飯森範親/日本センチュリー響の交響曲集第9巻(ハイドン)

絶好調の飯森範親のハイドン交響曲集。第9巻がリリースされました。

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飯森範親(Norichika Iimori)指揮の日本センチュリー交響楽団の演奏で、ハイドンの交響曲92番「オックスフォード」、交響曲76番、交響曲90番の3曲を収めたSACD。収録は2017年5月26日、大阪のいずみほホールでのライヴ。レーベルはEXTON。

これまで取り上げた巻は以下のとおり。巻を追う毎に演奏も磨きがかかってきています。

2019/06/21 : ハイドン–交響曲 : 【新着】飯森範親/日本センチュリー響の交響曲集第8巻(ハイドン)
2019/02/26 : ハイドン–交響曲 : 【新着】飯森範親/日本センチュリー響の交響曲集第6巻(ハイドン)
2018/06/29 : ハイドン–交響曲 : 【新着】飯森範親/日本センチュリー響の交響曲集第4巻(ハイドン)
2018/03/26 : ハイドン–交響曲 : 【新着】飯森範親/日本センチュリー響の交響曲集第3巻(ハイドン)
2017/07/19 : ハイドン–交響曲 : 【新着】飯森範親/日本センチュリー響の交響曲集第2巻(ハイドン)
2016/11/19 : ハイドン–交響曲 : 【新着】飯森範親/日本センチュリー響の交響曲集第1巻(ハイドン)

今回の収録曲は、名曲オックスフォードに、ギュンター・ヴァントが集中的に取り上げていた76番、そしてラトルのお気に入りのパフォーマンスを仕掛ける90番と面白い選曲。解説によれば、今回のリリースで31曲がリリースされたということで、ようやく3分の1に差し掛かったというところ。まだまだ先は長いですね。

さて、結論から言うと、今回のアルバムも素晴らしいですね。演奏の精度、ダイナミックさ、録音の良さも磨きがかかってきているんですが、さらに遊び心のようなものが加わり、まさにこれぞハイドンという見事な演奏。飯森さんの指揮、オケの演奏にも余裕が感じられ、楽しんで演奏していることがよくわかります。やはりハイドンにはこうした要素は不可欠ですね。

Hob.I:92 Symphony No.92 "Oxford" 「オックスフォード」 [G] (1789)
予想どおりキレの良いシンフォニックな演奏。厳かな序奏から主題に入るとキビキビとして引き締まったオケが痛快に吹き上がります。速めのテンポと鮮やかなボウイングが生み出す高揚感と要所でスッと力を抜いて変化をつけるコントラストが秀逸。1楽章は万全。
美しいメロディーのアダージョはオーボエの響きがクッキリ浮かび上がって実に美しい。しなやかな入りと力感漲る中間部の描き分けも見事。木管陣、こんなに上手かったかしらと思うほど情感あふれる演奏に驚きます。
オケの吹き上がりがいいのでメヌエットも聴きごたえ十分。中間部に入るといたずら心が芽生えたのかチョコチョコテンポの遊びにデフォルメを織り交ぜ、微笑ましい。
フィナーレは快活爽快。見事に弾みながら小爆発を繰り返していく音楽。これぞハイドンの快感!

Hob.I:76 Symphony No.76 [E flat] (1782?)
ヴァントの演奏が刷り込みで、この曲独特の愉悦感に満ちた入りが焼き付いていますが、飯森さんの演奏はこの曲でも爽やか。オケの小気味よいリズムのキレでこの曲独特のメロディーの豊かな表情がさらにクッキリと浮かび上がります。そしてメロディーが表情を変えながらどんどん展開していく面白さは格別。
唸ったのが2楽章。ちょっとテンションを落として適度な憂いと翳りをたたえた美しいメロディーが流れます。この抑えた表現から生まれるデリケートな情感は見事。絶品。
メヌエットは優雅。トリオの牧歌的なメロディーにつながり、再びオーソドックスに優雅に締めます。
そしてフィナーレもその優雅さを引き継いでの入り。優雅さを保ちながら徐々にテンションを上げていく面白さはこの曲ど独特。そして終結部の繰り返しでちょっとウィットを効かせる部分の演出も爽やかなもの。演出で聴かせる曲も見事にまとめました。

