イタリア四重奏団の皇帝、日の出(ハイドン)

今更ですが、名盤です。

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イタリア四重奏団(Quartetto Italiano)の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.3「皇帝」、No.4「日の出」の2曲を収めたLP。収録情報は記載されていませんが、Pマークが1976年となっています。レーベルは蘭PHILIPS。

最近、母親の遺品整理などの片付け物を集中して行っており、朝から晩まで体を動かしています。夕食後のわずかな時間に音楽を聴きながらオークションを物色したりしていますが、このLP、音源はCDで持っているかと思ってスルーしようとしていたところ、うとうとしているうちに指が滑って入札していました(笑)。まあ、値ごろだったので良しとするということで手に入れた次第。届いて、いつものように所有盤リストに登録してみると、確かに皇帝は手元にCDがあるものの、日の出は未入手だったということがわかり、結果オーライ。確認のためいつものように必殺美顔ブラシとVPIのクリーナーで丁寧にクリーニングして針を下ろしてみてビックリ! いやいや凄い音がするではありませんか。全盛期のPHILIPSの面目躍如、クァルテットのエネルギーが吹き出してくる見事な録音です。ジャケット裏面は黄ばんですすけていましたが、盤は非常に良いコンディション。これは巡り合わせが良かったですね。

イタリア四重奏団の演奏は過去に2度取り上げていますが、いずれもPHILIPS盤ではありません。

2013/12/09 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : イタリア四重奏団の鳥(ハイドン)
2011/03/17 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : イタリア四重奏団の「皇帝」、Op.33 No.2

2011年に取り上げた皇帝は仏Ades盤で1965年録音ということで、今日取り上げるアルバムの演奏より前のもの。このほか記事にはしていませんが、1969年のライヴもあります。メンバーは黄金期のこの4人。

第1ヴァイオリン:パオロ・ボルチャーニ(Paolo Borciani)
第2ヴァイオリン:エリサ・ペグレッフィ(Elisa Pegreffi)
ヴィオラ:ピエロ・ファルッリ(Piero Farulli)
チェロ:フランコ・ロッシ(Franco Rossi)

Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
歯切れの良いクァルテットの響きが眼前に広がります。実体感があり、しかも程よく残響が乗って理想的な響き。何より力強さとエネルギー感が素晴らしい演奏。まさに精気みなぎるとはこのこと。聴き慣れたこの曲ががっしりと鳴り、4人がせめぎ合う迫真の演奏が音溝に刻まれています。同音源のCDと聴き比べてみましたが、鮮度と解像度はやはりLPに分があります。流麗な弓捌きはイタリアのクァルテットならでは。独墺系のハイドンの音楽なのに基本的に陽性な明るさに満ちて輝かしさがが感じられます。1楽章はまさに見事すぎるボウイングの魅力で圧倒されます。
そしてこの曲の聴かせどころの2楽章。やはり沁みるような流麗さに包まれる音楽。変奏に入ると各パートの音色の美しさが際立ちます。これぞ名演奏という絶品の演奏に耳をそばだてます。クライマックスは変奏の後半。グッと音量を落として精妙さを極める部分。あまりの精妙さに鳥肌がたたんばかり。糸を引くような精緻なボウイング。
メヌエットも王道を極めたような堂々とした演奏。力みも外連もなく、ただただオーソドックスに攻め切る酔眼。そこから香り立つ弦のアンサンブルの気品。燻らしたような深い音色がもたらす深い陰影にうっとり。
終楽章は精緻なアンサンブルとボルチャーニの華麗な弓捌きが際立ちます。はっきりと区切りをつけるフレージングによって、まるでミケランジェロの彫刻のようなデフォルメされた深い陰影が生じ、音楽に異常な立体感が生まれ、聴き手を圧倒するような迫力を帯びる奇跡的な演奏。CDでも感じていた迫力はLPで本領発揮です。

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Hob.III:78 String Quartet Op.76 No.4 "Sonnenaufgang" 「日の出」 [B flat] (1797)
LPをひっくり返して「日の出」です。こちらもいきなりボルチャーニの見事なヴァイオリンに釘付け。次々にパートが重なって畳み掛けるような迫力。やはり素晴らしい迫力に圧倒されます。やはりアンサンブルの見事さに惹きつけられます。皇帝同様、まったく隙のない見事な演出に唸ります。全編に漲る素晴らしい説得力。
2楽章のアダージョは、皇帝以上に緊張感が張り詰めた演奏。やはりフレージングはくっきりとメリハリをつけますが、陰影はよりシャープで緊張感を強調するような演奏。この緊張感こそこの曲の聴かせどころ。
メヌエットはこの曲の本質をえぐるように弾みます。この入りの精妙な躍動感は何でしょうか。単なるフレーズなのに他の演奏とは一線を画すアーティスティックな演出。音符から音楽を掘り出して、ディティールが最も際立つようにライトを当て、素材の質感を完璧に表現した彫刻のよう。
終楽章は皇帝とはうって変わって流すような力の抜けたアンサンブル。聴かせどころは2楽章と3楽章にあり、その火照りを徐々に鎮めるような演奏ということでしょうか。最後のアクロバティックな展開も余裕たっぷり。これが粋というものでしょう。

今までこのアルバムをスルーしていたのは痛恨の極み。このLPにはイタリア四重奏団の真髄が詰まっていました。精妙さとリアリティがこれほどまでとは思いませんでした。LPを聴いてはじめてCD化で失われてしまったものがわかりました。ジャケットに写るフォーマルないでたちの4人の姿は、まさにこの曲の代表盤になることを確信して撮影に臨んだような迫力を感じます。まさに至宝と呼べるアルバムでしょう。両曲とも評価は[+++++]といたします。

(追伸)
新たにTHORENSのTD520とSME3012Rを導入。これは別記事で! ターンテーブルの色は違いますが、これでだまてらさん宅に少々近づきました(笑)



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tag : 皇帝 日の出

【新着】クリスティアン・ベズイデンホウトのソナタ集(ハイドン)

久々に、これぞというアルバムに出会いました。

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TOWER RECORDS / amazon / HMV&BOOKS onlineicon

クリスティアン・ベズイデンホウト(Kristian Bezuidenhout)のフォルテピアノによるハイドンのピアノソナタ集。収録曲は(Hob.XVI:20、XVI:6、XVI:48)、弦楽四重奏曲Op.76のNo.3「皇帝」の2楽章「神よ、皇帝フランツをまもりたまえ」の主題による変奏曲、アンダンテと変奏曲(Hob.XVII:6)の5曲。収録は2017年9月、アムステルダム近郊のハールレム(Haarlem)にある統一メノナイト教会(Doopsgezinde kerk)でのセッション録音。レーベルは仏harmonia mundi。

奏者のクリスティアン・ベズイデンホウトは私は初めて聴く人。調べてみるとharmonia mundiからはフォルテピアノによるモーツァルトのピアノソナタ全集がリリースされ、そのほかフライブルク・バロックオーケストラとのモーツァルトのピアノ協奏曲が進行中。またメンデルスゾーンの協奏曲集、イザベル・ファウストとのバッハのソナタ集、マーク・パドモアとのシューベルトやベートーヴェンの歌曲集などがリリースされており、harmonia mundiの看板アーティストという感じ。そのほか、Onyxレーベルからはヴィクトリア・ムローヴァとのベートーヴェンのヴァイオリンソナタ集、DGからもアルバムがリリースされるなど、アルバムも多数に渡るため、ご存知の方も多いでしょう。このアルバムで初めてベズイデンホウトに出会った私は、ハイドンばかり聴いていると世情に疎くなるものだと痛感した次第(笑)

このアルバムのジャケットに写るベズイデンホウトは、なかなか彫りの深い、人生経験豊富な姿に見えますが、同じくharmonia mundiから先にリリースされているモーツァルトのソナタ集のジャケットに写る姿は若々しくイケメン売り。なんとなく表現の熟成を想起させますが、まさにこのハイドンのアルバムは表現の陰影の深さを印象付けるものでありました。

