アンヌ・ケフェレックのピアノソナタ集(ハイドン)

今日は整理したばかりのピアノソナタの最近入手したアルバムを。

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アンヌ・ケフェレック(Anne Queffélec)の弾くハイドンのピアノソナタ集。収録曲目は収録順にピアノソナタ(XVI:52)、アンダンテと変奏曲(XVII:6)、ピアノソナタ(XVI:34)、ピアノソナタ(XVI:40)の4曲。録音は2001年9月30日、10月1日、スイスのモントルー東方の街、シオンのティボール・ヴァルガホールでのセッション録音。レーベルはフランスのMIRARE。

ピアニストのアンヌ・ケフェレックは私は初めて聴く人。1948年パリ生まれのフランスのピアニスト。パリ音楽院でピアノを学び、その後パウル・バドゥラ・スコダ、イェルク・デームス、ブレンデルにピアノを学び、ミュンヘン国際音楽コンクールで優勝したとのこと。ということで、現在63歳、このアルバム収録時は53歳ということになります。意外なところでいうと映画「アマデウス」でマリナーの指揮でピアノ協奏曲の演奏を担当していたということ。

ケフェレックの演奏は一言で言うと女流ブレンデルという感じです。ブレンデルのハイドンは既に何度か触れていますが、ハイドンのピアノソナタの響きの変化を自在に表現し、PHILIPSの名録音による静寂の空間にピアノの美音を響き渡らせるもの。特に左手の力感はハイドンの演奏においても重要な役割を担っており、ハイドンのソナタに潜む力感を抜群の起伏で聴かせると言うもの。ブレンデルにピアノを学んだこともあるというケフェレックですが、その響きの本質にはブレンデルのソナタのイメージが大きく影響しているように聴こえます。ただし、ピアノのならし方は女性ならではというか、女性の力感の限界も感じさせてしまいます。悪い意味ではなく、やはり感じるのはブレンデルの線の太さに対し、繊細さ。そう、あのブレンデルの純度の高い響きが繊細さを伴って表現されているんですね。

1曲目はハイドンのピアノソナタの最高峰XVI:52。

ピアノを存分にならしきった冒頭の入り。速いパッセージの指のキレも十分で、ブレンデルより少し低音の厚みというか、響きの揺るぎなさが弱いように感じますが、純度ではもしかしたら上回るような非常に磨き抜かれた響き。弱音のフレーズの線の細い繊細さがもしかしたら一番の特徴かもしれません。テンポは結構ゆらして、特に休符を効果的に使ってフレーズの変化を付けていきます。2楽章は女性ならではの優しい、けれどもどこか厳しさのあるタッチが美しい演奏。後半の音量を落としたところの詩情は、ケフェレックの良さがとてもでていますね。3楽章はピアノの響きの自在さをフルに使った名演。ブレンデルが太い指で弾く音だとすれば、ケフェレックは細い指で奏でる繊細さと、鋼のような強さをみせる音もあり、音色上の面白さが際立ちます。特に最高音分のキラメキ感はブレンデルの演奏を上回るもの。この曲、存分に楽しめる名演だと思います。

続いてアンダンテと変奏曲。

冒頭からピアノの美音に打たれる名演奏。最初の入りの旋律は氷の微笑のような厳しさと暖かさを兼ね備えたもの。この曲はケフェレックの表現にマッチしていますね。フレージングは弾き進むうちにケフェレックの個性が徐々にでてきます。ゆったりとしたフレーズの最後をちょっと早めにたたむ感じです。変奏がすすむにつれ険しさが増す感じも悪くありません。美しいメロディーラインを抑制した表現を旨く使いながら絶妙の間で表現していきます。トレモロで弾かれるメロディーのちょっと不安を含む表情が素晴らしい。途中から右手の奏でるメロディーが宝石のごとき輝き。この曲はケフェレックの良さが存分に発揮されていますね。右手の美音の連なりは息を飲むほど。後半の盛り上がりも曲の構造をよく把握してうまくこなしています。この曲は私はブレンデル以上の感動を覚えました。

つづいてピアノソナタXVI:34。この曲はいつもコメントをいただくyoshimiさんがいろいろな奏者の演奏を比較した含蓄に富んだ記事を書かれていますのでそちらもご覧いただいた方がいいと思います。