Hob.I:90 Symphony No.90 [C] (1788)
序奏のちょっとこけおどし的な演出がうまく決まります。主題以降は堂々としたメリハリの効いたオーケストラの見事な演奏。この曲のちょっと大袈裟なところをうまく汲み取って派手目の表現が痛快。ティンパニがグイグイ煽り、オーボエも装飾音をちりばめてこの曲の面白さをデフォルメしてきます。
1楽章の外連味たっぷりな演奏に対して2楽章は落ち着いて入りますが、強奏部分でザックリ豪放な印象を乗せて変化をつけます。
そしてメヌエットでもこの豪放な印象を受け継ぐなど曲に共通する印象で筋を通しているよう。
フィナーレは終わったはずがまだ続くというパフォーマンスをラトルが好んで演奏する曲。私はラトルの演出自体はあんまり好みではありません。飯森さんはここは、音を聴く限り変な演出なしで畳み掛ける迫力とオケのキレで聴かせる正統派の演奏。ハイドンのウィットを純粋に汲み取る酔眼。素晴らしいですね。

最初に触れたとおり、この第9巻、それぞれの曲の面白さを汲み取って余裕すら感じされる秀演揃い。オックスフォードは痛快なまでにキレキレ、76番は独特な曲想の面白さを描き切り、90番は曲に仕込まれた外連味を洗練極まりないレベルに高めました。このシリーズ最高の出来と断じます。評価は全曲[+++++]とします。現代楽器におけるそれぞれの曲のベスト盤として良いでしょう。

ハイドンを愛する皆さん、「買わないという選択肢はないやろ〜」(某師匠風 笑)



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tag : オックスフォード 交響曲76番 交響曲90番 ライヴ録音

トリオ・シュタットルマンのバリトン三重奏(雑司谷拝鈍亭)

1月19日は、前月に続き雑司ヶ谷の拝鈍亭に行ってきました。

2019/12/23 : コンサートレポート : ハイドン鍵盤音楽の世界14(雑司谷拝鈍亭)

前月はポジティブオルガンによる世にも珍しい音楽時計曲がメインのコンサートでした。今月はハイドンを愛好する方には珍しくもなんともないんですが、世の中的には非常に珍しいバリトントリオのコンサート。しかも、このコンサートは128曲あるハイドンのバリトントリオの全曲演奏を目指す「ニコラウスの館」というコンサートシリーズで、その9回目に当たるもの。私はこのシリーズも初見参です。

バリトントリオをコンサートで聴くのは今回で3回目。最初は2006年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの東京国際フォーラム地下の相田みつお美術館で開催されたコンサート。この時はバリトンがフィリップ・ピエルロ(Philippe Pierlot)、ヴィオラがフランソワ・フェルナンデス(François Fernandez)、チェロはライナー・ツィパーリング(Rainer Zipperling)と古楽器の重鎮揃い。2度目は昨年、鎌倉の佐助サロンでの、Brilliantからハイドンのバリトントリオ全集をリリースしたエステルハージー・アンサンブルの2019年の来日公演
特に昨年のエステルハージー・アンサンブルの公演で初めてバリトンという楽器の構造をバリトンのミヒャエル・ブリュッシングさんの詳細な解説で知り、独特な楽器の構造から生まれる不可思議な響きや楽器の特徴、そしてバリトンという楽器の面白さをリアルに体験しました。
そしてつい先日、当ブログによくコメントをいただくsifareさんからマッダレーナ・デル・ゴッボのバリトントリオの超絶美演のアルバムの情報をいただき久しぶりにバリトントリオのアルバムをレビューしたばかり。このアルバムでハイドンの時代のトマジーニ、リドル、ハマーのバリトンやガンバの曲を聴いてハイドンを取り巻く人々のことも知ることができました。ということで、前回の音楽時計曲の回に続き、今回も予備知識万全の状態でコンサートに臨むことができました。

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このシリーズの演奏はトリオ・シュタットルマン(Trio Stadlmann)で、メンバーは以下のとおり。

