【新着】ファレンティン・ラドゥティウのチェロ協奏曲2番(ハイドン)

協奏曲ものが続きます。

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ファレンティン・ラドゥティウ(Valentin Radutiu)のチェロ、ルーベン・ガザリアン(Ruben Gazarian)指揮のハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団(Württenbergisches Kammerorchester Heilbronn)の演奏でハイドンのチェロ協奏曲2番、アンリ・カサドシュ(Henri-Gustave Casadesus)のチェロ協奏曲ハ短調(J.C.バッハ:チェロ協奏曲 ハ短調 W.C77)、ジャン=バティスト・ジャンソン(Jean-Baotiste Aimé-Joseph Janson)のチェロ協奏曲ニ長調の3曲を収めたアルバム。収録は2016年6月27日から29日、シュトッツガルトの北の街、オッフェナウ(Offenau)のSalineという施設。レーベルはhänssler CLASSIC。

このアルバム、最近の新譜を物色していて手に入れたもの。チェリストも指揮者もはじめて聴く人ということで、いつものことながら新鮮な気分。

ファレンティン・ラドゥティウは1986年ミュンヘン生まれのチェリスト。ミュンヘン放送響のチェロ奏者だった父の手ほどきで6歳からチェロをはじめ、クレメンス・ハーゲン、ハインリッヒ・シフ、ダヴィド・ゲリンガスら名チェリストに師事し、2008年にはカール・ダヴィドフ国際コンクールで第1位と特別賞を同時受賞して頭角を現しました。ラドゥティウという不思議な響きの名前は、父がルーマニアから1977年に亡命したとのことで、ルーマニアの名前なんでしょう。彼のウェブサイトでディスコグラフィーを調べてみると、すでにハイドンの1番もリリース済みでした。ということで1番も追加注文です(笑)

指揮者のルーベン・ガザリアン、はじめて聴く人ではありませんでした! 調べてみると手元にあの、足でホルンを操るフェリックス・クリーサーのアルバムでホルン協奏曲の伴奏を務めていました。もちろんこのアルバムは記事にしています。しかも記事にしていないアルバムでもさらに2枚のアルバム(mDGのトランペット協奏曲、mDGの雌鶏)でもタクトをとっています。いやいや今更ですが記憶力に陰りが忍び寄ってます(苦笑)。どのアルバムのオケは今回のアルバムと同じハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団。調べてみると、このオケはアルゲリッチのハイドンのピアノ協奏曲の伴奏を務めたイエルク・フェルバーが1960年に設立し、2002年からルーベン・ガザリアンが芸術監督兼首席指揮者を務めていましたが、昨年2018年夏よりケース・サリオーネ(Case Salione)に引き継いだとのことです。

ということで、肝心の演奏です。

Hob.VIIb:2 Cello Concerto No.2 [D] (1783)
実にゆったりとして力の抜けた序奏から入ります。録音会場はウェブで調べると平土間の体育館のような感じのホール。それにしては響きもなかなかよく、オケの響きが良く溶け合ったいい録音。ラドゥティウのチェロは伴奏の自然さに呼応してか、こちらもリラックスして自然な入り。虚心坦懐、無欲というか、実に自然な演奏。ハイドンはこう演奏すれば曲の美しさが際立つことを知っているよう。適度に華やかで、抑制も効いて、古典期の協奏曲の理想的な演奏と感じます。そしてリズムは重くなく、むしろ軽やか。速いパッセージをしっかり弾くことで落ち着いた印象も残します。華がないかというとそうではなく、テクニックを誇示しない分音楽自体の魅力が滲む秀演。まだ若いのにこの円熟ぶりはどうでしょう。伴奏のガザリアンとの息もピッタリで、素晴らしい一体感。長大な1楽章は夢見心地です。驚いたのがカデンツァ。Tobias PM Schneid作とありますが、現代音楽風で非常に長いもの。ここで自己主張するということだったんですね。ここでも力むことなく冴えた弓裁きを披露。素晴らしい1楽章でした。
アダージョは予想通り、節度を保ちながらチェロが程よく鳴く見事なもの。全く力みなく非常にリラックスして演奏を楽しんでいるよう。オケの方も余裕たっぷりにさらりとチェロを支える職人芸。音量を抑えてもメロディーが心地良く響きます。2楽章のカデンツァも不協和音を織り交ぜながら訥々と語るような変わったものですが、不思議にこの楽章の静けさを踏まえてマッチしているように聴こえます。
フィナーレは独特の郷愁を誘うような入りからチェロが鳴き気味。引きずるような弓裁きで速いパッセージに陰りを加え、ようやく個性的な色をつけてきました。オケもさっぱりとしながら豊かなニュアンスを残す、ソロとマッチした演奏で花を添えます。

ハイドンのト長調協奏曲は名演揃いですが、このラドゥティウの演奏は薄化粧の美人が爽やかに微笑んでいるような魅力がありますね。協奏曲はソロのテクニックやオケとの掛け合いなど、様々な面白さがありますが、ラデゥティウの冴えたアプローチは、ハイドンの傑作コンチェルトの魅力を最大限に活かす見事なアプローチと言っていいでしょう。レビューのために何度が聴きましたが、全く聴き飽きるどころか、聴くたびに新たな発見がある、実に深い演奏です。私は気に入りました。ということで評価は[+++++]といたします。ハイドンの後の2曲も実に面白い曲。アルバム自体の企画も素晴らしい名盤です。未聴の方は是非!



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tag : チェロ協奏曲

アルト・ノラス/オッコ・カム/ヘルシンキ室内管のチェロ協奏曲1番(ハイドン)

新譜もいろいろ入手して聴いているのですが、なかなかこれぞというものがありません。

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アルト・ノラス(Arto Noras)のチェロ、オッコ・カム(Okko Kamu)指揮のヘルシンキ室内管弦楽団(Helsinki Chamber Orchestra)の演奏で、フィンランドの作曲家ヨーナス・コッコネン(Joonas Kokkonen)のチェロ協奏曲とハイドンのチェロ協奏曲1番を収めたLP。ハイドンの収録は1976年11月9日、アルヴァ・アアルトの設計で有名なヘルシンキの文化の家(Kulttuuritalo)のコンサートホールでのセッション録音。レーベルはFINLANDIA。

このアルバム、オークションで見かけて、ググッときたもの。何よりジャケットに描かれたスケッチはアアルトの有名はフィンランディアホールのホール内部のデザインのスケッチということでビックリ。しかもハイドンとは全く縁遠いと思っていたオッコ・カムの振るヘルシンキ室内管による録音。このような組み合わせの録音があること自体も全く知りませんでしたので、私にとってはかなりのインパクトがありました。

私はシベリウスといえばオッコ・カムが刷り込みで、1昨年の秋に来日して神奈川フィルを振ったコンサートに行っています。

2016/10/18 : コンサートレポート : オッコ・カム/神奈川フィルのシベリウス(みなとみらいホール)

この記事とコメントを読んでいただくと、私のオッコ・カムならびにアアルトに対する格別なる偏愛がわかるかと思います(笑)

さて、このアルバム、本来はチェロのアルト・ノラスが看板であるわけで、ノラスについて触れないわけには参りません。確認してみると手元にスロヴァキア室内管との1987年のチェロ協奏曲1番、2番の録音もありました。いつものようにWikipediaなどを紐解くと、ノラスは1942年フィンランドのトゥルク生まれでヘルシンキのシベリウス・アカデミーでチェロを学び、その後パリ音楽院でポール・トルトゥリエに師事、1966年のチャイコフスキーコンクールで2位となり、欧米で活躍。ソロのみならずクァルテットなど1970年からはシベリウス・アカデミーの教授として教育者としても活躍しています。

さて、このアルバム、ハイドンの協奏曲はB面で、メインのA面はヨーナス・コッコネンのチェロ協奏曲が収められています。ライナーノーツを紐解くと、ヨーナス・コッコネンのこの協奏曲の作曲には3人の存在が深く影響を与えているとのことで、1人目が建築家のアルヴァ・アアルト。コッコネンの自宅をアアルトが設計し、その際の対話から音楽と建築が音楽と言葉よりも近いものであるとの確信に至ったとのこと。それゆえジャケットにアアルトのスケッチが使われているわけですね。2人目がアルト・ノラス。1966年のチャイコフスキーコンクールの演奏の素晴らしさに触れ、この作品はアルト・ノラスに献呈され、1969年にノラスのチェロで初演されました。3人目がコッコネンの母親。初演の年1969年に亡くなりましたが、3楽章のアダージョはコッコネンが母親の思い出のために書いた短いオルガンのための作品のテーマをもとにしているとのこと。

