パーヴォ・ヤルヴィ/ドイツ・カンマーフィルのロンドンなど(東京文化会館)

先週金曜日に続いて月曜日もコンサートのチケットを取ってありました。

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都民劇場:公演ラインアップ 音楽サークル 第659回定期公演

パーヴォ・ヤルヴィ(Paavo Järvi)指揮のドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団(Deutsche Kammerphilharmonie Bremen)の来日公演。会場は東京文化会館ということで主催は古風なチラシで異彩を放つ都民劇場(笑)。プログラムは下記の通り。

シューベルト:交響曲5番
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲5番「トルコ風」 ヴァイオリン独奏はヒラリー・ハーン(Hilary Hahn)
ハイドン:交響曲104番「ロンドン」

このコンサートのチケットを取ったのはハイドンのロンドンがプログラムに組まれていて目に止まったせいもありますが、お目当てはヒラリー・ハーンです。

パーヴォ・ヤルヴィは、このカンマーフィルとのベートーヴェンの交響曲全集で一躍有名になり、2015年からはN響の首席指揮者を務めるなど、今をときめく存在。で、ですが、私はちょっと苦手な方。パーヴォは如何なものかとの興味で一昨年に聴いたコンサートは流石のコントロール能力の高さを見せつけたものの、ちょっと器用すぎて小手先的印象を感じたのも正直なところ。

2016/10/08 : コンサートレポート : パーヴォ・ヤルヴィ/N響のマーラー交響曲3番(サントリーホール)

そのヤルヴィがシューベルト、モーツァルト、そしてハイドンをどう料理するかにも興味はありましたが、やはり聴きどころはヒラリー・ハーン。ヒラリー・ハーンも2度ほど実演に接していますが、ブログを書く前のことで、記録が残っていないと記憶も曖昧(苦笑)。確か直近は2009年にポピュラー系のジョシュ・リッターとのデュオのコンサート。ヒラリー・ハーンのヴァイオリンは天才的なひらめきと、確かな音楽の骨格、表現をしっかり持った逸材との認識で、以前のコンサートの良い余韻が残っています。



このところ東京もぐっと冷え込んでくるなか、月曜日にもかかわらず、仕事をエイヤとやっつけて、久しぶりに上野の東京文化会館に向かいます。私が学生の頃は一流オケのコンサートは東京文化会館と決まっていましたね。前川國男先生のモダニズムの結晶のような建物は今でも素晴らしいオーラを放っていて、建築遺産としては揺るぎない価値を持つもの。

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ただし、コンサートホールとしては響きにかなり癖があり、ミューザ川崎をはじめとする音響の優れたホールとはかなり差がついてしまうのは致し方ないところ。

この日も開場時間にホールに参上。上野駅駅ナカで腹ごなしは済ませてきました。

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さて、この日の席は、いつも通り右側ですが、発売からだいぶ経ってからチケットを取ったのと、やはり舶来オケの価格帯のため、無理せず安い席をということで4階席。4回席までは階段です(笑)。眺めは上の写真の通りです。

開演時間になると会場内に盛大に学校のようにチャイム音が鳴るのはご愛嬌。場内の照明が徐々に落ちて、オケが入場。そして颯爽と洗われたヤルヴィが軽く観客に会釈して、1曲目のシューベルトが始まります。今回のこのコンビの来日ツアーではシューベルトがテーマの一つになっているようで、シューベルトだけのプログラムも用意されています。1曲目は響きに敏感。響きに癖がある東京文化会館のしかも4階ということで、音はあまり期待はしていなかったので、さして違和感はありませんでした。むしろ気になったのはヤルヴィのちょっとそそくさとした音楽の運び。ちょっと前に響きのいいミューザで、濃厚、流麗、分厚い響きのメータのシューベルトを堪能しているだけに、キリリと引き締まって、それはそれでスタイリッシュなヤルヴィの指揮はわかるものの、シューベルトの音楽とはもっとしなやかで、柔らかさがあってもいいと思わせてしまい、ヤルヴィ流のちょっと軽めの演奏はまずは前座という感じでした。