気ままな生活:ハイドン ~ 短調のピアノ・ソナタ(1) Hob.XVI:34

この曲はブレンデルのアルバムでも最もよく聴くアルバムの冒頭を飾る曲だけにその刷り込みの印象も大きいんですね。そのアルバムを紹介した記事もリンクを張っておきましょう。

ハイドン音盤倉庫:絶品、ブレンデルのピアノソナタ

この曲でケフェレックの個性がよくわかりました。起伏よりもメロディーの線の美しさの表現の表現が彼女の特徴なんでしょう。特に右手のキラメキ感を主体としたガラス細工にも似た繊細さが持ち味。もちろん師であるブレンデル同様の響きの変化、純度の高い音という共通する要素があるものの、その中でもケフェレックの魔法のような右手のキラメキ感の存在感は際立ちます。

つづくXVI:40でも同様。このアルバムを聴いて感じるのは曲ごとの出来、不出来の差が極めて小さいこと。セッション録音でも曲ごとにかなりムラのある演奏も多いもの。最後のXVI:40まで緊張が張りつめているのもこのアルバムの良いところですね。これまでの3曲とは異なるくだけた曲想ですが、その曲想を旨く表現できていると思います。

このアルバム、非常に気に入りました。評価は全曲[+++++]です。ハイドンのソナタの美しいキラメキ感を旨く表現した佳演という位置づけでしょう。このアルバムもいままで聴いていなかったのが、ハイドンのアルバムを聴き通す当ブログの主旨から言うと惜しまれるもの。もっと早く手に入れているべきすばらしいアルバムでしたね。ピアノ好きな方には是非聴いていただきたい良い演奏です。



今日はスポーツクラブで泳いでから家でのんびり。

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夕食は鳥のハムと、スペイン産のムール貝の缶詰をつまみにビールから。(後で確認したら、メキシコ産でした)

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いろいろつまんで、今日はスペインTORRESの白ワインで。

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伊勢丹で豚の良い肉を見つけたのでいつものように塩、胡椒、強力粉をはたいてソテー。厚みがあったので弱火でじっくりソテーのうえ、ファイアー、もといフランベです。

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今日はいつものセージではなくたっぷりとタイムの香りを油に移して、爽やかな香りでいただきました。明日からまた仕事が忙しいです。なるべく更新したいんですが、ちょっと間が空くかもしれませんのでよろしくお願いいたします。

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シュ・シャオメイのピアノソナタ集

今日は、中国人ピアニスト、シュ・シャオメイ(Xhu Xiao-Mei)のピアノソナタ集。

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レーベルはフランスのMIRARE。収録曲目は収録順にピアノソナタXVI:23、XVI:34、変奏曲XVII:6、ピアノソナタXVI:50、XVI:52の5曲。録音は2008年6月パリでのセッション録音。

シュ・シャオメイはHMV ONLINEの情報によると、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンなどで日本にもおなじみの模様。私も音楽祭自体には何回か足を運んでいるんですが、実演を聴いたことはありません。上海生まれの中国人で、北京やパリなどで学んだ上、現在はパリで活動中のようですね。

収録順にレビューをしておきましょう。

最初はXVI:23。1773年頃の作品。1楽章は軽いタッチでスピーディに入り、徐々に力感を増してゆきます。タッチの微妙なコントロールと躍動感を主体とした演奏。指のキレは流石で、デュナーミクの付け方もデリカシーに富んだもの。ハイドンの中期のソナタの曲の構造の面白さが存分に発揮されています。録音は最新のものらしく解像力の高い自然なもの。静寂のなかにピアノがリアルに浮かび上がる良い録音。
2楽章のアダージョは一転、穏やかな入り。テンポは一定の幅におさまり、1楽章と比較するとメリハリをかなり抑えた表現。曲自体に語らせようということでしょう。
3楽章は再び躍動感溢れる表現に。軽やかなタッチによる速いパッセージの吹き抜ける感じと所々アクセントをつけて構成感を出すところのバランスが心地いい演奏ですね。基本的に個性的なという部分はないんですが、丁寧にしっかり弾けている感じです。力みがないのもいいですね。