Hob.XVI:20 Piano Sonata No.33 [c] (1771)
楽器は2009年製のチェコのPaul McNultyによるもので、1805年製Anton Walter & Sohnの複製品。フォルテピアノにつきものの音程の揺らぎが全く感じられないもので、非常に澄んだ響きが印象的。調律もかなり追い込まれているものと思われます。冒頭から落ち着いたリズムを刻みながらも多彩なタッチで音色が極めて豊富。フォルテピアノの構造体に響く余韻が気持ちよく響くタッチの強さを完全に掌握して、楽器を無理なく鳴らしている感じ。同じくタッチの表現の幅の広さを誇るブラウティハムがより力感を重視したタッチなのに対し、ベズイデンホウトはより繊細でニュートラルな印象。1楽章はまさにきらめくような美音に包まれ、時折すっと落とすのも響きの美しさを感じさせるのに効果的。力みなくハイドンのソナタのリズム感を浮かび上がらせる見事なタッチと言っていいでしょう。1楽章から詩情が香り立ちます。
ハイドンのソナタでもっとも美しいメロディが印象的な2楽章。あえて淡々と演奏することで美しいメロディーが引き立ちます。ベズイデンホウトはデリケートなタッチで装飾音をちりばめ、フォルテピアノの繊細な響きを活かして、この曲の美しさが際立たせます。繰り返しから音色を変えて響きの変化を楽しませてくれます。
フィナーレは流れるようなタッチで速いパッセージをこなしながら、メロディーラインをくっきりと浮かび上がらせる見事なテクニックを披露。微妙な翳りを伴う美しい瞬間の連続にハッとさせられます。1曲めにこのソナタを持ってくるあたり、ハイドンのソナタに対する理解も深そうですね。

Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
皇帝の2楽章であり、「神よ、皇帝フランツをまもりたまえ」の主題による変奏曲。美音は変わらずですが、妙に郷愁を誘う黄昏感に包まれる演奏。現ドイツ国歌のメロディーだけに、ハイドンのメロディーとして広く知られているもの。モーツァルトのソナタ集が全集に繋がったことから、このアルバムも全集の第1巻を意識しての選曲と思われなくもありません。いずれにしてもタッチの美しさは絶品です。

Hob.XVI:6 Piano Sonata No.13 [G] (before 1760)
続いてタッチの軽やかさが印象的な曲を持ってきました。フォルテピアノの響きがマッチする曲。そこここに即興性を感じさせて、まるで初期のソナタと戯れるような楽しさを感じさせる演奏。曲ごとに演奏するスタイルを微妙に変えてきています。響きではなく音楽自体を見抜いてのタッチの選択。
この曲は2楽章がメヌエット。左手のリズムをくっきりと浮かび上がらせながらの舞曲の繊細な躍動感とトリオとの対比はまさにハイドンのメヌエットの真骨頂。トリオを挟んで前半と後半のメヌエットのデリケートな弾きわけも見事。
感極まったのが3楽章のアダージョ。前曲のアンダンテも美しかったんですが、このアダージョの清涼感はなんでしょう。繊細なフォルテピアノの高音部の響きの美しさと、変幻自在なタッチから生み出されるしなやかな響きに釘付けです。奏者の澄み切った心境が音楽に昇華したよう。
フィナーレはセンス良くあえてさらりとまとめました。

Hob.XVI:48 Piano Sonata No.58 [C] (1787/9)
後期のソナタからは詩的な響きが美しい曲を持ってきました。ピアノによる演奏に慣れた耳にも全く違和感ない響き。ピアノの重厚な響きと比較して聴くような演奏ではなく、フォルテピアノの繊細な響きと、フォルテピアノの持つダイナミクスの範囲でのくっきりとしたメリハリで聴きごたえ十分。逆に余韻の美しさはピアノ以上で、後期のソナタにも関わらず、むしろピアノよりもマッチする感じ。
2楽章の速いテンポも、響きが混濁することなく見事にメロディーが浮かび上がり、軽やかな余韻で聴かせる秀逸な出来。

Hob.XVII:6 Andante con Variazioni op.83 [f] (1793)
アルバムの結びにこの曲を持ってくるとは流石。この曲では落ち着いて正面から取り組むようなニュートラルなスタンスで入ります。前半の変奏が次々と発展していくところはベズイデンホウトの表現力を遺憾無く発揮。右手と左手のニュアンスを微妙に変えながら変奏ごとに表現力を駆使して多彩な表情を作っていきます。この曲でも装飾音をセンスよく散りばめることでフォルテピアノらしい色彩感を強調。変奏のクライマックスは音量やタッチの力強さではなく、表現の多彩さで聴かせます。この長い変奏曲を見通しよくまとめる手腕も含めて見事な演奏にノックアウト。

クリスティアン・ベズイデンホウトのフォルテピアノによるソナタ集ですが、フォルテピアノの音色の美しさといい、ベズイデンホウトの繊細かつ表現力溢れるタッチといい、選曲の見事さといい文句なしに素晴らしいアルバム。フォルテピアノによるソナタ集としては一押しのアルバムと言っていいでしょう。特に全集を目指したリリースとは触れられていませんが、同じくharmonia mundiからリリースされたモーツァルトのソナタ集が全集化されたのを踏まえると、ハイドンについても全集を目指すことを期待してしまいますね。折しも現代ピアノでは、ポール・ルイスやロマン・ラビノヴィチら新世代のピアニストによる全集のリリースが始まったばかり。これにベズイデンホウトが加われば、しばらくはピアノソナタの名盤に事欠かないことになりますね。もちろん評価は全曲[+++++]とします。



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tag : ピアノソナタXVI:20 ピアノソナタXVI:6 ピアノソナタXVI:48 アンダンテと変奏曲XVII:6 皇帝

ウィーン・ニコライ弦楽四重奏団の皇帝など(日経ホール)

なんだか、記事を書き終わらぬうちにコンサートの予定になっちゃってます。コンサートでもらったチラシから気になるコンサートに出かけています。

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日経イベントガイド:第477回日経ミューズサロン

10月10日に日経ホールで行われたコンサート。ウィーン・ニコライ弦楽四重奏団(Wien Nicolai Quartett)によるハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲を並べたプログラム。ウィーン・ニコライ弦楽四重奏団とは聴きなれない名前でしたが、メンバーはウィーンフィルのメンバーで、もらったチラシには『ウィーンフィルの創始者「オットー・ニコライ」の名を冠する』とあり、至極由緒正しい感じがして、しかも今回の来日が日本のデビューコンサートということで、それならば聴いてみようということでチケットを取った次第。

しかもプログラムは下記の通り、有名曲ばかりを組み合わせた、かなり集客を意識した構成。

ハイドン:弦楽四重奏曲Op.76 No.3「皇帝」
モーツァルト:弦楽四重奏曲14番K.387「春」
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲7番Op.59-1「ラズモフスキー1番」

日本で絶大な人気を誇るウィーンフィルのメンバーがこれらの曲を弾くということで、客層の裾野はかなり広がるでしょう。メンバーは下記の通り。

第1ヴァイオリン:ヴィルフリート・和樹・ヘーデンボルク(Wilfried Kazuki Hedenborg)
第2ヴァイオリンベンジャミン・モリソン(Benjamin Morrison)
ヴィオラ:ゲルハルト・マルシュナー(Gerhard Marschner)
チェロ:ベルンハルト・直樹・ヘーデンボルク(Bernhard Naoki Hedenborg)

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日経ホールは読響以来2度目です。この日の席はやや右後方。規模は室内楽にはぴったりですが、多目的ホールなため弦楽四重奏には少々デッドで響きが痩せて聞こえるのではとの危惧がありましたが、だいたい予想通り。お客さんの入りはほぼ満員で、さすがにウィーンフィルというブランドが効いていると納得ですね。