続いてお目当のヒラリーハーンの登場。白に金の柄のついた華やかなロングドレスで登場したヒラリー・ハーン、今度はモーツァルトということで軽やかさが曲にマッチしてヤルヴィのキレのいい伴奏を聴きながらリズムをとって入りを待ちます。静かな第一音から緊張感がみなぎり、抑制の効いたボウイングから繰り出される多彩な音色にうっとり。鋭さもあり、しなやかさもあり、そしてハーンの美点であるしっかりとハーンの音楽になっているところは期待通り。ヤルヴィが音色とキレという多彩な音色を繰り出すことに執心しているのに対し、ハーンは一貫してハーンの音楽を繰り出し、ハーンの方が格上に感じたのが正直なところ。テクニックを披露する曲ではなく、流麗な美しいメロディーを聴くべき曲ですが、ハーンは各楽章のカデンツァで、凝った構成のものを用意していましたが、いづれもヴァイオリンの音ではなくボウイングで音楽を作っていくという楽器の本質のようなものを聴かせたかったような構成。カデンツァでも唸らされました。流石にヒラリー・ハーン、モーツァルトでもただでは済ませない力量を見せつけました。もちろんほぼ満席の客席からは万雷の拍手が降り注ぎ、何度かのカーテンコールの後、アンコールを2曲。

バッハ 無伴奏ヴァイオリンパルティータ3番よりジーグ
バッハ 無伴奏ヴァイオリンソナタ2番よりアンダンテ

オケを前にして静まり返るホールにハーンの静謐なバッハが響き渡り、本編のモーツァルト以上の神々しいボウイングに圧倒されました。やはりハーンはすごいですね。



休憩後はハイドンの「ロンドン」。「ロンドン」はアルバムではリリースされているほとんどのものを聴いていますがの実演は2009年にホグウッドの振ったN響くらい。ハイドンの交響曲の集大成であり、壮大な構成で知られていますが、演奏は非常に難しく、特に3楽章、4楽章が力んで単調になりやすいもの。しっかりと構成を考えて、どこに聴かせどころを持ってくるかなかなか難しい曲でもあります。ヤルヴィは予想では速めのテンポで入るかと思いきや、序奏はかなりテンポを落としてきました。骨格の壮大さよりはフレーズごとの立体感を出そうというような感じ。1楽章は徐々にテンポを上げてきっちりとした構成感を出しまずまず。続く2楽章以降では、短い音でリズムを打つフレーズがたくさん出てきますが、それをあえてしているのでしょう、かなり均一に鳴らすのでリズムが単調に聴こえてしまい、本来味わい深いアンダンテとメヌエットが少し平板な印象に聴こえてしまいます。ただし、そこは流石にヤルヴィ、終楽章で最後のクライマックスに至る盛り上げ方は見事。インテンポでオケを煽りながら壮大な頂点を構築しフィニッシュ。もちろん観客も満足したようで拍手喝采。拍手に応えて、オケもアンコールを披露。非常に色彩感に富んだ曲でしたが聴いたことのない曲。帰り際、ホワイエの張り紙でシューベルトのイタリア風序曲2番と知りました。この日のステージにはティンパニが通常の2つの他、右側に大きなものがもう1つ。この3つ目のティンパニはアンコール曲でしか使っていなかったように見えましたので、アンコールは最初から予定されていたものでしょう。ハイドン以上に各パートが活躍する曲で、アンコールでオケの実力開帳といったところでしょう。

パーヴォ・ヤルヴィは流石にN響の首席指揮者を務めるだけあって、集客力もありますね。ただし、オケのドイツ・カンマーフィルですが、日頃聴く日本のオケと比べてレベルが高いという感じではなく、木管、金管などのソロを聴くとむしろ、東響や読響、N響の方が上手いかもしれませんね。日本での印象はやはりヤルヴィのベートーヴェン全集での鮮烈なキレ味の印象が強く、ドイツの一流オケという印象でしたが、やはりバイエルン放送響、ベルリンフィルなどとはそもそも格は違いますし、近年の日本のオケのレベルの高さを考えると、少し冷静な目で見た方が良いかもしれません。

この日の収穫はやはりヒラリー・ハーンでした。今月はハーンのバッハの無伴奏のコンサートも組まれていましたが、そちらもチケットとっておけばよかった、、、 次の機会を待つことにします(笑)



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ズービン・メータ渾身の春の祭典(ミューザ川崎)