続いてXVI:34。この曲は1780年代に入ってからの曲。ブレンデルの演奏で刷り込まれているせいか、ちょっと迫力不足に聴こえますが、素直に聴くと前曲同様、軽いタッチとデリケートなフレージングが美しい演奏。長身のブレンデルの渾身の左手と比べると、女性ということもあり、柔らかい左手の表現になるということでしょう。途中から活躍する右手のメロディーがきらめくようで非常に美しい。大きな方向性はブレンデルと似ているものの、低音の支えで聴かせるのと右手のきらめきで聴かせるのの違いを感じます。
2楽章のアダージョは控えめな表現ながら、右手のメロディーのきらめきが醸し出す詩情豊かな曲想。この曲の聴かせどころでしょう。ダイナミックレンジではなく詩情で聴かせます。
3楽章はシンプルなメロディにも巧みな表情付けで、非常に面白い。表情付けの豊かさな流石ですね。

続いて変奏曲XVII:6。この曲はだいぶ後の1793年の作曲。曲想に熟成を感じます。変奏曲のなかでは最も録音も多く、今現在31種の演奏を所有。古くから多くのピアニストが取り上げてきた名曲ですね。
普通はもうすこしゆっくり暗めに始まるところですが、さらりといつもの軽いタッチで、少し速めの入り。基本的に速めのテンポとあっさりとした表情付けで淡々と進めます。だんだんと表現の幅を広げ、演奏のダイナミックレンジも広がっていきます。最後は絶叫、とはいかず冷静なフィナーレ。

ソナタに戻ってXVI:50。変奏曲の直後の1794/95年の曲。こちらも速めの入り。基本的に1楽章は速めのテンポと軽めのタッチを生かした演奏なんですが、この曲ではちょっとアプローチが落ち着かない印象もあります。これまでの演奏の刷り込みでしょうか。ハイドンの後期のソナタには、もうすこし堂々とした印象もあってもいいと思いながら聴いてしまいます。速いパッセージの魅力はあるものの、何処か落ち着かない演奏になってます。
一転して2楽章のアダージョはゾクゾクするような美しさ。シャオメイの透明感溢れる右手のキラメキを生かした素晴しい詩情。落ちついたテンポ設定が功を奏している感じです。最後の消え入るようなところも絶品。
3楽章は曲想にマッチしているためテンポとタッチに違和感はありません。機知に富んだ演奏という範疇。最後の和音のあっさりとした終わり方はヨーロッパの人とは違う感じですね。漢詩文化圏を垣間見せるような気がします。

最後はXVI:52で全曲と同時期の1794年の作。この曲は最初から力感溢れる曲想で、演奏も力が入ってます。ピアノ響きを使い切るようなダイナミックさもあり、タッチの繊細さもあり、デリケートな響きのコントロールもあり、聴き応えのある演奏。このアルバムの総決算的トラックですね。
2楽章のアダージョはいつもと逆で、こちらがちょっと浮き足立ったようなテンポ設定。もう少し落ち着いて弾いてもいいのではないかと逆に思ってしまいます。
3楽章はハイドンの天才をいつもながら感じる楽章。シンプルなメロディの組み合わせながら、段々曲想が豊かに転じていく様子が見事。シャオメイらしいタッチの面白さを十分表現しきっていますね。

評価は全曲[++++]としました。新しい録音だけに非常に響きの美しいピアノが楽しめるアルバム。力みなく弾かれるピアノのタッチを楽しむアルバムと言うところでしょう。

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ジョアンナ・リーチのスクエアピアノ2枚目

以前取り上げて、雅な音色がとても良かったジョアンナ・リーチのハイドンのピアノソナタ。前回取り上げたアルバムの他にもう1枚ハイドンのソナタの録音があることを知り注文しておいたもの。だいぶかかりましたが無事入荷したのでレビューしておきましょう。

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http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=3789533

以前の記事はこちらをご覧ください。

ハイドン音盤倉庫 : ハイドン時代のスクエアピアノの音

本アルバムの収録曲目はソナタ5曲(XVI:37、36、23、34、51)とカブリッチョ(XVII:1)の6曲。前回取り上げたアルバムは曲ごとに違った楽器で弾いていたのがアルバムの演出でしたが、今回のアルバムは1823年製のスクエアピアノ(Stodart square piano)で通しています。修復者の名前もありアンドリュー・ランカスターという人。ついでに調律者はマーティン・ネスと言う人。収録年月日は記載がありませんが、2001年制作のアルバムとなっています。レーベルはイギリスのATHENE RECORDS。