1曲目の皇帝は、予想通りオーソドックスな演奏。1曲目ということでちょっと硬さも感じさせ、特に第1ヴァイオリンの音程が少し落ち着かない感じでした。響きがデッドなため、このあたりの粗が少し目立った感じ。ただし、1楽章で目立った粗も徐々に収まり、2楽章ではアンサンブルがかみ合ってきて、特に弱音のバランスの良さを感じさせるようになります。美しいメロディーを聴かせるところは流石にウィーンフィルということで味わい深い響きを作り出します。ヴィオラやチェロは盤石の安定感。メヌエットではこちらの耳がホールの響きに慣れてきたのか、デッドな響きがかえって心地よく感じられてくるのが不思議なところ。各パートの見通しが良くメロディーの受け渡しとリズムが鮮明に聞き取れるからでしょう。そして終楽章は複雑にメロディーが絡み合いながらまとまっていくところが聴きどころですが、弾き慣れているからでしょう、音楽が収束に向かうのを安心して聴いていられます。ということで、1曲目のハイドンはアイドリング的な感じがなくもありませんでした。

続くモーツァルトは、1曲目でアイドリングが済んだのか、冒頭から緊張感あふれる素晴らしい出来でした。ハイドンではどこか流れに淀みがあったように感じていたのが、モーツァルトでは実に楽しげにリラックスして4人のボウイングが揃って響きの統一感も上がった感じ。何よりのびのびとしてメロディーが心地よく流れ、アゴーギクもより自然に感じられました。この曲はモーツァルトがハイドンのロシア四重奏曲に深く感銘を受け、ハイドンに献呈したハイドンセットの6曲の最初の曲。作曲は1782年ということで、1曲目のハイドンの皇帝の1797年よりも15年も前に書いたことになります。こうして並べて聴くと流石にメロディーラインの美しさはモーツァルトならでは。ハイドンが構成の面白さに聴きどころを設けていたのに対し、モーツァルトはメロディーの流麗な美しさと、パートの絡み合いの面白さにこだわっていたことがよくわかります。天真爛漫にさえずるような音楽を聴いて、ハイドンがモーツァルトの才能を見抜いた時の様子を想像しながら楽しみました。特に3楽章のアンダンテ・カンタービレのジワリと染み透るような美しさ、終楽章のフーガの幽玄な感じは見事でした。

休憩を挟んで最後の曲はベートーヴェンのラズモフスキー1番。何度も書いていますが、ベートーヴェンのクァルテットは苦手分野の一つ。この曲の刷り込みは同じくウィーンフィルのウェルナー・ヒンク率いるウィーン弦楽四重奏団のもの。なんとなくウィーン風にまとめられたこのアルバムの演奏と比べて聴いてしまっていましたが、同じウィーンフィル母体のクァルテットながら、このウィーン・ニコライの方は、それと比べるとだいぶストイックに聴こえました。あえて流れの連続性を分断してキレ味を追求するような姿勢の演奏。ベートーヴェンを聴き慣れた人の耳にどう聴こえたかはわかりませんが、私には少し力入りすぎに聴こえました。まあ、ハイドンやモーツァルトはともかくベートーヴェンの感想はおまけ程度にご理解ください。この日のお客さんは迫真の力演に盛大な拍手で讃えていました。

そしてアンコールにはラズモフスキー3番のメヌエット。アンコール演奏前のアナウンスでラズモフスキーの3曲を録音して発売予定であることが告げられていましたので、番宣ならぬ盤宣という意味もあったのでしょう。

このコンサート、お手並み拝見的な気分でもありましたが、良い意味でも悪い意味でもウィーンフィルブランドに印象を引っ張られたような気がしました。ウェルナー・ヒンクやライナー・キュッヒル率いるウィーンフィル出身者のクァルテットが、ある意味ウィーン風の伝統の中で演奏してきたのに対し、このクァルテットもその期待を背負ってのスタートとなるわけです。伝統的な看板を背負ってこれからどのようにやっていくのか気になるところですね。もちろん、ハイドンの本格的な録音への期待も込めて見守りたいと思います。



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ケッケルト四重奏団の「皇帝」(ハイドン)

ちょっと前に手に入れたLP。

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ケッケルト四重奏団(Koeckert-Quartett)の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.3「皇帝」などを収めたLP。収録情報は記載されておりませんが、ネットで調べてみると、同一音源の異なるLPの記録には1952年7月13日、ハノーファー会議センターのベートーヴェン・ホール(Beethoven Saal)でのセッション録音とあります。もちろんモノラル録音です。レーベルはDeutsche Grammophon。

ハイドン愛好家の方ならケッケルトといえば60年代に録音された太陽四重奏曲集が有名ですが、その他に72年録音のOp.74のNo.1のライヴがあり、双方以前に取り上げています。

2013/08/07 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : ケッケルト四重奏団のOp.74のNo.1(ハイドン)
2011/12/10 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : 【新着】ケッケルト四重奏団の太陽四重奏曲復刻盤

両アルバムを取り上げた際に、このLPの存在も確認していましたが、それから5年以上経ってようやくこのLPに出会った次第。しかも録音は最も古く、メンバーも前出の二枚とは異なり第2ヴァイオリンがオリジナルメンバーです。

第1ヴァイオリン:ルドルフ・ケッケルト(Rudolf Koeckert)
第2ヴァイオリン:ヴィリ・ビュヒナー(Willi Buchner)
ヴィオラ:オスカー・リードル(Oscar Riedl)
チェロ:ヨーゼフ・メルツ(Josef Merz)

いつものようにVPIのクリーナーと必殺美顔ブラシでクリーニングして、モノラル専用のプレーヤーで針を落とします。

Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
モノラルですが、期待通り鮮明で切れ味鋭い音色が飛び出してくるなかなかの録音。冒頭からビシビシとテンションマックスの4人のせめぎ合いはこちらも期待通り。比較的速めのテンポでまさにキレキレの演奏が飛び出してきます。モノラルカートリッジなので音像の安定感も揺るぎなく、安心して演奏を楽しめます。このダイレクトなシャープさはCDでは味わえませんね。適度に鄙びた音色ながらきりりと引き締まった響きがだんだん心地よく感じてきます。
ドイツ国歌の元になった2楽章は、今度はテンションを落としてOp。20のNo.5同様、枯淡の境地を聴かせます。メロディーの提示の後の変奏に入ると、各パートの味わい深さが一層深みを増して、若干古めかしい印象を与えますが、それもこの演奏の味わいのうち。たっぷりとヴィブラートをかけながらも昔を慈しむようなゆったりと、そしてあっさりとした語り口が郷愁を誘います。
メヌエットの最初の鮮明な一音で雰囲気をさっと変える見事な場面転換。こうしたセンスこそが曲のメリハリを印象付けます。メロディーラインがわずかにポルタメント気味なところが時代を感じさせますが、全体の印象は切れ味の良さを保っているのが時代を先取りしていたのでしょう。
そしてフィナーレでは1楽章のキレとテンションが戻ります。硬軟織り交ぜ、クッキリとコントラストをつけながら推進力で音楽をまとめ上げる手腕は見事。多少の粗さが個性でもあり、響を揃えるのではなく音楽の表情を揃えながらも音色がそれぞれ微妙に異なることで得られる深みが聴きどころみました。実に味わい深い演奏に舌鼓。

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ケッケルト四重奏団のハイドンでは最も古い録音である皇帝。やはりケッケルトは名四重奏団と納得した次第です。モノラルながら録音も鮮明。そして演奏も覇気がみなぎる素晴らしいものでした。こうした演奏の気配というべき空気感が録音から66年も経ってもLPから湧き出てくることも驚きです。評価は[+++++]と致します。



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tag : 皇帝 ヒストリカル

マルシュナー=コッホ四重奏団のひばり、皇帝(ハイドン)

またまたLPです。こちらも最近オークションで手に入れたもの。

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マルシュナー=コッホ四重奏団(Marschner-Koch Quartett)の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.64のNo.5「ひばり」、Op.76のNo.3「皇帝」の2曲を収めたLP。収録年の記載はありませんが、ステレオであることやレコード番号から1960年代後半のリリースでしょう。レーベルは独フライブルクのCHRISTOPHORUS。

このクァルテット、ジャケットには下記の4名の奏者の名があるだけで、クァルテットの名前は記されていませんでした。

第1ヴァイオリン:ウォルフガング・マルシュナー(Wolfgang Marschner)
第2ヴァイオリン:ウルリッヒ・ゲーリング(Ulrich Grehling)
ヴィオラ:ウルリッヒ・コッホ(Ulrich Koch)
チェロ:アティス・タイヒマニス(Atis Teichmanis)