母の葬儀後にも関わらず、事前にチケットをとってあったイベントが目白押し。くよくよもしていられませんので、予定をこなすことにしました。告別式翌日木曜は前記事に書いたポール・ルイスのコンサート、勤労感謝の日の金曜は友人の計らいで友人宅に招かれガーデンランチ、土曜日は歌舞伎座、そして日曜はバイエルン放送響のチケットをとってありました。それぞれチケットを取ったのは大分前なのでこのような流れになるとはついぞ思いませんでしたが、不思議と葬儀などと予定が重なることがなかったというか、かなり緊密なスケジュールとなってしまっています。

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ミューザ川崎:バイエルン放送交響楽団

このコンサートはご承知の通り、当初マリス・ヤンソンスの指揮ということでチケットを取りましたが、ヤンソンスが健康上の理由により来日できなくなり、代役としてズービン・メータが来日するとのアナウンスがありました。このチケットを取ったのは、一昨年、ミューザで聴いたヤンソンスの軍隊とアルプス交響曲が素晴らしかったからに他なりません。

2016/11/27 : コンサートレポート : マリス・ヤンソンス/バイエルン放送響の「軍隊」(ミューザ川崎)

そのヤンソンスが再びバイエルン放送響を従え、春の祭典を振るということで、チケットを取った次第。指揮者がメータに変わりましたが、私の年代はメータを随分聴いていますので、ヤンソンス以上に懐かしさもあって、チケットはそのまま確保しました。プログラムは春の祭典は変わらずですが、前半はドヴォルザークの交響曲7番から下記のように変わりました。

シューベルト:劇音楽「ロザムンデ」序曲(D.797)
シューベルト:交響曲第3番(D.200)
(休憩)
ストラヴィンスキー:「春の祭典」

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ミューザ川崎は意外と便利で、この日は日曜ということで車で行きましたが、自宅から40分ほどで着きます。世の中もうすぐクリスマスということで、イルミネーションが施され華やいだ雰囲気になってますね。

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この日は18時開演で17時開場ということで、開場時間にはホールについて、のんびりサンドウィッチなどをつまんで開演を待ちました。

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席はミューザ会員のみ発売の3階の一番安い席。視界はちょっと遮られますが、この席でも音響は非常に鮮明というか、正面の席より響きがダイレクトでこちらの席の方がいいくらい。3階席の音響が劣悪なオペラシティとはかなり違います。

この日のお客さんの入りは8割くらいだったでしょうか。チケットもそれなりの値段なので満員とはいきませんでした。

さて、開演時刻となり、後半の春の祭典ように設えられたステージの前の方に前半のシューベルトの演奏のメンバーが着席します。チューニングが終わると、メータが登場し、嵐のような拍手に迎えられます。というのもメータは介助者を伴い、杖をつきながらゆっくりと指揮台に向かいます。今年イスラエルフィルとの来日をがん性腫瘍の治療のために断念したとの情報は入っていましたが、恰幅のいいメータが歩くのもおぼつかないとは思ってもみませんでした。指揮台の下手側にはスロープがつけられ、介助者とコンサートマスターに支えられてようやくスロープを登れる状態。ヤンソンスの代理とはいえ、この体調でよくぞ日本までやってきました。ステージ上には椅子が置かれ、メータが椅子に腰掛けると介助者が15cmくらいの高さの脚台を置き、メータがその上に脚を置き準備万端。介助者が下手袖に戻る前にメータのタクトが上がり、1曲目のロザムンデ序曲が始まります。脚元はおぼつきませんが、眼光とタクトは鋭く、オケのコントロールするのは問題なさそう。そしてバイエルン放送響の奏でる響きは重厚かつうっとりするような柔らかく美しい響き。メータの指揮はゆったりと音楽をつくっていくまさに巨匠風。晩年のベームがウィーンフィルを振っているようなオケの自主性を活かした演奏。とろけるような響きに加えて、クライマックスへの持っていき方も若き日のメータの聴かせ上手さが感じられる見事なもの。一昨年に聴いたヤンソンスの滑らかなコントロールが行き届いた演奏とは異なり、味わい深さと響きの重厚な美しさが印象的な演奏でした。老いてしまったメータの姿に少々心配しましたが、演奏は見事なもの。もちろん盛大な拍手がふりそそぎました。

