【番外】市川海老蔵十役早替り宙乗り相勤め申し候

先週新橋演舞場で八月花形歌舞伎の昼の部を見たのでですが、同行した友人の希望で、何と今週は夜の部にも行くことになり暑い中新橋演舞場に。

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歌舞伎美人:八月花形歌舞伎

ポスターは先週の記事と同じです(笑)。先週の記事はこちら。

2012/08/11 : お出かけ・お散歩・展覧会 : 【番外】新橋演舞場で八月花形歌舞伎

夜の部も昼の部と同様四世鶴屋南北作の「慙紅葉汗顔見勢(はじもみじあせのかおみせ)」伊達の十役という、通し狂言。4時30分から夜9時まで正味ほぼ4時間の大作です。「市川海老蔵十役早替り宙乗り相勤め申し候」とのコメントのとおり、海老蔵が1人で10役をこなして、都合40回の早変わりを演じるというもの。昼の部でもずいぶんな出所があったのを考えると昼11時から夜9時までほぼ出ずっぱりという恐ろしいまでの演技量。これを20日間続けるのですから、まずは並大抵の仕事ではありません。実はこの舞台なんとなく見た覚えが。昔猿之助の舞台で見たような気がします。今回の演出も猿之助あらため猿翁が担当しています。

プログラムの解説を読むと、この伊達の十役は鶴屋南北の作とされていますが、原作の台本は1815年の江戸河原崎座で大ヒットした後に失われてしまい、昭和54年に猿之助が164年ぶりに復活した際に、少ない資料から創作に近い形で再構成したものとのことで、この舞台が猿翁好みの派手な演出によってつくられていることからもわかります。

あらすじはあまりにも複雑で書ききれないのですが、有名な仙台萩の話を骨格にお家騒動を軸とした展開。ですが、やはり幽霊あり、鼠の妖術使いあり、だんまり(台詞なしの舞台)あり、花魁行列あり、切り合いあり、人情あり、最後は鼠の怪物ありと舞台の面白さを詰め込んだもの。先週の桜姫東文章もそうでしたが、こちらのほうがキッチュな感じが増して、まさに劇場版トリックのような造り。

席は1階ほぼ中程の花道のすぐ脇。花道を行き来する役者の息づかいが直接感じられる良い席でした。

幕が上がると最初に海老蔵の口上があり、善悪別に十役の写真を前にそれぞれの役所を説明するところからはじまり、4時間に渡る舞台をテンポ良く進めます。おそらく猿翁による良く練られた演出のおかげで、飽きさせる事なくあっという間の4時間でした。かすかな記憶に残る猿之助の舞台が、早変わりのテクニックと奇抜さのキレで見せていたのに対し、海老蔵の筋の通った演技と役柄の演じ分けで見せる舞台。10役は巧みに声色を使い分けて、役所の違いを際立たせていました。強いて揚げれば、最も威厳のある細川勝元役の台詞が、声色のテクニックを使いすぎてちょっと威厳が薄くなってしまうように感じたところ。やはり図太く朗々とした演技のほうが細川勝元の威厳が良く出たように思います。逆になまくら坊主の土手の道哲役や妖術使い仁木弾正役は海老蔵のはまり役。花魁や政岡などの女形も首の太さは気になったものの(笑)、意外と上手くこなしていました。今回の舞台は海老蔵による本作の一昨年の正月につづく2度目の公演とのことで、演技もギクシャクしたところがなく、海老蔵の公演では久々にぐっときました。

舞台を通して良かったのは、やはり圧倒的な演技量の海老蔵。いろいろな騒動でちょっと印象を悪くしていましたが、この舞台は海老蔵のこの舞台にかける迫力のようなものがつたわり、それが舞台の大きな魅力になっていました。あとは市川右近の悪役女形の八汐。これだけむごたらしい女形の役はそう出来るものではありません。そして片岡市蔵の忠義の人、渡辺外記左衛門と片岡亀蔵の悪役大江鬼貫など脇役の迫真の演技が舞台を引き締めていました。やはり脇の締まり具合が舞台の出来に大きな影響がありますね。

昔の猿之助の舞台の面白さとはまた違った面白さを感じられたいい舞台でした。やはり生でこれだけの舞台をこなす姿は人の心に残ります。まさに顔を真っ赤にして熱演した海老蔵、見直しました。先週観た午前の部では、ちょっと筋書きが下世話過ぎたのか、演技が筋書きを生かしきれなかったのか、今ひとつハマりませんでしたが、こちらは、海老蔵のキャラクターといい意味で面白おかしい筋書きが良くマッチ、そして早変わりに宙乗りと舞台のスペクタクル(外連)を生かした構成が、娯楽としての歌舞伎の面白さを踏まえていて良くまとまっていました。

夜の部は途中でいつもの辨松のお弁当をいただき、あずきモナカなどを戴いたので、終演後どっかで飲んで帰るという流れにはならず、おとなしくまっすぐ帰りました。

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tag : 歌舞伎 新橋演舞場

【番外】新橋演舞場で八月花形歌舞伎

今日は新橋演舞場に歌舞伎見物に。友人が海老蔵を見たいというので海老蔵メインの演目です。

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歌舞伎美人:八月花形歌舞伎

今日見たのは昼の部。演目は四代目鶴屋南北作の「桜姫東文章(さくらひめあずまぶんしょう)」という全4幕7場の大作通し狂言。文化14年(1817年)3月に江戸の河原崎座で初演された、江戸時代後期の作品。鶴屋南北といえば「東海道四谷怪談」などで知られる歌舞伎狂言作者。調べてみると生まれは1755年、亡くなったのが1829年ということで、1732年生まれのハイドンと近い世代、1756年生まれのモーツァルトと同世代の人という事ですね。世界中で歴史に残る文化がうまれていたのですね。

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今日は新橋演舞場には早めについたので、友人との待ち合わせに近くの喫茶店で涼みます。

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涼しそうでしょう(笑)

桜姫東文章の筋は奇想天外、複雑怪奇、歌舞伎が大衆娯楽の見せ物であるということのあかしのようなもの。今で言う劇場版トリックのようなものでしょう。

長谷寺の僧清玄(片岡愛之助)と相承院の稚児白菊丸(中村福助)は男性同士なのに恋に落ち、生まれ変わって夫婦になろうと江ノ島で駆け落ちする場面からはじまり、白菊丸が身を投げたあと躊躇した清玄が生き残り、奇想天外なストーリーの軸となるもの。
次の新清水の場では、主役の桜姫(中村福助)が出家して尼になろうとしているところへ、身投げを躊躇してから17年後の清玄が現れ、出家を思いとどまるように諭す。そこで、桜姫の父が何者かに殺されその際家宝の都鳥という書物の1巻が紛失しお家断絶の危機にある状態ということと、生まれながらに左手が開かなかった桜姫の手の中かから以前白菊丸と自害しようとした時に2人で分け持った、お互いの名前の書かれた香箱の片割れが出てくるというキー情報が提示されます。このキー情報が幕が進むにつれて複雑に絡み合い、芝居としてのかなり非現実的な状況設定と展開によって、めくるめくように筋が進んでいくと言うもの。歌舞伎では珍しいかなりリアルな濡れ場あり、切り合いあり、幽霊ありと何でもありの筋書き。このような筋に乗って、市川海老蔵があらくれものの釣り鐘権助役を地を出したような演技で好演しました。物語上の主役は桜姫の福助ですが、男を惑わす色香という意味では、どうしても玉三郎と比較されてしまいます。また元は高僧なのに僧の掟を破って色香に迷った清玄の愛之助も軽妙洒脱という域まではいかず、若手中心の誠実な舞台という印象。やはりこの手の芝居は、脇役のくだけた演技等の質が重要と改めて認識した次第です。

