って攻めてきます。1楽章から期待を大きく超える神がかったような演奏で聴いていて鳥肌がたつよう。
2番のアダージョは深さよりも華やかさを感じるもの。オケの華やかな音色にチェロの深みのある音色がこの曲の潜む色気のようなものに迫る見事な表現。フレーズごとに表現を磨き抜いた達意の表現が繰り返されていくうちにどっぷりとハイドンの音楽の魅力を味わっていることに気づきます。
そしてフィナーレもソロとオケの一体感がさらに高まり、迫力の隙にこの曲独特の郷愁のようなものをさりげなく感じさせる演奏で曲を終えます。

最後に置かれたボッケリーニのチェロ協奏曲の緩徐楽章も静けさと翳りの表現が秀逸な見事なものでした。

スティーヴン・イッサーリス2度目のハイドンのチェロ協奏曲集。前作のノリントンに合わせたチェロの妙技も悪くはなかったんですが、今度のアルバムはイッサーリス渾身の演奏で現代のチェロ協奏曲の録音としては理想的なもの。過度に現代風ではなくチェロ協奏曲の伝統的な演奏の延長上にありながら、響きの洗練と深みを両立させた見事な演奏でした。録音も良いのでチェロ協奏曲の入門盤としても広くお勧めできるものです。もちろん評価は両曲とも[+++++]としました。



(参考アルバム)
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TOWER RECORDS / amazon / ローチケHMV
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こちらのアルバムの聴きどころは協奏交響曲。ノリントンらしい吹っ切れた明るさがこの曲の持つ晴朗さを実に見事に表現できており、えも言われぬ愉悦感が味わえます。評価を付け直して[+++++]としました。

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ハイドン(Franz Joseph Haydn)の膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。私はなぜハイドンにはまったのか?

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ハイドン所有盤リスト
Joseph Haydn Discography
所有盤をジャンル別にリスト化しています。基本的に録音年順とし、録音年不明のものはリスト冒頭に記載。演奏者名はジャケットなどの表記に合わせています。