バリトン:坂本龍右(Ryusuke Sakamoto)
ヴィオラ:朝吹園子(Sonoko Asabuki)
ウィーン式コントラバス:菅間周子(Shuko Sugama)

この3人、私は初めて聴きますが、ヴィオラの朝吹園子さん(そのーれさん)はTwitterでいつもご活躍を拝見しております! このトリオ・シュタットルマン、バーゼル音楽院で古楽器を学んでいた3人が2010年に結成した団体。シュタットルマンとは、3人がそれぞれバーゼル音楽院から貸与されていた楽器が、エステルハージー家と深い関わりがあったシュタットルマン一族が製作していた楽器だったことによるとのこと。レパートリーはハイドンのバリトントリオや、ハイドンと同時代の作曲家の音楽など。

この日のプログラムはハイドンのバリトントリオ5曲(Hob.XI:9、XI:41、XI:86、XI:52、XI:116)。

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世の中的には非常にマイナーなプログラムですが、この日は拝鈍亭が8割ほど埋まる流石の集客。やはり9回続いているだけのことはあります。開演前になると坂本さんがステージに現れ、バリトンのチューニングを始めます。弦が多いのでチューニングにも時間がかかります。初めて見るのがチューニングの時に普通は手でまわすペグを木製のベグバサミのようなものを使って回していたこと。おそらくペグが硬いので指だけで回すよりも回しやすいということでしょう。そして驚いたのは多くの録音ではチェロで演奏されることが多い低音部がウィーン式5弦のコントラバスだったこと。チューニングでもチェロとは迫力が違う図太い音がします。

17時ちょうどに2度目の柝が入って開演です。最初はHob.XI:9から。

Hob.XI:9 Divertimento a tre per il pariton, viola e violincello : Baryton Trio [A] (before 1770)
こちらは手元にエステルハージー・アンサンブルの録音しかない初期のマイナー曲。エステルハージー・アンサンブルの演奏では初期の曲はハイドンザールの豊かな残響の中で演奏されただけあって、音域の近い三つの楽器のハーモニーを楽しむゆったり軽やかな癒しの音楽という印象でしたが、眼前で聴くこのトリオ・シュタットルマンの演奏、だいぶ印象が異なりました。バリトンの響きは想像どおりでしたが、やはり低音部チェロではなくコントラバスということで、コントラバスの音が目立ち、三つの楽器の微妙なハーモニーよりも各パートが独立して聴こえる感じ。この楽器の違いが曲の印象を大きく左右するようです。また、バリトンの音程の安定感の問題からか1楽章が終わった後にもすぐにチューニングが入ります。楽章間のつなぎの微妙な間や変化の面白さも私にとってハイドンの曲の面白さなんですが、それがが味わえなかったのがちょっと残念でした。その後のフィナーレにはアタッカで入り、こちらは畳み掛けるように攻めた演奏。まずは1曲目で楽器による響きの違いが印象に残りました。

1曲目が終わったところで、坂本さんのお話が入りました。まずはバリトンの説明ですが、会場でバリトンを初めて聴くという人の人数はかなり少なく、このシリーズ、聴衆もエンスー、もとい、常連さんも多いようですね(笑)。そしてこのシリーズ、お話には毎回テーマがあるようで、今回のテーマは「変奏曲」。ハイドンの曲におけるの変奏曲の重要性などについての説明がありました。バリトントリオでも変奏曲が採用されていますが、1楽章にのみ登場するとのこと。これは多くの曲を演奏していないとわからないことですね。この日の選曲が変奏曲を含む曲を中心に選んだことや、繰り返しを指定通りノーカットで演奏するとのことでした。

Hob.XI:41 Divertimento a tre per il pariton, viola e violincello : Baryton Trio [D] (1776–77)
2曲目も手元にエステルハージー・アンサンブルの録音しかないマイナー曲。1楽章が変奏曲となっいるほか、ニ長調なのでバリトンがよく響く調性で、開放弦を指で弾くところが多数ある曲とのこと。説明を聞いてから実際の曲を聴くと曲の構造がよく理解できますね。1楽章は変奏の面白さを堪能。それを踏まえたようにメヌエットもハイドンらしいアイデアに富んだ展開。コントラバスの響きにもちょっと慣れてきましたが、コントラバスが担当するリズムが腹にずしりと効いてきます。