拍手に応えてメータが奏者をねぎらうと、メータは座ったまま、すぐに2曲目の交響曲3番に入ります。3階席から見下ろすとメータは上半身はしっかりしているものの、脚はかなりやせ細っています。おそらく長期間ベットに伏していたために脚の筋肉が落ちてしまったのでしょう。ただし、鋭い眼光とタクトが繰り出す音楽は弾んでいました。ここでも均整のとれた重厚な響きで観客を魅了。ゆったりとしたテンポは変わりませんが、やはりバイエルン放送響の木管陣は見事。クラリネットがくっきりと浮かび上がり、フルートやオーボエの美しさも流石なところ。まさに横綱相撲。円熟味と圧倒的な風格で聴かせます。1楽章の重厚な構成感、2楽章のコミカルなメロディーを優雅に聴かせる表現力、ホールを柔らかく包むように鳴り響く3楽章のメヌエット、調性の綾の美しさを織り込みながらリズミカルに盛り上がる終楽章。タクトの先で的確にオケに指示を出し、やはりメータの音楽をしっかりとつくりあげていました。ミューザの美しい残響に浮かび上がるあまりに美しい響きにうっとり。シューベルトも得意な方ではありませんが、存分に楽しめました。もちろん、前半終了時にも関わらずホールの興奮は最高潮。木管を中心に奏者をねぎらうと、介助人が杖を持って迎えに入り、拍手に包まれながらメータがステージを降りて前半終了。

休憩後再び介助者に付き添われてステージ上にメータが現れると、暖かい拍手がメータを包みます。前半同様指揮台の上のイスに腰掛けると、今度は介助者の退場を見送る余裕がありました。後半の春の祭典は本当に素晴らしかった! 前半のシューベルトは激しい曲ではないので座ったメータのタクトで十分コントロールできる範囲ですが、春の祭典は厳しいのではなかろうかという予想を完全に裏切る緻密なコントロール。春の祭典といえば今年の6月にロト/レ・シエクルの爆演を聴いたばかりですが、それにも劣らぬ感動的な演奏でした。テンポは比較的遅めで雄大な春の祭典。しかも全盛期のメータを彷彿とさせる重量級のど迫力。オケは世界最高峰の一つであるバイエルン放送響ということで、メータの眼力で一糸乱れぬ演奏を繰り広げました。春の祭典でも木管陣は完璧。そして肝心のパーカッションもリズムキレキレ。またしても風格ある横綱相撲を見せつけられた感じ。体の動きに制限のあるメータでしたが、各パートへの的確な指示を繰り返してこの難曲を見事にまとめあげました。スリリングさの極致に到達したロトに対し、この現代音楽の古典を太い軸でまとめたメータの至芸をたっぷりと味わいました。脚元のおぼつかないメータの熱演に会場からは文字通り嵐のような拍手とブラヴォーが降り注ぎました。メータもこの日の出来に納得したのか次々と奏者をたたえ拍手に応えます。ステージ袖と指揮台を往復する体力は残されていませんが、自力で立ち上がって観客の拍手に会釈する姿は感動的でした。こうしたコンサートで、ましてやこのメータの体調でアンコールはないと思いきや、拍手を制したメータが観客席に向かって「チャイコフスキー!」と告げるとすぐにくるりと振り返って白鳥の湖のワルツが始まりました。春の祭典の緊張感から一変して優雅なワルツ。しかも聴かせ上手なメータのゴージャスなワルツが流れ、場内が一気にリラックス。アンコールにしては長い10分近い演奏に皆夢見心地。コンサートに足を運んだお客さんにこれ以上のもてなしはないでしょう。もちろん、割れんばかりの拍手喝采が続き、皆立ち上がってスタンディングオヴェーション。もちろんメータが介助者に付き添われて舞台袖に下がった後も拍手は鳴り止まず、今度は車椅子に乗って再び登場すると拍手は一層激しくなり場内は歓喜に包まれました。

いやいや、感動的なコンサートでした。この体調では再度の来日ができるかわかりませんので、代役という奇遇とはいえメータのコンサートを聴くことができたことは忘れられない出来事として記憶に残ることでしょう。メータは母と同じく1936年生まれの82歳。入院して脚が細くなってしまうのも重なって深く心に刻まれました。

メータさんもし来日する機会があれば必ず聴きにきます!



