ハーゲン四重奏団のOp.76(トッパンホール)

10月1日、2日、3日はハーゲン四重奏団の来日コンサートに行ってきました。

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トッパンホール:ハーゲン・クァルテット/ハイドン&バルトーク ツィクルス

珍しく1つの団体のコンサートに3日連続で出かけたのには理由があります。それはプログラムを見ていただければ一目瞭然。

<2019年10月1日>
ハイドン:弦楽四重奏曲Op.76のNo.1
バルトーク:弦楽四重奏曲2番(Sz67)
ハイドン:弦楽四重奏曲Op.76のNo.2「五度」

<2019年10月2日>
ハイドン:弦楽四重奏曲Op.76のNo.3「皇帝」
バルトーク:弦楽四重奏曲第3番(Sz85)
ハイドン:弦楽四重奏曲Op.76のNo.4「日の出」

<2019年10月3日>
ハイドン:弦楽四重奏曲Op.76のNo.5「ラルゴ」
バルトーク:弦楽四重奏曲第6番(Sz114)
ハイドン:弦楽四重奏曲Op.76のNo.6

そう、ハイドンの弦楽四重奏曲の頂点たるOp.76「エルデーディ四重奏曲」全曲を3日に分けて演奏するプログラムなんですね。しかもハイドンの間にバルトークが挟まれるという実に興味深いプログラムなんです。今年2019年は当時はオーストリア・ハンガリー帝国だったオーストリアおよびハンガリーとの国交樹立150周年ということで、オーストリアはザルツブルク生まれのハーゲン兄弟を核とするハーゲン四重奏団が、両国の代表的な作曲家、ハイドンとバルトークの名曲を並べて来日公演を行うということで、実に祝賀ムード満点なプログラム。ただし、単に祝賀的なだけでははなく、著名ながら1993年のOp.20の録音以来ハイドンの録音がないハーゲン四重奏団が、Op.76の全曲を完全にハイドンが主役の曲順で取り上げるということも、このコンサートを3日連続で聴こうと思った理由です。意外にも当ブログではハーゲン四重奏団の演奏を取り上げたことはありませんが、指導役として多くの若手四重奏団育て、また、チェロのクレメンス・ハーゲンは多くのチェリストを育てていることはこれまでの記事で紹介した通り。現在は4人ともモーツァルテウムや、バーゼル音楽院で教職に就いているとのこと。いつものように一応簡単にさらっておきましょう。

ハーゲン四重奏団はモーツァルテウム管弦楽団の首席ヴィオラ奏者オスカー・ハーゲンを父に持つ4人の兄弟で1981年に設立されたクァルテット。現在のメンバーは以下のとおり。

第1ヴァイオリン:ルーカス・ハーゲン(Lukas Hagen)
第2ヴァイオリン:ライナー・シュミット(Rainer Schmidt)
ヴィオラ:ヴェロニカ・ハーゲン(Veronika Hagen)
チェロ:クレメンス・ハーゲン(Clemens Hagen)

第2ヴァイオリンはハーゲン兄弟から現在のライナー・シュミットに替わりましたが、シュミットになったのは1987年と、現在のメンバーとなって30年以上になります。2011年まではDeutsche Grammophonの看板クァルテットとして多くの作曲家のアルバムをリリースしていましたので、日本での知名度も高いですね。近年もドイツのMyrios Classicsから色々アルバムがリリースされているようですが、ハイドン以外を追いかける余力に乏しく全くノーケア。ハイドンの録音はDGの1988年の「ひばり」「騎士」などのアルバム、1992年から93年にかけての太陽四重奏曲集の2点のみ。これらのアルバムも随分前に聴いたのもので、典雅な演奏こそハイドンと思っていた私には、小細工の多いちょっと個性的な演奏聴こえて若干違和感を持ったという印象が残っています。

ということで、録音を含めても実に久しぶりに聴くハーゲン四重奏団。しかも室内楽にはぴったりのトッパンホールということで、30年近くの熟成を経たハーゲンのハイドンは如何なものか自分の耳で確かめるというのが今回のシリーズのテーマです。

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このシリーズ、3日連続のチケットを嫁さんの分も合わせて手配したんですが、1日と3日の嫁さんの都合がつかなくなり、1日はブログでよくコメントをいただくだまてらさんと、3日は同じくハイドンマニアの小鳥遊さんとご一緒させていただきました。お二人、異論、ご指摘などあればズバズバ突っ込んでください(笑)

席は3日とも同じ席で、前方7列目の中央やや右あたりでした。

<10月1日>
コンサートに行く時には、私は一切予習しません。事前にプログラムに入っている曲を聴くと、どうしてもその演奏と比べて聴いてしまう傾向が生まれるからです。というわけではるか昔に聴いたハーゲン・クァルテットの印象だけがイメージに残る中、最初のOp.76のNo.1が始まります。思った以上に第1ヴァイオリンのルーカスの個性が強かったですね。ウィーン風とはちょっと異なる糸を引くような滑らかなフレージングが印象的ですが、メロディーにかなりダイナミックにコントラストを付けていきます。冴え渡る伸びやかな高音を響かせたかと思うと、荒々しく刺激的なアクセントを付け、テンポはかなり動かして独特のハーゲン訛りとでもいうような個性的なフレージング。ただしアンサンブルは流石に30年以上このメンバーで続けているだけにスキがなく緊密。ルーカスのヴァイオリンとクレメンスのチェロのはっきりとコントラストの間を第二ヴァイオリンのライナー・シュミットが取り持ち、ヴィオラのヴェロニカが冷静に音を重ねていく感じ。
このNo.1はどちらかというと端正で流れの良い演奏が似合う曲との先入観を打ち砕くようにテンポも音量も自在に動かし、時折非常に音量を落としてハッとさせられるような瞬間を作っていきます。そのように演奏することで各パート間のやりとりがクッキリと浮かび上がり、全体の音楽の流れよりもハイドンが各パート間に仕込んだ曲の面白さが浮かび上がるような演奏。録音と異なり視覚情報の印象も大きいので、最初はくどいと思いましたが、しばらくでくどく感じることもなくなりました。この演奏スタイルは今回のシリーズを通して貫かれ、ハーゲン四重奏団の大きな特徴になっていました。2楽章に入るとそのコントラストは若干下がり、しなやかな肌合いに包まれ、クァルテットの精妙なアンサンブルと、弦の響きの美しさにホッとします。逆にメヌエットから終楽章にかけてはハーゲン流のコントラストが曲の面白さをしっかりと浮かび上がらせました。まずは1曲めということで、少々ボウイングに硬さがみられましたが、昔の演奏の記憶からハーゲンの印象がアップデートされた感じ。

2曲めのバルトークは、ハーゲンの演奏スタイルにより合っている感じ。バルトーク独特の不安げなストイックな曲調が際立ち、しかも緊密なアンサンブルが緊張感をさらに高めていき、水も漏らさぬタイトなアンサンブルを味わえました。

そして休憩後の「五度」は生のコンサートならではの迫力を堪能。ハイドンの曲がメインに据えられるコンサートは滅多にありませんが、休憩後に置かれたこの曲は、この日のメインプログラムに相応しい品格と迫力を兼ね備えた演奏でした。1曲めでは前座感が残ったハイドンですが、この曲は出だしから素晴らしい推進力で迫ってきます。適度にハーゲン的なコントラストを付けていき、若干いじりすぎたような印象がつきまとうところもなくはありませんでしたが、曲全体の推進力の勢いが勝りましたね。やはりこの曲は名曲ですね。緩徐楽章はNo.1同様しなやかさを保ちながらも独特のアクセントと音量を極端に落とす場面を作って個性を印象づけ、メヌエットでは斬りこむようなアクセントを超緊密なアンサンブルで刺激を振りまきます。そして終楽章はハイドンの書いた交錯するメロディーの面白さを視覚的な要素も含めて堪能。ルーカスが投げる変化球に全員がピタリと合わせてくる緊密さは逆にスリリングさが際立ち実に面白い。端正なばかりがハイドンではないと言わんばかり。この妙技にお客さんも拍手喝采。初日からブラヴォーが飛び交いました。アンコールは、翌日のプログラムの予習とばかりに、「皇帝」のメヌエット。メヌエットをアンコールに持ってくるとは流石にハイドン通です(笑)

1日めは、録音でしか触れてこなかったハーゲンクァルテットの真髄にようやく触れた印象が残りました。もちろん、コンサート後はだまてらさんと飯田橋近くの居酒屋で反省会。プチ情報交換で盛り上がりました(笑)