2曲目が終わると再び坂本さんの話。変奏曲の起源はハイドンの時代から200年ほど遡るイタリアにあるとのことでした。そして、メンバーの朝吹さんの来月リリース予定のアルバムの紹介があり、このアルバム、休憩時間に販売されていました。

Hob.XI:86 Divertimento a tre per il pariton, viola e violincello : Baryton Trio [A] (before 1772?, 1769–71)
前半最後の曲。この曲もエステルハージー・アンサンブルの録音しかないマイナー曲。番号続きのXI:87は録音の多い有名曲ですが、その直前の充実した構成の曲とのこと。そう言われて聴くと、それまでの練習曲的な印象は消え、ハイドンらしいメロディーのアイデアは冴え、陰りを漂わすデリケートなニュアンスが濃く感じられます。そして坂本さんのバリトンですが、開放弦をびりつき気味なほど強く弾くところもあるんですね。これまで聞いたいろいろな演奏では穏やかに鳴らすことが多かったのでちょっとびっくりしました。こちらも新鮮。

休憩を挟んで後半に入ります。

Hob.XI:52 Divertimento a tre per il pariton, viola e violincello : Baryton Trio [D] (1767–68)
この曲はハイドンが自信作として大変気に入っていた曲とのことで、短い短調の序奏がおかれています。3楽章は交響曲58番の3楽章に転用され、交響曲から他に転用される例は多いものの、バリトントリオから交響曲に転用されるというのはめずらしとのこと。序奏の陰りから長調に転じるところのデリケートなニュアンスが美しい曲。三つのパートの絡み合う面白さは前2曲と比べて一段レベルが上がります。ヴィオラの奏でるメロディーがクッキリと浮かび上がり、そして1楽章終わりのバリトンの開放弦のソロが不思議な雰囲気を醸し出す聴きどころの多い曲。2楽章は軽快な展開し、そして3楽章は確かに聞き覚えのあるメロディー。一度聴くと忘れないメロディーですね。コントラバスの図太い音にもだいぶ慣れアンサンブルの面白さを純粋に楽しめるようになってきました。

Hob.XI:116 Divertimento a tre per il pariton, viola e violincello : Baryton Trio [G] (before 1778, 1772–78)
最後は、バリトントリオの中でも終盤の曲。なんとこの曲もエステルハージー・アンサンブルの録音しかないマイナー曲。この頃になると、各パートが対等にアンサンブルを構成するよう成熟してきます。バリトンパートの難易度も上がりニコラウス侯が実際の演奏に加わっていたのかはわからないとのことでした。番号の近い有名曲のXI:113などは優雅な曲想ですが、こちらはアンサンブルの緊密さを感じる曲。1楽章は変奏がどんどん展開する面白さを味わえ、続くメヌエットもハイドンらしい構成、そしてフィナーレも同様、バリトンという楽器固有の特徴をあえて強調しなくても坂本さんの説明のとおり構成の面白さで聴かせる曲でした。

もちろんバリトン好きな方が集まった会場からは拍手喝采。アンコールは交響曲81番のアンダンテをバリトントリオに編曲したオリジナルの曲でした。

トリオ・シュタットルマンのバリトントリオですが、冒頭に触れた通り、テンポも速めで、これまでバリトントリオから感じていた癒しの音楽的というニュアンスではなく攻めた音楽に聴こえました。あまり触れませんでしたがヴィオラの朝吹さんは淡々とメロディーを置いていく感じで素晴らしい安定感。コントラバスの菅間さんは小さな体で大きなコントラバスを操りアンサンブルに図太いキレを効かせていました(笑) 何より録音でもエステルハージー・アンサンブルの全集でしか聴くことができないマイナーな曲を実演で聴くことができる貴重な機会でした。

今回も奏者の方の説明があったことによって、新たにわかったことや、バリトントリオの認識を改めたことが多数あり、とても楽しむことができました。次回は同じメンバーによるコンサートが11月22日に予定されているとのことで、ご興味ある方は是非、聴きに行ってみてください。