今日良かったのは精妙な鳴りものの効果と、清玄、桜姫の切り合いの場面で流れた歌。筋はやはり大衆受けを狙ったのもでしょうが、歌舞伎の楽しみは豪華な舞台、衣装、三味線、長唄など、日本文化のエッセンス。太鼓が雨や天気を表したり、長唄が非常に厳粛な雰囲気をつくったり、そして鐘や拍子木などのパーカッションの音色が実に効果的でした。



新橋演舞場を出たのが午後3時過ぎ。暑かったので、三原橋交差点のプロントでまずは生ビールで反省会。そして友人をもう一人待ち、5時から予約してあったナイルレストランに。

ナイルレストラン(オフィシャル)
食べログ:ナイルレストラン

警察グッズ収集家としても有名なG.M.ナイルさんのインド料理のお店。癖になる味のムルギランチが有名ですが、今日はおまかせコースです。

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最初はインドビールから。日本ののどごし重視のビールとはかなり異なる香り重視のビールで、すこし甘い香りが特徴。スパイシーな料理との相性はいいですね。

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トウモロコシなどを揚げた団子。この前に餃子の皮のようなものをやはり揚げたものが出てくるのですが、両方ともビールとの相性は十分。

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4人で行ったのですが、カレーはここまでてチキン、豆、チーズの3つ。どれも独特のスパイシーさがあって美味しいです。イケメンのインド人店員さんが、残しちゃだめよと、のこったカレーを取り皿に分けてくれます。ビールが切れたので、インド産の白ワインをボトルで頼みます。こちらもスパイシーな料理に合うよう、豊かな香りが特徴のワインでした。

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そして料理の最後が名物ムルギランチ。要は鶏のモモを煮込んだスパイシーなカレーとサフランライスの組み合わせなんですが、店員さんが目の前で鶏肉を骨からほぐして、完璧に混ぜこぜにしてくれます。一口目は穏やかな味なんですが、食べ進めるうちに独特の旨味を感じる、やはり名物メニューです。

おまかせコースの料理はここまでですが、このあとマサラティーをいただいてのんびり食事を楽しむ事ができました。

このコースだけでお腹いっぱい。独特のおいしさがあるいいお店です。土曜の夜だったのでお店は込み合っていて人気のほどが窺われますね。

ナイルレストランの前には工事中の歌舞伎座とその背後に高層のオフィスビルがそびえ立っています。あたらしい歌舞伎座は、のんびりお芝居を楽しめるようないい劇場となりますでしょうか。完成したらまずは偵察に行かなくてはなりませんね。

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【番外】府中の森芸術劇場で「義経千本桜」

昨日は久しぶりに歌舞伎に。昨年も出かけた松竹の巡業公演。自宅近くの府中の森芸術劇場で義経千本桜です。

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歌舞伎人:松竹大歌舞伎 平成24年度(社)全国公立文化施設協会主催東コース

嫁さんと母親をつれての歌舞伎。嫁さんも先々週まで入院していましたが、だいぶ元気になってきましたので、リクエストに応えて好きな歌舞伎を見に行こうということに。母も実に久しぶりの歌舞伎です。流石に新橋演舞場等に出かけるのは母親には荷が重いので、近所で巡業公演があるのは大変便利です。歌舞伎のお客さん層を考えると巡業公演というのは不可欠ですね。

プログラムは下記のとおりの3幕構成。

義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
ニの段:鳥居前(とりいまえ)
四の段:道行初音旅(みちゆきはつねのたび)
四の切:川連法眼館(かわつらほうげんやかた)

義経千本桜はブログをはじめてから2度見に行き取りあげています。この日のプログラムはおそらく20年以上前、歌舞伎座に母と祖母と猿之助の宙乗り版を見に行った記憶があります。

2011/11/05 : お出かけ・お散歩・展覧会 : 【番外】平成中村座浅草公演
2011/09/25 : お出かけ・お散歩・展覧会 : 【番外】片岡仁左衛門の義経千本桜(巡業立川公演)

会場となる府中の森芸術劇場の大ホールにあたるどりーむホールはほぼ満員。調べたところ2,000人収容とかなり大きなホール。歌舞伎座と同じくらいですが、歌舞伎が高さのある客席なのに対し、多目的ホールなので奥行きがあり、空間ヴォリュームはかなり大きなもの。役者の声の通りも歌舞伎座よりも少し遠い感じがしました。ホールの大きさと作りはやはり重要なんですね。

それぞれの幕のあらすじなどは下記のとおり。

1幕目は鳥居前。京都伏見稲荷の鳥居前で繰り広げられる短い幕。兄源頼朝から追われている源義経が都から落ち延びようとするなか、ついていこうとする静御前を同行させず、都で待つように諭し、今日の劇のキーとなる「初音の鼓」を渡す。静御前と同行する佐藤四郎兵衛忠信は実は「初音の鼓」に張られた狐の皮の小狐が化けたものだったという話。狐忠信が尾上松緑、義経が中村梅枝、静御前が尾上右近という若手中心の組み合わせ。

2幕目は道行初音旅。桜が咲き誇る吉野山。義経が吉野山に落ち延びたと聞いた静御前が義経の後を追って吉野山についた。静御前が初音の鼓を打つと不思議と忠信が現れ、踊りを披露。鎌倉方の追っ手との立ち回りを見せて忠信と静御前は吉野の山奥へ。この幕では佐藤四郎兵衛忠信は尾上菊五郎、静御前が中村時蔵など年配役者の組み合わせ。桜咲き誇る華やかな舞台と、清元の華やかな音楽が聴き所。

そして3幕目がクライマックス、川連法眼館。吉野の山奥にある川連法眼の館に義経をかくまっているところ、破傷風療養中だった本物の忠信が義経に再会に訪れた直後に、静御前と狐忠信が訪れ、忠信が2人いるというおかしな事に。義経は静御前がつれて来た狐忠信を疑い、静御前に刀を授けて話をさせたところ、狐忠信は「初音の鼓」に張られた狐の皮は自分の親のものと涙ながらに語り、その親子愛に打たれた静御前と義経が「初音の鼓」を狐に与えると言う話。狐忠信は尾上菊之助、静御前は尾上右近、源義経が中村梅枝という若手中心に戻ります。見所は狐忠信の狐の演技。かなりアクロバティックな跳躍力とバネが要りそうな演技ゆえ、若手でないとなかなか大変でしょう。

久々の歌舞伎で巡業公演ということで、ほどほどの期待で行きましたが、良かったのは歌舞伎ならではの見栄を切る部分の様式美。要所要所で舞台映えをよく考えた見栄が切られ、そのバランスも絶妙。仁左衛門とか、玉三郎などスター役者の演技力もいいですが、こうした若手中心の配役でも歌舞伎の魅力をしっかり伝える堅実な演技と舞台の美しさが感じられたのは良かったですね。毎日移動しての巡業公演は大変なこととは思いますが、想像以上の完成度で、楽しませてもらいました。母が昔の猿之助の演技のことを鮮明に覚えていたのが意外、というより昔の事は忘れないんですね(笑)