そのコッコネンのチェロ協奏曲は幽玄な雰囲気の中にチェロの深い音色が響き渡る作品。現代風でもありシベリウスの延長上でもあり、北欧風でもある音楽。印象的なのはアルト・ノラスのチェロの引き締まった音色。この作品の価値を問えるほどにフィンランドの音楽を聴いているわけではありませんが、アアルトの自然と抽象芸術の融合と深いレベルで共鳴しているような気がするのが不思議なところですね。

Hob.VIIb:1 Cello Concerto No.1 [C] (1765–67)
さて、B面ながら肝心のハイドンです。オッコ・カムの振る伴奏は予想通り、どこかにローカル色を感じさせながらもオーソドックスな入り。アルト・ノラスのチェロは大変筋の通った律儀な入り。キリリと背筋が伸びる演奏。まさに教科書通りの安心して聴ける演奏。カムの伴奏は徐々にロマンティックな雰囲気にシフトしていき、ノラスも徐々に溜めを効かせてボウイングに勢いが出てきます。チェロの表情に凛とした冷たさを感じさせるので、音楽が引き締まります。高音域と低音域で音色を変化させることで淡々とした流れの音楽にも面白みが加わり、個性的な演奏になります。肩肘張らずに流れの良さを保ち、1楽章のカデンツァに至ってノラスのボウイングが本領発揮。ピシッと筋が通ったカデンツァにこちらも身が引き締まる感じ。
続くアダージョはカムの聴かせ上手さが浮かび上がります。ゆったりとメロディーラインをなぞりながらも、しなやかな深みを感じさせる見事な伴奏。ノラスが入る前に完璧なお膳立てで迎えます。ノラスもアダージョ楽章の美しい旋律をしっかりと腰を落としてこなしていきます。カムの描く程よい情感にノラスが乗ってゆったりとした音楽を作っていきます。半ば過ぎの盛り上がりでぐっと力が入って山を作ったかと思うと、すっと力を抜いてコントラストをしっかりつけることで峻厳な印象を残すあたりの手腕は見事。
フィナーレはこちらも力を抜いてさらっと行くかと思いきや、そこここにくっきりとしたアクセントををつけて推進力を保ちながらも輪唱のようにメロディがこだまするような効果を狙ってきます。一定のリズムによる快速テンポが生み出す独特の効果はこの曲を知り尽くした者のなせる技と言っていいでしょう。最後まで爽快感に満ちた演奏でした。

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ヨーロッパの辺境、フィンランドの奏者、レーベルによるハイドンのチェロ協奏曲。少し前に取り上げたニュー・ヘルシンキ四重奏団による日の出同様、素晴らしいプロダクションに仕上がっています。ハイドン目当てで手に入れたアルバムですが、期せずしてアアルトと親交があったヨーナス・コッコネンの作品も知ることとなり、視野を広げることができました。ヘルシンキ北方にあるコッコネンの自邸は調べてみた所、通年一般公開されているようですので、老後の旅行先として候補に入れておくことにします(笑) ハイドンの評価は[+++++]とします。

(参考)
Alvar Aalto's Villa Kokkonen



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tag : チェロ協奏曲

【新着】アルゲリッチ、マイスキーの協奏曲ポーランド放送ライブ(ハイドン)

久々にCDを取り上げます。しかも新譜です!

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マルタ・アルゲリッチ(Martha Argerich)のピアノによるハイドンのピアノ協奏曲(Hob.XVIII:11)、ミッシャ・マイスキー(Mischa Maisky)のチェロによるチェロ協奏曲1番(Hob.XVIIb:1)などを収めたアルバム。伴奏はアグニェシュカ・ドゥチマル(Agnieszka Duczmal)指揮のポーランド放送アマデウス室内管弦楽団(Amadeus Chamber Orchestra of Polish Radio)。収録はピアノ協奏曲が1992年4月13日、チェロ協奏曲が1993年11月26日、ポーランド放送S1コンサートスタジオでのライヴ収録。レーベルはポーランドのフレデリック・ショパンインスティテュート(Narodowy Instytut Fryderyka Chopnia)。

アルゲリッチのハイドンのピアノ協奏曲はこれまでに2種の録音があります。1980年に録音したロンドンシンフォニエッタを自身で振ったもの(伊リコルディ、EMIなど)と、1993年に録音したイェルク・フェルバーの振るハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管との録音(DG)。いずれもアルゲリッチのキレキレのピアノが楽しめる素晴らしい録音。前者はブログを始めたばかりの頃に記事にしています。

2010/07/10 : ハイドン–協奏曲 : 連日のピアノ協奏曲、今日はアルゲリッチにノックアウト

一方、マイスキーのハイドンのチェロ協奏曲にはよく知られた1986年にヨーロッパ室内管を振った1番、2番、ヴァイオリン協奏曲のライヴ(DG)の他、1983年録音のロンドンシンフォニエッタを自身で振った1番、2番(伊リコルディ、CARRERE)の他、1986年にフェルディナント・ライトナーの振るN響に客演した時のライヴ(KING INTERNTIONAL)などの録音があります。N響との演奏は記事に取り上げています。

2013/09/23 : ハイドン–協奏曲 : ミッシャ・マイスキー/N響のチェロ協奏曲1番ライヴ(ハイドン)

アルゲリッチもマイスキーも90年代以降ハイドンの録音は見当たりません。それぞれハイドンを複数回録音していた時期の貴重なライヴということで、このアルバムには期待も高まるわけですね。

このアルバムでタクトをとるアグニェシュカ・ドゥチマルは1946年生まれのポーランドの女性指揮者。Wikipediaなどによるとスカラ座に初めて登場した女性指揮者として知られているそう。ポーランドのポズナニ州立高等音楽学校を卒業しポズナニフィルのアシスタントコンダクター、ポズナニ歌劇場の指揮者などを経験。学生だった1968年に組織したオーケストラが1977年にポーランド放送のオケとなり、のちにこのポーランド放送アマデウス室内管弦楽団と名乗るようになったとのことです。

このアルバムは、1991年に完成したポーランド放送S1コンサートスタジオのオープンを記念して音楽収録のトップに招かれたアルゲリッチが企画した一連のコンサートシリーズの中の演奏のライヴ収録です。

Hob.XVIII:11 Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [D] (1784)
この演奏を聴く前に、リコルディの録音とDGの録音をちょっと聴き直した上で聴き始めました。前2者がセッション録音なので、録音はそちらの方がいいのですが、このアルバムの演奏、ちょっと尋常でない勢いを感じます。まずはドゥチマルの振るアマデウス室内管が冒頭からちょっと暴走気味なほど前のめりの快速テンポで入ります。アルゲリッチのキレを迎え撃つ気満点のエネルギー。そのオケのエネルギーがアルゲリッチを触発したのか、アルゲリッチもこれまでの録音のキレのいい入りとは打って変わって、最初から闘志むき出しでキレキレな入り。1ラウンドのゴングが鳴ると同時に壮絶な打ち合いになった試合のごとき様相。流石に両者ともテクニックは十分とみえて音楽が破綻することなくスリリングな掛け合いが続きますが、どちらも一向にテンションを緩めず1ラウンド、もとい1楽章は見応え十分な撃ち合い。手に汗握るとはこのことです。1楽章のカデンツァは意外にさらりとこなしたのが印象的でした。
2楽章はドゥチマルも落ち着いた序奏で今度はゆったりとアルゲリッチにもリラックスするよう促すかのような入り。もちろんアルゲリッチもそれに応えて輝かしいメロディラインを落ち着いて描いてゆきます。録音のバランスが通常の協奏曲の録音よりもピアノをアップしたものだけに、クッキリと陰影の深い音楽が流れます。ドゥチマルもやや叙情的なサポートで抑揚を大きくとって感情を込めてきます。驚いたのが2楽章のカデンツァ。アルゲリッチはここぞとばかりに美音を散りばめ、きらめく夜空のようなブリリアントなカデンツァを披露。ここを聴きどころとするために、1楽章であえてさらりとこなしたのでしょう。
フィナーレは火花バチバチを期待せずにはいられません。もちろん期待通り、3ラウンドの撃ち合いに入ります。ここにきてアルゲリッチは完全に主導権を確保。キレのいいアクセントは期待通り、若干曲芸的雰囲気すら感じさせる神業の連続は流石アルゲリッチ。スリリングな演奏とはこの演奏のこと。最後はキレまくって終わり、最後のフィニッシュはブラボーと盛大な拍手にかき消されます。