今回も、本浄寺の住職さんがコンサート前はお客さん一人一人を出迎え、コンサート終了後も見送ってくれました。些細なことですが、こうしたことがこのコンサートが長く続いている理由なのかもしれませんね。



(追記)
ちなみに私は休憩時間に朝吹さんのアルバムを入手。

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これが素晴らしいアルバムでした。フィレンツェ生まれで17世期後半のハプスブルク家の宮廷楽長ジョヴァンニ・ブオナベントゥーラ・ヴィヴィアーニ(Giovanni Buonaventura Viviani)の教会と室内のためのカプリッチョ・アルモニコ(作品4)。ハイドン以外に明るいわけでもなく、ヴィヴィアーニ自体私にとって未知の作曲家ですが、朝吹さんの説明で世界初録音のめったに演奏機会のない曲と聞いて、ビビッときて食指が動いた次第。このアルバム、ライナーノーツに朝吹さん自身によるヴィヴィアーニとこの曲に関する詳細な記述があり、ヴィヴィアーニという作曲家についてよくまとめられていて、一層興味が湧いてきました。演奏はこの日の落ち着いたヴィオラ捌きとは打って変わって、情感迸るキレキレのバロックヴァイオリンに惹きつけられます。CDをかけると部屋がヴィヴィアーニの音楽で満たされます。いやいや、新しいドアが開いた感じです。これはおすすめです!



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tag : バリトン三重奏曲 ヴィヴィアーニ

朝比奈隆/大阪フィルのオラトリオ「四季」1982年ライヴ(ハイドン)

日本のオケの素晴らしさを堪能できるアルバムが続きます。

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朝比奈隆指揮の大阪フィルハーモニー交響楽団、大阪フィルハーモニー合唱団の演奏で、ハイドンのオラトリオ「四季」を収めたLP。収録はハイドンの生誕250年のアニヴァーサリーの1982年12月4日、大阪のザ・シンフォニーホールでのライヴ。レーベルはVictor。

ブルックナーの演奏で神格化されている朝比奈隆ですが、ブルックナー自体は嫌いではないものの朝比奈隆のブルックナーはあまり聴いていません。その朝比奈隆、意外にもハイドンはコンサートでよく取り上げていたらしく、私は朝比奈隆のハイドンファン。その印象を決定的にしたのが次の記事で聴いたアルバム。

2010/04/03 : ハイドン–交響曲 : 朝比奈隆のオックスフォード、99番(ハイドン)

初めは律儀な演奏と思いつつ聴いていると、オックスフォードの4楽章の入りが今までに聴いたとがないように弾みます。有名なメロディーですが、ここまで本質を捉えた演奏は今までに聴いたことがないほど。楽譜から曲の本質的な面白さを見抜く酔眼。このオックスフォードを聴いてから、朝比奈隆のハイドンは見かけるたびに手に入れています。今回手に入れたのは「四季」のLP。しかも極上のコンディションのもの。

ジャケットの写真は観客を入れない状態で正装のオケと合唱団が大阪ザ・シンフォニーホールのステージに並ぶモノクロ写真。そして裏面には観客が入った状態での同様のカラー写真があしらわれており、なんとなく祝祭感があると思って調べてみると、この年1982年はハイドン生誕250年であると同時にザ・シンフォニーホールのオープンした年なんですね。柿落とし公演は10月14日、同じく朝比奈隆指揮の大阪フィルの演奏で「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲等だったとのこと。このアルバムの演奏はオープニングシーズン飾る大規模なオーケストラと合唱の演奏ということで、このようなジャケットになったものと思われます。

歌手は以下のとおり。

ハンネ:樋本栄(Sakae Himoto)
ルーカス:林誠(Makoto Hayashi)
シモン:湯浅富士郎(Fujiro Yuasa)

合唱指揮は木村四郎。驚くのはライナーノーツに合唱団の団員全員の名前が掲載されていること。数えてみたら総勢228名。オケの奏者の名前はありません。このコンサート、大阪フィルハーモニー合唱団にとっても記念碑的なものだったと思われます。