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ホールを出たのが4時半くらい。ぱらついていた雨も上がり、涼しい風が吹いていました。



開演前にロビーでおにぎりを食べただけでしたので、適度にお腹もへってきましたので、調布に移動して、以前も美味しかった調布パルコの上のインドネシア料理の店に。

食べログ:スラバヤ(調布)

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まずは黒ビールで喉を潤します。頼んだのはハーフアンドハーフだったんですが、なぜか黒ビールが、、 飲み慣れたサントリーの黒でしたので結果オーライです。

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珍しい空芯菜のサラダ。ちょっと苦みが効いていいかんじ。ドレッシングはインドネシア風ではありません(笑)

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揚げたオムレツ。中のひき肉がいい具合に味付けされて、意外と軽い口当たり。ビールに合うつまみですね。

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続いてインドネシア料理の定番サテ。ピリ辛鶏、羊、牛を。こちらもビールに合いますが、スイッチオンで白ワインを注文。以前大阪出張時に立ち寄った串揚げ屋さんで串揚げと白ワインが絶妙の相性だと知って以来、この手のものには白ワインを頼む事が多くなっています。

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それからこちらも定番ナシゴレン。いわゆるチャーハンですが、上にシラスのようなものをカリカリ、スパイシーに揚げてかけてあるのが絶妙。これも美味しいですね。

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こちらは鶏肉と野菜の炒め物。こちらもインドネシア独特のスパイシーな味付け。ここまででお腹もいっぱい。
 
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デザートはタピオカと黒米のデザート。とくに黒米のデザートがなかなか良かったですね。しっかりお米の味がします。(手前が黒米)

このお店は座席がゆったりしていて、のんびりできるのもいいところ。ひさしぶりに寄りましたが、味も雰囲気もよく楽しむ事ができました。歌舞伎の時間が早かったので、夕食も早め。やはり明るいうちから飲めるのは幸せですね(笑)

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tag : 歌舞伎 府中の森芸術劇場

【番外】新橋演舞場で二月大歌舞伎

昨日、本来今日の予定を間違えて出かけた、その予定とは歌舞伎でした。

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歌舞伎人(かぶきびと):二月大歌舞伎

歌舞伎やコンサートなど、日付や時間を間違えたのははじめての事。昨日は11:00開演の前に、新橋演舞場の前でお弁当を買い、いつも通り普通に入場。そしてイヤホンガイドも借りて、劇場の人に席を案内してもらうと、そこにはすでに座られている方が。チケットをよ~く見ると、なんと2月12日と書いてあるではありませんか。ちょっと腰が砕けました(笑)。筋書きを買いにいった嫁さんと合流し、実は明日の券だと伝えると、嫁さんの額にちびまる子ちゃんが困った時に現れる縦の線が(笑)

まあ、こうゆう事もあるもんです。さっそくカウンターで相談すると、良くある事らしくてきぱきとチケットに何やらハンコを押してもらい、イヤホンガイドも全額返金、遠い訳ではないので、今日また来る事にして新橋演舞場を後にしたわけです。その後の顛末は昨日のブログに書いたとおりです。ちなみに、買ってしまったお弁当は、昨日築地場外見物の後、隅田川沿いのベンチで美味しくいただきました。

要は、昨日の間違いは宇宙人ポールの仕業だったのだというふうに理解しています。日付を間違えなければ絶対に見ない映画ですので、ポールが映画を見るように時間の歯車をいじったのでしょう(笑)

昨日の顛末はこのくらいにして、今日の歌舞伎見物の話題に移りましょう。
今日は昨日とほぼ同じ時間に家を出て、開場時間の少し前に新橋演舞場に到着。府中からはいつも新宿経由で大江戸線の築地市場駅で降ります。

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築地市場駅を降りたところから見た、汐留の高層ビル群。抜けるような青空。

築地市場駅から新橋演舞場に向かい料亭金田中の手前でいつも売っているお弁当を今日も買ってから入場。

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開場間際の新橋演舞場は多くのひとでごった返していました。今日は二月大歌舞伎は六代目中村勘九郎襲名披露というおめでたい公演。勘太郎が勘九郎となる訳です。日曜日という事もあり満席。

舞台にかかる幕も六代目中村勘九郎襲名を記念した鮮やかなものが掛っていました。

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今日の午前の部の演目は下記のとおり。

一、歌舞伎十八番の内 鳴神(なるかみ)
二、新古演劇十種の内 土蜘(つちぐも)
三、河内山(こうちやま)

歌舞伎人:二月大歌舞伎 みどころ

各演目のあらすじ等はリンク先をご覧ください。襲名披露公演だけあって出演者は豪華なのもでした。

最初の鳴神は中村橋之助の演じる鳴神上人と中村七之助演じる雲の絶間姫の物語。簡単に言うと高僧が美女の色香に惑わされ堕落したのち怒り狂うというたわいもない筋の物語ですが、台本には複雑な背景があり、それなりに興味深い物語。歌舞伎十八番の一つに数えられることから人気作品のようです。

橋之助の鳴神上人は前半、風格漂う線の太い演技が好印象。また酒に酔って雲の絶間姫の言いなりになってしまうやり取りもかなりの演技力を感じさせました。今日良かったのは鳴りもの。普通は三味線、長唄、鼓、太鼓などが中心なんですが、金物の鳴りものが涼やかな音色で舞台に華を添えていました。途中まるでヴェーベルンの曲かと思うようなハッとする瞬間があり、歌舞伎本来の楽しみに加えて音楽の楽しみも味わえる舞台でした。

次の幕までの間に先程外で買ったお弁当。

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木挽町辨松

金田中の横で売っていたお弁当は、調べたところ歌舞伎座正面にある木挽町辨松と言うお店のものでした。昨日は懐石弁当赤が美味しかったので、今日は赤飯二重をチョイス。赤飯のもちもち感が絶妙で、また添えられた焼き魚や煮物の味のバランスが良く、お弁当としては[+++++]です(笑) これまでいろいろまわりや中でお弁当を買いましたが、これは歌舞伎見物のお弁当としてオススメです。

休憩後は河竹黙阿弥作の長唄囃子連中土蜘(つちぐも)。狂言を歌舞伎の舞台向けに直したものでで、セットや仕草に狂言の影響が色濃く残った作品。この舞台が六代目勘九郎のお披露目。勘九郎は叡山の僧智籌で土蜘蛛の精の役。勘九郎の真面目な演技が印象に残る舞台。この舞台は脇が豪華。源頼光朝臣に坂東三津五郎、そして普段は端役であろう番卒の3名にお父さん勘三郎、中村吉右衛門、片岡仁左衛門と超豪華な布陣。いわばオペラの端役に3大テノールが登場したような豪華さ。ちょっとの間ですが3人の軽妙洒脱な演技に酔いしれました。このような配役でのこの場面は、そう見る事は出来ないでしょう。この演目、お囃子が正面の演壇に勢揃いしている前で繰り広げられる狂言の様な舞台故、狂言独特の諧謔的な雰囲気と、歌舞伎の花道と舞台との掛け合いという空間使いの面白さ、そしてお囃子の音楽が高度に融合したなかなか見応えのあるものでした。特に最後に正体を表す土蜘の精は、スパイダーマンばりの雲の巣から登場し、束ねた糸を投げたり、見た事もないような極悪の隈取りで、役柄はダースベーダーのようなもの。当時は観客の度肝を抜いた舞台だったと想像できます。襲名披露ならではの豪華な舞台でした。

