デュトワ/NHK交響楽団のマーラー「一千人の交響曲」

今日はチケットを取ってあったN響のコンサートを聴きに渋谷のNHKホールへ。

NHK交響楽団:第1715回定期公演 Aプログラム

マーラー 交響曲第8番「一千人の交響曲」
シャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団
ソプラノ:エリン・ウォール(Erin Wall)
ソプラノ:中嶋彰子
アルト:イヴォンヌ・ナエフ(Yvonne Neaf)
アルト:スザンネ・シェーファー(Susanne Schaeffer)
テノール:ジョン・ヴィラーズ(Jon Villars)
バリトン:青山 貴
バス:ジョナサン・レマル(Jonathan Lemalu)
合唱:東京混声合唱団
児童合唱:NHK東京児童合唱団
ソプラノ(オルガン横):天羽明惠

マーラー最大規模の交響曲で、マーラーのオラトリオとも言える大曲。この曲は1980年に小沢征爾と新日本フィルの演奏を東京文化会館で聴いて以来です。かれこれ30年以上前という事になりますね。当時小沢征爾と言えば大曲をスペクタクルに振るというイメージ。覇気に溢れた伸びのあるコントロールと晋友会の精度抜群のコーラス、そして何よりホールを吹き飛ばさんばかりの大迫力に圧倒されたものでした。今回はやはり老練の域に入ったデュトワの一千人ということで、珍しくマーラーのコンサートへ。

デュトワを生で聴くのは実ははじめてです。デュトワはモントリオール交響楽団とDECCAに大量の録音を残しており、N響の音楽監督を務めていたこともあり日本ではおなじみの人でしょう。私がデュトワに興味をもったのはDECCAではなくDeutsche Grammophonにロンドン交響楽団と入れたストラヴィンスキーのペトルーシュカ。抜群のキレと鮮明な録音で後年モントリオール交響楽団とのDECCAの録音よりもいいですね。イメージとしては大局的に曲をカッチリ仕上げていく人との印象。淡々とコントロールしながら色彩感あるオケを上手く鳴らしてあまり小細工はしない人ですね。マーラーの録音はあまり聴いた事がありませんが、デュトワの振るマーラーは如何なるものか興味があり、チケットを取った次第。

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今日は開演が6時で開場が5時と土曜日ならではの時間。5時過ぎにはNHKホールに到着。お昼まで降っていた雨は上がっていたんですが、湿度が高く蒸すような感じさえしました。

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いつものようにサンドウィッチで軽くお腹を満たします。今日はビールじゃなくて赤ワインにしました。開演まで余裕があるのでホワイエでのんびり過ごします。

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今日の席は2階右側奥の席。チケットの発売から少し経ってから取ったので後ろの方の席ですが、この席は今日の曲ではポイントになる席でした。

開演時刻の5分前くらいから合唱団が入場し始めます。ステージ上のひな壇の上から次々に入っていきますが、流石に大合唱団、男性、女性と入り、つづいて児童合唱団、その両脇に再び女性合唱が入り、ステージ裏の反響版の際までぎっしりの合唱団。続いてオケが入りチューニングに入るまで10分以上かかりました。広いNHKホールとはいえ、ステージ上はオケと合唱団が隙間なく入り壮観です。

チューニングが終わるとソリスト7名とデュトワが入り万来の拍手に包まれます。

第1部:讃歌「来たれ、創造主たる聖霊よ」
冒頭のオルガンの重低音からはじまる第1部。冒頭は迫力は感じるもののオケがまだ固く、また湿度が高かったせいか楽器の鳴りがまだ良くないような印象。デュトワは大オーケストラと大合唱団を掌握しようと、大きなアクションでオケを煽ります。今日はちょっと金管の安定感が今ひとつ。しばらくするとオケの音色も落ち着いてきて、精度も上がってきます。第1部の終結部のクライマックスに至り、ちょっとビックリ。ちょっと前の通路に譜面台がありましたが、それを演奏中にもかかわらずホールのスタッフの方が持ち上げ、楽譜を見るためのランプに灯を入れます。そこに金管奏者8人が現れ、第1部の最後に天から降り注ぐようなメロディーを演奏。そのやり取りをビックリしながら見ていたせいか、第1部のクライマックスはちょっと集中できませんでした。ホールを揺るがす大音響に会場内も手に汗握る状況。最後の一音の余韻が消え入るまで、ホールは静寂に包まれました。流石デュトワのコントロールと言うべきクライマックスへの盛り上げ方でした。

