作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

ロイ・グッドマン/ハノーヴァー・バンドの86番

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今日はハイドンの交響曲をこのところ集中的に取りあげているmichaelさんのブログ呼応企画。

Goodman85.jpg
HMV ONLINEicon / amazon / TOWER RECORDS

ロイ・グッドマン(Roy Goodman)指揮のハノーヴァー・バンド(The Hanover Band)の演奏でハイドンの交響曲85番「王妃」、86番、87番の3曲を収めたアルバム。収録は1993年11月29日、30日、12月1日で録音場所の記載はありません。hyperionレーベルのプロダクツ。

ロイ・グッドマンはハイドンの交響曲をhyperionからかなりの枚数出していますが、全集には至っていません。先日来、ハイドンの交響曲のうち102番や、86番など通好みの曲を集中的に取りあげているmichaelさんのブログの最新記事がこのグッドマンの86番。私自身グッドマンは、かなりあっさりとした表情が耳に残ってあまり聴き込んでいないのが正直なところ。michaelさんのブログを見て、ちょっと聴きたくなってきました。記事はこちら。

Micha Lute ブログⅡ:R.グッドマンの86番

また、グッドマンの演奏は当ブログでは、ホルン協奏曲とホルン信号を以前に取りあげています。

2011/11/29 : ハイドン–協奏曲 : アンソニー・ホールステッド/グッドマン/ハノーヴァーバンドのホルン協奏曲

今日はこのアルバムから86番を取りあげましょう。

Hob.I:86 / Symphony No.86 [D] (1786)
古楽器の演奏ながらエネルギー感を感じさせる音響。透明感もあり、クイケンとラ・プティット・バンドのしなやかさとブルーノ・ヴァイルとターフェル・ムジークの力感の間をいく感じ。表情付けがあっさりしているせいか、直裁な感じもあり、和風にも聴こえます。リズムと力感がポイントのこの曲の1楽章としてはなかなかの演奏。徐々に満ちてくる力感の面白さがうまく表現できています。惜しいのは単調さを若干感じさせなくはないところ。このへんがハイドン演奏の難しいところでしょう。前記事のスラットキンなどではかなりの表情付けとキレのいいアクセントが効果的に働いて音楽を豊かにしていたところ。リズムと力感をプレーンに表してはいるのですが、あと一歩の踏み込みも欲しい印象を残してしまいます。録音は非常に良く、ティンパニのドロドロした迫力ある響きも特徴的。これも優等生的ないい演奏でしょう。1楽章の終わりはテンポを落とすタイプ。
2楽章はラルゴ。演奏の特質は変わらず、あっさりとした表情の良さを保ったもの。意外にメリハリは1楽章の演奏から想像されるよりしっかりつけてきます。なんとなく鉋をきっちりかけた白木の柱の表情のように清潔感のある印象。もう少し木目の表情を濃く感じさせる仕上げも欲しくなってしまいますが、削り込んだ白木にはその良さがあるという感じ。上質丁寧な仕事に違いはありません。
メヌエットは意外にもダイナミックな感じ。リズムが少し踊り、これまでのスタティックな印象が少し和らぎます。
そしてこの曲のクライマックスのフィナーレ。演奏によっては暴力的なまでの迫力を感じさせるものがありますが、グッドマンのコントロールは上品さを残した、整然とした演奏の範囲でのダイナミクス。グッドマンの音楽の中には非常に誠実な秩序のようなものが一貫して流れている事がわかります。良くも悪くも、その秩序を超えないところに特徴がある感じです。最後はやはりテンポを落として迫力あるフィニッシュ。

久しぶりに聴いたロイ・グッドマンのハイドンですが、michaelさんのコメントの「グッドマンはハイドンのウマさを漏らさず聴かせてくれる、名シェフ、ヤボったい響きはひとつも聴かれません。」というところはまさにそのとおり。音楽の本質的な部分で綺麗に聴かせようとするところがあり、古楽器ということも相俟って透明感のある表情につながっています。やはり音楽の造りはクイケンの方が大きさを感じさせるところがあります。評価は[++++]としたいと思います。

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2 Comments

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michael

No title

こんばんは、呼応企画ありがとうございます!
86番はS.ラトル盤の102番とカップリングされた演奏がきっかけです。第一楽章展開部の終結部分がとても楽しく印象的で、ちょっとした部分でも曲に惚れこんでしまいます。ハイドンの同曲をいくつも聴きたいとなると大変ですね;Daisyさんの記事でまた、深く味わってみたくなりました。クイケンのパリ・セットは前半しか持っていないので、後半もぜひ聴きたいです。

Daisy

Re: No title

michaelさん、おはようございます。

私は86番といえばシューリヒトから入りました。録音は時代なりですが、枯淡の境地が味わえる86番最高峰の演奏だと今でも思ってます。グッドマンの86番は実はあまり印象がなかったんですが、michaelさんの記事を読んで、聴き直してみたくなった次第。なんとなくグッドマンの音楽がつかめたような気がします。

  • 2012/06/08 (Fri) 06:04
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