休憩を挟んで最後はこちらも河竹黙阿弥作の名作河内山。舞台を見るのは2度目ですが、以前誰の舞台か記憶が曖昧(笑)。今日はこうゆう役をやらせたらいまや右に出るものなしの片岡仁左衛門が主役。金儲けと悪い事にしか目のない生臭坊主の河内山が、いつものように質屋にけしかけようとした時に、娘が大名屋敷でとらわれ命の危機が迫っていると聞き、高額な報酬でその救出を請負い、見事に救出してしまうという物語。勘九郎も短気強欲な殿様松江出雲守として出演。もうこの芝居は仁左衛門の独り舞台と言っていいでしょう。身分を偽り大名屋敷に乗り込み、質屋の娘の救出を終え、自身が見送りを受ける場面で正体がばれてしまった下りから、そのまま堂々と立ち去る場面の演技の深さは流石のもの。最後、松江出雲守に「馬鹿め」と叫んで、花道をスポットライトを浴びて出て行くところは鳥肌がたつような迫真の演技。やはり仁左衛門はいいですね。

今日の歌舞伎は3幕とも非常に楽しめました。新橋演舞場を4時過ぎには後にして、銀座までのんびり戻りました。昨日宇宙人ポールのポスターを見たのと晴海通りの反対側を歩いて銀座方面に向かいますが、三原橋のシネパトスには晴海通りの両側に入口があるため、こちらにもポスターがありました(笑)

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左下にポールがいます(笑)

今日は銀座から新宿伊勢丹のバーゲンに嫁さんがいきたいというので、丸ノ内線で新宿三丁目に移り、嫁さんが伊勢丹に行っている間、ディスクユニオンで物色。在庫がいろいろあるので、いろいろ見て回ると未聴盤に必ず巡り会えるんですね。今日手に入れたアルバムはそのうちレビューで取りあげたいと思います。

ひとしきり買い物してお腹が減ってきたので、落ち着く場所を探します。今日の夕食はこちら。

タイ料理ゲウチャイ新宿店(Keawjai Thai Restaurant)

以前は新宿ルミネの地下2階や目黒にあってたまに使っていたんですが、両店とも閉じてしまっていました。ネットで新宿に新たにお店ができたと知りマークしていました。場所はバーニーズ・ニューヨークの向かいのビルの2階。

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最初はビールから。タイのチャーンビールとグァバサワー、生春巻き。チャーンビールは日本のビールとはかなり異なり、キレやコクよりも爽やかな香りを楽しむタイプ。生春巻きのタレにはピーナッツが入っており、香ばしさが加わります。ビールとの相性はいいですね。

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そしてタイ料理の定番鶏肉のバジル炒め。しっかりとした味がビールに合います。

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スープはトムヤムクン。酸味とキレがいいバランス。流石本格派の味です。

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ビールが空いたのでグラスの白ワインを注文。

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スープなしのビーフン。上にかかっているのはピーナツの砕いたもの。これも香ばしい。

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最後はタロイモのプリンとタピオカミルクのようなものですが、これが暖かいデザート。口にした瞬間ビックリしました。両方とも程よい甘さで悪くありません。

味は以前と変わりなくどれもバランス良く、しかもタイ料理本来のキレもある味。値段も手頃でオススメのお店です。

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帰ってからチョコとモルトで一杯。チョコに合わせてGLENLIVETとローランドのBLADNOCHチョイス。どちらも穏やかな甘さを楽しむモルト。チョコとの相性は悪くありません。

週末はなぜか二日とも銀座詣でとなりましたが、なかなかいい週末でした。
さて、あすからまた仕事です。時間切れで週末のレビューは叶わず。今週は何本レビューできますでしょうか。出来るだけ頑張ります(笑)

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坂東玉三郎新春特別公演(ル テアトル銀座)

今日は寒い中銀座に出かけ、歌舞伎見物です。

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歌舞伎美人:ル テアトル銀座 坂東玉三郎初春特別公演

銀座のホテル西洋銀座の中にあるル テアトル銀座で1月2日から行われている坂東玉三郎の新春特別講演。昨年の同時期にもル テアトル銀座で玉三郎の公演を見ています。昨年は海老蔵騒動で玉三郎が変わりに急遽公演を担当したものでしたが、今年は、ちゃんと最初から玉三郎の主演で企画されたもの。昨年の記事はこちら。

2011/01/08 : お出かけ・お散歩・展覧会 : ル・テアトル銀座で歌舞伎見物

今日は14:00開演ということで、早めに食事をとってお昼過ぎには出かけました。会場に13:00過ぎには到着しましたが、珍しく当日券を売っていましたので、満員にはならなかったのでしょうか。

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昨年同様、普段は演劇などが中心で歌舞伎の和風の雰囲気とはほど遠いと想像されるル テアトル銀座ですが、昨年同様餅玉が飾られ新春の華やかさが感じられるようにしつらえられていました。

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早くついた時は一杯やって待つのが習わし。今日は白ワインとカンパリソーダ。ホールでカンパリソーダを出すのははじめて。これがいいバランスでちょうどいい感じ。舞台がはじまるまでのひと時を一杯やって過ごすのはいつもながら楽しい時間。

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結局会場はほぼ満員に埋まりました。今日は3幕構成。

最初の1幕目は玉三郎の口上。そのためだけに設えられた舞台で玉三郎が挨拶。今日は尾上松緑との共演ですが、現松緑の祖父にあたる松緑に鍛えられたむかし話と、昨年の震災以来、芸人は人が災難をひととき忘れて楽しめるよう、芸を究めるよう努力しているというはなし。今日の舞台も一生懸命務めますというくだりには、ちょっとぐっと来ました。皆が震災の被災者の心を今も気遣っているのがわかります。

10分の休憩をはさんで、今日は妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)という舞台。1771年(シュトルム・ウント・ドラング期!)大阪竹本座にて初演された人形浄瑠璃。蘇我入鹿と敵対する藤原鎌足親子が蘇我入鹿を滅ぼすという筋の物語。大化の改新の頃の話なのに出演者は江戸時代のような衣装というよく考えるとおかしな設定ですが、歌舞伎舞台故のご愛嬌でしょう。

最初の幕は道行恋苧環といってイケメン烏帽子折職人求女(市川笑三郎)を巡って蘇我入鹿の妹橘姫(尾上右近)と杉酒屋の娘お三輪(坂東玉三郎)が恋争いをする幕。3人で激が進む短い幕。玉三郎のお三輪と右近の橘姫の美しい踊りが見所。

休憩を挟んで三笠山御殿の場。贅沢三昧な造りの三笠山御殿で酒宴を開く極悪非道面の蘇我入鹿(市川猿弥)に対し、藤原鎌足から和睦の酒を預ってきた使いの漁師鱶七(尾上松緑)が御殿に乗り込み蘇我入鹿との丁々発止のやりとりをする幕。前幕での恋争いから御殿にきたお三輪が嫉妬に狂い鱶七にあっけなく刺されてしまいますが、それは憧れていた烏帽子折職人求女の敵である蘇我入鹿を打つために嫉妬に狂う女の血が必要と聞いて、命を捨てるという悲劇。玉三郎のお三輪はやはり風格ある演技でしたが、後半の主役松緑は堂々とした演技ながら、力が入り過ぎのように感じました。漁師鱶七の演じ方によってはもう少し深みのある舞台になったかもしれませんね。いずれにせよ松緑は個性派の役者なので、これからいろいろな役で楽しませてくれるでしょう。