怒涛の拍手にアンコールのスカルラッティのソナタ(K141)が割って入りますが、この曲もアルゲリッチのタッチのキレを聴かせる曲で全盛期のアルゲリッチのライヴの凄さを実感した次第。再び曲の余韻が拍手にかき消され、この日のS1コンサートホールの聴衆の興奮がそのまま収められています。

Hob.VIIb:1 Cello Concerto No.1 [C] (1765–67)
続いてマイスキーのチェロ協奏曲。ドゥチマル、今度はアルゲリッチの時ほどオケを煽らず、平常心の入り。ただしマイスキーの伸びのあるボウイングを引き立たせるためか、オケはあえて表情を抑え気味に入ります。特に低音弦の伴奏はリズムをクッキリと浮かび上がらせるような感じ。マイスキーも徐々にボウイングにゆとりが出てきていい感じに落ち着いた演奏。これはこれで余裕を感じさせる円熟の演奏として聴きごたえ十分。1楽章のカデンツァに入ってマイスキーのスイッチ・オン! 周りの状況がわかってマイスキーもようやくエンジンがかかってきました。
深いフレージングが印象的な2楽章はマイスキーとオケがゆったり淡々と演奏を重ねていきます。この録音もソロであるチェロを比較的大きな音量で収録し、バランスもソロ重視。後半音量を落としたところの巧みな表情付けが曲の深みを増します。この辺りは流石マイスキー。そしてカデンツァではテクニックではなく音楽が漂う魅力で聴かせる見事な手腕。
そしてフィナーレはオケの方もキレて挑んできました。明らかにリズムの刻みをクッキリとさせるオケに対し、マイスキーもそろそろ本気でボウイングのキレさせてきます。それに対しオケもボウイングが白熱。この演奏は終楽章に聴きどころを持ってきた感じ。最後はスリリングにフィニッシュ。アルゲリッチとは別の日の録音ですが、観客の盛り上がりはこの日も凄いものがありますね。拍手が手拍子に変わると、この日も拍手を止めるようにアンコールのバッハの無伴奏チェロ組曲2番のサラバンドが演奏されます。マイスキーのチェロがうなりを伴って鳴りまくる神業。最後はハイドンで熱狂した観客が静寂に包まれる神々しい雰囲気。驚いたのは、アンコールでバッハをあと2曲、都合3曲も続いたこと。ハイドン本編と同じくらいの時間アンコールを弾いていたことになります。

ポーランド放送S1コンサートホールのオープン直後の貴重なライヴ。アルゲリッチにマイスキーとスターを招いての記念コンサートだけに、聴衆の熱狂度合いも桁違い。録音を通してもその熱気が伝わってきます。当日会場に居合わせた聴衆が羨ましくもあります。この録音は25年以上経ってリリースされるべき価値があるものと断じます。演奏が終わり、拍手からアンコールまでが途切れずに収められていることもライヴ好きな私にとってもありがたいこと。評価は両曲とも[+++++]とします。オススメです。



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tag : ピアノ協奏曲XVIII:11 チェロ協奏曲 ライヴ

【新着】イッサーリス/ドイツ・カンマーフィルのチェロ協奏曲集(ハイドン)

珍しく新着アルバムが続きます。

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スティーヴン・イッサーリス(Steven Isserlis)のチェロと指揮、ドイツ・カンマーフィル・ブレーメン(Deutsche Kammerphilharmonie Bremen)の演奏で、ハイドンのチェロ協奏曲1番、モーツァルトの歌劇「偽の女庭師」(K.196)より「ああ小鳥は嘆く」(編曲:イッサーリス)、C.P.E.バッハのチェロ協奏曲H.439、ハイドンのチェロ協奏曲2番、ボッケリーニのチェロ協奏曲(G.480)よりアダージョの5曲を収めたアルバム。収録は2016年9月25日から27日にかけて、ブレーメンのカンマー・フィルハーモニーでのセッション録音。レーベルは英hyperion。

スティーヴン・イッサーリスははじめて取り上げます。1958年ロンドン生まれのチェリストで、ガット弦による個性的な音色で有名な人とのこと。イッサーリスはこのアルバムの前にRCAに1996年にノリントンの振るヨーロッパ室内管をバックにハイドンの協奏曲2曲と協奏交響曲などを録音しています。今回あらためて聴きなおしてみると、ノリントンの楽天的に良く響くオケに乗ったオーソドックスな名演奏。ノリントンはリズミカルにオケをのびのびと鳴らして演奏の主導権を握っており、どちらかというとノリントンペースの演奏という感じ。イッサーリスは、ノリントンの快活なオケに乗ってキレよく妙技を披露していますが、このアルバム入手当時はなんとなくそれがそそくさとして踏み込みが足りない印象を残していたため、記事にしなかった次第。ただ、今あらためて聴きなおしてみると、これはこれでハイドンの晴朗さを表すユニークな名演奏という印象。こちらの器が大きくなったのでしょう。

今回の録音は指揮者をおかず弾き振りによるもの。前録音から20年の時が流れており、チェロの熟成と自身のオケのコントール能力が問われる録音と言っていいでしょう。

Hob.VIIb:1 Cello Concerto No.1 [C] (1765–67)
序奏のオケはノリントンのキリリと明確なリズム感を持ったものとは異なり、ゆったりと美しく壮麗な響きでチェロの入りを待ちます。イッサーリスは楽器をよく鳴らしてこちらもゆったりと入ります。やはりというか、この演奏を聴いてかえってノリントンのユニークさがよくわかりました。今回の演奏はオケとソロが一体となって美しい響きを自在に鳴らす演奏。あえてリズムの刻みを強調することなく微妙にテンポを揺らしながらこの曲の真髄に触れに行きます。オケの方はヴィブラートを抑えて透明感ある響きを作っているのはノリントン譲りですが、指揮者の個性が異なることで音楽はまったく異なって聴こえますね。期待されたチェロの演奏は流石に20年の熟成を経て、実に落ち着いて味わい深いもの。深みのある柔らかな音色は流石イッサーリスといったところ。弾き振りだけにチェロが主導権を握る演奏となり、この曲の魅力を素直に堪能できる演奏。このアルバムに含まれる曲のカデンツァは全てイッサーリスによるもの。意外にオーソドックスな構成のものですがチェロの響きの美しさをしっかり踏まえたもの。
続くアダージョもこの曲のオーソドックスな演奏と言っていいでしょう。極上のオケの響きにイッサーリスの美音で紡がれるハイドンの名旋律を堪能できます。前録音がノリントンによる表現意欲に溢れた演奏だったのに対し、こちらは悟りを開いたかのような達観した境地に至っています。ハイドンの曲に全てを語らせようとするような純粋無垢な心情が感じられる演奏。
フィナーレもしなやかさが際立ちます。速いパッセージも余裕たっぷりにに弾き進め、オケとの掛け合いでは自在に音量を変えながら陶酔感を巧みに演出。力みや表現意欲から解放された虚心坦懐な陶酔。見事です。

この後モーツァルトとC.P.E.バッハが挟まりますが、モーツァルトの穏やかな歌とC.P.E.バッハの変幻自在な響きの坩堝を実に上手く表現していて両者とも見事な出来。

Hob.VIIb:2 Cello Concerto No.2 [D] (1783)
1番が純粋無垢な素晴らしい出来だったので弥が上にも期待が高まります。

入りからオケの色彩感と響きの美しさが際立ちます。基本的にはノンヴィブラートの現代楽器による演奏なんですが、その前の世代のロマンティックな演奏の延長線上の良さもあり、非常にバランスの良くチェロもオケもよく鳴っていて、まさにこの曲の決定盤的演奏。もちろん最新の録音だけに演奏の良さが鮮明に録られています。イッサーリスのチェロは自在さを極め、所謂ゾーンに入って完全にハイドンの音楽と一体化しています。ライヴでもこのような域に達することは希なレベル。カデンツァは1番とは打って変わってかなり踏み込んだ表現でチェロの音色の限りを使って攻めてきます。1楽章から期待を大きく超える神がかったような演奏で聴いていて鳥肌がたつよう。
2番のアダージョは深さよりも華やかさを感じるもの。オケの華やかな音色にチェロの深みのある音色がこの曲の潜む色気のようなものに迫る見事な表現。フレーズごとに表現を磨き抜いた達意の表現が繰り返されていくうちにどっぷりとハイドンの音楽の魅力を味わっていることに気づきます。
そしてフィナーレもソロとオケの一体感がさらに高まり、迫力の隙にこの曲独特の郷愁のようなものをさりげなく感じさせる演奏で曲を終えます。