Hob.XXI:3 "Die Jahreszeiten" 「四季」 (1799–1801)
録音はホールの残響をうまく取り入れながらも雑音も気にならず、適度に鮮明な聴きやすいもの。LPならではのリアルな迫力が素晴らしいですね。冒頭からオーケストラは厳かさに満ちた演奏。テンポは遅めではありますが落ち着き払って悠然とした風格がありながらキビキビとして緊張感に満ちた入り。第1曲のレチタティーヴォで3人の歌手の声を確認。シモンの湯浅さんは少しこもり気味の声ながら安定感があり悪くありません。ルーカスの林さんは非常に伸びやかでよく通るテノール、そしてハンネの樋本さん、艶やかな美声ですね。第2曲の村人たちの合唱は流石に人数が多いだけに大河のような雄大さ。オーソドックスな入りですが、朝比奈隆のコントロールは揺るぎなく、入りからオケ、歌手、コーラス皆見事。第3曲のレチタティーヴォに入るところで、いきなり第4曲に飛びますが、このアルバム、レチタティーヴォの多くが省略されています。録音だけでなく実演で省略されたのかどうかはわかりません。コミカルに転じる第4曲のシモンのアリアの入りは見事に音楽が弾みシモンの歌も表情豊か。レチタティーヴォが省略されたことで、物語としては中途半端なになりますが、音楽的は緊密さが増しより祝祭感が高まります。春のクライマックスである第8曲を速めのテンポでグイグイと煽り、ここに至る構築感の演出の狙いがわかった気がします。やはり大局をしっかり押さえたコントロールは只者ではありませんね。

レコードの面を変えて夏。一転して陰りを丹念に描く描写の巧みさが印象的。ホルンのソロも抜群の安定感。前半のクライマックスである三重唱と合唱による「陽はのぼり」では、やはりテンポを一段上げて畳み掛けるように盛り上がります。これがただ雄大さを表現するだけでなく引き締まった印象を与えます。またハンネのアリアのコミカルなところのクッキリした表情づけは朝比奈隆ならでは。後半の「嵐は近づき」の激しさから「黒い雲は切れ」で穏やかさを取り戻すところの描写も劇的。ディティールをクッキリと仕上げながらも全体を見通したコントロールがしっかりと効いているところは流石です。

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秋に入ると美しい重唱が一際映えます。第20曲の「自然は勤労に報いてくれた」ではダイナミクスを圧縮してメロディーを際立たせる見事な演出にうっとり。これがその後のコーラスの圧倒的な迫力をも浮かび上がらせます。曲想が目眩く変わっていく秋の一曲一曲のドラマをクッキリと描き分けていく緻密さはまさに朝比奈マジック! ホルンが大活躍する第26曲「聴け、この大きなざわめきを」ではホルンをバリバリ鳴らすのではなく、クッキリとしたメロディーの美しさを浮かび上がらせるようバランスを慎重に保ち、この曲のメロディーラインの美しさに改めて気づかされます。

最後の冬。序奏は省略されていますが、入りの沈んだ表情の深さ、音楽の深さは見事。前半の第35曲ルーカスのレチタティーヴォまではオケのいきいきとした伴奏に乗った3人の歌手の見事な歌唱の連続。3人とも抜群に上手い。そして「くるくる回れ」のジプシー風のメロディーが分厚いコーラスで押し寄せ雰囲気が一変します。曲の描き分けはさらに鮮明になっていきます。この演奏白眉が第38曲のシモンのアリア。コントロールが行き渡ったオーケストラから生み出される表情のなんと豊かなこと。あまりの素晴らしさに惚れ惚れします。そして最後の第38曲「大いなる朝がやってきた」の軽やかながらなんと神々しい響き。歌手とコーラスが重なっていき最後のクライマックスを迎えます。見栄を切るような最後がなんとも素晴らしい終結。最後は拍手も収録されています。