<10月2日>

2日めは「皇帝」と「日の出」です。この日は早くから売り切れていましたが、やはり人気曲だからでしょうか。前日のコンサートで雰囲気をつかめていましたので、この日は1曲めから落ち着いて聴くことができました。かなり濃い目の表現をするハーゲンが、聴き慣れた「皇帝」をどう攻めてくるのかとは思いましたが、やはり1楽章はしなやかな流れではなく、ハーゲン訛りでクッキリとコントラストがついた演奏でした。ただし、前日の1曲めほどの違和感はなく、むしろ訛りを楽しんで聴ける感じ。びっくりしたのがドイツ国歌で有名な2楽章。終始音量を極端に落として精妙極まる演奏。流石にタダでは済ませませんね。メヌエットからフィナーレにかけては、前日同様、メヌエットの諧謔さと、フィナーレの交錯を浮かび上がらせる至芸。ただの「皇帝」ではありませんでしたね。

2曲めのバルトークの3番は4つの部分が繋げて演奏される曲。「皇帝」の余韻を断ち切るような鬼気迫る緊張感。そして聴いているうちに弓が青光りしているような妖艶な瞬間や、突如振りまかれるピチカートなど、ハイドンの時代とは全く異なる音楽のつくりに興味津々。私にとっては普段滅多なことでは聴かない音楽を極上の空間、極上の演奏で純粋に楽しめる時間でした。

休憩後は「日の出」。この演奏はこのシリーズで取り上げたハイドンの6曲の中で最も素晴らしい演奏でした。まさにバルトークが前座と感じる演奏。もちろんハーゲン訛りは少なからずあるものの、演奏には堂々とした風格が漂い、各パートの緊密なアンサンブルと、素晴らしい推進力。1楽章は展開の面白さをじっくり味わえ、続くアダージョでは精緻なハーモニーにうっとり。そしてメヌエットはハーゲンクァルテットにしか演奏し得ないクッキリとしたコントラスト、フィナーレは入りは訛っていたものの徐々に盛り上がるクライマックスに至って、後光が射すような神々しさ。最後にクレッシェンドしていく部分の妙技は流石なところ。ホールのお客さんもハーゲンクァルテットの至芸にのまれましたね。この日の拍手とブラヴォーが一番でした。アンコールは予想通り翌日のNo.6からフィナーレでした。

<10月3日>

そして最終日。この日は「ラルゴ」とNo.6。1日め、2日めと休憩後のハイドンの見事な演奏が印象に残るコンサートでしたが、この日は後半にNo.6と比較的軽めの曲だったので、曲順を心配しましたが、その予想は的中。結果的には前半の「ラルゴ」の見事な演奏の方が印象に残りました。

コンサートも同じ奏者の3日めともなると、純粋に演奏に集中して聴くことができます。1曲めのラルゴに至ってハーゲン訛りが心地よく聴こえてくるではありませんか。しかもルーカスとクレメンスの間をとりもつライナー・シュミットとヴェロニカをよく見ると、実に巧みというか、ルーカスとクレメンスとの呼吸の合わせ方が絶妙。流石に30年以上アンサンブルを重ねているだけありますね。ラルゴはそんなことを考えながら聴いていました。この日のバルトークの6番はヴィオラのソロから入るんですが、ヴェロニカのヴィオラの深い響きが素晴らしい。そしてバルトークでもライナー・シュミットとヴェロニカの妙技に釘付け。このクァルテットが成り立っているのは、特にライナー・シュミットの功績が大きいとは同席した小鳥遊さんの見解ですが、まさにその通り。そして、最後のNo.6は、特に1楽章がデュエットが組み合わせてを変えながら展開するというハイドンのアイデアの面白さに気づきました。これは実演ならではで、録音ではなかなか気づきませんね。前日のアンコールでフィナーレを聴いた通り、最後は軽妙な終わり方だったため、1日め、2日めほどのインパクトが残りません。この日のアンコールは、私は初日の五度から来るのかと思いきや、なんとシューベルトの「ロザムンデ」のメヌエットでした。ハイドンの理性的な音楽とは異なり、濃密な情感にホールが満たされ、時代がさらに進むことで音楽も変りゆくのだとの余韻を残す見事な選曲でした。これまで頻繁に来日しているハーゲンですが、次回のコンサートはシューベルトなのかもしれませんね。



ハーゲン四重奏団の3夜連続コンサート、行って良かったですね。ハーゲンの良さはセッション録音では伝わらないですね。むしろ一発録りのライヴの方がいいように思います。これまでリリースされているハイドンの2枚も、ハーゲンの良さが伝わりません。レストランで冷凍食品を出されているような感じといえばいいでしょうか。実演で聴くハーゲンは訛りと感じる部分はあれど、その面白さと、逆にアンサンブルのスリリングさを際立たせる効果もあり、それが他のクァルテットとははっきりと異なるハーゲン四重奏団の個性でもあります。やはり実演を聴くことの大切さを再認識した次第。ハーゲン四重奏団にはハイドンの新譜をライヴで期待したいところです。



さて、最終日も同席の小鳥遊さんと、飯田橋駅近くの居酒屋で反省会に出かけました。

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ハイドンばかりでなくキリル文字諸国の激ニッチな作品を偏愛する小鳥遊さんとのコレクター同士ならではのたわいもない話で夜は更けていきました、、、(笑)

<業務連絡>
ちなみに、だまてらさん、小鳥遊さんと都合を確認したので、改めてオフ会の日程調整に入りま〜す(笑)



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tag : 弦楽四重奏曲Op.76

エンゲゴール四重奏団のOp.76のNo.5(ハイドン)

先日、当ブログの影のご意見番たるSkunjpさんから、このアルバムが所有盤リストにないのはブログの沽券に関わるとの愛情あふれるご指摘をいただき発注していたアルバムがようやく入荷。レビュー致しますです(笑)

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TOWER RECORDS / amazon / HMV&BOOKS onlineicon

エンゲゴール四重奏団(Engegårdkvartetten)によるハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.5、ライフ・スールベリの弦楽四重奏曲ロ短調、グリーグの弦楽四重奏曲(作品27)の3曲を収めたSACD。収録は2007年10月、ノルウェーのオスロにあるJar Kirkeでのセッション録音。レーベルはノルウェーの2L。

エンゲゴール四重奏団の演奏は、以前に一度取り上げています。

2013/08/08 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : 【新着】エンゲゴール四重奏団のOp.77のNo.1(ハイドン)

この時には今日取り上げるアルバムは手に入らなかったのでそのままにしておりました。演奏も若手のクァルテットと荒っぽいまとめ方をしておりましたが、どっこいこのエンゲゴール四重奏団、第1ヴァイオリンのアルヴィド・エンゲゴールは、名演奏で鳴らしたオルランド四重奏団の第1ヴァイオリン奏者であったということがのちに判明。

2018/10/14 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : オルランド四重奏団のOp.76のNo.1(ハイドン)

それ以来、ちょっと気になる存在になっておりました。それでも何か行動に移したかといえば、そうではなく気になるというだけでしたが、先日Skunjpさんからこのアルバムが当方の所有盤リストになく、行間を想像すると「これを聴かずしてエンゲゴールを語るな」としか聞こえないようなコメントをいただき、ようやく注文して手に入れたという流れ。経緯はともかく、こうしたアルバムは虚心坦懐に奏者の奏でる音楽に打たれるべきとの経験則から、レビューに取り上げた次第。

このアルバム録音時のメンバーは以下の通り。

第1ヴァイオリン:アルヴィド・エンゲゴール(Arvid Engegård)
第2ヴァイオリン:アトレ・スポンベルグ(Alte Sponberg)
ヴィオラ:ジュリエット・ジョプリング(Juliet Jopling)
チェロ:ヤン=エーリク・グスタフソン(Jan-Erik Gustafsson)

以前取り上げたアルバムが2012年の録音。このアルバムは2007年の録音。クァルテットの設立が2006年ということで、こちらの方が古く、設立直後の録音です。奏者も以前取り上げたアルバムとチェロが異なります。クァルテットについては前記事で触れていますのでそちらをご参照ください。