3時間少々の舞台で今年はじめての歌舞伎を楽しみました。外は冷たい雨がまだ降り続いていました。

せっかくの銀座なので、山野楽器にちょっと寄って数枚未入手のアルバムをゲット。アップルストアでiPadを買おうかと冷やかしたりしているうちにお腹が減ってきました。

今日は鹿児島料理の「いちにいさん」に。昔からちょくちょく寄る店。

食べログ:遊豚菜彩 いちにいさん 銀座店

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お店は銀座の首都高速ガード下の銀座インズの地下。このまわりの店も結構入れ替わっています。お店の前の椅子には誰もいないので並んでいないと思いきや、中の椅子に一組のお客さんが待ってました。それでも10分もかからずに席に案内されました。ハイテンションのラテン系名物マネージャーの方に案内されて席に。

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もちろん、最初は生ビールで喉を潤します。3時間の舞台とショッピングで喉が渇いていましたのでちょうどいい。お通しはいつものとおり黒豚味噌。これをなめながらお酒を飲むのがいいんですね。

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最初はマネージャーおすすめのマグロ刺。今日は月に数本しか入らない70キロクラスのマグロだそうで、脂のノリがよく肉厚の刺身がしみました。

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こちらは黒豚の角煮とごぼう、人参などを合えたもの。

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そしてなんとかサラダ。思い出せません(笑)

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ビールでつまみをいただいている間に黒豚しゃぶしゃぶが。とりあえず一人前たのみましたた、たいてい肉はおかわりします。カツオだしの利いたそばつゆとネギでいただくんですが、肉の甘みが引き立って美味しいんですね。やはり名物だけあります。

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ビールが空いたので鹿児島県川内市の五代をお湯割りで。やはり甘めの醤油の鹿児島料理にはイモ焼酎が合いますね。

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デザートはバナナプリンと紫芋のアイスクリーム。鹿児島料理らしいデザートで終了。

帰りは成城石井でワインなどを買い込んで帰宅。寒い一日だったので風呂に入って、ベルリンフィルのジルベスターコンサートを見ながら一杯やってます。

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【番外】吉右衛門の元禄忠臣蔵(国立劇場)

今日は国立劇場に歌舞伎見物。昨日の雨上がりの湿度の高さとは打って変わって抜けるような青空。お出かけ日和ですね。

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独立行政法人日本芸術文化振興会:12月歌舞伎公演「元禄忠臣蔵(げんろくちゅうしんぐら)」

演目は師走らしく忠臣蔵ですが、歌舞伎や人形浄瑠璃の定番「仮名手本忠臣蔵」ではなく、昭和に入ってから作られた真山青果作の新歌舞伎の演目。特徴は鳴らしものが極端に少なく、歌舞伎独特の見栄を切る場面も最小限で、逆に台詞によって劇を淡々と描いていく、心理描写に集中した地味ながらドラマチックな演目でした。

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今日の席は2階席ほぼ正面で、舞台や花道をを中央から俯瞰できるなかなか見やすい席。舞台全体の動きを常に把握できるためなかなかいい席ですね。

今日は休憩2回の3幕構成で12時開演で16時すぎくらいまでの長丁場。元禄忠臣蔵自体は10編からなる作品ですが、その中から3編の上演ということになります。
第1編の「江戸城の刃傷」。私の贔屓にしている中村梅玉扮する浅野内匠頭が江戸城松の廊下での刃傷沙汰の直後からはじまり、刃傷沙汰の次第から浅野内匠頭切腹までの次第。
休憩をはさんで第5編「御浜御殿綱豊卿」は浅野内匠頭の弟浅野大学によるお家再興をもとめる富森助衛門が吉右衛門演じる徳川綱豊に近づき、再興を求めながらも内匠頭を討ちたい矛盾する境遇のなか、勢い余って吉良を討とうと仕掛けるも綱豊に諌められる下り。そして第10編「大石最後の一日」は、討ち入りを果たした赤穂浪士のうちの蔵之介をはじめとする17人が切腹に追い込まれるまでの次第を描いた下り。

新歌舞伎という事で派手な鳴りものは全くなく、台詞のみで淡々と物語を進めてゆくとというじっくりした展開。普段鳴りものや大きな見栄を切ることが歌舞伎の見せ場ですが、あえてそれを封印することで、心理描写にスポットライトが当たります。逆にわかったのがやはり三味線、浄瑠璃など歌舞伎の中で音が果たす進行上の役割。無音の芝居が持つ静謐な雰囲気が際立ちます。

今回の舞台では幕の終わりは暗転。暗黒の中で幕が降り、暗黒から次の場面に音もなく展開する流れが新鮮でした。また照明もおそらくわざと落とし気味で、演者に薄くスポットライトを当てあえて闇を暗示させるような展開。こう言った演出を含めて、忠臣蔵のそれぞれの役にある心理描写を際立たせようというのが演出意図だったんでしょう。

吉右衛門はやはり台詞の多い役ながら、綱豊と切腹に追い込まれる大石内蔵介の2役を見事に演じていました。柔和ながら含蓄もある役という役造りは吉右衛門ならでは。演じる方は長時間にわたり台詞の多い役で大変でしょうが、見応えのある芝居でした。

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今日は国立劇場は8分くらいの入り。幕間に売店で柿の葉寿司などを買ってロビーでのんびりできました。



終演後は散歩がてら半蔵門の本屋さんなどでのんびりして帰途に。帰りに渋谷駅井の頭線ホームの上にある渋谷マークシティの中のイタリアンに立ち寄りました。

食べログ:ラ・カーサ・ディ・ナオ渋谷店

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まずは白のグラスワインで喉を潤します。シャルドネとプロセッコが喉にしみます。それほど混んでいた訳ではないのですが、前菜がなかなか出てきません。

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こちらが前菜8点盛。前菜ということですがかなりのヴォリューム。いつもエリオなどで美味しい前菜食べ慣れているせいか、少々大味でした。

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おすすめの自家製ピッツァ。マルガリータと牡蠣のコンビネーション。焼きたてのアツアツでしたが、生地の薄さとトッピングの量のバランスがトッピングが勝っていて、生地のパリッとした香ばしさが感じられません。牡蠣の焼け具合などなかなか良かっただけに惜しいところです。

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そしてこちらがウニのクリーム仕立てのタリアテッレ。こちらはウニの香りがよくクリームに乗って美味しかったです。

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最後はエスプレッソで仕上げました。

駅の上のイタリアンなのでいい立地ですが、料理を出すタイミングが悪かったり、大味な部分があったり、ちょっと厨房の掃除が行き届いてなかったりと隙が多いお店でした。もうちょっと頑張ればいいお店なんですが惜しいところです。このところ立ち寄るお店はおすすめのお店が多かったんですが、いつもおすすめとは限らないということですね(笑)