出だしは非常にオーソドックスな古楽器でのソナタの演奏という感じ。フォルテピアノの音色と比べると、中音、高音域の音色が中心となり、低音域の伸びは今一つ。音色としての特徴というとやはり中高音の不思議な響きにあると言っていいでしょう。大正琴のようなというか何か不思議な雰囲気がします。XVI:37の1楽章はは律儀なテンポに乗って、まずは雅な音色で聴かせます。2楽章はぐっとテンポを落として、詩的な表情を際立たせます。3楽章は再び律儀な展開。1曲目から音色の魅力が十分発揮されます。クラヴィコードやチェンバロの場合、強弱の変化がなかなかつけられず平板な演奏になりがちですが、スクエアピアノの強弱の変化は思ったほど弱くなく、メリハリも十分ですね。

続くXVI:36は、低音弦のアタック感に特徴のある曲。意外に悪くありません。左手のアタック感は箱庭的な限界もありますが、箱庭ならではの緊密感がなくもありません。ただしフォルテッシモの音はちょっとビリ付き気味。楽器の限界を早くも感じさせてしまってもいます。2楽章、3楽章はちょっと大人しめの演奏と聴こえました。

XVI:23は、シンプルな曲調がスクエアピアノの音色にぴったり。1楽章からハイドンのメロディーをクッキリ生かすなかなかの緊張感。強弱の付け方もそれなりの巧さを感じます。2楽章も緊張感が続き、シンプルな音階の中から素晴しい叙情性を引き出していますね。3楽章のさらっとした感触も秀逸。この曲はこのアルバムの白眉。素晴しい集中力と音楽性。

XVI:34はどうしてもブレンデル盤の響きが耳についてしまいます。前曲同様演奏は悪くないんでしょうが、この曲の調性と調律の関係か、響きが濁るというか、特に高音の混濁感が最後まで耳にのこってしまいます。また、左手のアクセントも前曲ほどのキレもなくすこし流されているような演奏。2楽章はそれほど悪くありません。3楽章もジプシー風?の特徴あるメロディーが雅な雰囲気で奏でられますが、若干リズムが重くキレは今ひとつ。一聴してそれほどムラがあるようには聴こえないんですが、よく聴くと曲ごとにだいぶ善し悪しが分かれますね。

XVI:51は作曲年代からするとハイドン最後期のピアノソナタで2楽章の短い曲。アンダンテとプレストの構成でハイドンが力を抜いて作曲した気楽な曲との印象です。演奏もさっぱりとした曲調をそのまま再現したような演奏で曲調を生かしています。楽器の特徴に合っていますね。

最後はカプリッチョXVII:1。副題は「豚の去勢にゃ8人がかり」ということですが、あんまり意味はよくわかりません。カプリッチョは奇想曲とのことで軽快な器楽曲などにつけられるものとのことで、前曲同様、演奏もさっぱりしたもの。

評価は、XVI:37、51が[++++]、3曲目の23が[+++++]、残りのXVI:36、34、カプリッチョが[+++]としました。企画もの好きの私としては、スクエアピアノでのピアノソナタ演奏という本アルバムは基本的に好きな種類のもの。このアルバムも曲による出来に差はあるものの、それも音楽を聴く楽しみの一つと理解しています。このアルバムをリリースすること自体、ハイドンの曲にまた新しいスポットライトを当てようと言う素晴しい試み。この心意気を買わぬ訳にはいきませんね。

ハイドンを愛好する方には是非聴いてほしいアルバムですね。こうゆうアルバムは手に入るときに手に入れておかないと二度と手に入らないことになってしまいますよ~(笑)

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絶品、ブレンデルのピアノソナタ

今日から9月。初秋というには暑すぎますが、気分だけでも芸術の秋にするため、本格派の演奏を。ブレンデルのピアノによるピアノソナタ集を。

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このアルバムは私がハイドンのピアノソナタの魅力にハマるきっかけとなったアルバム。ブレンデルはスタジオ録音でこれ以外に3枚、都合4枚の録音を残していますが、どれも非常にいい演奏。ただし、私にとって他の3枚と比べて、このアルバムが一番のお気に入り。録音はロンドンのヘンリーウッドホールで1984年3月4日~10日のもの。