Hob.III:79 String Quartet Op.76 No.5 [D] (1797)
このアルバム、録音は鮮明かつ直接音重視で教会での録音にも関わらずちょっとデッド気味。SACDは5.1チャネル音声も収録されていますが、当家の再生環境はステレオのみなので、5.1サラウンドで聴くとまた印象は異なる可能性があります。入りはハーモニー重視というよりは各パートが独立してメロディーを奏でるのが結果的に縦の線が合ってきているという感じのアンサンブル。各パートが個性を競い合いながらテイストは乱さず、鋭利なアクセントで刺激し合う感じ。それぞれが伸び伸びと弾いているのがわかります。聴き進むうちにだんだん音楽に一体感が生まれてくるから不思議です。それぞれ音階を奏でながらザクザクと切り込んでいきます。1楽章の最後はキレキレ。
続くラルゴはしなやかなハーモニーの美しさで聴かせるクァルテットが多い中、ここでも鋭い響きでストイックな攻め込みを見せます。耳を澄ますとデュナーミクをかなり緻密にコントロールしているのがわかります。この名曲のメロディーに潜む侘び寂びのような心境がエンゲゴールの演奏で強調される感じ。最後は消え入るように静寂に包まれます。
メヌエットは音の迫力ではなくすっきりとした響きのメロディーラインで躍動感を出そうとしています。響きがすっきりしている分、ボウイングも鮮明にわかり、アクセントもこれ以上激しいと嫌味になる寸前でバランスを保っています。
この演奏のクライマックスは終楽章。鮮烈なまでにリアルなヴァイオリン。ここにきてアンサンブルがピタリと合って、メロディーラインは誠に刺激的。若手らしくボウイングが弾み、鋭い音階が切れ込みまくります。この終楽章のキレ方は並ではなく、弦のテンションが他のクァルテットとは異なるのではないかと思わせるほど。4楽章の最後にフォーカスを合わせてキレて終えるという設計でしょう。

エンゲゴール四重奏団のOp.76のNo.5はまさにボウイングキレキレの自由闊達な演奏でした。デッドな録音ということもあり、スリリングかつ鮮明な響きでこのハイドンの傑作の構造が浮かび上がり、そして骨格標本を見るように構造がはっきりとわかります。このクァルテットのデビユーから間も無くで録音されたアルバムということで、クァルテット草創期の息吹が伝わってくるよう。以前取り上げたこの後の録音についてはちょっと荒さも見られるということで、やはり気合の乗った時期の演奏はそれなりの結果をもたらすということでしょう。評価は[+++++]とします。

道場破り対応終了です(笑)



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tag : 弦楽四重奏曲Op.76

クロイツベルガー弦楽四重奏団の日の出、Op.64のNo.6(ハイドン)

先日ディスクユニオンで手に入れたLP。ハイドンのクァルテットの実に趣深い演奏。

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クロイツベルガー弦楽四重奏団(Kreuzberger Streichquartett)の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.4「日の出」、Op.64のNo.6の2曲を収めたLP。収録はPマークが1979年とだけ記載されています。レーベルTELEFUNKEN。

クロイツベルガー弦楽四重奏団は全く未知のクァルテット。ネットを見ても過去の情報しか出てきませんので、一時期のみ活動していた団体のようで、録音も多くありません。ということでそういったときに紐解く幸松肇さんの「世界の弦楽四重奏団とそのレコード」のドイツ・オーストリア編を紐解くと、掲載されていました。設立は1970年でベルリンでデビュー。1972年にはカール・クリングラー賞、1974年にはジュネーブ国際コンクールで優勝したとのことで、デビュー時はかなりの実力派ということだったのでしょう。Discogsを調べるとアルバムはこのハイドンの他に、モーツァルト、ヒンデミット、ヤナーチェク、メンデルスゾーン、シュポアの他、現代ドイツの作曲家アリベルト・ライマンの曲などが並びます。メンバーは以下の通り。

第1ヴァイオリン:フリーデグント・リーム(Friedegund Riehm)
第2ヴァイオリン:ライナー・ヨハネス・キムシュテット(Rainer Johannes Kimstedt)
ヴィオラ:ハンス・ヨアヒム・グレイナー(Hans Joachim Greiner)
チェロ:ペター・ゲルシュヴィッツ(Peter Gerschwitz)

第1ヴァイオリンが女性です。

Hob.III:78 String Quartet Op.76 No.4 "Sonnenaufgang" 「日の出」 [B flat] (1797)
針を落とすと超鮮明なクァルテットが目の前に出現。いきなり素晴らしい録音に驚きます。LPもニアミントの素晴らしいコンディションでノイズレス。アンサンブルの精度も高く、この曲の1楽章の穏やかな序奏から主題に入って畳み掛けるように攻めてくる迫力が超リアル。特にヴィオラとチェロのメロディーがしっかりと浮かび上がって4声がときに複雑にときに調和して交錯する感じが手に取るようにわかります。
続くアダージョでもゆったりとしたリズムに乗って4声のハーモニーの精妙な美しさが際立ちます。第1ヴァイオリンも調和の中でキラリと光る美音をさりげなく聴かせる見事なセンス。ここでも鮮明な録音の威力満点。
メヌエットはオーソドックスに入りますが、特徴的なメロディーを各パートが受け継ぎながら展開して、奏者の呼吸がピタリと合って音楽を紡いでいく様子の面白さが手に取るようにわかります。ハイドンのメヌエットの巧みな構造を堪能。コントラストがしっかりとついてグッと力が入る力感の表現も巧み。
フィナーレは速めに流れるような演奏が多い中、少しテンポを落としてかなり丹念にメロディーを描いていきます。爽快感よりも曲の構造、展開の面白さにスポットライトを当てていこうということでしょう。終結部に入ってテンポが上がり即興的なニュアンスを上手く乗せて見事なフィニッシュ。

Hob.III:64 String Quartet Op.64 No.6 [E flat] (1790)
LPをひっくり返して今度はOp.64のNo.6。録音が良いので入りの和音の美しさが際立ちます。優しげなメロディーを軽やかになぞっていきながらも、アンサンブルは精妙さを感じさせるキリリと引き締まったもの。各パートのデュナーミクの表現が丁寧なのでメロディーを織り上げて表情が造られる様子が鮮明にわかります。
物憂げなアンダンテの入りは表現をかなり抑えて、中間部でヴァイオリンをクッキリと浮かび上がらせる設計。音量を落としてもアンサンブルのバランスが完璧に保たれる見事なコントロール。
そしてメヌエットのコミカルさと迫力、語り口の面白さのバランスの良さは前曲同様。ハイドンのメヌエットの面白さを十分にわかっての表現。楽しげに演奏している様子がわかります。
この曲のフィナーレは今度は軽快。4声がクッキリと引き立つところはこのクァルテットの特徴でしょう。特にヴィオラ、チェロは音量のコントロールの幅をかなりとってメリハリをつけてきますのでハーモニーの厚さが刻々と変わり、表情を多彩に飾りる役割を見事に果たしています。おしゃべりのような語り口の面白さも存分に聴かせて終わります。

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クロイツベルガー四重奏団の演奏によるハイドンのクァルテット2曲でしたが、この2曲しか録音がないのが惜しまれる名演奏。特にTELEFUNKENの最上のコンディションでプレスされたLPの超鮮明な録音によって、その演奏の魅力がダイレクトに楽しめます。Spotifyなどに登録されているか調べてみましたが残念ながらこの演奏は未登録の模様。この素晴らしい録音でハイドンのクァルテットを多くの人に楽しめるようにしてほしいものです。評価は両曲とも[+++++]とします。



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tag : 弦楽四重奏曲Op.76 日の出 弦楽四重奏曲Op.64

オルランド四重奏団のOp.76のNo.1(ハイドン)

秋は夜には室内楽が聴きたくなります。今日のアルバムはこちら。

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オルランド四重奏団(Orlando Quartet)による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.1、ヴォルフのイタリアセレナーデ、シューベルトの弦楽四重奏曲Op.29(D.804)の3曲を収めたLP。収録は1987年5月、収録場所の記載はありません。レーベルはPHILIPSではなくCLAVIGRAMというオランダのレーベル。

オルランド四重奏団ならびに、その出身者によるパルカニ四重奏団の素晴らしい演奏は、昨年、記事にしています。

2017/09/24 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : パルカニ四重奏団のOp.54(ハイドン)
2017/08/27 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : オルランド四重奏団のOp.54(ハイドン)

オルランド四重奏団は1976年、オランダで設立され、1997年に解散しました。その間第1ヴァイオリンが2回変わっています。

1976–1984 イストヴァン・パルカニ(István Párkányi)
1985–1990 ジョン・ハーディング(John Harding)
1991–1997 アルヴィド・エンゲゴール(Arvid Engegård)

今日取り上げる録音は2代目のジョン・ハーディングが第1ヴァイオリンを務めており、メンバーは以下のとおり。

第1ヴァイオリン:ジョン・ハーディング(John Harding)
第2ヴァイオリン:ハインツ・オーベルドルファー(Heinz Oberdorfer)
ヴィオラ:フェルディナント・エルブリヒ(Ferdinand Erblich)
チェロ:シュテファン・メッツ(Stefan Metz)