色々調べたところ、手元にあった幸松肇さんの「世界の弦楽四重奏団とそのレコード」のドイツ・オーストリア編に「マルシュナー=コッホ四重奏団として掲載されていて、ようやく情報が掴めたもの。LPの裏面にもドイツ語でクァルテットの説明はあるのですが、スイスイ読めるわけではありませんので日本語の情報があるのは助かります。

幸松さんの本によれば、このクァルテットは1960年代後半、フライブルク音楽大学で教鞭ととっていた上記メンバー4人によって設立されたもの。
ウォルフガング・マルシュナーは1926年ドレスデン生まれ。ハノーファー国立歌劇場やケルン放送交響楽団のコンサートマスターとして活躍し、1963年からフライブルク音楽大学の教職にありました。
第二ヴァイオリンのウルリッヒ・ゲーリングは1917年生まれで1942年から1947年までベルリンフィルのコンサートマスターを務めた人。1946年以降はフライブルク音楽大学で教職についています。
ヴィオラのウルリッヒ・コッホは1921年ブラウンシュヴァイク生まれでブラウンシュヴァイク国立劇場管弦楽団コンサートマスターを経て南西ドイツ放送交響楽団の首席ヴィオラ奏者として活躍、フライブルク音楽大学では弦楽器長を務めた人。
そして、チェロのアティス・タイヒマニスはネットで調べてもなかなか情報がありませんでしたが、1907年ラトヴィアのリパエーヤという町の生まれで1955年にフライブルク音楽大学で夏季セミナーを受けたということがわかりました。

クァルテットに名前がないことと、これ以外に録音も見当たらないことから、この録音を行なった時期だけしか活動していなかったのかもしれませんね。

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LPに針を落とすと、非常に伸びやかなクァルテットの響きがザクザク迫ってきます。というのもカートリッジを最近手に入れたSHUREのV-15 TypeIIIに変えたばかりで、これまでのDL-103Rをフェーズメーションのトランス経由で聴いていた厚みと安定感重視の組み合わせとの差がそういう印象を強調しているかもしれませんね。もともとアームが軽針圧向けのものなのでこちらの方があるべき組み合わせなんでしょう。オリジナル針のコンディションも良いのでしばらくこの環境で聴いてみようと思います。

Hob.III:63 String Quartet Op.64 No.5 "Lerchenquartetett" 「ひばり」 [D] (1790)
1960年代の録音であるというのが信じられないほど鮮明な響きに驚きます。そしてスピーカーの周りに広がる音場も広大でびっくり。レオポルド・マルシュナーのヴァイオリンの伸びやかさはかなりのもの。楽器が非常によく響いてヴァイオリンの胴鳴りの迫力が感じられるほど。アンサンブルも実に見事。ひばりの入りはオーソドックスなテンポながら響き渡る伸びやかさで圧倒される感じ。ひばりのさえずりもこれほどの美しさで響くとさらに印象深く聴こえます。
続くアダージョに入ると、マルシュナーのヴァイオリンは美しさの限りを尽くすように鳴り響きます。そしてそれに呼応するように各パートもよく鳴る鳴る。往時のベルリンフィルの弦楽セクションの怒涛の響きを思い起こさせます。よく響くホールでの録音でしょうが、ダイレクト感もかなりあり、冒頭に書いたように超鮮明な録音。手元のCDやSACDでもこれほどキレのある録音はありません。
メヌエットもこれが王道というような演奏。小細工なしにグイグイ来ます。全員がベストコンディションでそれをベストなロケーションで録音し、この当時のベストな録音で残したもの。千載一遇の演奏を収めた録音といっても過言ではないでしょう。
フィナーレも楽器が鳴りすぎて抑えが効かないというか、抑える必要もないので、ハイドンの書いた音楽をベストなアンサンブルで演奏するとこうなる的完璧な演奏。あまりに圧倒的なパフォーマンスにノックアウトです。

Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
皇帝も同様、冒頭からアンサンブルが響きまくって素晴らしい響きに包まれます。4人がそれぞれ畳み掛けるようにインテンポで演奏しながらアンサンブルの線がぴしっとそろって響く快感。しかも全員楽器が鳴りまくってるのは前曲同様。曲毎の演奏スタイルの変化は感じず、それよりも普遍的な表現を目指しているよう。あまりの説得力に圧倒されるというのが正直なところです。

偶然見かけて手に入れたアルバムでしたが、あまりに見事な演奏と時代の空気までも閉じ込めたような見事な録音に脱帽です。フライブルク音楽大学の教職にあったとはいえ、この完璧なアンサンブルはこれまでのどの録音よりも見事なもの。しかも弦楽器がこれほどまでによく響いた演奏も稀なものでしょう。ハイドンの有名弦楽四重奏曲2曲の決定盤としても良いでしょう。私は非常に気に入りました。ということで評価は両曲とも[+++++]といたします。

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tag : ひばり 皇帝 LP

プラハ四重奏団の「皇帝」、「セレナード」(ハイドン)

まだまだ真価を知らなかった演奏はいろいろあるものですね。今日は弦楽四重奏の名演奏を。

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プラハ四重奏団(Prager Quartett)の演奏で、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.3「皇帝」、伝ハイドン作の「セレナード」の2曲を収めたLP。収録は1972年5月、プラハでとのみ記載されています。レーベルは日本のキングレコードによるeurodiscの国内盤。

プラハ四重奏団は1956年、プラハ交響楽団の首席奏者であったブレティスラフ・ノヴォトニーを中心に結成されたクァルテット。結成当初はプラハシティ四重奏団と呼ばれており、プラハ四重奏団と名乗るようになったのは1965年からとのこと。結成直後の1958年にはベルギーのリエージュで開催された国際コンクールで優勝し、国際的に注目されるようになり、活躍の場は世界に広がりました。メンバーは、結成後1957年、1968年にノヴォトニー以外のメンバーが入れ替わって、このアルバム演奏時の下記のメンバーとなりました。

第1ヴァイオリン:ブレティスラフ・ノヴォトニー(Bretislav Novotny)
第2ヴァイオリン:カレル・ブジビル(Karel Pribyl)
ヴィオラ:リュボミール・マリー(Lubomir Mary)
チェロ:ヤン・シルツ(Jan Sirc)

日本にも1965年をはじめに度々来日しており、日本で録音したアルバムも多数リリースされているということで、年配の方にはおなじみのクァルテットかもしれませんね。レパートリーはモーツァルト、ハイドン、ベートーヴェンなどの古典から現代ものまで幅広く、ハイドンについてはこのアルバムの他にもOp.20のNo.5、Op.54のNo.2があるそうです。

ちなみにこのアルバムは最近オークションで手に入れたもの。eurodiscの国内盤ですが、ミントコンディションの盤面に針を落とすと、いきなり鮮烈、華やかな演奏に引き込まれました!

Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
鮮烈に響く4本の弦楽器。緊密かつ華やかにリズムを刻み、音楽がイキイキと弾みます。演奏によってここまで躍動するのかと関心しきり。そして交錯するメロディーの美しさが浮かび上がります。緊密なハイドンも鋭いハイドンもいいものですが、やはり明るく華やかに弾むハイドンの楽しさに勝るものはないとの確信に満ちた演奏。陽光のもとに輝く骨格が圧倒的な美しさで迫ります。1楽章は別格の出来。
そして有名な2楽章はヴィブラートがしっかりかかった弦のハーモニーがしっとりと沁みる演奏。訥々と変奏を重ねて行く毎に枯淡の境地に至り、色数をだんだん減らし淡色の景色に変わります。最後はモノクロームの透徹した美しさに。よく見るとモノクロなのに色が見えるような豊かさも感じさせるアーティスティックな世界。絶品。
メヌエットでは、躍動感はそこそこながらしなやかに流れるメロディーを丁寧になぞりながら曲そのものの美しさをしっかりと印象付け、フィナーレでは精緻すぎることなく手作り感を程よく残しての迫力でまとめます。適度な音程のふらつきも手作り感に繋がっているんですね。クァルテットの勘所を押さえた実に見事な演奏でした。