第2部:ファウストの終幕の場
第2部は圧巻の出来。素晴らしかったです。第1部でオケが暖まったのか、またデュトワもペースをつかんだのか、第2部は冒頭から緊張感が漲る絶妙のコントロール。長大な第2部ですが、抑えた部分のフレーズをくっきり描き、また適度にテンポを変化させながら闇の深さを表現していくような密度の濃い音楽が流れます。歌手は粒ぞろい。体格の良い外人の歌手に混ざって、日本人の歌手の方も決して劣るようなことはなく、張りのあるいい声でした。印象に残ったのはアルトのイヴォンヌ・ナエフ、バリトンの青山貴、バスのジョナサン・レマル。特にバリトンの青山さんは存在感のある非常にしっかりとした声で良かったです。合唱の東京混声合唱団も手堅い出来。入りがおくれたりテンポが乱れることもなく盤石の出来。ところどころ入る児童合唱は中学生中心のように見受けられましたが、児童合唱ならでは透明感ある響きがきっちり表現できていて良かったです。
第2部も後半に入るとデュトワの棒が冴え渡り、マーラーの叙情的な静かな美しい旋律を磨き抜かれた響きで表現。今まで聴いたこの曲の解釈の中では最も深くこの長大な曲の構造を彫り込んだような演奏でした。そして圧巻は第2部の終結部への盛り上げ方。どうしても間延びした部分が出来てしまうこの曲を、完璧に自分の音楽にした上で、フレーズひとつひとつを組み立てながら流麗な音楽を重ね、最後は宇宙が鳴動するような響きのカオスへ。
再び目の前に金管8人が現れ最後の爆発の響きをホールの奥から振りまきます。この第2部のコントロールは鳥肌が立たんばかりの見事なもの。デュトワ先生、圧巻でした。

もちろんホールは割れんばかりの拍手とブラヴォーの嵐。何度もカーテンコールが繰り返され、合唱団の最後の列が開場を去るまで暖かい拍手が続きました。

今日はデュトワの底力を知った気がしました。オケは前半粗かったものの徐々に調子をあげ、最後は渾身の演奏。ただ金管はもっと練習した方がいいですね、今日の素晴らしいコンサートに唯一水を差した形です。



コンサートが終わってお腹も減ったので、久しぶりにパルコのレストラン階へ。

食べログ:ニャーベトナム渋谷パルコ店

最近ベトナム料理づいています(笑) なんとなく美味しいフォーが食べたくなり飛び込みで入ってみました。

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ベトナムのビール、「サイゴンスペシャル」と嫁さんはグァバジュースベースのカクテル「サイゴン・サイゴン」。ベトナムビールは悪くありません(笑)

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フォーのセットについてくる生春巻き。

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同じくセットについてくる前菜3点。どれも穏やかな味付けで美味しくいただきました。

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こちらが蒸し鶏のフォー。意外にスープの出汁が濃いめでしっかりした味。鶏のスープが良く出て美味。

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こちらが海鮮のフォー。こちらの方がスープがあっさり目でフォーらしい爽やかさがありました。お米の麺ですが、これが日本ではなくベトナムのものというのが不思議なところ。さっぱりした味は日本人の舌にも良くあいますね。このあとココナッツミルクにアズキを浮かべたデザートがでて終了。

このお店も悪くありません。キビキビ働く店員さんがなかなか気が利いて楽しく食事が出来ました。

このあと久しぶりの渋谷なので、音楽の聖地、タワーレコード渋谷店にたちより、いろいろ仕入れました。このあたりは今後のレビューで取りあげたいと思います。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : マーラー N響 ベトナム料理 NHKホール

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Daisy


Author:Daisy

ハイドン(Franz Joseph Haydn)の膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。私はなぜハイドンにはまったのか?

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(2019年3月31日)
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