前に記事にしたOp.54はオルランドのデビュー盤で1980年の録音、そしてCD化されているOp.76のNo.4、No.6が82年のリリースと、双方創設メンバーのイストヴァン・パルカニが第1ヴァイオリンを務めたものであるのに対し、今回は2代目のジョン・ハーディングに変わっています。ということで、第1ヴァイオリンの変更がアンサンブルをどう変えたかということが聴きどころになるでしょう。
初代第1ヴァイオリンのパルカニは1998年に第2ヴァイオリン、ヴィオラメンバーと新たなチェロのメンバー迎えてパルカニ四重奏団を結成した件についてはパルカニ四重奏団の記事に書いた通りです。

前置きが長くなりましたのでレビューに入りましょう。

Hob.III:75 String Quartet Op.76 No.1 [G] (1797)
いつものようにVPIのクリーナーで綺麗にクリーニングしてから針を落とすと、最初の和音がまるでPHILIPSの録音のように鮮明かつ柔らかな響きで鳴り響き安堵させます。録音は万全、LPのコンディションは表面にはかすり傷が見られるものの、ノイズは全くなく非常に良いコンディション。あのオルランド盤の伸びやかかつ素晴らしい響きは変わらず、新たな第1ヴァイオリンのハーディングも端正かつ伸びやかな演奏で、オルランド四重奏団という伝統がしっかりと引き継がれていることがわかります。1楽章から素晴らしい安定感で伸び伸びとした演奏に惹きつけられます。
素晴らしかったのが続くアダージョ・ソステヌート。非常にデリケートなデュナーミクの変化とくっきりとメロディーラインを浮かび上がらせるアンサンブルのバランスは円熟の境地を感じさせます。響きは単調にならずどの音にも豊かな表情が宿る深みがあり、4人の行きもピタリとあって、ことさら弱音部の美しさは見事なもの。ここにきて、ハーディングの濡れたように深みのある高音域の美音がさらに華を添えます。
メヌエットはオーソドックスに小気味好くキレを感じさせるものですが、トリオではぐっとテンポを落としてゆったりとコミカルなメロディをじっくり聴かせ、対比を鮮明に印象付けます。トリオの部分は録音の良さにより響きの美しさが際立ちます。
そしてフィナーレも力みなく弓が滑らかに走ることでキレ味抜群。終楽章ではかなり自在にテンポを動かしてフレーズごとにはっきりと表情をつけていきます。しかも表情の切り替えに余裕があり、もはや至芸。この曲の終楽章では最も印象的な演奏となりました。

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オルランド四重奏団による、Op.76のNo.1、やはり期待通りの素晴らしい演奏でした。素晴らしい録音であることもあり、ハイドンのクァルテットを一流どころが演奏すると、これほどまでに深い音楽になるのかという見本のような演奏。楽譜に込められたハイドンの創意をしっかりと汲み取って素晴らしい演奏にまとめる類まれな音楽性を持ち合わせているということでしょう。このところコンサートではハイドンの曲が前座になるようなケースが多く、やはりハイドンを演奏することはテクニック上ではなく、音楽として難しいということなんでしょう。オススメ盤です。評価はもちろん[+++++]とします。



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tag : 弦楽四重奏曲Op.76

プラハ四重奏団の「皇帝」、「セレナード」(ハイドン)

まだまだ真価を知らなかった演奏はいろいろあるものですね。今日は弦楽四重奏の名演奏を。

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プラハ四重奏団(Prager Quartett)の演奏で、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.3「皇帝」、伝ハイドン作の「セレナード」の2曲を収めたLP。収録は1972年5月、プラハでとのみ記載されています。レーベルは日本のキングレコードによるeurodiscの国内盤。

プラハ四重奏団は1956年、プラハ交響楽団の首席奏者であったブレティスラフ・ノヴォトニーを中心に結成されたクァルテット。結成当初はプラハシティ四重奏団と呼ばれており、プラハ四重奏団と名乗るようになったのは1965年からとのこと。結成直後の1958年にはベルギーのリエージュで開催された国際コンクールで優勝し、国際的に注目されるようになり、活躍の場は世界に広がりました。メンバーは、結成後1957年、1968年にノヴォトニー以外のメンバーが入れ替わって、このアルバム演奏時の下記のメンバーとなりました。

第1ヴァイオリン:ブレティスラフ・ノヴォトニー(Bretislav Novotny)
第2ヴァイオリン:カレル・ブジビル(Karel Pribyl)
ヴィオラ:リュボミール・マリー(Lubomir Mary)
チェロ:ヤン・シルツ(Jan Sirc)

日本にも1965年をはじめに度々来日しており、日本で録音したアルバムも多数リリースされているということで、年配の方にはおなじみのクァルテットかもしれませんね。レパートリーはモーツァルト、ハイドン、ベートーヴェンなどの古典から現代ものまで幅広く、ハイドンについてはこのアルバムの他にもOp.20のNo.5、Op.54のNo.2があるそうです。

ちなみにこのアルバムは最近オークションで手に入れたもの。eurodiscの国内盤ですが、ミントコンディションの盤面に針を落とすと、いきなり鮮烈、華やかな演奏に引き込まれました!

Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
鮮烈に響く4本の弦楽器。緊密かつ華やかにリズムを刻み、音楽がイキイキと弾みます。演奏によってここまで躍動するのかと関心しきり。そして交錯するメロディーの美しさが浮かび上がります。緊密なハイドンも鋭いハイドンもいいものですが、やはり明るく華やかに弾むハイドンの楽しさに勝るものはないとの確信に満ちた演奏。陽光のもとに輝く骨格が圧倒的な美しさで迫ります。1楽章は別格の出来。
そして有名な2楽章はヴィブラートがしっかりかかった弦のハーモニーがしっとりと沁みる演奏。訥々と変奏を重ねて行く毎に枯淡の境地に至り、色数をだんだん減らし淡色の景色に変わります。最後はモノクロームの透徹した美しさに。よく見るとモノクロなのに色が見えるような豊かさも感じさせるアーティスティックな世界。絶品。
メヌエットでは、躍動感はそこそこながらしなやかに流れるメロディーを丁寧になぞりながら曲そのものの美しさをしっかりと印象付け、フィナーレでは精緻すぎることなく手作り感を程よく残しての迫力でまとめます。適度な音程のふらつきも手作り感に繋がっているんですね。クァルテットの勘所を押さえた実に見事な演奏でした。

String Quartet Op.3 No.5 "Serenadequartett" [F] (Doubtful 疑作 Composed by Roman Hoffstetter)
1楽章の弾むような華やかさは皇帝と同じですが、こちらの方は曲の作りも手伝って、より気楽さを感じさせる演奏。演奏する方も楽しんで演奏しており、奏者もリラックスしているように聴こえます。ハイドンの作ではないことがわかっていますが、長年ハイドンの曲として演奏されてきた伝統もあり、実にこなれた演奏。この力の抜け具合がこのクァルテットの実力を物語っています。
ピチカートに乗ったセレナードも同様、リラックスして実に楽しげ。このさりげない美しさこそハイドンの本質でもあります。簡単そうに見えて、この境地に至るには並みの力では及びません。やはりこの曲は名曲ですね。
メヌエットも見事に力が抜けて軽やか。そして終楽章のスケルツァンドも同様。曲自体に込められたウィットを見抜いて全編を貫く軽やかさで包んできました。この辺りも手慣れた感じながら、曲の本質を突く見事なアプローチです。

プラハ四重奏団による皇帝とセレナード。名演奏揃いのこの曲の中でも指折りの名演奏と言っていいでしょう。やはりハイドンの演奏にはこの明るさ、軽やかさが似合います。鬼気迫る精緻なハイドンもいいものですが、このような演奏を聴くと、ハイドンはこう演奏するのが粋なのだとでも言いたげな余裕を感じます。おそらくCD化はされていないものと思いますので、このLPが彼らのハイドンの貴重な証ということでしょう。評価はもちろん両曲とも[+++++]とします。



最近手元には幸松肇さんの「世界の弦楽四重奏団とそのレコード」というシリーズものの書籍があり、それを参照するとクァルテットの情報はかなりわかりますので調べるのに苦労することは少なくなりました。こちらは第3巻の東欧諸国編です。



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tag : 皇帝 ハイドンのセレナード 弦楽四重奏曲Op.76 LP

モードゥス四重奏団の五度、皇帝、ラルゴ(ハイドン)