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【番外】平成中村座浅草公演

今日は浅草の隅田川沿いの特設会場に平成中村座の公演を見に行きました。

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歌舞伎美人:平成中村座 十一月大歌舞伎

浅草駅から隅田川沿いに北上し言問橋をすぎたところにある公園の一角に建てられた芝居小屋での公演。今日は昼の部なので11時開演。銀座線で浅草まで行き、ちょうど開店したての松屋の地下で折り詰め弁当を買って会場に向かいます。道路沿いには中村座ののぼりが多数たっていて街中にも華やぎが。

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会場は台東区リバーサイドスポーツセンターの隣。開場のちょっと前についたのですが、バックには外観はほぼできあがった東京スカイツリーが見えます。仮設の施設とはいえ半年間公演を続ける施設ですのでそこそこ手がかかっています。入口は門が構えられ酒樽が積み上げられています。

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開場時間の少し前には門が開き、中庭に案内されます。ここでビールとお茶、イヤホンガイドを借りて開場を待ちます。

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今日の席は2階席の1列目のかなり前の方。舞台を左上から眺める席。

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この演目は11月1日は初日で最初の週末ということで満員の入り。入口で靴を脱いで上がるまさに芝居小屋の雰囲気。もちろん鉄骨の仮設仕立てですので昔の芝居小屋の風情はありませんが、空間はまさに芝居小屋のスケール感。歌舞伎座や新橋演舞場にはない独特の雰囲気でいいですね。仮設らしいのは遮音性がないので、外をヘリコプターが飛ぶ音等が聴こえてくる事。これも現代の芝居小屋ということでなんとなくいい雰囲気と思えなくもありません。もしかしたらこのようなスケール感のしっかりとした木造の芝居小屋も必要かもしれないですね。

1幕目は双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)の角力場という相撲取り同士の丁々発止が見所の演目。名大関濡髪長五郎(中村橋之助)と素人あがりの相撲取り放駒長吉(中村勘太郎)がお互いご贔屓筋から遊女吾妻への身請けに協力してほしいと頼まれており、相撲ではその身請け話を進めるために濡髪がわざと負けて交渉をすすめようとしたことが原因で二人が対決するようになるまでを描いた物語。橋之助の演じる濡髪の風格溢れる力士ぶりと貫太郎のやんちゃな若力士が好対照。橋之助がいつの間にやら貫禄ある役になっていましたね。

2幕目は病気あけの勘三郎の踊りもので「お祭り」という舞台。勘三郎は鳶頭の鶴松という役。ほろ酔い加減で入り、大勢の若い衆に喧嘩をふっかけられても難なくこなして行くところを踊りにしたもの。ほろ酔い加減のなよなよした雰囲気は流石勘三郎です。終盤は中村座らしいビックリするような仕掛けが施されています。これは見てのお楽しみとした方がいいでしょう(笑)
短い幕での舞台復活。少しずつ体力をつけて完全復活してほしいですね。

そして今日のハイライト、片岡仁左衛門が主役の義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)の二段目、渡海屋(とかいや)と大物浦(だいもつのうら)の場。仁左衛門は9月末に立川の巡業公演で同じく義経千本桜の三段目の下市村茶店の場、寿司屋の場を見ています。仁左衛門のきりりとした演技は現在の歌舞伎の華。今日も仁左衛門はキレてました。

仁左衛門の役は船宿の主、渡海屋銀平ですが、実は新中納言知盛(平知盛)。銀平の船宿に銀平の留守にやってきた鎌倉武士が落ち延びた源義経を追うために船を横取りしようと勝手放題の無作法。戻った銀平があっというまにやっつけて、鎌倉武士は退散。実は銀平落ち延びた源義経を匿っており、再度の鎌倉方の来週に備えて船で義経一行を逃がします。ところが銀平は平知盛であり、逃がした義経一行を船上で討とうと仕掛けたもの。ところがその動きが義経側に知られており、返り討ちにあい絶滅寸前。知盛も致命的な傷を負い、血まみれの姿での大立廻りが大迫力。最後は守り通そうとした子供の安徳帝を敵である源義経に託し、錨を身にまとって崖から身を投げる大芝居。脇もよかったのですが、やはり仁左衛門の迫真の演技に場内は水を打ったような緊張感。クライマックスの盛り上がりはすばらしいものがありました。仁左衛門の弩迫力の演技に場内が圧倒された幕でした。今回も満足満足。

平成中村座ということで、もう少しくだけた演目、演出を予想していただけに、正統派の歌舞伎の魅力溢れる舞台にほっとしました。11時から3時近くまでの舞台ですので歌舞伎としては普通ですが、イスが今一でしたのでお尻が痛くなりました(笑) 来月以降も出し物を変えて続けて興行が打たれるようなので、また来てみたいですね。



外に出るともちろん3時なのでまだまだ明るいです。

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隅田川沿いを歩くとスカイツリーが間近に見えます。隅田川には屋形船が行き来。ツリーと天ぷらを魚に一杯やるのでしょうか。(うらやましい)

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こちらは浅草駅に向かう途中から、言問通りに入り、ひさしぶりに浅草寺を散歩。山門の裏には山形県村山市奉賛会が奉納した巨大なワラジが掛けられています。

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仲店あたりをブラブラ。このあと合羽橋まで散歩して鍋釜を物色(笑) 昔は土曜日は閉まっている店が多かったんですが、いまはほとんどの店がやっていますね。なぜか欲しかったへぎ蕎麦をいれるような木箱はいいものがみつからず、冷やかしだけで終わりました。



今日はこのあと東京駅の丸善、松丸本舗にたちより本を物色。夜はお腹がへったところで、丸善の入るビルのなかに入っている巣鴨のカレーうどんの老舗古奈屋に。

食べログ:古奈屋 丸の内オアゾ店

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最初はもちろん生ビール。良く冷えていてグーです。日本のビールは良く冷えているべきですね。

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ビールセットのおつまみのポテトとチーズをあしらったものですが、セットなのに出てくるのが時間差で、ビールが亡くなりそう(笑)

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今日頼んだのは嫁さんが4種のキノコのカレーうどん、わたしが牛すじ肉のカレーうどん(もっとちゃんとした名前がついていましたが忘れました)。いつもながらなのクリーミーなカレーと、キノコやすじ肉の味の香りが加わっていい味。定番の美味しさですね。

本当はもうすこし散歩して帰るはずでしたがお天気が崩れそうだったので、今日は早めに退散。うちでブログを書きながらモルトを楽しんでます。今日はずいぶん昔に買ったLAGAVULINの16年。久しぶりにスモーキーな香りを楽しんでいます。

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【番外】片岡仁左衛門の義経千本桜(巡業立川公演)

今日は立川で歌舞伎見物。

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歌舞伎人:平成23年度(社)全国公立文化施設協会主催西コース松竹大歌舞伎

今日は夜18:00より立川のアミューたちかわ(立川市市民会館)で歌舞伎の巡業公演に。前売りのチケットをとってありました。家から30分で着きますので非常に便利。歌舞伎座が立て替え中なので巡業公演を組んでいるのでしょう。18:00から21:00までと、歌舞伎公演としては短めですが、見る方にとってはちょうどいい長さです。

パンフレットを見て知りましたが、8月31日に横須賀ではじまったこのプログラムの18公演目の最終日だったようですね。毎日場所を変えて全国を回って最終日が立川ということです。