String Quartet Op.3 No.5 "Serenadequartett" [F] (Doubtful 疑作 Composed by Roman Hoffstetter)
1楽章の弾むような華やかさは皇帝と同じですが、こちらの方は曲の作りも手伝って、より気楽さを感じさせる演奏。演奏する方も楽しんで演奏しており、奏者もリラックスしているように聴こえます。ハイドンの作ではないことがわかっていますが、長年ハイドンの曲として演奏されてきた伝統もあり、実にこなれた演奏。この力の抜け具合がこのクァルテットの実力を物語っています。
ピチカートに乗ったセレナードも同様、リラックスして実に楽しげ。このさりげない美しさこそハイドンの本質でもあります。簡単そうに見えて、この境地に至るには並みの力では及びません。やはりこの曲は名曲ですね。
メヌエットも見事に力が抜けて軽やか。そして終楽章のスケルツァンドも同様。曲自体に込められたウィットを見抜いて全編を貫く軽やかさで包んできました。この辺りも手慣れた感じながら、曲の本質を突く見事なアプローチです。

プラハ四重奏団による皇帝とセレナード。名演奏揃いのこの曲の中でも指折りの名演奏と言っていいでしょう。やはりハイドンの演奏にはこの明るさ、軽やかさが似合います。鬼気迫る精緻なハイドンもいいものですが、このような演奏を聴くと、ハイドンはこう演奏するのが粋なのだとでも言いたげな余裕を感じます。おそらくCD化はされていないものと思いますので、このLPが彼らのハイドンの貴重な証ということでしょう。評価はもちろん両曲とも[+++++]とします。



最近手元には幸松肇さんの「世界の弦楽四重奏団とそのレコード」というシリーズものの書籍があり、それを参照するとクァルテットの情報はかなりわかりますので調べるのに苦労することは少なくなりました。こちらは第3巻の東欧諸国編です。



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tag : 皇帝 ハイドンのセレナード 弦楽四重奏曲Op.76 LP

モードゥス四重奏団の五度、皇帝、ラルゴ(ハイドン)

今日は変わり種です。

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TOWER RECORDS / amazon / ローチケHMV
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モードゥス四重奏団(Quartetto Modus)によるハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.2「五度」、No.3「皇帝」、No.5「ラルゴ」の3曲を収めたアルバム。ただし通常の編成ではなく、第1ヴァイオリンをフルートに変えたもの。収録はイタリア、トスカーナ州のピサ近郊にある温泉街のサン・ジュリアーノ・テルメ(San Giuliano Terme)にあるヴィラ・ディ・コルリアーノ(Villa di Corliano)でのセッション録音。レーベルは伊stradivalius。

ハイドンが弦楽四重奏曲の父と呼ばれ、存命中にヨーロッパで絶大な人気を博していたのは皆さんご存知の通り。そしてハイドンの時代、アマチュア音楽家にとって最も人気のある楽器はフルートであったことから、ハイドンの最も有名な弦楽四重奏曲をフルート四重奏曲に編曲するニーズがあったものと思われます。この辺りの経緯は以前取り上げた別のフルート四重奏曲のアルバムの記事に詳しく記載しておりますので、ご参照ください。

2011/04/09 : ハイドン–室内楽曲 : フルート四重奏による太陽四重奏曲

今日取り上げるフルート四重奏曲への編曲は、こうした世相を踏まえて弦楽四重奏曲からフルートと弦楽のための四重奏に編曲されたものと思われ、ハイドン自身によるものかはわかりませんが1800年頃にドイツのジムロック社から出版されたものとのこと。ハイドンの弦楽四重奏曲の頂点たるこれらの曲の、当時人気の編成への編曲版の楽譜が出版されるのは時代の流れでしょう。ただし、ハイドンの楽曲は楽器の音色を踏まえて書かれており、楽器が変わると表情もかなり異なります。果たして第1ヴァイオリンをフルートに持ち替えたことが吉と出ますでしょうか。

モードゥス四重奏団についてはライナー・ノーツなどにも何も記述がなく、また、Webを探してもこれといった情報が出てきません。この録音のために結成されたクァルテットということでしょうか。メンバーは2枚とも共通で下記の通り。

フルート:ロベルト・パッパレッテーレ(Roberto Pappalettere)
第2ヴァイオリン:クラウディオ・マッフェイ(Claudio Maffei)
ヴィオラ:ファブリツィオ・メルリーニ(Fabrizio Merlini)
チェロ:カルロ・ベンヴェヌーティ(Carlo Benvenuti)

このアルバムの他に、同じ奏者による2015年録音のOp.76の残り3曲を収めたアルバムもリリースされていますが、聴き比べてみると今日取り上げるアルバムの方が演奏の流れが自然なため、こちらを取り上げた次第。

Hob.III:76 String Quartet Op.76 No.2 "Quintenquartetett" 「五度」 [d] (1797)
聴き慣れた五度のメロディー。フルートの響きによってメロディーが華やかに浮かび上がります。パッパレッテーレのフルートはタンギングのキレ味良く、メロディーが爽やかに響きます。弦楽四重奏では鬼気迫るような1楽章も、メロディーがフルートに変わっただけで印象がガラリと変わります。音楽自体も少し軽く響くように感じます。また弦楽四重奏ではパート間の緊密な連携に耳が向きますが、フルートではメロディーが頭一つ抜き出ているので、メロディー自体の印象が非常に強くなります。アマチュア演奏家にとっては、有名なハイドンのメロディーでアンサンブルを楽しめるということで、これはこれでアリでしょう。現代におけるカラオケのような楽しみ方ができるような気がします。そうした気楽さで聴くとなかなか面白いものです。演奏も変にアーティスティックなところはなく、純粋に演奏を楽しむよう。また録音もフルートが心地よく聴こえるよう残響が多めで、音量もフルートが一番目立ち、弦は逆に残響の所為で穏やかに響きます。これはこの曲の位置づけを良く考えての録音なんでしょう。
2楽章は屈託無く明るいメロディーがフルートによって響きわたり、爽やかそのもの。テンポもほぼ揺らさず淡々と演奏して行きますが、それがなんとも心地良い。普通は曲に挑むところですが、そういった邪心は皆無。メヌエットでもハイドンのメロディーを楽しむようなサラサラストレートな演奏。
気楽に聴いてきたんですが、フィナーレに入ると速めのテンポでグイグイくるではありませんか。曲自体も緊密な構成ゆえのこととは思いますが、やはりここは聴きどころとばかりにアンサンブルが引き締まります。ハイドンのフィナーレはやはり聴き応え十分。

Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
続いて皇帝。前曲よりフルートに対して弦の音量がわずかに増したような気がします。バランスはこちらの方がいいですね。やはり響きはかなり華やかになりますが、、、五度では原曲のメロディーを楽しむ程度に聴こえていたものが、この皇帝では弦とのバランスが取れたことで、なんとなくより本格的なアンサンブルの面白さも感じられるようになってきました。1楽章は五度のフィナーレ同様緊密さで聴かせる見事な演奏。そして皇帝讃歌のメロディーの変奏となる2楽章は、通常は定位で聴き分けるしかない第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンがはっきりと聴き分けられ、ハイドンがこの曲に仕込んだ変奏の面白さが際立ちます。これは非常に面白い。続くメヌエットもメリハリがキリリとついて奏者も楽しそう。特にフルートのタンギングの鋭さが増して、実にリズムのキレが良い。弦楽器の擦るという行為で表現できる鋭さとは異なりますね。またフルートの響もぐっと深くなり音色の魅力も増してきました。そしてフィナーレの緊密なアンサンブルは期待通り。ここでもフルートのヴァイオリンの掛け合いの面白さが際立ちます。