今日は変わり種です。

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モードゥス四重奏団(Quartetto Modus)によるハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.2「五度」、No.3「皇帝」、No.5「ラルゴ」の3曲を収めたアルバム。ただし通常の編成ではなく、第1ヴァイオリンをフルートに変えたもの。収録はイタリア、トスカーナ州のピサ近郊にある温泉街のサン・ジュリアーノ・テルメ(San Giuliano Terme)にあるヴィラ・ディ・コルリアーノ(Villa di Corliano)でのセッション録音。レーベルは伊stradivalius。

ハイドンが弦楽四重奏曲の父と呼ばれ、存命中にヨーロッパで絶大な人気を博していたのは皆さんご存知の通り。そしてハイドンの時代、アマチュア音楽家にとって最も人気のある楽器はフルートであったことから、ハイドンの最も有名な弦楽四重奏曲をフルート四重奏曲に編曲するニーズがあったものと思われます。この辺りの経緯は以前取り上げた別のフルート四重奏曲のアルバムの記事に詳しく記載しておりますので、ご参照ください。

2011/04/09 : ハイドン–室内楽曲 : フルート四重奏による太陽四重奏曲

今日取り上げるフルート四重奏曲への編曲は、こうした世相を踏まえて弦楽四重奏曲からフルートと弦楽のための四重奏に編曲されたものと思われ、ハイドン自身によるものかはわかりませんが1800年頃にドイツのジムロック社から出版されたものとのこと。ハイドンの弦楽四重奏曲の頂点たるこれらの曲の、当時人気の編成への編曲版の楽譜が出版されるのは時代の流れでしょう。ただし、ハイドンの楽曲は楽器の音色を踏まえて書かれており、楽器が変わると表情もかなり異なります。果たして第1ヴァイオリンをフルートに持ち替えたことが吉と出ますでしょうか。

モードゥス四重奏団についてはライナー・ノーツなどにも何も記述がなく、また、Webを探してもこれといった情報が出てきません。この録音のために結成されたクァルテットということでしょうか。メンバーは2枚とも共通で以下のとおり。

フルート:ロベルト・パッパレッテーレ(Roberto Pappalettere)
第2ヴァイオリン:クラウディオ・マッフェイ(Claudio Maffei)
ヴィオラ:ファブリツィオ・メルリーニ(Fabrizio Merlini)
チェロ:カルロ・ベンヴェヌーティ(Carlo Benvenuti)

このアルバムの他に、同じ奏者による2015年録音のOp.76の残り3曲を収めたアルバムもリリースされていますが、聴き比べてみると今日取り上げるアルバムの方が演奏の流れが自然なため、こちらを取り上げた次第。

Hob.III:76 String Quartet Op.76 No.2 "Quintenquartetett" 「五度」 [d] (1797)
聴き慣れた五度のメロディー。フルートの響きによってメロディーが華やかに浮かび上がります。パッパレッテーレのフルートはタンギングのキレ味良く、メロディーが爽やかに響きます。弦楽四重奏では鬼気迫るような1楽章も、メロディーがフルートに変わっただけで印象がガラリと変わります。音楽自体も少し軽く響くように感じます。また弦楽四重奏ではパート間の緊密な連携に耳が向きますが、フルートではメロディーが頭一つ抜き出ているので、メロディー自体の印象が非常に強くなります。アマチュア演奏家にとっては、有名なハイドンのメロディーでアンサンブルを楽しめるということで、これはこれでアリでしょう。現代におけるカラオケのような楽しみ方ができるような気がします。そうした気楽さで聴くとなかなか面白いものです。演奏も変にアーティスティックなところはなく、純粋に演奏を楽しむよう。また録音もフルートが心地よく聴こえるよう残響が多めで、音量もフルートが一番目立ち、弦は逆に残響の所為で穏やかに響きます。これはこの曲の位置づけを良く考えての録音なんでしょう。
2楽章は屈託無く明るいメロディーがフルートによって響きわたり、爽やかそのもの。テンポもほぼ揺らさず淡々と演奏して行きますが、それがなんとも心地良い。普通は曲に挑むところですが、そういった邪心は皆無。メヌエットでもハイドンのメロディーを楽しむようなサラサラストレートな演奏。
気楽に聴いてきたんですが、フィナーレに入ると速めのテンポでグイグイくるではありませんか。曲自体も緊密な構成ゆえのこととは思いますが、やはりここは聴きどころとばかりにアンサンブルが引き締まります。ハイドンのフィナーレはやはり聴き応え十分。

Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
続いて皇帝。前曲よりフルートに対して弦の音量がわずかに増したような気がします。バランスはこちらの方がいいですね。やはり響きはかなり華やかになりますが、、、五度では原曲のメロディーを楽しむ程度に聴こえていたものが、この皇帝では弦とのバランスが取れたことで、なんとなくより本格的なアンサンブルの面白さも感じられるようになってきました。1楽章は五度のフィナーレ同様緊密さで聴かせる見事な演奏。そして皇帝讃歌のメロディーの変奏となる2楽章は、通常は定位で聴き分けるしかない第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンがはっきりと聴き分けられ、ハイドンがこの曲に仕込んだ変奏の面白さが際立ちます。これは非常に面白い。続くメヌエットもメリハリがキリリとついて奏者も楽しそう。特にフルートのタンギングの鋭さが増して、実にリズムのキレが良い。弦楽器の擦るという行為で表現できる鋭さとは異なりますね。またフルートの響もぐっと深くなり音色の魅力も増してきました。そしてフィナーレの緊密なアンサンブルは期待通り。ここでもフルートのヴァイオリンの掛け合いの面白さが際立ちます。

Hob.III:79 String Quartet Op.76 No.5 [D] (1797)
最後はラルゴ。一貫して華やかさ、爽やかさを保っていますが、ここにきてふくよかさも加わります。皇帝同様アンサンブルもバランス良く、ここまでくると元の弦楽四重奏曲のイメージが邪魔せず、純粋にフルート四重奏の響きを楽しめるように耳も慣れてきました。これまで触れてこなかった、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのバランスですが、前曲までは掛け合いを目立たせることなく、フルートとの対比の面白さを際立たせるために過度な表現を抑えているように聴こえましたが、このラルゴに入ると、それぞれ燻し銀ともいうべき味わいの深さを感じさせるようになります。
ラルゴの聴きどころである2楽章は、ぐっとテンポを落としてこれまでで一番抑揚をつけてしっとりと描きます。徐々に響きが深く沈みフルートの低音とヴィオラやチェロの響きが重なってえも言われぬ雰囲気に。そこにふっと高音のヴァイオリンが入るところは、これまでと異なる対比が顔を出し、ハッとさせられます。そしてメヌエットの大胆な音形、中間部ではチェロが初めて踏み込んだボウイングを聴かせるなど徐々に各奏者もちらりと腕を見せます。最後のフィナーレは弦楽器以上の爽快感を伴いながらの疾走。あえてフルート四重奏曲として演奏しているだけに、最後はフルートの音階の鮮やかさを印象づけて終わります。

モードゥス四重奏団のフルート四重奏による五度、皇帝、ラルゴのハイドン名曲3点セット。最初に聴いた時には弦楽四重奏との音色の違いの印象が強く、フルートの華やかな響きによってちょっと深みに欠けるという印象が強かったんですが、五度ではその華やかな気楽さこそがこうした編曲ものの演奏にはふさわしいと思うようになり、聴き進めていくと、だんだんこの編成の面白さと深みを感じられるようにこちらの耳も変化してきました。この面白さは弦楽四重奏を聴き込んだベテランの方にはわかっていただけるでしょう。評価は五度[++++]、皇帝とラルゴは[+++++]とします。

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tag : 弦楽四重奏曲Op.76 五度 皇帝 ラルゴ

ベレヌス四重奏団の「五度」(ハイドン)

本日は美女揃いのクァルテット。

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ベレヌス四重奏団(Belenus Quartett)の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.2「五度」、バルトークの弦楽四重奏曲4番の2曲を収めたアルバム。収録は2012年7月10日から12日にかけて、スイスのチューリッヒ芸術大学室内楽ホール(Kammermusiksaal der Zürcher Hochschule der Künste)でのセッション録音。レーベルは独ACOUSENCE CLASSICS。

いきなり目を引く4人の女性奏者。皆楽器を手に持ち、暗闇を背景にこちらを凝視する「目力」を感じるジャケット。久々に妖気が漂うジャケットです。そう、かつてこのブログで多くの読者の心を奪った、ヴィヴェンテ三重奏団のアルバムに出会った時と同様の気配を感じます。そしてレーベルのACOUSENCE CLASSICSもはじめて手に入れるレーベルということで、ジャケットをパラパラとめくって見ると中には表紙とは異なり、リラックスして微笑む4人の写真が2枚掲載されており、多少安心させます(笑)。また、ライナーノーツの末尾には、今回の録音にあたってのマイクセッティング図と使用したマイク、マイクアンプ、コンバーター、調整卓がリストアップされ、音質にこだわったアルバムであることがわかります。ACOUSENCEというレーベル名もそれらしいもの。