今日のプログラムは2幕。最初は片岡愛之助の踊りで「雨の五郎」。短いプログラムですが、愛之助演ずる曽我五郎が遊女から手紙をもらって郭へ向かうところでなぜか大立ち廻りを演ずるという長唄舞踊。愛之助の派手な衣装と見栄が見物というところでしょうが、次々と出てくる脇の役者が様式的にやっつけられるところが見物。歌舞伎の様式美のエッセンスが感じられる面白い舞台でした。

今日の見物はもちろん後半の義経千本桜。主役のいがみの権太に片岡仁左衛門という歌舞伎座公演でもおかしくない配役に、しかも「ニーベルンクの指輪」のような超大作の義経千本桜の見せ場の一つ、三段目の下市村茶店の場、寿司屋の場、いわば指輪でいえば「ワルキューレ」を見るようなもの。
筋は割愛するとして、非常に充実した筋書きに痺れました。いつものようにイヤホンガイドを借りて舞台を鑑賞しますが、今日の解説は非常にわかりやすかったです。解説をする方のご苦労がしのばれます。義経千本桜はは源義経が主役なわけではなく段ごとに主役が入れ替わるそう。この段の主役はもちろんいがみの権太ですが、その主役も所詮歴史の波に埋もれて散って行く桜の花びらの一つというのが千本桜という題名のもつ深遠な意味とのこと。今日の舞台をみてその意味がよくわかりました。
悪役としてやりたい放題だったいがみの権太が最後に改心して平家の平維盛の命を救おうと、自身の家族を身代わりに差し出したのに、そのことを知らない父親に刺され命を落としますが、その経緯を吐露する台詞のやりとりが最後のクライマックス。長年にわたり舞台にかかり続けた素晴らしい筋書き。すべてのやりとりに次へのライトモティーフが仕込まれており、細かい設定まで後の意外な展開の前振りになっています。最も印象的なのが寿司桶に首をかくしておいたものを間違えて持ち去る場面。何と巧みな筋書きでしょうか。日本文化の象徴として様式美がクローズアップされますが、その筋書きも素晴らしいものです。
歳をとったせいか、最近歌舞伎をみるたびに感慨しきり。江戸時代から淘汰されつくしてきたもののもつレベルは非常に高いものでした。我々の時代の思いつきや創意というレベルではなく、長年の歴史に裏付けられた日本文化の真髄が感じられた舞台でした。

巡業公演とはいえ、その舞台は素晴らしいものでした。花道がなくステージ袖を利用したぶたいだったり、歌舞伎座の緞帳やあの華やいだ雰囲気はありませんでしたが、舞台で演じられた義経千本桜は最高。いやいやいい舞台でした。いつもながら裏方の方は大変なご苦労だったと思いますが、素晴らしい出来映えは一観客の心に深く残りました。

次に見に行く時も楽しみにしていますので、またよろしくお願い致します>関係者ご一同様

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新橋演舞場へ六月大歌舞伎、染五郎、吉右衛門、仁左衛門!

前回歌舞伎を見たのは3月5日でした。国立劇場での片岡仁左衛門の初日の舞台。片岡仁左衛門の悪役三昧、素晴らしい舞台でしたが、一週間もたたないうちに大震災に見舞われ公演も中止となってしまったようです。結果的には貴重な舞台となってしまいました。

2011/03/05 : お出かけ・お散歩・展覧会 : 仁左衛門悪役三昧、通し狂言「絵本合法衢」初日

昨日、6月25日は久しぶりの歌舞伎見物。新橋演舞場の六月大歌舞伎の昼の部へ。今日がが千秋楽です。

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歌舞伎美人(かぶきびと)六月大歌舞伎

演目は、市川染五郎主演の「頼朝の死」、中村吉右衛門主演の「梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)」、片岡仁左衛門主演の有名な「連獅子」の3本。

1幕目の「頼朝の死」は、大正時代の真山青果の作を昭和7年に歌舞伎座で再演した際に現在の形になったもの。頼朝は表向きは落馬で死去したと伝えられるが、実際は女性のもとに忍び込もうとして警護の侍に斬られたというスキャンダラスな死に方をしたということの秘密を守るために、頼朝の妻尼御台所政子と頼朝の嫡男源頼家、頼朝が忍び込もうとした女性の小周防、小周防の警護にあたって頼朝を斬った畠山六郎重保たちの心の葛藤を描いたもの。父の三回忌になっても父の死の真相を知らない頼家が短気を起こし、真相を知る者たちに迫っていくが、周りのものが命を断っても、源氏の最高位にある自身に父の死の真相を知らせない。そのことを母政子に訴えるが、政子は「家は末代、人は一世」と、息子よりも代々の源氏のお家が大事として真実を語らないという物語。
染五郎はちょっと線が細い演技が気になりましたが、筋書きが良く出来ていて、緊迫感溢れる舞台でした。尼御台所政子のお家を守る緊迫の台詞が見事。面白い舞台でしたね。

ここでちょうどお昼。今日は地下の食堂「東」でのお弁当とお土産がついたチケットでしたので、食堂でゆったり食事ができました。

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今日のお弁当(食べる前に写真撮り忘れたので食べかけで失礼)

午後は中村吉右衛門の「梶原平三誉石切」これは、筋は上のサイトを参照いただきたいんですが、吉右衛門の男気溢れる役という長谷川平蔵ばりの梶原平三影時の演技が見物。刀を鑑定する場面の見栄のキレ、そして人を二人重ねて試し斬りする場面(実はわざと一人しか斬らない)の演技、そして最後に刀の切れ味を証明するために石の手水台をまっぷたつに斬るところなど、見所満載の舞台映えするお話。最後吉右衛門が花道を退場すところのゆったりとした間と、会場の反応を楽しむような吉右衛門の余裕たっぷりの至芸に痺れましたね。これは名舞台。

最後は紅白の髪を振り乱す場面が有名な連獅子です。片岡仁左衛門と孫の千之助の共演。仁左衛門はいつも通り緊張感溢れる凛々しい演技だったんですが、今日のエースは千之助。まだ小さい子なんですが、非常にうまい。すべての演技がびしっときまり、獅子の首振りの部分は柔らかな体をフルに使って見せもの的にも完璧なもの。この演目は首振りの部分のみが非常に有名なんですが、今日の舞台は素晴らしかった。とくに最後の獅子の姿で二人が登場してから首振りの部分までの進行、こちらも痺れました。水を打ったように静まりかえる客席のなか、二人が登場し、ゆっくりと交互に見栄を切り、鮮烈な色彩の衣装と紅白の髪のインパクトに圧倒されるような素晴らしい緊張感。花道と舞台の見栄の交換。歌舞伎の様式美の極致のような素晴らしい時間でした。最初は踊りを見る舞台だろうくらいに思っていましたが、歌舞伎の真髄にふれるいい舞台でした。

3本とも大満足でした。終わったのが4時近く。



歌舞伎が終わって夕方の銀座を散策。小雨がぱらついてきましたので、雨宿りがてらまだ入ったことがなかった三越の新館をうろうろ。それから久しく行ってなかった山野楽器の銀座本店。最近タワーレコードなどにはたまに行っていたものの、山野楽器は久しぶり。お店の系列が違うと並んでいるアルバムも結構違います。主に歌曲、室内楽の未入手盤がいろいろありましたので、何枚か手に入れました。こちらは、追ってレビューで取りあげたいと思います。