他の3枚に比べ、録音が明らかに良く、空間にピアノが浮かぶような見事な音響。そしてブレンデルのピアノの磨き抜かれた響きの美しさが際立ってます。鍵盤とペダルからこれだけ多彩な響きを生み出せるということだけで驚愕の演奏。
普段は先入観を避けるため、聴く前に雑誌やネットの情報を見ないようにしているんですが、聴き慣れたこのアルバムを紹介するために現役盤のHMV ONLINEの情報をみたところ、ドンピシャなキャッチコピーが。「巨匠ブレンデルの絶頂期を記録した究極のハイドン」とはまさにこの演奏のことでしょう。

1曲目はXVI:34。アルバムの出だしに相応しい曲。1楽章は左手の探るような音階から始まり右手の特徴的なきらめくようなメロディーラインが美しい曲。2楽章もひとつひとつの音の宝石のような粒立ちが見事。つぶやくような表情で表現の深さを際立たせます。3楽章は軽やかさが加わりロンド風の曲想をまとめます。

2曲目のXVI:32も1曲目とにた曲想。左手のアクセントにたいして右手のメロディーを乗せていく感じの曲。右手の一音一音のきらめきが見事の一言。

3曲目のXVI:42は右手のきらめきが絶頂に! なんという響き、なんという余韻。ハイドンのピアノソナタの至福の瞬間が満ちあふれてます。

4曲目はファンタジア。これまでの曲とは曲想が変わり、速いパッセージの魅力を堪能。

そして最後に私の最も好きな小品、XVII:9のアダージョ。アルバムの最後におくのに絶好の作品。5分ちょっとの小品で、ハイドンのピアノ曲のなかでは録音も多くないんですが、これは名曲。自分の葬式で流してほしいくらいの音楽の結晶のような作品。もちろん、ブレンデルの演奏が最高です。

評価はファンタジアが[++++]、それ以外が[+++++]としました。

フィリップスのアルバムはレーベルのデッカへの統合で、当初のリリースのものはほぼ廃盤。現行盤は4枚組で廉価になってリリースされてます。

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今晩は仕事のからみで都市対抗野球の応援に東京ドームへ。七十七銀行対NTT東日本。仕事の絡みはもちろん、仙台在住経験と駐在時のメインバンク、そして家の目の前に支店があったなど、数々のよしみで七十七銀行を全力で応援しました。

最初は打ち込まれるかと思いましたがピッチャーの小林が力投。守備も鉄壁の守りでなんと10回まで1-1の同点。都市対抗野球の特別ルール「タイブレーク」で11回から1アウト満塁から始まるという展開。最後は後攻のNTT東日本に外野フライを打たれ、タッチアップでのタッチの差でサヨナラ負け。
負けたものの応援のし甲斐がありました。久々の野球観戦でしたが、非常に充実した試合内容で大満足。七十七銀行の皆様、心から楽しませていただきありがとうございました。

球場ではもちろんビール、銘柄はもちろんサントリーのプレミアムモルツ。エビスの売り子さんが幅を利かせる中、探してサントリーを注文。野球を観ながらアロマホップののどごしを堪能。府中工場製のプレミアムモルツに拘ってます。

そうです、私は義理堅いんですね(笑)

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tag : ピアノソナタXVI:34 ピアノソナタXVI:32 ピアノソナタXVI:42 ピアノ小品 おすすめ盤 ハイドン入門者向け

1929年マルセル・メイエのピアノソナタ

ワールドカップを見ながらなので、大物はレビューできませんので、小ネタですいません。
今日は往年の女流ピアニスト、マルセル・メイエのハイドンを。

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実はこのアルバム、ハイドンのソナタが含まれているなどと思わず、以前に購入したもの。
17枚組で、ドビュッシー、ラヴェル、バッハ、モーツァルト、スカルラッティなどを目当てに手に入れたものの最近整理しているときに、17枚目の末尾にハイドンのXVI:34が含まれていることを発見しました。
よく、図書館や美術館などで、スケッチや文献が偶然発見されたことがニュースになりますが、まさにそんな感じで、見つけた時は、ちょっとうれしかったです(笑)

17枚目の末尾におかれているので、あんまり期待せずに聴きましたが、これがまた期待を大きく超える佳演。
まずビックリしたのが1929年とは思えない鮮明な音質。厚みも十分で、眼前にピアノがあるような理想的な録音。ライナーノーツがフランス語で読めませんが、なんらかのリプロダクションがなされているようです。