ベレヌス四重奏団は2004年、スイスのバーゼルで設立され、2010年にチューリッヒ芸術大学の学生により新たな体制になったもの。モザイク四重奏団やアマティ四重奏団について学び、その後カルミナ四重奏団のステファン・ゲルナー、アルバン・ベルク四重奏団のイザベル・カリシウス、ラサール四重奏団のヴァルター・レヴィン、クス四重奏団のオリヴァー・ヴィレら豪華な講師陣に師事しているとのこと。2011年にはスイス・オルフェウス室内楽コンクールで優勝、その後も様々なコンクールに入賞しており、それらの実績によりこのアルバムがデビュー盤として録音されたものと思われます。メンバーは以下のとおり。

第1ヴァイオリン:セライナ・プフェニンガー(Seraina Pfenninger)
第2ヴァイオリン:アンネ・バテガイ(Anne Battegay)
ヴィオラ:エスター・フリッチェ(Esther Fritzche)
チェロ:ゼラフィナ・ルーファー(Seraphina Rufer)

Belenus Quartett

なお、彼らのサイトを見て見ると、現在はチェロが男性に代わっているようですね。

さて、この妖気漂うアルバム、演奏は如何に。

Hob.III:76 String Quartet Op.76 No.2 "Quintenquartetett" 「五度」 [d] (1797)
流石に録音にこだわっているレーベルだけに、いきなりクァルテットの気迫みなぎる響きに圧倒されます。残響は比較的多めで木質系の小ホールで聴いているようなプレゼンス。肝心の演奏は推進力もあり、ダイナミックさとしなやかさを併せ持つナカナカのもの。一音一音のデュナーミクをかなりつけて五度の名旋律が驚くほど豊かに響きます。言われなければ女性だけのクァルテットとはわかりませんが、これが女性ならではのデリカシーかもしれません。第1ヴァイオリンのセライナ・プフェニンガーは少し細身ながらかなり流麗な弓さばきでメロディーをしなやかに歌い上げます。アンサンブルは精緻というよりはいい意味で勢いがあり音楽がよく弾みます。よく聴くとチェロの迫力はかなりのもの。これがこのクァルテットの響きの特徴になっているようですね。1楽章から覇気あふれる演奏に引き込まれます。
2楽章はピチカートの伴奏にヴァイオリンのメロディーでの入りで、静寂の中に弦楽器の音色が響きわたる入り。録音の良さが一層引き立ちます。セライナ・プフェニンガーのボウイングも自在さを増して、ハイドンの名旋律をリラックスしながら楽しげに演奏していきます。デビュー盤とは思えない成熟した音楽に唸ります。
続くメヌエットはこの曲を引き締める鋭いアクセント。それを踏まえて、しなやかにたたみかけ、弦楽器による迫力と響きの美しさの絶妙なバランスを保った演奏。強音の迫力とさざめくような弱音のコントラストも絶品。そして迫力だけでなくどこかに華やかさを感じさせるのが流石なところ。
そしてさらりとフィナーレに入りますが、キレ味の良さを随所に感じさせながら、ハイドンの複雑に絡み合う音楽を織り上げていきます。力みはなく、風通しの良さを保ちながらの演奏。やはり録音が弦楽器の響きの良さを引き立て、聴きごたえ十分。最後はたたみかけるようにエネルギーを集中させて終わります。

いやいや素晴らしい演奏ということでまとめに入ろうとしたところ、続くバルトークの4番の鋭利な響きに、ハイドンを聴き終えた幸福感が木っ端微塵に打ち砕かれます(笑) 聞き手にも極度の緊張を求めるアーティスティックな曲の開始に背筋ピーン(笑) 私が語れる立場ではありませんが、このバルトークも並の演奏ではありません。赤熱した鋼のごときエネルギーの塊のような音楽。このバルトークを聴いた上で、このアルバムのジャケット写真を見返してみると、「女だと思ってなめてかかるんじゃないわよ」とでもいいたげに見えます。やはりジャケットから感じた妖気は本物でした!

さて、女性4人によるベレヌス四重奏団の「五度」ですが、これはかなりのレベルの名演奏とみなして良いでしょう。クァルテットとしての完成度も素晴らしいものがあり、これがデビュー盤という気負いは全くなく、すでに円熟の境地に到達しています。選曲、演奏、録音、ジャケットを含めたプロダクションとも非常に高いレベルで言うことありません。評価は文句なしに[+++++]を進呈いたします。手に入るうちにどうぞ!

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tag : 五度 弦楽四重奏曲Op.76

絶品! バルトーク四重奏団のひばり、皇帝、日の出(ハイドン)

今日は弦楽四重奏曲のアルバムですが、少々古めのもの。先日ディスクユニオンで入手しました。

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バルトーク四重奏団(The Bartók Quartet)によるハイドンの弦楽四重奏曲Op.64のNo.5「ひばり」、Op.76のNo.3「皇帝」、Op.78のNo.4「日の出」の3曲を収めたアルバム。収録は1993年5月12日から15日にかけて、富山湾の東端にある富山県下新川郡入善町の入善コスモホールでのセッション録音。レーベルはCANYON Classics。

バルトーク四重奏団は1957年にブダペストのフランツ・リスト音楽院の卒業生によって設立されたクァルテット。設立当初は第1ヴァイオリンのペータル・コムロシュの名前をとってコムロシュ四重奏団と名乗っていましたが、1962年にバルトークの未亡人の同意を得てバルトーク四重奏団と改名しました。1963年にブダペストで開催されたワイナー室内楽国際コンクールで優勝、翌1964年にはベルギーのリエージュ国際弦楽四重奏コンクールでも第1位、さらに1963年までに数多くの国際コンクールに優勝し、世界的に注目されるようになりました。レパートリーはバルトークはもちろん現代ハンガリーの作曲家の作品から、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、メンデルスゾーン、ラヴェル、ドビュッシー、シェーンベルクなどと幅広く、膨大な録音が残されているとのこと。日本には1971年の初来日以来、度々来日していたとのことで、実演に接した方もいるかもしれませんね。2006年のバルトークの弦楽四重奏曲全曲演奏会を最後に解散しています。メンバーは以下のとおり。

第1ヴァイオリン:ペータル・コムロシュ(Péter Komlós)
第2ヴァイオリン:ゲーザ・ヘルギタイ(Geza Hargitai)
ヴィオラ:ゲーザ・ネーメト(Géza Németh)
チェロ:ラースロー・メズー(László Mezö)

膨大な録音を残し、日本との関わりも深いバルトーク四重奏団ですが、私はこのアルバムで初めて演奏を聴きます。なおヴィオラのゲーザ・ネーメトはHUNGAROTONからヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲のアルバムのヴィオラを弾いていて、以前に取り上げています。

2012/06/05 : ハイドン–室内楽曲 : デーネシュ・コヴァーチュ/ゲーザ・ネーメトによるヴァイオリンとヴィオラのためのソナタ集

このバルトークの名を冠したクァルテットによるハイドン、さぞかしキレ味鋭い演奏が聴かれるだろうと思って、聴きはじめたところ、さにあらず。いやいや実に趣深い燻し銀の演奏でした。

Hob.III:63 String Quartet Op.64 No.5 "Lerchenquartetett" 「ひばり」 [D] (1790)
広い空間に伸び伸びと響くクァルテットの音色。落ち着いたテンポでゆったりと音楽が流れます。非常にリラックスして演奏しているのがわかります。奏者が演奏を存分に楽しんでいる感じ。もちろん第1ヴァイオリンのコムロシュのボウイングは伸びやかで他のパートから首一つ抜け出してくっきりとメロディーを奏でていきます。まさに折り目正しい一級品の演奏。ひばりの1楽章がこれほど伸びやかかつキレのいい響きで始まろうとは思っていなかっただけに、驚きに近い衝撃がありました。まさに晴天の中、囀りながら空高く飛び回るひばりの気分。
続くアダージョ・カンタービレは歌う歌う。伸びやかさの限りを尽くした演奏に聴いているこちらまで伸びやかな気分になります。まるでバルトークと違って、技巧を凝らさなくていいことを余裕たっぷりに楽しんでいるような演奏。よくぞこれだけリラックスできるものかと唸ります。
メヌエットでも楽器が思い切りよく鳴り響き、晴朗かつ屈託のない響きにハイドンの曲の本質が宿ります。これぞメヌエットという鮮明な響き。中間部で一旦トーンをすっと落として翳りを見せたかと思うと、再び陽光の下に輝かしい音楽が蘇ります。このテンションの変化が実に心地良い、見事なメヌエット。
さざなみのように峙つヴァイオリンの伴奏に乗ってメロディーが弾む最後のヴィヴァーチェ。適度な揺らぎの中メロディーが飛び回る感じがライヴ感に溢れた演奏。1曲目から驚きの名演奏でした。まるで古典をホームグラウンドとするような均整の取れた演奏。

Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
続く皇帝もリラックスした演奏は変わらず、揺るぎない安定感を伴い、またまた歌う歌う。音符がひとりでに遊びまわるような愉悦感。あまりの見事さに息を飲みます。4本の楽器が鬩ぎ合いながらも一体となって音楽を作っていく様子はスリリングながら、音楽は楽しげに弾んで行きます。圧倒的な音楽の完成度に唸り続けます。これほど見事な皇帝の1楽章は初めて。
有名なドイツ国歌の2楽章は、少しテンションを落として質実な響きを聴かせます。これは変奏に入ると少しずつ自在さを加えて展開していく面白さのためのわかり、設計の確かさにまたまたまた唸ります。変奏ごとに長く間を取り変化を深く印象付けます。ただでさえ美しいメロディが孤高の美しさを帯びて輝きます。一つのメロディに宿る美しさに様々な角度からスポットライトを当てて味わい尽くす見事な演出。最後は枯淡の境地へモーフィング。絶品。
美しさの限りを尽くした2楽章の余韻を慈しむかのように少し寂しげに響くメヌエット。この辺りの感情の変化はデリカシーに富んでいてまさにハイドンが楽譜に込めた魂を汲んでいるよう。途中からさっと霧が晴れ、陽の光が差し込むような変化も見事。メヌエットだけでも曲ごとの描き分けの巧みさにこのクァルテットの表現力を思い知らされます。
激しく鋭い終楽章も、余裕たっぷりに入ります。険しい音楽もあえて少し緩めに演奏することで、バランスを保ち、力が入り過ぎるのを抑えて終えます。

Hob.III:78 String Quartet Op.76 No.4 "Sonnenaufgang" 「日の出」 [B flat] (1797)
最後の日の出。すでにこのクァルテットの素晴らしさに酔っています。ゆったりと溜めを効かせてざっくりと刻む音楽が心地よい響きに感じられ、まるでライヴを聴いているような不思議な一体感に包まれます。これぞ弦楽四重奏の醍醐味。よく聴くとこの曲ではざっくりとした織目の感触の面白さがポイントと見えてきます。手編みのような味わい深いテクスチャーと織り出される模様のリズムが絶妙。この味わい深さはまさに燻し銀。
さらに圧巻なのは続くアダージョ。4本の楽器の織りなす綾のデリケートな変化が生み出す豊かな音楽。まさに至福のひととき。単なる音符にあらず、人の温もりを感じる生きた音楽が滔々と流れ、完全にバルトーク四重奏団の音楽になっています。天上の世界を垣間見たような感覚に襲われます。
そしてこの曲のメヌエットは入りから安らぎと幸福感に満ちたもの。どうしたらメヌエットからこのような感情を呼び起こせるのでしょうか。魔法をかけられたよう。ほんの少しのニュアンスの付け方で音楽がこれほどまでにいきいきとしてくる不思議さ。中間部のゆったりとした緊張感! 完全に彼らの音楽に仕上がっています。
そしてフィナーレは爽快に来る演奏が多い中、リズムの面白さを強調して、メリハリをつけてきました。ざっくりと始まったこの曲をリズミカルな終楽章で締めるなかなかの組み立て。最後はサラサラと流すサラサラ感をかなり強調した、これまた創意に溢れた演出。味わい深いばかりではなく、さらりと見せるアイデアのセンスの良さにも唸ります。

バルトーク四重奏団という名前から想像した演奏とはあまりに異なり、実に味わい深い演奏にノックアウト。このハイドンは現代音楽を得意とするクァルテットから想像される鋭角的な響きは皆無。むしろどのクァルテットの演奏よりもハイドンの真髄を射抜く絶妙な演奏と言っていいでしょう。選曲もハイドンの有名曲の組み合わせで入門盤としても最適なもの。もちろん評価は[+++++]を進呈いたします。ただし、現在入手しやすいとは言えない状況なのが残念なところ。これは是非再販してほしいですね。

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tag : ひばり 皇帝 日の出 弦楽四重奏曲Op.64 弦楽四重奏曲Op.76

シュトラウス四重奏団の騎士、皇帝(ハイドン)

新着アルバムが2枚続きましたので、最近聴いてよかったLPを取り上げます。先日オークションで手に入れたもの。

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シュトラウス四重奏団(Strauss Quartett)の演奏で、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.74のNo.3「騎士」、Op.76のNo.3「皇帝」、伝ハイドンによるセレナード(Op.3のNo.5)の3曲を収めたLP。収録年も場所も記載がありませんが、いろいろ調べて見ると1960年代の録音との情報が出てきました。レーベルは独TELEFUNKEN。

シュトラウス四重奏団ははじめて聴くクァルテット。メンバーは下記のとおり。

第1ヴァイオリン:ウルリッヒ・シュトラウス(Ulrich Strauss)
第2ヴァイオリン:ヘルムート・ホーヴァー(Helmut Hoever)
ヴィオラ:コンラート・グラーエ(Konrad Grahe)
チェロ:エルンスト・シュトラウス(Ernest Strauss)

クァルテットの名前は第1ヴァイオリンとチェロのシュトラウス兄弟からとったもの。1957年から80年代まで、主にドイツ西部のエッセンにあるフォルクヴァンク美術館をで活動していたとのこと。録音は今日取り上げるLP以外にはハイドンの「日の出」と「ラルゴ」があるくらいのようで、知る人ぞ知る存在という感じでしょうか。

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このアルバム、TELEFUNKENの黒地に金文字の厳かなデザインがなかなかいいですね。いつものように、VPIのクリーナーでクリーニングして針を落とすと、スクラッチノイズもほぼ消え、ちょっと古風ながらドイツ風の質実剛健な弦の響きがスピーカーから流れ出してきました。

Hob.III:74 String Quartet Op.74 No.3 "Reiterquartetett" 「騎士」 [g] (1793)
聴き慣れた騎士の入りのフレーズ。速めのテンポでサクサクと入りますがフレーズごとにテンポと表情をくっきりと変えてくるので、実にニュアンス豊かな演奏に聴こえます。険しい響きの中から明るいメロディーがすっと浮かび上がる面白さ。一人一人のボウイングが適度に揺れているので、かっちりとしたハーモニーを作るのではなく、旋律のざっくりとしたリズミカルな綾の味わい深かさが聴きどころの演奏。
騎士の白眉であるラルゴは前楽章以上に味わい深いハーモニーを堪能できます。力が抜け、ゆったりとリラックスできる演奏。LPならではのダイレクトな響きの美しさに溢れています。途中からテンポをもう一段落としてぐっと描写が丁寧になったり、アドリブ風に飛び回るようなヴァイオリンの音階を挟んだり、軽妙洒脱なところも聴かせるなかなかの表現力。
続くメヌエットはこのクァルテットの味わい深くもさりげなくさらさらとした特徴が一番活きた楽章。この表現、この味わい深さに至るには精緻な演奏よりも何倍も難しいような気がします。
その味わい深さを保ったままフィナーレに突入。サクサクさらさらと楽しげに演奏していきます。どこにも力みなく、どこにも淀みなく流れていく音楽が絶妙な心地良さ。それでいてフレーズ毎に豊かな表情と起伏が感じられる見事な演奏。騎士のフィナーレは力む演奏が多い中では、この軽やかさは貴重。まるでそよ風のように音楽が吹き抜けていきます。

Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
名曲皇帝も前曲同様、比較的速めのテンポでさらりとした入り。音楽をどう表現しようかというコンセプトを考える前に、体に染みついているハイドンのメロディーが自然に音楽になって流れ出している感じ。この自然体の演奏スタイルなのに、音楽に躍動感と気品のようなものがしっかりと感じられるのが素晴らしいところ。よく聴くとアンサンブルもまったく乱れるところはなく、音楽の推進力に完全に身を任せているよう。
レコードをひっくり返してドイツ国歌の2楽章。媚びないさっぱりと演奏から滲み出る情感に咽びます。この悟りきったような自然さがこのクァルテットの真髄でしょう。よく聴くとヴァイオリンのみならず、ヴィオラ、チェロもかなりのしなやかさ。全員のボウイングのテイストがしっかり統一されていて、それぞれが伸びやかに演奏することから生まれる絶妙なハーモニー。第1ヴァイオリンのウルリッヒ・シュトラウスは1929年生まれなので録音当時は30代ですが、その年代とは思えない達観した演奏。
メヌエットも前曲同様屈託のないもの。そしてさっとフィナーレに入り、劇的なフィナーレをさらりとまとめてくるのも同様。この曲のクライマックスは2楽章であったとでも言いたげに、さらりとやっつけます。