最後に置かれたボッケリーニのチェロ協奏曲の緩徐楽章も静けさと翳りの表現が秀逸な見事なものでした。

スティーヴン・イッサーリス2度目のハイドンのチェロ協奏曲集。前作のノリントンに合わせたチェロの妙技も悪くはなかったんですが、今度のアルバムはイッサーリス渾身の演奏で現代のチェロ協奏曲の録音としては理想的なもの。過度に現代風ではなくチェロ協奏曲の伝統的な演奏の延長上にありながら、響きの洗練と深みを両立させた見事な演奏でした。録音も良いのでチェロ協奏曲の入門盤としても広くお勧めできるものです。もちろん評価は両曲とも[+++++]としました。



(参考アルバム)
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こちらのアルバムの聴きどころは協奏交響曲。ノリントンらしい吹っ切れた明るさがこの曲の持つ晴朗さを実に見事に表現できており、えも言われぬ愉悦感が味わえます。評価を付け直して[+++++]としました。

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tag : チェロ協奏曲

ダヴィド・ゲリンガス/RIASシンフォニエッタのチェロ協奏曲1番(ハイドン)

今日は最近手に入れたLPです。

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ダヴィド・ゲリンガス(David Geringas)のチェロ、レオポルド・ハーガー(Leopold Hager)指揮のRIASシンフォニエッタ・ベルリン(RIAS-Sinfonietta Berlin)の演奏で、ハイドンのチェロ協奏曲1番、ボッケリーニのチェロ協奏曲、ヴィヴァルディのチェロ協奏曲1番の3曲を収めたLP。収録は1977年5月、ベルリンのRIASスタジオでのセッション録音。レーベルはeurodisc。

名チェリストゲリンガスのアルバムはこれまでにも結構取り上げています。

2017/07/13 : ハイドン–協奏曲 : ダヴィド・ゲリンガス/北ドイツ放送響のチェロ協奏曲2番(ハイドン)
2014/07/05 : ハイドン–協奏曲 : ダヴィド・ゲリンガス/チューリンゲン・ヴァイマル室内管のチェロ協奏曲2番(ハイドン)
2014/03/23 : ハイドン–室内楽曲 : ダヴィド・ゲリンガス/エミール・クラインのバリトン二重奏曲集(ハイドン)
2013/11/14 : ハイドン–室内楽曲 : ゲリンガス・バリトン・トリオのバリトン三重奏曲集(ハイドン)
2013/09/14 : ハイドン–協奏曲 : ダヴィド・ゲリンガス/チェコフィルのチェロ協奏曲集

ゲリンガスの素晴らしさを知ったのはCANYONからリリースされていたチェコフィルとのチェロ協奏曲集で、その後、出会うたびに色々集めてきたというのが正直なところ。協奏曲については2番の方がチェコフィルとの演奏の他に2組あったのに対し、1番の方はチェコフィル番のみ。おそらく1番の方も録音があろうと思っていたところに出会ったもの。オークションで見かけた時は若干過呼吸気味(笑)。しかも手元のゲリンガスの録音としてはもっとも古い1977年の録音ということで、ゲリンガスのオリジンに迫る録音であることがわかりました。1946年生まれのゲリンガスの30代の頃の録音ということになります。ジャケットに写るゲリンガスもレオポルド・ハーガーも実に若いですね。

このLPを聴く前に手元にあるチェコフィルとの1993年録音のCDの1番を聴き直してみましたが、指揮もゲリンガスが担当するだけにオケとの一体感が見事なのに加え、ゲリンガスの達観したかのような澄み切った表情とオケの透明感ある響きが素晴らしく、比較のために聴いたのにとろけちゃいました(笑)。

Hob.VIIb:1 Cello Concerto No.1 [C] (1765–67)
さて、肝心の当盤。レオポルド・ハーガーの振るオケの響きは穏やかで、鮮度抜群のチェコフィルの序奏と比べると若干おとなしい感じ。ゲリンガスのチェロもそれにつられて穏やかな入り。ただ、ゲリンガスのチェロの美音はこの頃から健在で、特に高音の伸びやかさはロストロポーヴィチ門下であることを感じさせます。ハーガーの落ち着いた伴奏に、ゲリンガスも落ち着いて美音で応えていくやり取りは円熟を感じさせるもの。聴き進むうちにめくるめくような暖かな楽興に包まれていきます。1楽章も終盤に至り、カデンツァの伸びやかな美音でクライマックスに。
続くアダージョは、ハーガーも思い切りテンポを落としてゲリンガスの伸びやかな美音の受け入れ態勢を整えます。ゲリンガスの弾き振りとは異なり、この辺りの阿吽の呼吸が協奏曲の醍醐味。ゲリンガスも老成したかのように達観しきった孤高のソロで応えます。演奏スタイルとしては時代がっかた印象もありますが、ゲリンガスの圧倒的な存在感の前にスタイル如何は消し飛んでしまいます。遅めのテンポから生み出される深い呼吸のメロディーによってこの曲のメロディーの美しさが完璧に描ききられます。カデンツァでの音量を落としてチェロの美音を極めます。
そして静寂を断ち切るようにフィナーレが鮮やかなメロディーが鳴り響くと雰囲気が一変。この対比の鮮やかさは見事。ゲリンガスはオケの鮮やかさを引き立てるように控え目に入りますが、徐々にボウイングに力が漲り、曲が進むにつれて陶酔の坩堝に突入。この変化に富んだテンポ設定、やはりハーガーの戦略でしょうか。ゲリンガスもその流れに見事に対応して素晴らしいクライマックスに至ります。最後はキレ良くまとめました。

ダヴィド・ゲリンガスのおそらく最初のチェロ協奏曲の録音。ゲリンガスは31歳ということで、若さ溢れる演奏かと思いきや、むしろ後年の録音よりも老成したような円熟味を感じさせる演奏でした。チェコフィルとの演奏が弾き振りだったのに対して、こちらはレオポルド・ハーガーの存在が協奏曲のソロとオケとの掛け合いの面白さに繋がっています。チェコフィル盤も廃盤となっていますが、Apple Musicなどで聴くことができますので、ご興味のある方は是非。このLPの評価は[+++++]とします。

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tag : チェロ協奏曲 LP

ダヴィド・ゲリンガス/北ドイツ放送響のチェロ協奏曲2番(ハイドン)

お宝アルバム、見つけました! ディスクユニオンの店頭で見かけたとき、もちろん過呼吸気味(笑)

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ダヴィド・ゲリンガス(David Geringas)のチェロ、ヴォルデマール・ネルソン(Woldemar Nelsson)指揮の北ドイツ放送交響楽団(Das Sinfonieorchester des Norddeutschen Rundfunks)の演奏で、ハイドンのチェロ協奏曲2番、プロコフィエフのチェロ協奏曲Op.132の2曲を収めたLP。収録は1979年7月、ハンブルクにてとだけ記されています。レーベルはeurodisk。

ダヴィド・ゲリンガスといえばチェロの名手。特にハイドンの演奏はどれも素晴らしいもので、当ブログでも色々取り上げています。

2014/07/05 : ハイドン–協奏曲 : ダヴィド・ゲリンガス/チューリンゲン・ヴァイマル室内管のチェロ協奏曲2番(ハイドン)
2014/03/23 : ハイドン–室内楽曲 : ダヴィド・ゲリンガス/エミール・クラインのバリトン二重奏曲集(ハイドン)
2013/11/14 : ハイドン–室内楽曲 : ゲリンガス・バリトン・トリオのバリトン三重奏曲集(ハイドン)
2013/09/14 : ハイドン–協奏曲 : ダヴィド・ゲリンガス/チェコフィルのチェロ協奏曲集

今日取り上げるチェロ協奏曲の2番については、レビューに取り上げた2002年録音のチューリンゲン・ヴァイマル室内管との演奏、1993年録音のチェコフィルとの演奏の2種よりさらに古く1979年の録音。ゲリンガスは1946年生まれということで、33歳という年齢での録音となります。ジャケットに写るゲリンガスの姿も若い! これまでも色々な奏者の演奏を色々聴いてきましたが、後年有名になった奏者の若い頃の録音はおしなべて覇気に溢れた素晴らしい演奏であることが多いですので、今回入手したアルバムも期待すること大であります。