コンサートの興奮が残る中、ミューザのコンサート時に定番にしている1階の牛タン屋さんで牛タン定食をいただいて帰りました。

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本日は車なので、私はノンアルコール(涙)

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ここの牛タンは旨味が濃くて美味しいです。本場仙台よりも旨いくらい。オススメです。



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アンドラーシュ・シフ ピアノリサイタル(東京オペラシティ)

3月21日月曜は、コンサートに出かけてきました。

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ハイドンファンにはおなじみのアンドラーシュ・シフ(András Schiff)による「ザ・ラスト・ソナタ」と銘打たれた2017年のコンサート。このコンサートに注目したのは、もちろんハイドンのソナタが演奏されるからに他なりません。

当初は3月25日土曜の彩の国さいたま芸術劇場のチケットを取っていたんですが、なんとドンピシャの日に仕事が入ってしまい、やむなくそのチケットを友人に譲り、ネットを駆使して(笑)あらためて東京オペラシティのチケットを取った次第。普段だったら、譲ってあきらめるだけで終わるんですが、なんとなくこういうコンサートは機会を逃すと再びチャンスがこないような気がしたので、私にしては珍しく深追いしたもの。

そういえば、以前もスクロヴァチェフスキと読響のブルックナーの7番も仕事で聴き逃しましたが、あとから考えるとあれを聴いておきたかったという思うばかり。

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この日の公式のプログラムは下記のとおり。

モーツァルト:ピアノ・ソナタ第17番 変ロ長調 K.570
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 op.110
ハイドン:ピアノ・ソナタ ニ長調 Hob. XVI:51
シューベルト:ピアノ・ソナタ第20番 イ長調 D959

「ザ・ラスト・ソナタ」と名を冠するのにふさわしく、モーツァルトもベートーヴェンもシューベルトも最晩年のソナタを並べていますし、ハイドンもロンドンで作曲された最後の3つのソナタの一つであるXVI:51が選ばれるなど、コンサートの企画としては一本筋の通ったもの。円熟の境地にあるシフの演奏とあって期待が高まりますね。

シフのハイドンのソナタ自体はDENONから1枚、TELDECから2枚組がリリースされていますが、DENON盤が1978年、TELDEC盤が1997年の録音と結構古いもの。フレージングはシフ独特の個性的なもので、多彩なタッチの変化とダイナミクスを強調した演奏が印象に残っています。また奥さんの塩川悠子とボリス・ベルガメンシコフと組んだピアノトリオのアルバムは昨年レビューに取り上げました。

2016/03/15 : ハイドン–室内楽曲 : アンドラーシュ・シフ/塩川 悠子/ボリス・ベルガメンシコフのピアノ三重奏曲(ハイドン)

ピアノソナタ集の方は、ハイドンの曲の良さをもう少し素直に出してもいいのではないかとも思われるもので、今回の実演でそのあたりのシフの個性がどう響くのかを確かめたかった次第。



さて、この日は年度末でバタバタのなか、仕事をやっつけて会場の東京オペラシティには開演の15分前に駆け込み到着。外はあいにくの雨でしたが、ホワイエにはすでに多くの人が駆けつけ、かなりの熱気でした。

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昼飯も抜きで仕事を片付けてきたのでお腹エコペコ。いつものようにサンドウィッチと赤ワインを5分で平らげ、プログラムを買って3分前に着席。この日の席は1階正面8列目とピアノを聴くにはベストポジション。会場はもちろん満員。

定刻の19:00を過ぎると会場の照明が少し落ちて、下手からシフが登場。

すぐにモーツァルトが始まります。コンサートの1曲目ということで、若干硬さも感じられるなか、シフらしく緩急とメリハリをしっかりつけながらフレーズごとの巧みな描き分けが徐々にくっきりと焦点が合ってきて、音楽が淀みなく流れるようになります。ピアノは最近のシフの定番ベーゼンドルファー。厚みというか独特の重みをもった低音に、すこしこもり気味に聴こえる石のような響きの高音が特徴ですが、モーツァルトの曲にはスタインウェイのようなクリアな響きの方が合うような気がしながら聴き進めます。そのうちに左手の表情の豊かさがこの演奏のポイントだという気にさせられ、シフがキレより迫力の表現が引き立つベーゼンドルファーを好む理由がわかったような気がしました。アレグロの起伏の陰影の深さに対し、アダージョの響きの柔らかさの対比は見事。タッチの多様さ表現の変化は流石なところ。そしてアレグレットではタッチの鮮やかさ、躍動感で圧倒されました。弾き進むうちに場内もシフに魔法をかけられたように集中度が上がります。もちろん盛大な拍手が降り注ぎますが、袖に下がることなくすぐに続くベートーヴェンに入ります。