登録曲数:1,365
登録演奏数:11,529
(2019年3月31日)
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十字架上のキリストの最後の七つの言葉ショスタコーヴィチ驚愕シェーンベルク悲しみオックスフォード交響曲75番チェロ協奏曲ホルン協奏曲古楽器時計弦楽四重奏曲Op.50アンダンテと変奏曲XVIII:6弦楽四重奏曲Op.64弦楽四重奏曲Op.20弦楽四重奏曲Op.54天地創造レスピーギヴォルフリゲティヨハン・シュトラウスリヒャルト・シュトラウスタリスモーツァルト軍隊交響曲10番ピアノソナタXVI:49交響曲54番迂闊者ネルソンミサバリトン三重奏曲ベートーヴェンピアノソナタXVI:52交響曲2番ピアノソナタXVI:37ピアノソナタXVI:46皇帝日の出弦楽四重奏曲Op.71ブルックナー交響曲88番ベルリオーズナッセンバッハウェーベルンベンジャミンヴァレーズメシアングリゼーシェルシOp.20弦楽四重奏曲交響曲9番交響曲65番交響曲67番弦楽四重奏曲Op.76交響曲73番交響曲39番狩り交響曲61番リームアンダンテと変奏曲XVII:6ピアノソナタXVI:20ピアノソナタXVI:6ピアノソナタXVI:48四季交響曲全集リムスキー・コルサコフラヴェルピアノソナタXVI:44ピアノソナタXVI:45ピアノソナタXVI:21ピアノ三重奏曲第九ヒストリカル太鼓連打交響曲99番ボッケリーニロンドンシューベルト交響曲5番チャイコフスキーストラヴィンスキーライヴピアノ協奏曲XVIII:11弦楽四重奏曲Op.2序曲ヴィヴァルディオペラ序曲アリア集パイジェッロピアノとヴァイオリンのための協奏曲XVIII:6すみだトリフォニーホールピアノソナタXVI:34ブーレーズサントリーホール弦楽四重奏曲Op.74変わらぬまこと哲学者の魂、またはオルフェオとエウリディーチェアルミーダ騎士オルランド無人島チマローザ英語カンツォネッタ集ピアノ協奏曲XVIII:1ピアノ協奏曲XVIII:4ピアノ協奏曲XVIII:3交響曲3番交響曲79番アレルヤラメンタチオーネチェロ協奏曲1番交響曲58番交響曲27番交響曲19番紀尾井ホールドビュッシーミューザ川崎協奏交響曲オーボエ協奏曲LPヴァイオリンとヴィオラのためのソナタピアノソナタXVI:32ピアノソナタXVI:50ピアノソナタXVI:40ピアノソナタXVI:38ピアノソナタXVI:29スタバト・マーテルピアノソナタXVI:39マーラー告別交響曲90番交響曲97番奇跡交響曲18番ひばりフルート三重奏曲交響曲102番交響曲86番ヴァイオリン協奏曲哲学者ニコライミサ小オルガンミサミサブレヴィス交響曲95番交響曲93番交響曲78番ピアノソナタXVI:23王妃武満徹SACDライヴ録音交響曲80番交響曲81番交響曲21番マリア・テレジアクラヴィコード豚の去勢にゃ8人がかりBlu-ray東京オペラシティ交響曲11番交響曲12番交響曲4番交響曲15番交響曲1番交響曲37番ピアノソナタXVI:25ピアノソナタXVI:8ピアノソナタXVI:2ピアノソナタXVI:12ピアノソナタXVI:42ピアノソナタXVI:14ピアノソナタXVI:5ピアノソナタXVI:4ピアノソナタXVI:3ピアノソナタXVI:1ディヴェルティメント東京芸術劇場交響曲98番ピアノソナタXVI:35ピアノソナタXVI:7ピアノソナタXVI:36ドニぜッティロッシーニライヒャ弦楽三重奏曲東京文化会館フルート協奏曲弦楽四重奏曲Op.9弦楽四重奏曲Op.17剃刀弦楽四重奏曲Op.103弦楽四重奏曲Op.77ファンタジアXVII:4ピアノソナタXVI:31ピアノソナタXVI:26バードアレグリパレストリーナモンテヴェルディ美人奏者交響曲70番ピアノ協奏曲XVIII:7アコーディオンスコットランド歌曲ヴェルナーガスマンピアノソナタXVI:24交響曲51番交響曲46番交響曲35番DVD交響曲47番テレジアミサピアノソナタXVI:28アリエッタと12の変奏XVII:3ラ・ロクスラーヌ帝国ハイドンのセレナードピアノソナタXVI:51五度ラルゴラウドン将軍弦楽四重奏曲Op.33弦楽四重奏曲Op.1騎士交響曲17番ピアノソナタXVI:27シベリウス交響曲42番時の移ろいベルリンフィルホルン信号弦楽四重奏曲Op.55交響曲87番トランペット協奏曲リュートピアノソナタXVI:10ピアノ五重奏曲チェチーリアミサ東京国際フォーラムラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン雌鶏冗談ナクソスのアリアンナピアノ協奏曲XVIII:5ピアノ協奏曲XVIII:9ヴァイオリンソナタ交響曲52番ピアノ協奏曲XVIII:2ロンドン・トリオオフェトリウムドイツ国歌モテットカノンよみうり大手町ホールパッヘルベルアダージョXVII:9受難交響曲84番パリセットベルク主題と6つの変奏オペラアリアスクエアピアノピアノソナタXVI:41交響曲57番交響曲68番リラ・オルガニザータ協奏曲交響曲50番交響曲89番偽作CD-Rトビアの帰還ホルン三重奏曲薬剤師オルガン協奏曲火事交響曲38番リベラ・メピアノ協奏曲XVIII:10交響曲77番交響曲34番温泉フルートソナタドイツ舞曲誕生日校長先生ピアノソナタXVI:11音楽時計曲ピアノソナタXVI:47bisピアノ小品カートリッジ雅楽プロコフィエフヘンデルサン=サーンス交響曲36番リストオーディオバリトン二重奏曲交響曲66番交響曲91番長岡鉄男歌舞伎おすすめ盤ピアノソナタXVI:47読売日響オペラ歌舞伎座スケルツァンド弦楽四重奏曲op.33ザルツブルク音楽祭ピアノソナタXVI:22変奏曲XVII:7天地創造ミサジャズ弦楽四重奏曲Op.42交響曲76番ピアノソナタXVI:43古楽器風東急文化村ノットゥルノヴェーベルン府中の森芸術劇場裏切られた誠実バリトン五重奏曲ハイドン入門者向け歌曲ピアノソナタXVI:G1ウィーンフィル月の世界交響曲72番建築ファリャマリアテレジア交響曲56番2つのホルンのための協奏曲展覧会ピアノソナタXVI:19弦楽四重奏曲全集シャンゼリゼ劇場皇帝讃歌交響曲24番大オルガンミサ新橋演舞場サルヴェ・レジーナテ・デウムカッサシオン室内楽曲ベトナム料理国立新美術館高音質CD交響曲28番交響曲13番交響曲62番交響曲107番交響曲108番ジプシー・ロンドチェンバロ四重奏曲スカルラッティカンタータ声楽曲戦時のミサ珍盤ザロモンセットN響ハルモニーミサミサ曲全集NHKホールハインリッヒミサピアノソナタ全集ジュピターレコードマーキュリー管弦楽曲室内楽変奏曲XVII:5交響曲41番ギターピアノソナタXVI:33府中ピアノソナタXVI:30カラヤンスウェーリンク書籍交響曲71番アプラウスピアノソナタXVI:13魂の歌仙台ヤナーチェク現代音楽ピアノソナタ

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