ゲリンガスの略歴についてはチェコフィルとの協奏曲の記事をご参照ください。

指揮者のヴォルデマール・ネルソンははじめて聴く人。1946年、ウクライナやベラルーシ国境に近いロシアのクリンツィ(Klinzy)生まれの指揮者で、1976年に西ドイツに亡命し、以後国際的に活躍した人とのこと。ロシア時代はヴァイオリニストとして中央ロシアのノヴォシビルスク交響楽団で活躍し、その後指揮を学んで、コンドラシンに見出されてモスクワフィルのアシスタント指揮者となり、オイストラフ、ロストロポーヴィチ、クレーメルなどの奏者と共演したり、ペルトやシュニトケと親交を持ったそう。亡命後はこのアルバムのオケである北ドイツ放送響とツアーを行い、西ドイツに定住。それまでオペラを振った経験がないにもかかわらずバイロイトに招かれローエングリンやさまよえるオランダ人を振ったそう。またカラヤンの招きでザルツブルク音楽祭に参加し、ペンデレツキのオペラを初演するなど、日本ではあまり知られていないもののなかなかの経歴の持ち主ですね。亡くなったのは2006年とのことです。

Hob.VIIb:2 Cello Concerto No.2 [D] (1783)
LPのコンディションは最高。柔らかなオケの序奏が心地よく響きます。律儀でオーソドックスなオケの入り。ゲリンガスのチェロはいきなりむせび泣くように入ります。健康的に響くオケに対しちょっと影のある音色で深みを感じさせます。徐々にオケの各パートもゲリンガスの音色に寄り添うようになっていくのが面白いところ。徐々にゲリンガスは深みのある響きを繰り出し、非凡なところを感じさせ始め、特に高音域の独特の輝きが眩しくなってきます。オケの方も純度の高い音色でゲリンガスのソロに呼応。オケは迫力よりは純度というか透明感で聴かせる感じ。これがヴォルデマール・ネルソンのセンスでしょう。中盤からはゲリンガスの美音とのびのびとしたボウイングに釘付け。この若さですでに至芸と言っていいでしょう。常に冷静に室内楽のように精妙にサポートするオケも非常にいい感じ。聴き進むうちにハイドンのめくるめくような名旋律の美しさにのまれるよう。1楽章のカデンツァはゲリンガスの自作。ここにきてゲリンガスの表現意欲が炸裂。糸を引くように美音を重ねて孤高の演奏が続きます。力まずまるで老成した奏者のような自在なボウイングの魅力を聴かせます。なんでしょう、この気高さは。
アダージョは、もはや燻し銀の響きと言っていいでしょう。1楽章では律儀に振っていたネルソンもここではゆったりと深い音楽を創り、ゲリンガスの音楽にスタイルを合わせてきます。ゲリンガスもネルソンも枯淡の境地。この楽章のカデンツァ、深い。オケの響きが消えた後の静寂にゲリンガスのチェロの響きだけが静かに置かれる名演奏。心が鎮まる音楽です。
そしてフィナーレでもオケはしなやかなまま。ゲリンガスのボウイングは力が抜けて魂そのものの音楽のように昇華されていきます。途中からオケが襟を正すように響きがフレッシュになって響きを引き締めることで曲が締まります。最後のカデンツァは音量を落として神がかったような透明感。ゾクゾクします。最後もオケがキリリと締まって曲を終えます。

いやいや絶品。ゲリンガスのこの曲の演奏の中で最もゲリンガスの個性が良く出た演奏と言っていいでしょう。サポートするヴォルデマール・ネルソン指揮の北ドイツ放送響も実に味わい深い演奏で華を添えます。今一度ジャケットに写るゲリンガスの表情を眺めると、ほのかに微笑むような優しい表情でこちらを見つめていますが、その表情にこの演奏の味わい深い響きがオーバーラップして見えるのは私だけでしょうか。若きゲリンガスが世に問うた素晴らしい演奏と言っていいでしょう。これは宝物になりそうです。もちろん評価は[+++++]とします。

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tag : チェロ協奏曲 LP

【新着】クレメンス・ハーゲン/1B1室内管のチェロ協奏曲(ハイドン)

このところ意識して新着アルバムを聴いています。今日は久しぶりのコンチェルト。

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TOWER RECORDS / amazon / ローチケHMVicon

クレメンス・ハーゲン(Clemens Hagen)のチェロ、ヤン・ビョーランゲル(Jan Bjøranger)指揮の1B1室内管弦楽団の演奏で、ハイドンのチェロ協奏曲1番、モーツァルトの協奏交響曲(K.364)の2曲を収めたアルバム。ハイドンの収録は2016年2月15日から17日にかけて、ノルウェーの南西端に近いスタヴァンゲル(Stavanger)のコンサートホールのファーティン・ヴァーレンホールでのセッション録音。

チェリストのクレメンス・ハーゲンは、ご存知4人兄弟のハーゲン四重奏団のチェロ奏者。1966年ザルツブルク生まれで、ザルツブルクのモーツァルテウム音楽院でハインリッヒ・シフらにチェロを学びます。ハーゲン四重奏団の他にクレーメルのクレメラータ・ムジカに定期的に出演しているそう。ソリストとしても世界の有名オケとの共演も多く、室内楽だけでなくソリストとしても活躍しているようですね。1989年以降はザルツブルク・モーツァルテウム音楽院でチェロと室内楽を教えています。

このアルバム、チェロをハーゲン四重奏団のクレメンス・ハーゲンが弾いているということで手に入れたものですが、よく見てみると、オケは1B1という不思議な名前のオケで、しかも本拠地はノルウェーのはずれにあるスタヴァンゲルという港町という超ローカルなアルバムでした。

スタヴァンゲルについてWikipediaなどで調べてみると、北海沿岸に位置しており、北海油田に近いことから石油産業や魚の缶詰工場などが主産業の町。人口12万人と小さな町ですが、このアルバムの録音されたスタヴァンゲルコンサートホールは非常に立派な建物。

Stavanger Konserthus

またそのホールの名前になっているファーティン・ヴァーレン(Fartein Valen)はこのスタヴァンゲルに生まれた作曲家の名前とのこと。そしてオケの1B1という不思議な名前ですが、このオケの本拠地の住所であるBjergsted 1(ビェルグステ1番地)からとったもので、設立時はEnsemble Bjergsted 1(EnB1)と名乗っていたそうですが、それが現在は1B1となっているということです。Googleマップでその住所を調べてみると、スタヴァンゲルコンサートホールに隣接する公園の中の建物。ここが本拠地なんですね。2008年にスタヴァンゲルがヨーロッパ文化の首都に選ばれたのを契機に設立され、メンバーはスタヴァンゲル大学の教師、優秀な学生、スタヴァンゲル交響楽団の団員などとのこと。

スタヴァンゲルを単なる単なる田舎町と思い込んで超ローカルと紹介しましたが、ヨーロッパ文化の首都とみなされるほど文化に力を入れているのは、おそらく石油産業で豊かな財政から文化に投資し続けてきた成果だと思われます。地理的にはかなりの僻地ながら、人口12万人の町にしては超立派なホールがあり、そして、驚くほどレベルの高いオーケストラがある理由がなんとなくわかってきました。