第1楽章は速めのテンポでスタッカート気味にメロディーを奏でます。古風な感じは否めませんが、すばらしいテクニックで快速に飛ばします。2楽章はハイドンらしい機知を小刻みにあっさり進めます。音程の上昇と下降の繰り返しを細かいメリハリで特徴づけ、装飾豊かな楽章をもり立てます。そして、有名な3楽章のメロディーラインをクッキリ浮き立ててメランコリックな表情づけが見事。
女流らしい繊細さと、フランスのエスプリ、そして古への憧憬。そのすべてが含まれた演奏だと思います。

もちろん、このアルバムの神髄はハイドン以外のフランスもの、バッハ、スカルラッティなど。まだ、全部聴けたわけではありませんが、ハイドンで感じたエッセンスは共通するもの。このようなセットが1万円もせず手に入るんですから、いい時代になったもんですね。

前半を終わって1-0ですね。いけますかね(笑)

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燻し銀 ナディア・ライゼンベルク

今日は古めの1枚、いや2枚です。

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TOWER RECORDS

ナディア・ライゼンベルクは1904年リトアニア生まれのピアニストで、この録音は1955年から58年にニューヨークで録音されたもの。ソナタ6曲と変奏曲などの小曲6曲を組み合わせた2枚組です。
もともとWestminsterレーベルが録音したものをIVORY CLASSICSというアメリカのレーベルが再リリースしたものです。もしかしたら年配の愛好家の方にはなじみのピアニストなのかもしれませんが、私は初めて聴く人です。
この盤を手に入れたのはもう10年くらい前になるでしょうか。これも再整理で久しぶりに手に取って聴き直したアルバムです。

ライナーノーツやネットを調べたら、いろいろ資料がありました。
まずはこの人の公式サイト。

http://www.nadiareisenberg-clararockmore.org/

ヴァイオリニストだった妹のClara Rockmoreとともに2人の業績をたたえる財団?の公式サイトで、貴重な写真やディスコグラフィなども公開されており、一見の価値有りです。(妹を最初ピアニストと紹介してましたが誤りだったので訂正しました)

もう一つはこのアルバムのレーベルであるIVORY CLASSICSのウェブサイト。

http://www.ivoryclassics.com/

音楽産業衰退の著しい昨今ですが、ピアノ音楽のみ60枚をリリースしている小レーベルです。
こうゆうレーベルは守らなくてはいけません!
ハイドンの録音も他に数枚あるようですので、今度直接注文をだしてみるべきでしょう。

さてさて、前置きが長くなりましたが、このアルバム、お気に入りの演奏です。
ノスタルジックな雰囲気が豊かな演奏ですが、古さを感じるというより気品の良さと絶妙の間が生きたすばらしい演奏でもあり、ハイドンのソナタの古い演奏の模範とも言えるものです。ライナーノーツにはLPとしての初出当時の新聞などの好評価のようすが紹介されていますが、それもうなずけるものです。

往事のジャケット写真の麗しい姿がそのまま音になったようなハイドンもいいものですね。

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絶品! 廻由美子のピアノソナタ

依然ピアノソナタのCDの整理を続けてます。今日の発見は廻由美子のピアノソナタ集。

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無警戒でした。これにはびっくり。すばらしい切れです。むろんリヒテルの孤高の詩情にはかないませんが、演奏の切れと迫力は負けてません。すこし低域が薄めの録音が惜しいところですが、曲を楽しむには十分質の高い録音です。
94年伊勢原市文化会館での録音。ライナーノーツによれば桐朋学園の講師をされている方とか。
おそらくピアノによる日本人のハイドンのソナタ録音ではピカイチの存在だと思います。

このアルバムを聴いて是非実演も聴いてみたくなりました。コンサートやってるんでしょうか? ぽちぽち調べてみることとしましょう。

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プロフィール

Daisy


Author:Daisy

ハイドン(Franz Joseph Haydn)の膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。私はなぜハイドンにはまったのか?

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ハイドン所有盤リスト
Joseph Haydn Discography
所有盤をジャンル別にリスト化しています。基本的に録音年順とし、録音年不明のものはリスト冒頭に記載。演奏者名はジャケットなどの表記に合わせています。

登録曲数:1,365
登録演奏数:11,529
(2019年3月31日)
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