Hob.III:79 String Quartet Op.76 No.5 [D] (1797)
最後はラルゴ。一貫して華やかさ、爽やかさを保っていますが、ここにきてふくよかさも加わります。皇帝同様アンサンブルもバランス良く、ここまでくると元の弦楽四重奏曲のイメージが邪魔せず、純粋にフルート四重奏の響きを楽しめるように耳も慣れてきました。これまで触れてこなかった、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのバランスですが、前曲までは掛け合いを目立たせることなく、フルートとの対比の面白さを際立たせるために過度な表現を抑えているように聴こえましたが、このラルゴに入ると、それぞれ燻し銀ともいうべき味わいの深さを感じさせるようになります。
ラルゴの聴きどころである2楽章は、ぐっとテンポを落としてこれまでで一番抑揚をつけてしっとりと描きます。徐々に響きが深く沈みフルートの低音とヴィオラやチェロの響きが重なってえも言われぬ雰囲気に。そこにふっと高音のヴァイオリンが入るところは、これまでと異なる対比が顔を出し、ハッとさせられます。そしてメヌエットの大胆な音形、中間部ではチェロが初めて踏み込んだボウイングを聴かせるなど徐々に各奏者もちらりと腕を見せます。最後のフィナーレは弦楽器以上の爽快感を伴いながらの疾走。あえてフルート四重奏曲として演奏しているだけに、最後はフルートの音階の鮮やかさを印象づけて終わります。

モードゥス四重奏団のフルート四重奏による五度、皇帝、ラルゴのハイドン名曲3点セット。最初に聴いた時には弦楽四重奏との音色の違いの印象が強く、フルートの華やかな響きによってちょっと深みに欠けるという印象が強かったんですが、五度ではその華やかな気楽さこそがこうした編曲ものの演奏にはふさわしいと思うようになり、聴き進めていくと、だんだんこの編成の面白さと深みを感じられるようにこちらの耳も変化してきました。この面白さは弦楽四重奏を聴き込んだベテランの方にはわかっていただけるでしょう。評価は五度[++++]、皇帝とラルゴは[+++++]とします。

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tag : 弦楽四重奏曲Op.76 五度 皇帝 ラルゴ

絶品! バルトーク四重奏団のひばり、皇帝、日の出(ハイドン)

今日は弦楽四重奏曲のアルバムですが、少々古めのもの。先日ディスクユニオンで入手しました。

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バルトーク四重奏団(The Bartók Quartet)によるハイドンの弦楽四重奏曲Op.64のNo.5「ひばり」、Op.76のNo.3「皇帝」、Op.78のNo.4「日の出」の3曲を収めたアルバム。収録は1993年5月12日から15日にかけて、富山湾の東端にある富山県下新川郡入善町の入善コスモホールでのセッション録音。レーベルはCANYON Classics。

バルトーク四重奏団は1957年にブダペストのフランツ・リスト音楽院の卒業生によって設立されたクァルテット。設立当初は第1ヴァイオリンのペータル・コムロシュの名前をとってコムロシュ四重奏団と名乗っていましたが、1962年にバルトークの未亡人の同意を得てバルトーク四重奏団と改名しました。1963年にブダペストで開催されたワイナー室内楽国際コンクールで優勝、翌1964年にはベルギーのリエージュ国際弦楽四重奏コンクールでも第1位、さらに1963年までに数多くの国際コンクールに優勝し、世界的に注目されるようになりました。レパートリーはバルトークはもちろん現代ハンガリーの作曲家の作品から、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、メンデルスゾーン、ラヴェル、ドビュッシー、シェーンベルクなどと幅広く、膨大な録音が残されているとのこと。日本には1971年の初来日以来、度々来日していたとのことで、実演に接した方もいるかもしれませんね。2006年のバルトークの弦楽四重奏曲全曲演奏会を最後に解散しています。メンバーは下記の通り。

第1ヴァイオリン:ペータル・コムロシュ(Péter Komlós)
第2ヴァイオリン:ゲーザ・ヘルギタイ(Geza Hargitai)
ヴィオラ:ゲーザ・ネーメト(Géza Németh)
チェロ:ラースロー・メズー(László Mezö)

膨大な録音を残し、日本との関わりも深いバルトーク四重奏団ですが、私はこのアルバムで初めて演奏を聴きます。なおヴィオラのゲーザ・ネーメトはHUNGAROTONからヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲のアルバムのヴィオラを弾いていて、以前に取り上げています。

2012/06/05 : ハイドン–室内楽曲 : デーネシュ・コヴァーチュ/ゲーザ・ネーメトによるヴァイオリンとヴィオラのためのソナタ集

このバルトークの名を冠したクァルテットによるハイドン、さぞかしキレ味鋭い演奏が聴かれるだろうと思って、聴きはじめたところ、さにあらず。いやいや実に趣深い燻し銀の演奏でした。

Hob.III:63 String Quartet Op.64 No.5 "Lerchenquartetett" 「ひばり」 [D] (1790)
広い空間に伸び伸びと響くクァルテットの音色。落ち着いたテンポでゆったりと音楽が流れます。非常にリラックスして演奏しているのがわかります。奏者が演奏を存分に楽しんでいる感じ。もちろん第1ヴァイオリンのコムロシュのボウイングは伸びやかで他のパートから首一つ抜け出してくっきりとメロディーを奏でていきます。まさに折り目正しい一級品の演奏。ひばりの1楽章がこれほど伸びやかかつキレのいい響きで始まろうとは思っていなかっただけに、驚きに近い衝撃がありました。まさに晴天の中、囀りながら空高く飛び回るひばりの気分。
続くアダージョ・カンタービレは歌う歌う。伸びやかさの限りを尽くした演奏に聴いているこちらまで伸びやかな気分になります。まるでバルトークと違って、技巧を凝らさなくていいことを余裕たっぷりに楽しんでいるような演奏。よくぞこれだけリラックスできるものかと唸ります。
メヌエットでも楽器が思い切りよく鳴り響き、晴朗かつ屈託のない響きにハイドンの曲の本質が宿ります。これぞメヌエットという鮮明な響き。中間部で一旦トーンをすっと落として翳りを見せたかと思うと、再び陽光の下に輝かしい音楽が蘇ります。このテンションの変化が実に心地良い、見事なメヌエット。
さざなみのように峙つヴァイオリンの伴奏に乗ってメロディーが弾む最後のヴィヴァーチェ。適度な揺らぎの中メロディーが飛び回る感じがライヴ感に溢れた演奏。1曲目から驚きの名演奏でした。まるで古典をホームグラウンドとするような均整の取れた演奏。

Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
続く皇帝もリラックスした演奏は変わらず、揺るぎない安定感を伴い、またまた歌う歌う。音符がひとりでに遊びまわるような愉悦感。あまりの見事さに息を飲みます。4本の楽器が鬩ぎ合いながらも一体となって音楽を作っていく様子はスリリングながら、音楽は楽しげに弾んで行きます。圧倒的な音楽の完成度に唸り続けます。これほど見事な皇帝の1楽章は初めて。
有名なドイツ国歌の2楽章は、少しテンションを落として質実な響きを聴かせます。これは変奏に入ると少しづつ自在さを加えて展開していく面白さのためのわかり、設計の確かさにまたまたまた唸ります。変奏ごとに長く間を取り変化を深く印象付けます。ただでさえ美しいメロディが孤高の美しさを帯びて輝きます。一つのメロディに宿る美しさに様々な角度からスポットライトを当てて味わい尽くす見事な演出。最後は枯淡の境地へモーフィング。絶品。
美しさの限りを尽くした2楽章の余韻を慈しむかのように少し寂しげに響くメヌエット。この辺りの感情の変化はデリカシーに富んでいてまさにハイドンが楽譜に込めた魂を汲んでいるよう。途中からさっと霧が晴れ、陽の光が差し込むような変化も見事。メヌエットだけでも曲ごとの描き分けの巧みさにこのクァルテットの表現力を思い知らされます。
激しく鋭い終楽章も、余裕たっぷりに入ります。険しい音楽もあえて少し緩めに演奏することで、バランスを保ち、力が入り過ぎるのを抑えて終えます。