このアルバム、チェロもいいのですが、恐ろしくキレのいいオケも聴きどころです。

Hob.VIIb:1 Cello Concerto No.1 [C] (1765-7)
冒頭から非常にフレッシュなオケの序奏に驚きます。ノンヴィブラートのオケ特有の鮮度の高い透き通るような響き。ただでさえ晴朗なハ長調のハイドンのコンチェルトが、抜けるような青空のもと、くっきりと浮かび上がるよう。そしてクレメンス・ハーゲンのチェロもテンポよく溜めることなくサラサラと進みます。楽器は1698年作のストラディヴァリウスとあって、響きの余韻も絶品。なんとなくこの清々しい演奏にノルウェーらしい印象を感じるのは私だけでしょうか。ソロもオケも演奏自体は非常にオーソドックスながら、鮮度抜群に聴こえるところがすごいところ。リズムのあまりのキレの良さがそう聴こえさせます。クレメンス・ハーゲンはあまり冒険はせず、楽譜に忠実にメロディーを奏でていき、オケも誠実そのもの。よく聴くとオケのアクセントのキレの良さもフレッシュな印象を強くしていますね。カデンツァはノルウェーの作曲家でヴァイオリニストのヘニング・クラッゲルード(Henning Kraggerud)のもの。古典のハイドンの良さに現代音楽のような精妙な響きをちりばめた、なかなか深い音楽。もちろん技巧を尽くした部分もありますが、それほどアクロバティックなものではなくよくまとまっています。
続くアダージョは美しいメロディーの宝庫。キレの良いソロとオケを活かして速めに来るかと思いきや、じっくりとテンポを落とす正攻法できました。ゆったりとリラックスした音楽が流れます。丁寧にフレーズを膨らまし、そして弱音部にも緊張感が張りつめる素晴らしい演奏。クレメンス・ハーゲンも見事な弱音のコントロールで精妙かつ美しいメロディーが妖艶に輝きます。特にチェロの高音を意識的に鳴かせる訳ではなく、バランス良いボウイング。2楽章のカデンツァも前楽章同様ヘニング・クラッゲルードのもので、今度は低音弦の美しい響きを聴かせる、こちらもなかなかのもの。
そして、絶品なのがフィナーレ。これほどさわやかな入りはなかなか聴けません。チェロのキレの良さはご想像通りだと思いますが、オケがまことに素晴らしい。まるで本当のそよ風のような軽さを感じさせる見事なもの。ライナーノーツの写真を見るとメンバーは若手中心ですが、速いパッセージの切れ味と響きのクリアさは素晴らしい。欧米の一流オケでもなかなかこうはいきません。

この後のモーツァルトのヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲ですが、こちらも見事。ソロは1B1の音楽監督であるヤン・ビョーランゲルのヴァイオリンに、ラーシュ・アネシュ・トムテルのヴィオラ。オーソドックスながらキレ味抜群の演奏でモーツァルトの名曲がいきいきと浮かび上がります。

ノルウェーのスタヴァンゲルという町のオケによるハイドンとモーツァルトのコンチェルト。さすがにヨーロッパ文化の首都に選ばれただけのことはある、非常にレベルの高い演奏でした。ハイドンのハ長調協奏曲はこれまで名盤がたくさんありますが、オーソドックスな新しい演奏のファーストチョイスとしてもいいレベルの素晴らしさ。この演奏によってハイドンのこの曲の素晴らしさを再認識しました。もちろん評価は[+++++]。こうなるとどうしてもこのコンビでニ長調の方も聴いてみたくなりますね。文句なしのオススメ盤です!

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tag : チェロ協奏曲

ギレルミナ・スッジア/バルビローリのチェロ協奏曲(ハイドン)

ちょっとLPにかまけておりましたのでCDに戻ります。

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ギレルミナ・スッジア(Guilhermina Suggia)のチェロで、ハイドン、ブルッフ、ラロ、サンマルティーニのチェロ作品を収めたアルバム。ハイドンはチェロ協奏曲2番でジョン・バルビローリ(John Barbirolli)指揮のオーケストラの演奏。収録はなんと1928年7月12日から13日で、ヒストリカルな演奏を素晴らしい音質で復刻する英DUTTON LABORATORIESのCD。

最近オークションで手に入れたアルバムですが、DUTTONの復刻はなかなかいいものが多いので入札した次第。先に書いたように録音は1928年ということで今から90年近く前。パチパチまみれかと思いきや、抜群に聴きやすい素晴らしい状態に復刻されており、とても90年近く経たものとは思えません。指揮がバルビローリというのも食指が動いた理由ですが、肝心のチェリストのギレルミナ・スッジアは全く未知の人。

ということで、いつものようにさらっておきましょう。

ギレルミナ・スッジアは1885年生まれのポルトガルのチェロ奏者。カザルスとともいパリで学び、その後国際的に活躍するようになりました。主に特に評価の高かったイギリスで活動、生活するようになりました、1939年に引退、戦後の1950年に亡くなっています。ということでこのアルバムの演奏時は43歳くらい、バルビローリは1899年生まれなので29歳と非常に若い時期の録音ということになります。バルビローリがイギリスで指揮者に転向したのが1925年、ニューヨークフィルの首席指揮者となったのが1936年ということで、バルビローリはデビュー後の活気あふれる時期ということになります。

Hob.VIIb:2 Cello Concerto No.2 [D] (1783)
とても1928年の録音というのが信じられないしっかりとした響き。もちろんモノラルですが、音に厚みと鮮度があり、実に聴きやすい。バルビローリの伴奏は実に柔らかい響きですが、徐々に自在に変えながら愉悦感に溢れた踏み込んだ伴奏であることがわかります。肝心のスッジアのチェロはやはりポルタメントを多用した時代がかったものですが、不思議とバルビローリの伴奏で聴くと、アーティスティックな掛け合いに聴こえてきて、悪くありません。現在の古典的なハイドン像とは異なり、むしろ前衛的な演奏という印象を感じます。楽譜からエキセントリックな響きを見抜いて音にしていくよう。スッジアもバルビローリの自在な呼応して、かなり自在な弓さばきで応えます。ときおりぐいぐい巻くように勢いをつけて推進するかと思いきや、すっと力を抜いて、まさに緩急自在。スッジアもバルビローリも老成している頃ではなく、むしろ若い時の演奏ですが、恍惚たるいぶし銀の世界を見事に描いていきます。見事なのはカデンツァでのスッジアの濃厚な表現。チェロの深く沈む音色で深い陰影を感じさせたかと思うと、すぅっと伸びる高音を聴かせる見事な弓さばき。1楽章からいにしえの響きに引き寄せられます。
アダージョは枯淡の表情を聴かせるのかと思いきや、意外と快活でチェロもさらりとした弓さばき。古い演奏らしく音程をかなり動かしながら鳴くチェロですが、不思議とさっぱりとしていて純音楽的に聴こえます。このアルバム、低音の処理がうまく、チェロの低音が実に深く響き、スッジアの分厚いチェロを堪能できます。
そしてフィナーレも、無理に郷愁を強調することなく、こちらも自在に伸びやかに弾いているのに冷静なコントロールが行き渡った演奏。スッジアの自在な弓さばきを今度は几帳面に支えるバルビローリ。現代の演奏とはかなり異なるざっくりとした音楽の中に、これもハイドンの音楽の一時の理想的な姿だと感じさせるものがあります。スッジアとバルビローリの妙技を堪能した満足感が残ります。

時代とともに演奏スタイルは変わりますが、時代ごとにハイドンの真髄にせまろうとする意欲は変わらず、この90年近く前の演奏にもはち切れんばかりのエネルギーが詰まっています。もちろん演奏スタイルには時代を感じさせるものがありますが、素晴らしい復刻により、この時代の演奏なのに十分鑑賞に耐える演奏となっています。この演奏は手元にあるハイドンのニ長調協奏曲では録音年不明のものをのぞき最古の演奏。記録として重要なばかりでなく、現在聴いても刺激的な演奏です。実に豊かな気持ちになる音楽といっていいでしょう。評価は[+++++]をつけます。こちらも手にはいるうちにどうぞ。

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tag : チェロ協奏曲 ヒストリカル

マリア・クリーゲル/シュミット=ゲルテンバッハ/ポーランンド室内管のチェロ協奏曲集(ハイドン)

相変わらず、年度末の仕事にまみれております。ようやくひと段落したのでLPを聴いています。

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マリア・クリーゲル(Maria Kliegel)のチェロ、フォルカー・シュミット=ゲルテンバッハ(Volker Schmidt-Gertenbach)指揮のポーランド室内管弦楽団(Polnisches Kammerorchester)の演奏で、ハイドンのチェロ協奏曲2番、1番の2曲を収めたLP。収録に関する情報は記載されておりませんが、ネットなどで調べたところ1982年にリリースされたアルバムのようです。レーベルは独aperto。

マリア・クリーゲルといえば、NAXOSからリリースされたチェロ協奏曲のアルバムがあまりに素晴らしく、昨年のH. R. A. Awardに輝いたことは当ブログの読者の皆さんならご記憶のことでしょう。私もマリア・クリーゲルのチェロをはじめて聴いて、その類まれな表現力にノックアウトされたくちです。

2015/06/20 : ハイドン–協奏曲 : マリア・クリーゲルのチェロ協奏曲集(ハイドン)