ハイドン生誕250年と大阪ザ・シンフォニーホールのオープンを記念して行われたコンサート。大編成のオケとコーラスの迫力で聴かせるのではなく、ハイドンの音楽のいきいきとした素晴らしさで聴かせる匠の技。やはり朝比奈隆の音楽を表現するコントロール力は別格です。オックスフォードで聴かれたあのヒラメキがこの四季の随所に散りばめれています。一曲一曲の描き分けの見事さ、オケと歌手、コーラスを一体としてコントロールする統率力、全体を見通した確かな構築力、どれをとっても素晴らしいもの。歌手、コーラス、そしてオケの大阪フィルもそれに見事に応える素晴らしい演奏でした。このアルバム、全曲ではなく一部省略されているのが惜しいところですが、長大な四季を聴きやすくまとめたという意味では価値のあるものでしょう。おそらくCD化はされていないと思いますが、これは多くの人に聴かれるべき記念碑的な演奏でしょう。朝比奈隆、ブルックナーだけでなくハイドンにおいても素晴らしい演奏を残されましたね。評価は[+++++]といたします。



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tag : 四季 ライヴ録音

チャールズ・グローヴズ/日本フィルの1991年ロンドンライヴ(ハイドン)

素晴らしいアルバムをまた発掘!

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サー・チャールズ・グローブズ(Sir Charles Groves)指揮の日本フィルハーモニー交響楽団の演奏で、ベートーヴェンの「エグモント」序曲、ハイドンの交響曲104番「ロンドン」、ブリテンのシンフォニア・ダ・レクイエムの3曲を収めたアルバム。ハイドンの収録は1991年1月17日、サントリーホールでの第427回定期演奏会のライヴ。日本フィルの自主制作盤。

このアルバム、最近オークションで手に入れたもの。チャールズ・グローヴズが日本で振っていたとは全く知らず、しかも、ハイドンのロンドンのライヴがあったということで聴いてみたくなり落札した次第。

チャールズ・グローヴズのハイドンの録音は手元にオックスフォードとロンドンの1988年のイングリッシュ・シンフォニアとのなかなかいい演奏の録音があり、ブログ初期に記事にもしています。

2010/11/17 : ハイドン–交響曲 : チャールズ・グローヴズのオックスフォードとロンドン(ハイドン)

イングリッシュ・シンフォニア盤は1988年の録音で、オーソドックスな現代楽器のハイドンの秀演。オケは荒削りながら確かなフォルムを構築し、ライヴではないかと思わせる勢いを感じる演奏です。チャールズ・グローヴズは日本では今ひとつ知名度が高くありませんが、この演奏を聴いて確かな腕の持ち主というしっかりとした印象が残っておりました。

その、チャールズ・グローヴズの日本でのライヴということで興味津々。アルバムを所有盤リストに登録すべく聴き始めたところ、最初のエグモント序曲からやられました。まるでベルリンフィルの演奏のように鋼のような力強い弦。そして引き締まりまくったオケのタイトな響き。もちろん音楽のフォルムの端正さはグローヴズならでは。1991年当時、これほど素晴らしい演奏が日本のオケから聴けたと思うと実に感慨深いものがあります。
※1曲目のエグモント序曲は1991年の1月12日東京芸術劇場での収録

Hob.I:104 Symphony No.104 "London" 「ロンドン」 [D] (1795)
イングリッシュ・シンフォニアと録音よりもオケは端正で精度は格段に上がっています。序奏は端正と言うより精緻。セッション録音と言ってもおかしくない素晴らしいオーケストラコントロール。主題に入るとこの曲の覇気あふれるメロディーが実に気持ちよく吹き上がります。リズムの鮮やかさ、力強さ、陰りの表情、いずれをとっても見事な演奏。このロンドン、力みや過剰な表現が少しでも垣間見えると単調に聴こえてしまう難曲ゆえ、ライヴでのこのキレ味鋭く堂々と引き締まったフォルムは見事。このバランス感覚こそハイドン演奏の肝でしょう。1楽章はグローヴズの見事なオーケストラコントロールを堪能。
続くアンダンテは曲の美しさを知り尽くしているようで、少し彩度とトーンを落としながらも淡々とオケをコントロールしてゆったりとした大きな波を描いていきます。大局をしっかり押さえています。
メヌエットではオケのキレと吹け上がりの良さを存分に発揮。フレーズごとの表情付が見事でくっきりとした起伏の変化が楽しめます。
そしてフィナーレも前のめりになることなく、構造を見通せるようにクッキリと描いていくアプローチ。引き締まったオケが音楽を解像させていく面白さで聴かせるような演奏。ハイドン最後の交響曲の古典の大伽藍を見事に描き切りました。