String Quartet Op.3 No.5 "Serenadequartett" [F] (Doubtful 疑作 Composed by Roman Hoffstetter)
ご存知セレナーデ。速めなテンポは同様。味わい深さもさらりとした展開も同様。ただそれだけならばそれほど聴き応えのある演奏にはならないのですが、音色の美しさとフレーズ一つ一つがイキイキとしているので不思議と引き込まれるのも同様。特に2楽章のピチカートの響きの美しさはかなりのもの。こちらも素晴らしい演奏でした。

実にさりげない演奏なんですが、実に味わい深く、LPであることも手伝って美しい響きに包まれたハイドンの名曲をさらりと楽しめる、通向けの演奏。ハイドンのクァルテットをいろいろ聴いてきた人にはこの味わい深さはわかっていただけるでしょう。入手はなかなか容易ではないでしょうが、中古やオークションでは見かける盤ですので、みかけた方は是非この至福の自然体を味わっていただきたいと思います。評価は全曲[+++++]とします。

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tag : 騎士 皇帝 ハイドンのセレナード 弦楽四重奏曲Op.74 弦楽四重奏曲Op.76 ヒストリカル LP

アルベルニ四重奏団のOp.76(ハイドン)

またまた湖国JHさんから送り込まれたアルバムです。

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アルベルニ四重奏団(The Alberni Quartet)による、ハイドンの弦楽四重奏曲 Op.76の6曲を収めた2枚組のアルバム。収録は1990年1月、ロンドンの名録音会場、ヘンリー・ウッド・ホールでのセッション録音。レーベルはCollins Classics。

このアルバムが湖国JHさんから送られてきた時、てっきり同じくCollinsからリリースされているロバート・ハイドン・クラークの交響曲集かと思ってよく見たところ、そっくりの体裁の全く異なるアルバムだと気付いた次第。ロバート・ハイドン・クラークの交響曲集はお気に入りのアルバムなので、それと同じ体裁のシリーズということで、リリース元のCollinsの総力を結集したアルバムに違いないとの気配を感じて聴き始めたところ、まさにその通り。これがなかなか素晴らしいアルバムなんですね。

奏者のアルベルニ四重奏団はもちろんはじめて聴く団体。ライナーノーツには奏者の情報がないためネットで調べてみると、拠点をロンドン北部のニュータウン、エセックス州ハーロウ(Harlow)に置くクァルテットとのこと。設立は意外に古く、1960年代とのことで、メンバーを変えながら現在も活動を続けています。この録音当時のメンバーは以下のとおり。

第1ヴァイオリン:ハワード・デイヴィス(Howard Davis)
第2ヴァイオリン:ピーター・ポップル(Peter Pople)
ヴィオラ:ロジャー・ベスト(Roger Best)
チェロ:デヴィッド・スミス(David Smith)

第1ヴァイオリンのハワード・ディヴィスは35年間にわたりこのクァルテットの第1ヴァイオリンを務めた人でイギリスでは有名な人のようです、2008年に亡くなっているとのことです。ハワード・デイヴィスの楽器は1695年製のストラディヴァリウス"The Maurin"ということで、美音を轟かせるのでしょうか。

今日は前半の3曲を取り上げます。

Hob.III:75 String Quartet Op.76 No.1 [G] (1797)
速めのテンポによる鮮烈な入り。やはりハワード・デイヴィスの艶やかなヴァイオリンの音色が格別な輝きを放ってます。あえて休符を短めにとることで見通しの良い音楽になり、グイグイ進みます。4本の楽器の目の詰んだ織り目の綾の美しさで聴かせるような演奏。音量を上げて聴くと巷で話題のグリラー四重奏団のようなざっくりと織り上げる魅力のようなものを放っています。冒頭から素晴らしい迫力に圧倒されます。
つづくアダージョは手堅いチェロに伸びやかなヴァイオリンの好対照。やはりヴァイオリンの美しい響きが別格の美しさ。特に高音部は倍音が良く乗って素晴らしい艶やかさ。フレージングは柔らかく、呼吸も深いゆったりとした音楽が流れます。残響の美しさは流石にヘンリー・ウッド・ホール。
メヌエットは迫力重視で若干音程がふらつくところもありますが、4人の息はピタリと合ってます。相変わらずハワード・デイヴィスのヴァイオリンの美音炸裂。別格の存在感ですね。他の奏者が道を譲って、デイヴィスの独壇場。
そしてフィナーレはキレの良さが加わり、落ち着いた中にも弓に力が入り、徐々に緊張感が高まっていきます。全奏者が踏み込んで少々前のめりで攻めてきます。1曲目から流石なところを見せつけます。

Hob.III:76 String Quartet Op.76 No.2 "Quintenquartetett" 「五度」 [d] (1797)
続いて五度。速めのテンポが実に心地よい入り。きっちりとした構成の1楽章をミクロコスモスのようなコンパクトでタイトな魅力で聴かせます。速めが急いた感じは与えず、曲の魅力をくっきりと表現しているのは流石なところ。逆に弓裁きの鮮やかさを印象付けます。ダイナミックさも十分、曲の魅力を描ききった感を与えます。
つづくアンダンテは、もちろんテンポは落とすのですが、一貫性を保ち、音楽の自然な流れの良さを保ちながら落ち着いてメロディーを置いていきます。アンサンブルの一体感も微塵も崩さず、4人が一体となって音楽を奏でます。途中のヴァイオリンソロのさりげない美しさがこのアルバムの演奏の質の高さを物語るよう。
独特の濃い音楽が特徴のメヌエットですが、緊密なアンサンブルで爽快感が漂うほどのあっさりとした表情でさらりとこなします。演奏によってはくどいほどのメリハリをつけてくるのとは好対照。
そして予想どおり爽快なフィナーレ。あえてサラリとした感触を残そうとしている節があり、特にフレーズの切れ目をサラリと引き上げるところが特徴。最後は素晴らしい迫力を伴い、くっきりとした表情のまま力みなぎるフィニッシュ。

Hob.III:77 String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
前曲同様、速めなテンポでタイトな魅力を放ちます。目の荒さも同様、ざっくりとした表情も変わらず、素晴らしい推進力での入り。速さに負けないしっかりとしたボウイングでくっきりとした表情が引き立ちます。特に第1ヴァイオリンの高音の伸びやかさが印象的。
有名な2楽章も比較的速め。淡々と運ぶ音楽の美しさで聴かせる演奏。変奏を重ねていくあたりからはテンポも上がり、緊張感も上がります。ここでも休符をあえて短めにすることで音楽の見通しが良くなり、タイトな表情の魅力で聴かせます。音楽の立体感が一層際立ち最後は透き通った凛とした美しさに至ります。悪くありません。
変わらず速めのメヌエットをはさんで、鮮烈なフィナーレに至ります。あらん限りの力で楽器を鳴らしきりながらも、繊細さを失わない進行は流石なところ。一貫して見通しの良さを失わず、コンパクトに起承転結を表現します。
後半3曲も演奏のスタンスとレベルは変わらず、コンパクトながらきりりと引き締まったハイドンのクァルテットの魅力を十分に表現しきった名演奏。

アルベルニ四重奏団によるOp.76の6曲を収めたアルバムですが、Collins CLASSICSの威信をかけたプロダクツにふさわしい素晴らしい出来でした。やはり第1ヴァイオリンのハワード・デイヴィスの輝かしい音色をベースにしながらも、速めのテンポでグイグイと攻めながらタイトにまとめるという、これまでの名演とはちょっとタイプの異なる演奏でした。ゆったりと沈む演奏もいいものですが、アルベルニ四重奏団の演奏のこの見通しのよい演奏も捨て難いもの。6曲とも高いレベルで揃えてくるあたりもこのクァルテットの実力の高さを物語るものでしょう。もちろん全曲[+++++]とします。

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tag : 皇帝 弦楽四重奏曲Op.76 五度

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Author:Daisy

ハイドン(Franz Joseph Haydn)の膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。私はなぜハイドンにはまったのか?

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