夕食は東北支援で、有楽町にある盛岡冷麺のお店「ぴょんぴょん舎」。

ぴょんぴょん舎:GINZA UNA店

今日は嫁さんと友人合わせて4人。生ビールで喉を潤し、3800円のコースを注文。これがお腹いっぱいになるバランスのいいコースでした。

ぴょんぴょん舎は仙台に住んでいる時に、盛岡の稲荷町本店に何度か行ったことがあります。本店の方も冷麺の店としては綺麗な造りだったんですが、GINZA UNA店は新しいこともあって、とても綺麗なお店。こちらも今回がはじめてではなく、以前に一度来たことがあります。

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コースの最初の小皿。

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チャプチェとサラダ。

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最初はアサヒの生だったんですが、途中から盛岡の地ビール「ベアレン」。黒の「シュバルツ」とラガーの「クラシック」を交互に頼んで、勝手にハーフ・アンド・ハーフにして楽しみました。シュバルツは意外とまろやかでバランスの良い黒ビールですね。ハーフ・アンド・ハーフにする必要もないくらい。

盛岡地ビールベアレン

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写真はハラミ。写りが貧相ですが、焼き肉はタン塩からカルビ、ハラミ、ホルモンなどお腹いっぱいになるくらい出てきます。味も悪くありません。

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そして冷麺と石焼ビビンパ。いくつかのメニューのなかから選べます。冷麺はいつもながら腰のある麺と、こくのあるスープでこのお店ならではの美味しさ。石焼ビビンパもお焦げがちゃんとバランスよく出来ていて美味しかったです。コースメニュー故小さな器で出てきますが、焼き肉でお腹が満ちてますのでこのくらいじゃないと入りません。そうゆう意味でも焼き肉と冷麺を楽しみたい人にはいいコースですね。

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最後はアイスクリームにフルーツと値段にしては非常に豪華なメニューでした。このコースはおすすめですね。

ひとしきりおしゃべりを楽しんだ後、久しぶりにカラオケまで行ってしまいました(笑)

今日は、午前中やむなく仕事に出かけますので、午後は山野楽器で仕入れたアルバムでも聴いてのんびり過ごしたいと思ってます。

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仁左衛門悪役三昧、通し狂言「絵本合法衢」初日

今日は半蔵門の国立劇場へ歌舞伎見物へ。

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片岡仁左衛門の悪役二役主演による鶴屋南北の通し狂言「絵本合法衢」(えほんがっぽうがつじ)。今日3月5日から27日までの公演ということで、今日が初日。歌舞伎はよく行きますが初日ははじめて。休憩を含めて4時間以上に渡る4幕の大芝居。今日は絶品でした。歌舞伎の素晴らしさに酔いしれた4時間。

日本芸術文化振興会サイト:「絵本合法衢」公演情報

今日は寒かったですが、快晴のいい天気。自宅のドアを開けると真っ青な空にクッキリ浮かぶ富士山。

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早めに家を出て、開場直後のお昼前には国立劇場に到着。いつもどおりプログラムにイヤホンガイドを手にいれて席へ。

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開演前の国立劇場内。今日は1階花道脇で、花道を行き来する役者の姿を間近に眺め、舞台も俯瞰できる良い席でした。プログラムをめくりながら、今日の演目を予習と、イヤホンガイドの音声をききながらのんびりして開演を待ちます。

今日の演目である鶴屋南北の通し狂言「絵本合法衢」についてちょっと触れておきましょう。

作者の鶴屋南北(四代目)はなんと、ハイドンと同時代の人。宝暦5年(1755年)生まれで文政12年(1829年)没。ハイドンが1732年生まれですので23歳年下で、ハイドンの没後20年で亡くなっているということですね。

その南北の作による絵本合法衢は、大阪天王寺の合邦辻閻魔堂で実際におこった敵討ちを題材にした狂言で、仇討ち狂言の白眉と称される作品とのこと。原作は全7幕の大作ですが、今日の舞台は4幕にまとめたもの。この鶴屋南北の筆によるストーリーが人の心に潜む悪をえぐり出すような素晴らしいシナリオ。人を殺めまくる二人の人物を主役にして、最後の最後に殺された一族の恨みを果たす仇討ちの場面を設けて、仇討ち劇の体裁としています。実際は劇のほとんどが、敵どころか見方や手下、仲間をも私欲のために殺めていいく悪役の物語。人を殺める部分は殺陣、歌舞伎特有の様式的な演技、そしてどろどろとした太鼓の音などで表現されていますが、内容自体はスプラッター映画に近い緊迫感。映像ではなく様式美を通じて心に刺さるスプラッターという構成です。

ストーリーは下記のリンクをご参照ください。

日本芸術文化振興会サイト:「絵本合法衢」あらすじ
Wikipedia:絵本合法衢

そしてその悪役二人を片岡仁左衛門が好演。二役ですが、この芝居自体が二役を前提として書かれたもののよう。一役は近江の国多賀家の分家、左枝大学之助(さえだだいがくのすけ)。本家横領をたくらむ侍の悪役。もう一役が飛脚を生業とする立場の太平次(たちばのたへいじ)。大学の助の凛とした極悪ぶりと、太平次の町人風情のやさぐれた悪役ぶりを仁左衛門が見事に演じ分けていましたね。鼻筋のピンと通った二枚目の仁左衛門が演じる悪役の非情ぶりに客席も戦慄を感じながらも拍手喝采でした。

そして好演は、いつもは悪役の多い市川左團次が、大詰の最終幕で大どんでん返しで片岡仁左衛門演ずる大学之助を殺め、仇討ちを成し遂げるヒーロー役。独特のだみ声で迫力ある演技でした。

初日故ちょっとギクシャクするところもあったものの、ここ最近見た歌舞伎のなかではピカイチの出来。海老蔵、團十朗、玉三郎、勘三郎など座長としてお客さんを呼べるクラスの面々と比べると人気というか一般受けという意味ではちょっと影が薄い仁左衛門ですが、この本格的な舞台を見る限り、その実力は素晴らしいものがあるというのが率直なところ。初日は満員に近かったですが、ちょっと空き席もあったので、まだチケットはとれるのではないでしょうか。この演目はおすすめです。

12:30の開演でしたが、終わったのは17:00近く。薄暗くなってきたので、タクシーで有楽町に移動し、よくよる鹿児島料理、「いちにさん」へ。

鹿児島黒豚しゃぶしゃぶ「いちにぃさん」銀座店

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友人と嫁さんあわせて3人で、寒ブリ刺、キビナゴ刺、黒豚しゃぶしゃぶ、黒豚ロースかつなどを堪能。ここの豚しゃぶは薄味のそばつゆに大量の葱を浮かべて、豚をくぐらせていただきますが、この豚しゃぶが絶品。芋焼酎は島美人、桜島、黒伊佐錦などを楽しみました。黒伊佐錦がやわらかめで旨かったですね。歌舞伎の反省会やら四方山話やらでのんびり。安くて美味しい良いお店ですね。

今日はハイドンのアルバムをレビューする時間がありません、スミマセン。明日はハイドンのレビューに戻ります。

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Author:Daisy

ハイドン(Franz Joseph Haydn)の膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。私はなぜハイドンにはまったのか?

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(2019年3月31日)
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