Hob.III:78 String Quartet Op.76 No.4 "Sonnenaufgang" 「日の出」 [B flat] (1797)
最後の日の出。すでにこのクァルテットの素晴らしさに酔っています。ゆったりと溜めを効かせてざっくりと刻む音楽が心地よい響きに感じられ、まるでライヴを聴いているような不思議な一体感に包まれます。これぞ弦楽四重奏の醍醐味。よく聴くとこの曲ではざっくりとした織目の感触の面白さがポイントと見えてきます。手編みのような味わい深いテクスチャーと織り出される模様のリズムが絶妙。この味わい深さはまさに燻し銀。
さらに圧巻なのは続くアダージョ。4本の楽器の織りなす綾のデリケートな変化が生み出す豊かな音楽。まさに至福のひととき。単なる音符にあらず、人の温もりを感じる生きた音楽が滔々と流れ、完全にバルトーク四重奏団の音楽になっています。天上の世界を垣間見たような感覚に襲われます。
そしてこの曲のメヌエットは入りから安らぎと幸福感に満ちたもの。どうしたらメヌエットからこのような感情を呼び起こせるのでしょうか。魔法をかけられたよう。ほんの少しのニュアンスの付け方で音楽がこれほどまでにいきいきとしてくる不思議さ。中間部のゆったりとした緊張感! 完全に彼らの音楽に仕上がっています。
そしてフィナーレは爽快に来る演奏が多い中、リズムの面白さを強調して、メリハリをつけてきました。ざっくりと始まったこの曲をリズミカルな終楽章で締めるなかなかの組み立て。最後はサラサラと流すサラサラ感をかなり強調した、これまた創意に溢れた演出。味わい深いばかりではなく、さらりと見せるアイデアのセンスの良さにも唸ります。

バルトーク四重奏団という名前から想像した演奏とはあまりに異なり、実に味わい深い演奏にノックアウト。このハイドンは現代音楽を得意とするクァルテットから想像される鋭角的な響きは皆無。むしろどのクァルテットの演奏よりもハイドンの真髄を射抜く絶妙な演奏と言っていいでしょう。選曲もハイドンの有名曲の組み合わせで入門盤としても最適なもの。もちろん評価は[+++++]を進呈いたします。ただし、現在入手しやすいとは言えない状況なのが残念なところ。これは是非再販してほしいですね。

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tag : ひばり 皇帝 日の出 弦楽四重奏曲Op.64 弦楽四重奏曲Op.76

シュトラウス四重奏団の騎士、皇帝(ハイドン)

新着アルバムが2枚続きましたので、最近聴いてよかったLPを取り上げます。先日オークションで手に入れたもの。

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シュトラウス四重奏団(Strauss Quartett)の演奏で、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.74のNo.3「騎士」、Op.76のNo.3「皇帝」、伝ハイドンによるセレナード(Op.3のNo.5)の3曲を収めたLP。収録年も場所も記載がありませんが、いろいろ調べて見ると1960年代の録音との情報が出てきました。レーベルは独TELEFUNKEN。

シュトラウス四重奏団ははじめて聴くクァルテット。メンバーは下記のとおり。

第1ヴァイオリン:ウルリッヒ・シュトラウス(Ulrich Strauss)
第2ヴァイオリン:ヘルムート・ホーヴァー(Helmut Hoever)
ヴィオラ:コンラート・グラーエ(Konrad Grahe)
チェロ:エルンスト・シュトラウス(Ernest Strauss)

クァルテットの名前は第1ヴァイオリンとチェロのシュトラウス兄弟からとったもの。1957年から80年代まで、主にドイツ西部のエッセンにあるフォルクヴァンク美術館をで活動していたとのこと。録音は今日取り上げるLP以外にはハイドンの「日の出」と「ラルゴ」があるくらいのようで、知る人ぞ知る存在という感じでしょうか。

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このアルバム、TELEFUNKENの黒地に金文字の厳かなデザインがなかなかいいですね。いつものように、VPIのクリーナーでクリーニングして針を落とすと、スクラッチノイズもほぼ消え、ちょっと古風ながらドイツ風の質実剛健な弦の響きがスピーカーから流れ出してきました。

Hob.III:74 String Quartet Op.74 No.3 "Reiterquartetett" 「騎士」 [g] (1793)
聴き慣れた騎士の入りのフレーズ。速めのテンポでサクサクと入りますがフレーズごとにテンポと表情をくっきりと変えてくるので、実にニュアンス豊かな演奏に聴こえます。険しい響きの中から明るいメロディーがすっと浮かび上がる面白さ。一人一人のボウイングが適度に揺れているので、かっちりとしたハーモニーを作るのではなく、旋律のざっくりとしたリズミカルな綾の味わい深かさが聴きどころの演奏。
騎士の白眉であるラルゴは前楽章以上に味わい深いハーモニーを堪能できます。力が抜け、ゆったりとリラックスできる演奏。LPならではのダイレクトな響きの美しさに溢れています。途中からテンポをもう一段落としてぐっと描写が丁寧になったり、アドリブ風に飛び回るようなヴァイオリンの音階を挟んだり、軽妙洒脱なところも聴かせるなかなかの表現力。
続くメヌエットはこのクァルテットの味わい深くもさりげなくさらさらとした特徴が一番活きた楽章。この表現、この味わい深さに至るには精緻な演奏よりも何倍も難しいような気がします。
その味わい深さを保ったままフィナーレに突入。サクサクさらさらと楽しげに演奏していきます。どこにも力みなく、どこにも淀みなく流れていく音楽が絶妙な心地良さ。それでいてフレーズ毎に豊かな表情と起伏が感じられる見事な演奏。騎士のフィナーレは力む演奏が多い中では、この軽やかさは貴重。まるでそよ風のように音楽が吹き抜けていきます。

Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
名曲皇帝も前曲同様、比較的速めのテンポでさらりとした入り。音楽をどう表現しようかというコンセプトを考える前に、体に染みついているハイドンのメロディーが自然に音楽になって流れ出している感じ。この自然体の演奏スタイルなのに、音楽に躍動感と気品のようなものがしっかりと感じられるのが素晴らしいところ。よく聴くとアンサンブルもまったく乱れるところはなく、音楽の推進力に完全に身を任せているよう。
レコードをひっくり返してドイツ国歌の2楽章。媚びないさっぱりと演奏から滲み出る情感に咽びます。この悟りきったような自然さがこのクァルテットの真髄でしょう。よく聴くとヴァイオリンのみならず、ヴィオラ、チェロもかなりのしなやかさ。全員のボウイングのテイストがしっかり統一されていて、それぞれが伸びやかに演奏することから生まれる絶妙なハーモニー。第1ヴァイオリンのウルリッヒ・シュトラウスは1929年生まれなので録音当時は30代ですが、その年代とは思えない達観した演奏。
メヌエットも前曲同様屈託のないもの。そしてさっとフィナーレに入り、劇的なフィナーレをさらりとまとめてくるのも同様。この曲のクライマックスは2楽章であったとでも言いたげに、さらりとやっつけます。

String Quartet Op.3 No.5 "Serenadequartett" [F] (Doubtful 疑作 Composed by Roman Hoffstetter)
ご存知セレナーデ。速めなテンポは同様。味わい深さもさらりとした展開も同様。ただそれだけならばそれほど聴き応えのある演奏にはならないのですが、音色の美しさとフレーズ一つ一つがイキイキとしているので不思議と引き込まれるのも同様。特に2楽章のピチカートの響きの美しさはかなりのもの。こちらも素晴らしい演奏でした。

実にさりげない演奏なんですが、実に味わい深く、LPであることも手伝って美しい響きに包まれたハイドンの名曲をさらりと楽しめる、通向けの演奏。ハイドンのクァルテットをいろいろ聴いてきた人にはこの味わい深さはわかっていただけるでしょう。入手はなかなか容易ではないでしょうが、中古やオークションでは見かける盤ですので、みかけた方は是非この至福の自然体を味わっていただきたいと思います。評価は全曲[+++++]とします。

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tag : 騎士 皇帝 ハイドンのセレナード 弦楽四重奏曲Op.74 弦楽四重奏曲Op.76 ヒストリカル LP

フィルハーモニア・クァルテット・ベルリンの「五度」「皇帝」(ハイドン)

このところ新譜も色々聴いているのですが、結果的に古い録音のばかりを取り上げています。やはり、時を経て聴き続けられるだけあって味わい深さが違います。

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amazon(別装丁盤)

フィルハーモニア・クァルテット・ベルリン(Philharmonia Quartet Berlin)による、伝ハイドンの弦楽四重奏曲Op.3のNo.5「セレナード」、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.2「五度」、No.3「皇帝」の3曲を収めたアルバム。収録は1983年9月10日、11日、西ベルリンのジーメンス・ヴィラでのセッション録音。レーベルはDENON。