ベートーヴェンは最初の入りは柔らかなハーモニーと力強いアクセントが豊かな情感のなかに交錯するような音楽でした。普段あまり聴かないせいか新鮮に聴こえます。暖かな音色と楔を打つような鋭い音にフレーズごとに巧みに変化する曲想がシフの魔法のようなタッチから紡ぎ出される感じ。ベーゼンドルファーだけに高音の輝きではなく、中低音の輝きが優先するような分厚い響きがベートーヴェンの力感を表すよう。2楽章は分厚い音色に襲われる感じ。タッチの軽さをかなり綿密に制御して、重厚さと軽やかさの対比のレンジが広大。そして3楽章の荘厳な印象も楽章間のコントラストの演出が完璧に決まります。モーツァルトでも豊穣だった響きがさらに豊穣さを増して、観客は皆前のめりでシフのタッチに集中します。またまた拍手が降り注ぎますが、シフはステージを囲う四方の観客に丁寧にお辞儀をしてすぐにピアノに向かいます。

もちろん私の興味はハイドンですが、このコンサートにおけるハイドンの役割はシフの表現力のうち軽やかな機知に満ちた表現に対する適性を垣間見せるという構図のよう。晩年のソナタでも珍しい2楽章構成の曲。最初からタッチのキレの良さが際立ちます。音が跳ね回るように見事な展開。ハイドンのソナタの演奏としては味付けは濃い目ですが、中音部で奏でられるメロディーの面白さはベーゼンドルファーならでは。そしてハイドンだからこそフレーズごとのタッチの変化の面白さが聴きどころ。やはり圧倒的な表現力はシフならではのもの。ハンガリー生まれのDNAに由来するのでしょうか。続く2楽章でもタッチの軽やかが際立ちます。うっとりとしながら人一倍聞き耳を立てて聴き入りますが、短い曲ゆえ、あっと言う間に終わってしまいます。私は2楽章構成と知って聴きますが、他の人は3楽章の始まりを期待しているような終わり方なので、拍手が湧き上がる間も無くすぐに続くシューベルトに入ってしまいます。

この日はやはりシューベルトがメインプログラムでした。普段ほとんどシューベルトは聴きません。その私が聴いてもこれは素晴らしい演奏でした。長大なソナタですが、シフがその魂を抜き取りピアノで再構成したような劇的かつ壮大な音楽。ちょっとくどい感じさえする低音の慟哭がシフの手にかかるとキレよく図太い低音の魅力に昇華され、時折聞かせる長い間が時空の幽玄さすら感じさせます。シューベルトが終わると、まさに嵐のような拍手が降り注ぎ、まさに観客の心をシフが鷲掴みにしてしまったがごとき状況。何度かのカーテンコールにつづいて、アンコールの演奏にシフがピアノの前に座り、演奏を始めました。

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最初はシューベルトの3つの小品から。アンコールとは思えない本格的な構成の曲に再び場内が静まり返ります。コンサートのプログラムも全て暗譜。そしてアンコールに入ってもさらりと演奏をはじめ、はじまると実に豊かな音楽が流れます。すべての曲を完全に自分のものにしきっているところに一流どころのプライドを感じます。シューベルトが終わったところで席を立つ人もいましたが、アンコールは1曲ではありませんでした。プログラム最後のシューベルトの演奏に酔いしれた観客に、さらにシューベルトがだめ押しで加わったかと思うと次はバッハのイタリア協奏曲の1楽章。バッハのアルバムをいろいろリリースしているだけあってシフのバッハを待っていた人も多かったのでしょう。アンコールに寄せられた拍手はどよめきにも近いものに変わります。これで終わりかと思っていると、シフはまたまたピアノに向かい、なんとイタリア協奏曲の2楽章、3楽章を演奏。すでに観客はクラクラ(笑)。完全にシフに魂もってかれてます。もちろん盛大な拍手に迎えられ、シフも引き下がれず、今度はゴリっとした感触が印象的なベートーヴェンの6つのバガテルから。ここまでくると、休憩なしで張り詰めっぱなしの観客とシフの根比べ(笑)。盛大な拍手にアンコールで応えるシフも引き下がらず、その後モーツァルトに最後はシューベルトの楽興の時を披露。聴き慣れた曲が異次元の跳躍感に包まれる至福のひととき。そして盛大な拍手が鳴り止まず、シフが再びピアノの前に座ると、そっと鍵盤の蓋を笑顔で下ろし、長い長いアンコールの終わりを告げ、観客も満足感に包まれました。