そのマリア・クリーゲルがチェロを弾く若い時のアルバムということで、俄然興味が湧いたわけですが、このアルバムへの興味はそれだけではありません。伴奏はなんとフォルカー・シュミット=ゲルテンバッハではありませんか! 以前取り上げた「悲しみ」の素晴らしい演奏で鮮明な印象が残っています。特に彫りの深い弦楽器のキレキレの演奏は他の演奏とは次元の違うものでした。

2011/01/16 : ハイドン–交響曲 : シュミット=ゲルテンバッハ/ワルシャワ・シンフォニアの悲しみ

その印象的な2人が顔を合わせたアルバムということで、聴く前から脳にアドレナリンが噴出されるのを待っている状態。クリーゲルの新盤は2000年録音ということで本盤は18年前、クリーゲル30歳頃の録音、フォルカー・シュミット=ゲルテンバッハの「悲しみ」は1991年録音ということで本盤は9年前、41歳頃の録音ということで、それぞれの若さが演奏に宿っていることでしょう。奏者の情報はぞれぞれの前の記事をご覧ください。

このアルバム、最近オークションで手にいれたものですが、盤は非常に綺麗な状態ですが、いつものようにVPIのクリーニングマシンと必殺美顔ブラシで綺麗に磨きあげてプレーヤーに乗せると、ノイズレスの極上の状態になりました。A面に2番が収録されているので2番から聴きます。

Hob.VIIb:2 Cello Concerto No.2 [D] (1783)
録音は鮮明。ポーランド室内管は非常に柔らかいしなやかな響きの序奏で入ります。シュミット=ゲルテンバッハは実に落ち着いたテンポでオーソドックスに序奏をまとめますが、そこはかとない華やかさが感じられます。クリーゲルのチェロも実にしなやかで柔らかい響き。入りはオケの様子を伺うように大人しめです。NAXOS盤で聴かれた味わい深さはこのアルバムでも共通しており、30歳とは思えない円熟の境地を感じさせます。全般に力が抜けて、軽々と、しかもしっとりと弓を操っている感じです。シュミット=ゲルテンバッハもそれに応えるように、羽毛のような優しいタッチでクリーゲルを支えます。「悲しみ」での力感に満ちた表現とはまったく異なります。ソロに合わせて絶妙なサポート。聴き進むにつれてソロとオケがお互いに非常にデリケートに調和して響いていることに驚きます。クリーゲルもシュミット=ゲルテンバッハもやはり只者ではありませんでした。この演奏が最晩年の録音だといわれてもおかしくない、真に力の抜けた、音楽だけが響く純粋無垢な響き。シュミット=ゲルテンバッハの操るポーランド室内管も絶品。クリーゲルの演奏の本質を見抜いて、完璧に調和させようという意図を感じます。ただのおじさん風の風貌(悲しみのジャケット参照!)から溢れ出る優しい音楽。なんという優しさ。なんというデリケートなフレージング。絶品です。そして最後のカデンツァはクリーゲルのチェロから繰り出される音楽の陰影の深さに圧倒されます。オケが迎えにくるまでにノックアウト。1楽章からあまりの素晴らしさに、脳に溜まっていたアドレナリン全噴出!
この演奏でアダージョが悪かろうはずもなく、冒頭からシュミット=ゲルテンバッハの癒しに満ちたオーケストラコントロールに身をまかせます。クリーゲルも安心して伴奏に身を任せながら演奏しているのがわかります。ゆったりとうねる大波に浮かぶような心境。音量を抑えたところでのクリーゲルのチェロの見事なコントロールはこの楽章の聴きどころでしょう。そして音階の滑らかさ、無理なく伸び伸びと響くチェロの美音。完璧です。
ほのかな郷愁を感じさせるフィナーレの入り。クリーゲルは速いパッセージもあえて丁寧に弾いて、音楽をしっかりと印象付けます。シュミット=ゲルテンバッハとの息の合ったやりとりも変わらず、互いのイメージしている音楽が完全に重なり見事な一体感。少し遅めでメロディーをしっかり演奏していく方向は一貫していて、終楽章のメロディーの美しさが脳裏に焼きつきます。いやいや、期待はしていましたが、ここまで素晴らしい演奏とは思いませんでした。

Hob.VIIb:1 Cello Concerto No.1 [C] (1765-7)
レコードをひっくり返して、今度は1番。オケのしなやかさは変わらず、2番のゆったりした感じから、リスムを少しはっきりさせて晴朗さに振ったようなテイスト。こころでもシュミット=ゲルテンバッハはサポートに徹してクリーゲルを迎えます。クリーゲルは独特の燻らせたような音色で、やはり力の抜けたボウイングで味わい深くフレーズを刻んでいきます。2番よりも高音の伸びやかな鳴きを聴かせる頻度が高いのでチェロの美音が印象的。どこにも無理はなく、淡々と音楽を進めていきますが、音楽自体は実にしなやか。ソロもオケも癒しに包まれ、特に伴奏に乗ってクリーゲルが自在に演奏している感じがいいですね。クリーゲルのカデンツァはあまりに伸びやかで深みのある演奏に再び驚きます。晴朗さに満ちた1番の1楽章が天上の音楽のごとき神々しさに包まれました。
もっと驚いたのがアダージョ。2番とは明らかに異なり、この楽章、深く深く沈む情感を表すがごとく、テンポをかなり落として呼吸も深まり、情感が滲み出します。明らかに2楽章に聴きどころを設定している感じです。クリーゲルのチェロはもはや枯淡の彼方へ。楽譜に潜む気配をさっして思い切り踏み込んできました。チェロの音色は美しさの限りを尽くして鳴き続けます。そしてシュミット=ゲルテンバッハもともに沈み込み、祈りのような時間が流れます。いままで聴いた1番のアダージョでは最も深い音楽。
静寂を振り切るようにフィナーレは快活なオケが新鮮に響きます。よく聴くとオケはさすがにシュミット=ゲルテンバッハのコントロールらしく、特に弦楽器のキレが見事。しなやかさを帯びているのでキレばかりが目立つわけではありませんが、流石シュミット=ゲルテンバッハというところでしょう。クリーゲルも鮮やかな弓裁きで応報。オケも徐々にキレが冴え渡り、陶酔の極致へ。タッチの軽さを保ったままクライマックスへ至る素晴らしい流れ。力みは皆無で音楽が旋回して見えなくなるほどの溶け合いかた。1番も2番とは異なる聴かせどころをもった圧倒的な名演奏でした。

いやいや参りました。このアルバムでのクリーゲル、弱冠30歳ではありますが、演奏は円熟の極み。今更ながらジャケットをよく見てみると、チェロを抱えて笑顔で映るクリーゲルの左には1981年パリで開催されたロストロポーヴィチコンクールで優勝との記載があり、このアルバムはそれを踏まえて録音されたものでしょう。私の見立てはハイドンに関してはロストロポーヴィチも他の演奏も超える決定盤としてもいい絶品の演奏です。クリーゲルばかりでなくフォルカー・シュミット=ゲルテンバッハの振るポーランド室内管もクリーゲルに劣らず絶品。お互いの音楽を深く理解しあった、協奏曲の理想的な演奏と言っていいでしょう。偶然見かけて手にいれたLPでしたが、宝物となりました。もちろん評価は[+++++]とします。

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tag : チェロ協奏曲 LP

マリア・クリーゲルのチェロ協奏曲集(ハイドン)

コレクションの穴だったアルバムです。

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TOWER RECORDS / amazon / HMV ONLINE

マリア・クリーゲル(Maria Kliegel)のチェロ、ヘルムート・ミュラー=ブリュール(Helmut Müller-Brühl)指揮のケルン室内管弦楽団(Cologne Chamber Orchestra)の演奏で、ハイドンのチェロ協奏曲2番、ハイドンの作とされたチェロ協奏曲(Hob.VIIb:4)、ハイドンのチェロ協奏曲1番の3曲を収めたアルバム。収録は2000年5月22日から25日にかけて、ケルンのドイツ放送の放送ホールでのセッション録音。レーベルは廉価盤中興の祖、NAXOS。

このアルバム、リリースは2001年とかなり前のものですが、なぜか手元になかったもの。NAXOSのハイドンのアルバムは交響曲、弦楽四重奏曲、ピアノソナタなど逐一リリースされる度に集めていたのですが、このアルバムはなぜか見逃していました。最近それに気づいて注文していたもの。