このアルバム、最近ディスクユニオンで手に入れたもの。フィルハーモニア・クァルテット・ベルリンによるハイドンは以前に一度取り上げています。

2012/06/28 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : フィルハーモニア・クァルテット・ベルリンの十字架上のキリストの最後の七つの言葉

こちらは1999年の録音ということで、今日取り上げるアルバムから約16年あとの録音。フィルハーモニア・クァルテット・ベルリンはご想像の通り、ベルリンフィルの団員で構成されたクァルテットですが、メンバーはチェロが替わっていないだけで他の3人は入れ替わっています。この録音時のメンバーは下記の通り。

第1ヴァイオリン:エドワルド・ジェンコフスキー(Edward Zienkowski)
第2ヴァイオリン:ワルター・ショーレフィールド(Walter Scholefield)
ヴィオラ:土屋邦雄(Kunio Tsuchiya)
チェロ:ヤン・ディーゼルホルスト(Jan Diesselhorst)

第1ヴァイオリンのエドワルド・ジェンコフスキーはベルリンフィルに在籍していましたが、この録音時にはケルン放送交響楽団のコンサートマスターに転出していました。土屋邦雄さんはカラヤン時代のベルリンフィルのヴィオラ奏者として有名ですね。

上の「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」は冷徹なまでに冴え冴えとしたまさにベルリンフィルらしい精緻な演奏でした。この録音の前、1989年にカラヤンが亡くなり、1990年からアバド時代に突入しており、まさにアバドがベルリンフィルに持ち込んだ精緻な音楽を象徴するような演奏と言ってもいいでしょう。今日取り上げる方の録音はカラヤンの晩年のベルリンフィルのメンバーによる録音ということで、メンバーも含めてクァルテットの背景も異なりまうす。カラヤンが指揮した録音は特に晩年は徹底的にカラヤン流に仕立てられ、レガートを効かせて磨き込んでいますが、ライヴは意外にオケに任せている印象があります。今日のアルバムもまさにメンバーが演奏を楽しむような屈託のなさを感じる演奏です。

String Quartet Op.3 No.5 "Serenadequartett" [F] (Doubtful 疑作 Composed by Roman Hoffstetter)
最初はハイドンの真作ではないですが、有名な「セレナード」。この曲のみ違うパッケージで2種の録音が手元にあったため、馴染みの演奏。腕利き揃いの奏者が軽々と演奏を楽しむような力の抜けた余裕たっぷりの演奏。この力の抜け方こそが、ハイドンの音楽を楽しむポイントだと見抜いての確信犯的演奏ですね。どの楽章も見事に軽々と演奏して、この美しいメロディーの曲をさらりと仕上げています。曲に対するスタンス自体ですでに勝負あったと言っていいでしょう。攻め込もうとか表現を極めようなどという無粋なことは一切頭の中になく、ただただ演奏を楽しむという一貫した姿勢が生む素晴らしい説得力。メインディッシュたるOp.76からの名曲2曲の前座としては十分な演奏です。

Hob.III:76 String Quartet Op.76 No.2 "Quintenquartetett" 「五度」 [d] (1797)
前曲と同様、力の抜けた演奏が冒頭から心地よいのですが、曲が真正面から切り込むようなタイトなものだけに、同じような演奏でも若干テンションが上がって聴こえます。耳をすますと演奏の精度が高いわけではなく、適度に荒いところもあり、これが緊張感を高めすぎず、おおらかな印象を保っているよう。適度な緊張感と適度に楽天的な絶妙なバランスを保っています。
素晴らしいのが続く2楽章。実にカジュアルな語り口で淡々と進め、あえてメリハリを抑えているようですが、そのような演奏がハイドンの素朴な音楽の魅力を引き立てているよう。彫り込みを深くすることだけが音楽を深めるわけではないという好例。ボブ・ディランの歌が、彼の素朴な声の魅力で成り立っているのと同様、この語り口はを聴いていただかなくてはわからないかもしれませんね。
メヌエットもあえて表現の幅を抑えた演奏。淡々を進む音楽からメロディーのおもしろさが滲みます。中間部の弦楽器の音が重なりあう面白さの表現も聴かせどころを集中させているからこそ際立つもの。音の重なりの推移の面白さだけが際立つようにあえて仕組まれています。
フィナーレもさらりとしたもの。抑えた表現から音楽が湧き上がります。もちろん力みも変な表現意欲のかけらもなく、ただただ素直な演奏こそがハイドンの音楽の魅力を伝えると確信を持っているように弾き続けます。短調の陰りも過度にとらえず、最後まで一貫したスタンスを貫き、余裕たっぷりの演奏で結びます。

Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
名曲「皇帝」。もちろんこちらも力ヌケヌケ! まるで練習でもしているようにやさしく自然な演奏。ただし流石はベルリンフィルの一流どころだけあって、締めるところはキリリと締めてきます。力んだ演奏は無粋だとでもいいたげな気楽さ。ピシッとしていながらどこか楽天的な音楽はまさにハイドンの音楽の肝そのもの。名手がさらりと演奏する余裕を楽しみます。ところどころ音階のキレを楽しむような部分で遊び心を見せながらも、純粋無垢な心境を映すような演奏にほくそ笑みます。
有名な2楽章もちょっと枯れ気味になりそうなほど力を抜いた自然な音楽を楽しみます。変奏は蝶が優雅に花の間を飛び回るがごとき風情。適度にくだけた弓づかいが生み出すしなやかなフレージング。酔拳のようなふらつきの美学も感じさせます。技は音楽にあらずという信念が感じられる優雅さが満ちています。実に味わい深いひととき。音楽を知り尽くしているからこその達観した境地。
夢から覚まされたかのように筋の通ったメヌエットの入りで、我にかえります。媚びない素朴な演奏は前曲同様、かえってメヌエットのメロディーの面白さが際立ちます。淡々サラサラ枯淡の境地。
曲の締めくくりのフィナーレでもやはり力みは皆無。八分の力でカジュアルにアンサンブルを楽しむ余裕があります。一貫して素朴さが生み出す味わい深さが聴きどころの演奏。最後もアンサンブルを精緻にキメようというような感じは全くなく、複雑な音階の絡みあいの複雑さを楽しむがごとき境地に至っています。

振り返ってみると、冒頭の「セレナーデ」が一番きっちりした演奏。本命たるOp.76からの2曲は、力をかなり抜いて、奏者がアンサンブルを楽しむような演奏でした。このアルバム自体は3,800円との値付けを見ればわかる通り、CD発売初期の1984年にリリースされたもの。その後この中の「セレナーデ」が他の演奏とセットされて発売されたのに対して、Op.76の方は他の演奏に置き換えられたことを見ても、「セレナード」の方が一般受けするとの判断があったのでしょう。しかし、私はこのアルバムの聴きどころはOp.76の方だと思います。一般受けは「セレナード」だと思いますが、Op.76の方はハイドンのクァルテットの演奏スタイルとしては実に興味深く、クァルテット好きなベテランにこそ聞いていただきたい演奏です。綺麗に響かせるとかくっきり響かせるというところではなく、屈託ない音楽を演奏して楽しむとはこのような演奏のことだと言いたげなほど飾り気も外連味もなく、さりとて凡庸な演奏でもなく、実に味わい深い音楽が流れます。ハイドンの音楽の多様性を示す好例と言ってもいいでしょう。ということで評価は全曲[+++++]をつけます。

このところ所有盤リストの修正に明け暮れ、ちょっと記事をアップするまで間が空いてしまいました。もう少しペースアップせねば、、、

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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : ハイドンのセレナード 五度 皇帝 ベルリンフィル

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Daisy


Author:Daisy

なぜかハイドン(Franz Joseph Haydn)が特に気に入り膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。東京在住のごく普通のサラリーマンです。

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ハイドン所有盤リスト
Joseph Haydn Discography
所有盤をジャンル別にリスト化しています。基本的に録音年順とし、録音年不明のものはリスト冒頭に記載。演奏者名はジャケットなどの表記に合わせています。

登録曲数:1,365
登録演奏数:11,529
(2019年3月31日)
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