プログラムの演奏だけで90分ほど。そしてアンコールを入れると2時間半弱。休憩まったくなしで完璧な演奏を続けたシフ。私はプログラム最後のシューベルトの余韻に浸っていたかった気もしましたが、最後まで聴いてみると、シフの観客をもてなそうとする気持ちもわかり、これがシフの流儀だと妙に納得した次第。ピアノという楽器の表現力の偉大さをまざまざと見せつけられたコンサートでした。

先に紹介したようにシフのハイドンの録音は古いものばかり。この円熟の境地で再びハイドンのソナタに挑んでほしいと思うのは私ばかりではないはず。こころに響くいいコンサートでした。

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Daisy


Author:Daisy

ハイドン(Franz Joseph Haydn)の膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。私はなぜハイドンにはまったのか?

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ハイドン所有盤リスト
Joseph Haydn Discography
所有盤をジャンル別にリスト化しています。基本的に録音年順とし、録音年不明のものはリスト冒頭に記載。演奏者名はジャケットなどの表記に合わせています。

登録曲数:1,365
登録演奏数:11,529
(2019年3月31日)
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時計悲しみ古楽器弦楽四重奏曲Op.50アンダンテと変奏曲XVIII:6弦楽四重奏曲Op.54弦楽四重奏曲Op.20弦楽四重奏曲Op.64天地創造ヴォルフレスピーギリヒャルト・シュトラウスリゲティヨハン・シュトラウスタリス軍隊交響曲10番モーツァルトピアノソナタXVI:49迂闊者交響曲54番ネルソンミサバリトン三重奏曲ピアノソナタXVI:52ベートーヴェン交響曲2番ピアノソナタXVI:37ピアノソナタXVI:46皇帝日の出弦楽四重奏曲Op.71ブルックナー交響曲88番ベルリオーズバッハナッセンウェーベルンベンジャミングリゼーシェルシメシアンヴァレーズ弦楽四重奏曲Op.20交響曲65番交響曲67番交響曲9番弦楽四重奏曲Op.76交響曲39番交響曲61番交響曲73番狩りリームピアノソナタXVI:48ピアノソナタXVI:6ピアノソナタXVI:20アンダンテと変奏曲XVII:6四季交響曲全集リムスキー・コルサコフラヴェルピアノソナタXVI:45ピアノソナタXVI:21ピアノソナタXVI:44ピアノ三重奏曲第九太鼓連打ヒストリカルオックスフォード交響曲99番ボッケリーニシューベルトロンドン交響曲5番チャイコフスキーストラヴィンスキーチェロ協奏曲ライヴピアノ協奏曲XVIII:11弦楽四重奏曲Op.2序曲ヴィヴァルディオペラ序曲パイジェッロアリア集ピアノとヴァイオリンのための協奏曲XVIII:6すみだトリフォニーホールピアノソナタXVI:34サントリーホールブーレーズ弦楽四重奏曲Op.74哲学者の魂、またはオルフェオとエウリディーチェ騎士オルランド無人島アルミーダチマローザ変わらぬまこと英語カンツォネッタ集ピアノ協奏曲XVIII:4ピアノ協奏曲XVIII:3ピアノ協奏曲XVIII:1交響曲3番交響曲79番ラメンタチオーネアレルヤ驚愕チェロ協奏曲1番交響曲58番交響曲27番交響曲19番紀尾井ホールショスタコーヴィチドビュッシーミューザ川崎協奏交響曲LPオーボエ協奏曲ヴァイオリンとヴィオラのためのソナタピアノソナタXVI:40ピアノソナタXVI:50ピアノソナタXVI:32ピアノソナタXVI:38ピアノソナタXVI:29スタバト・マーテルピアノソナタXVI:39マーラー十字架上のキリストの最後の七つの言葉交響曲97番告別交響曲90番奇跡交響曲18番ひばりフルート三重奏曲交響曲102番交響曲86番ヴァイオリン協奏曲哲学者ニコライミサ小オルガンミサミサブレヴィス交響曲95番交響曲93番交響曲78番ピアノソナタXVI:23王妃SACDライヴ録音武満徹交響曲81番