指揮のヘルムート・ミュラー=ブリュールはハイドン好きな方ならご存知でしょう。NAXOSのハイドンの交響曲全集リリースの中期以降8枚のアルバムを手兵ケルン室内管と担当している他、協奏曲の伴奏も何枚か担当し、NAXOSのハイドン録音の中核指揮者といった存在です。キレのよい響きをベースとした手堅い演奏をする人です。当ブログでもNAXOSの交響曲から1枚と、1966年録音のシャルランレコードの1枚をレビューしています。略歴などは交響曲72番の記事の方をご覧ください。

2012/03/22 : ハイドン–交響曲 : ヘルムート・ミュラー=ブリュール/ケルン室内管の13番、36番、協奏交響曲
2011/10/05 : ハイドン–交響曲 : ヘルムート・ミュラー=ブリュール/ケルン室内管弦楽団の交響曲72番等

今日取り上げるアルバムの目玉はなんといってもチェロのマリア・クリーゲルでしょう。アルバムの帯によるとクリーゲルもNAXOSの中核アーティストとのこと。ネットで検索してみると、NAXOSではバッハのチェロソナタ、ベートーヴェンのチェロソナタ、ピアノトリオ、ドヴォルザークのチェロ協奏曲のほか、現代音楽までかなりのレパートリーを担当していることがわかりました。彼女も名実ともにNAXOSの看板アーティストと言っていいでしょう。

マリア・クリーゲルは1952年ドイツのヘッセン州ディレンブルク生まれのチェリスト。アメリカインディアナ大学で名手ヤーノシュ・シュタルケルに師事。1981年にロストロポーヴィチ国際コンクールでグランプリ輝き、その後ロストロポーヴィチの指揮でアメリカ、フランスでコンサートツアーを行ったとのことです。楽器はフランスのモーリス・ジャンドロンが使っていたストラディバリウス「エクス・ジャンドロン」を使っているいうことです。

NAXOSの録音は廉価盤にもかかわらず質の高い録音が多いのですが、中には廉価盤という但し書きをなしにしても、素晴らしいレベルの演奏があります。ハイドンの交響曲ではニコラス・ウォードのしっとりとした名演が記憶に残るところですが、このマリア・クリーゲルのチェロ協奏曲もそのレベルです。実に素晴らしい演奏にうっとり。

Hob.VIIb:2 Cello Concerto No.2 [D] (1783)
冒頭は2番。ミュラー=ブリュールの操るケルン室内管はいつも通りオーソドックスな折り目正しい響き。序奏から癒しに満ちたしなやかな響きに聞き惚れます。マリア・クリーゲルのチェロは冒頭から燻し銀。落ち着き払ってゆったりとメロディーを奏でていきますが、ハイドンの書いたこの曲のメロディーに潜む枯淡の気配のようなものを踏まえて、実に味わい深いフレージング。いきなり巨匠の風格を感じさせます。ミュラー=ブリュールの完璧なサポートによりそって自在にチェロを操り、天上の音楽のごとき癒し。シュタルケルから灰汁の強さを除いたような風格もあり、なにものにも影響されない独自性もあります。爽やかさ、味わい深さが凄みさえ感じさせるレベル。フレーズをひとつひとつ味わい深く丁寧に重ねていきながら、ゆったりと音楽を織り上げていく快感を味わえます。素晴らしいのがカデンツァ。静寂の中にエクス・ジャンドロンの美音が響きわたり、クリーゲルの至芸を堪能できます。放送ホールでの録音にしては残響は豊かで、チェロの録音としては理想的。チェロの美音にアドレナリン噴出しっぱなし。見事。
アダージョはクリーゲルのチェロの独壇場。ゆったりと奏でられる音楽。ハイドンの書いた美しいメロディーの髄を置いていくように切々と弾いていくクリーゲル。クリーゲルの孤高の表現をあえてゆったりとオーソドックスに支えるミューラー=ブリュールの完璧なコンビネーション。1楽章と表現は変わらず一貫した音楽。
フィナーレに入ると若干テンポを上げ、ほのかに活気を感じさせますが、究極のしなやかさは保たれ、達人の草書のようなクリーゲルの筆の見事さに聴き惚れます。この楽章独特の郷愁を感じさせる曲想が一層際立ち、時折り聴かせる高音の枯れたような美音にドキッとさせられます。最後はチェロとオケがとろけるように一体となって終わります。いやいや、ここまで見事なチェロを聴かせるとは思いませんでした。

Hob.VIIb:4 Cello Concerto [D] (previously attributed to Haydn)
現在ではハイドンの作品ではないと確定している曲。手元には他に2種の録音がありますが、ハイドンの時代の空気のようなものを感じる音楽。ミュラー=ブリュールの折り目正しい伴奏によってこの曲の面白さはかなり伝わります。クリーゲルは前曲とは異なり、かなり気さくな演奏。メロディーをしっかりとトレースしながら演奏を楽しむよう。

Hob.VIIb:1 Cello Concerto No.1 [C] (1765-7)
そして1番。相変わらず安定感抜群のミュラー=ブリュールの伴奏を聴きながら2番は曲想の真髄を捉えた燻し銀の演奏でしたが、この晴朗な1番ではクリーゲルがどう来るか興味津々。クリーゲルは出だしから今度は少々インテンポでハツラツさを感じさせる入り。曲想を踏まえてスタイルを変えてきました。音色の美しさと力のぬけたボウイングは健在。徐々に表現の幅が広がり、すぐにクリーゲルのチェロの魅力に惹きつけられます。ここでもミュラー=ブリュールの伴奏は完璧。控えめながら折り目正しく、色彩感も保ち、クリーゲルのソロを支えることに徹します。中盤以降の美しいメロディーの演出は2番では感じなかった軽快さも加わり、まさに桜の花の香りを乗せたそよ風のよう。高音の磨き抜かれた音色の美しさは鳥肌が立つほど。1楽章のカデンツァに至り、もはやこの世のものとは思えない自在なチェロの美音に包まれ、至福の極致。参りました。これほど美しいチェロの音色には滅多にお目にかかれません。
アダージョではぐっとテンポを落として沈みます。2番での表現とは異なり、ここはかなりの変化。晴朗な曲想から一転、三途の河の向こう側のような世界。チェロのゆったりとゆったりと深い音色が心に響きます。かなり遅めのテンポがこの曲の新たな魅力を際立たせます。表現を含めてこれほど深く沈み込むこの楽章は聴いたことがありません。
そして再び、快活なフィナーレ。夕立のあとの青空のように晴朗さが際立ちます。この変化をさらりと聴かせるミュラー=ブリュールも見事。時折踏み込んでチェロを震わせる音色を織り交ぜながら軽やかにメロディーをこなすクリーゲル。この楽章ではボウイングのキレの良さを印象付けます。ただし並みのチェロ奏者とは一線を画す味わい深い音色をもっているので、ただキレが良いだけではなく、音楽としてのキレの良さを感じさせるレベル。最後はぐっとためて曲を終えます。

NAXOSの看板チェリスト、マリア・クリーゲルと同じく看板指揮者ヘルムート・ミュラー=ブリュールによるハイドンのチェロ協奏曲集。そのレッテルから想像される演奏とは全く異なり、このアルバム、ハイドンのチェロ協奏曲のベスト盤といってもいい素晴らしい出来です。ハイドンのチェロ協奏曲には名盤が多く、有名なところではデュプレ、ロストロポーヴィチ、ゲリンガスなど巨匠と呼ばれるチェリストの名演、最近ではアルトシュテットやマリー=エリザベート・へッカーなどの名演がひしめいています。このマリア・クリーゲル盤、それらの名演と比べても劣るどころかそれらを凌ぐ素晴らしいものです。ハイドンのチェロ協奏曲の現代楽器による演奏として、ファーストチョイスとしておすすめしてもいいくらい。オーソドックスながら1番、2番ともに踏み込んだ表現で、曲の魅力を余すところなく伝える素晴らしいアルバムです。これまで聴いたNAXOSのハイドンの演奏では間違いなくベスト。評価も[+++++]以外につけようがありません。未聴の方、是非。

これは月末がたいへんですね。今月は本当に素晴らしい演奏が続きます。

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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : チェロ協奏曲

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Daisy


Author:Daisy

ハイドン(Franz Joseph Haydn)の膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。私はなぜハイドンにはまったのか?

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所有盤をジャンル別にリスト化しています。基本的に録音年順とし、録音年不明のものはリスト冒頭に記載。演奏者名はジャケットなどの表記に合わせています。

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登録演奏数:11,529
(2019年3月31日)
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