交響曲80番交響曲21番マリア・テレジアクラヴィコード豚の去勢にゃ8人がかりBlu-ray東京オペラシティ交響曲12番交響曲11番交響曲4番交響曲15番交響曲1番交響曲37番ピアノソナタXVI:14ピアノソナタXVI:25ピアノソナタXVI:8ピアノソナタXVI:42ピアノソナタXVI:2ピアノソナタXVI:12ピアノソナタXVI:1ピアノソナタXVI:4ピアノソナタXVI:5ピアノソナタXVI:3ディヴェルティメント東京芸術劇場交響曲98番ピアノソナタXVI:36ピアノソナタXVI:7ピアノソナタXVI:35ライヒャドニぜッティロッシーニ弦楽三重奏曲シェーンベルク東京文化会館フルート協奏曲ホルン協奏曲弦楽四重奏曲Op.17弦楽四重奏曲Op.9剃刀弦楽四重奏曲Op.77弦楽四重奏曲Op.103ファンタジアXVII:4ピアノソナタXVI:31ピアノソナタXVI:26パレストリーナモンテヴェルディアレグリバード美人奏者交響曲70番アコーディオンピアノ協奏曲XVIII:7スコットランド歌曲ヴェルナーガスマンピアノソナタXVI:24交響曲46番交響曲51番交響曲35番DVD交響曲47番テレジアミサピアノソナタXVI:28アリエッタと12の変奏XVII:3帝国ラ・ロクスラーヌハイドンのセレナードピアノソナタXVI:51ラルゴ五度ラウドン将軍弦楽四重奏曲Op.1弦楽四重奏曲Op.33騎士交響曲17番ピアノソナタXVI:27シベリウス時の移ろい交響曲42番ベルリンフィルホルン信号弦楽四重奏曲Op.55交響曲87番トランペット協奏曲リュートピアノソナタXVI:10ピアノ五重奏曲チェチーリアミサラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン東京国際フォーラム雌鶏冗談ナクソスのアリアンナピアノ協奏曲XVIII:5ピアノ協奏曲XVIII:9ヴァイオリンソナタ交響曲52番ピアノ協奏曲XVIII:2ロンドン・トリオカノンモテットドイツ国歌オフェトリウムよみうり大手町ホールパッヘルベルアダージョXVII:9受難交響曲84番パリセットベルク主題と6つの変奏オペラアリアピアノソナタXVI:41スクエアピアノ交響曲68番交響曲57番リラ・オルガニザータ協奏曲交響曲89番交響曲50番CD-R偽作トビアの帰還ホルン三重奏曲薬剤師オルガン協奏曲火事交響曲38番リベラ・メピアノ協奏曲XVIII:10交響曲77番交響曲34番温泉フルートソナタドイツ舞曲誕生日校長先生ピアノソナタXVI:11音楽時計曲ピアノソナタXVI:47bisピアノ小品カートリッジ雅楽プロコフィエフヘンデルサン=サーンス交響曲36番リストオーディオバリトン二重奏曲交響曲75番交響曲66番交響曲91番長岡鉄男歌舞伎おすすめ盤ピアノソナタXVI:47読売日響オペラ歌舞伎座スケルツァンド弦楽四重奏曲op.33ザルツブルク音楽祭ピアノソナタXVI:22変奏曲XVII:7天地創造ミサジャズ弦楽四重奏曲Op.42交響曲76番ピアノソナタXVI:43古楽器風東急文化村ノットゥルノヴェーベルン府中の森芸術劇場裏切られた誠実バリトン五重奏曲ハイドン入門者向け歌曲ピアノソナタXVI:G1ウィーンフィル月の世界交響曲72番建築ファリャマリアテレジア交響曲56番2つのホルンのための協奏曲展覧会ピアノソナタXVI:19弦楽四重奏曲全集シャンゼリゼ劇場皇帝讃歌交響曲24番大オルガンミサ新橋演舞場サルヴェ・レジーナテ・デウムカッサシオン室内楽曲ベトナム料理国立新美術館高音質CD交響曲28番交響曲13番交響曲108番交響曲62番交響曲107番ジプシー・ロンドチェンバロ四重奏曲スカルラッティ声楽曲カンタータ戦時のミサ珍盤ザロモンセットN響ハルモニーミサミサ曲全集NHKホールハインリッヒミサピアノソナタ全集ジュピターレコードマーキュリー管弦楽曲室内楽変奏曲XVII:5交響曲41番ギターピアノソナタXVI:33府中ピアノソナタXVI:30カラヤンスウェーリンク書籍交響曲71番アプラウスピアノソナタXVI:13魂の歌仙台ヤナーチェク現代音楽ピアノソナタ

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