最後のブリテンもオケ炸裂です。
※ブリテンは1987年2月7日東京文化会館での収録

チャールズ・グローヴズの力強くも気品あふれるロンドン。やはり驚くのは精緻なオーケストラコントロール。もともと現代音楽を得意とするだけあって、全体を俯瞰した見通しの良さと、デュナーミクの丁寧なコントロール、そしてハイドンらしい古典的なバランスの良さは見事。流麗と言うよりは端正実直な音楽。日本フィルもグローヴズに鍛え上げられたのでしょう、揺るぎない構築感を伴う見事な演奏で応えました。1991年にこれだけ素晴らしいハイドンが日本のオケで演奏されたこと自体素晴らしいことだと思います。評価は[+++++]といたします。



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tag : ロンドン

【新着】マッダレーナ・デル・ゴッボのバリトン三重奏曲集(ハイドン)

今日はなんとアイドル系のバリトントリオです!

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マッダレーナ・デル・ゴッボ(Maddalena del Gobbo)のバリトン、ロベルト・バウアーシュタッター(Robert Bauerstatter)のヴィオラ、ダヴィド・ペネッツドルファー(David Pennetzdorfer)のチェロで、ハイドンのバリトン三重奏曲3曲(Hob.XI:113、XI:27、XI:97)など収めたアルバム。収録は2018年9月、アイゼンシュタットのエステルハージ宮殿ハイドンザールでのセッション録音。レーベルは名門DG。

このアルバム、最近リリースされたアルバムですが、完全に見逃していました。先日よく激励コメントをいただくsifareさんのコメントでその存在を知り、即座に発注して手元に着いたもの。このアルバムの存在を知ってすぐにマッダレーナ・デル・ゴッボのウェブサイトを見てびっくり。

Maddalena del Gobbo:Home

このウェブサイト、真っ赤なドレスでエステルハージー宮殿を優雅に歩き回る動画をふんだんに使ったサイトデザインは看板スター扱いで完全にアイドル路線。DGが総力を投じて作っていますね。名門DGの看板スターが激マイナーなハイドンのバリトントリオのアルバムをリリースしているというインパクトは絶大です! ついに大手もニッチな領域に踏み込んできました(笑)

アルバムタイトルは”Maddalena and the Prince”。ライナーノーツを紐解いてみると、プリンスとはもちろんハイドンのパトロンでバリトンという楽器をこよなく愛したニコラウス・エステルハージ侯を指しているんですが、素晴らしい響きを作り出すバリトンと言う楽器自体も指しているとのこと。と言うことでアルバムタイトルは、「マッダレーナとエステルハージ侯の愛したバリトン」とでも意訳すのでしょうか。

収録されている曲はハイドンのバリトントリオの他、ハイドンと同時期にバリトンやガンバ奏者としてエステルハージ家に仕え、ハイドンから作曲を学んだ可能性のあるアンドレアス・リドル(Andreas Lidl)の曲、ハイドンの創設したアンサンブルでチェロを弾き、ハイドンのチェロ協奏曲は彼のために書かれたとされるフランツ・クサヴァー・ハマー(Franz Xaver Hammer)の曲、そしてエステルハージ家のオーケストラでハイドンのもとリーダーを務めたヴァイオリニストのアロイジオ・ルイジ・トマジーニ(Aloisio Luigi Tomasini)の曲と企画構成は完璧にニコラウス侯時代のエステルハージ家にフォーカスしています。

肝心のマッダレーナ・デル・ゴッボですが、私はもちろんはじめて聴く人。イタリア生まれのヴィオラ・ダ・ガンバ奏者。幼少期から音楽に親しみ、13歳からウィーンの私立音楽大学で本格的にチェロを学んでいましたが、ウィーンのレコードショップで初めて聴いたヴィオラ・ダ・ガンバの音色が忘れられず、ガンバ奏者に転身したとのこと。デビュー盤はArchiveからで2枚目はDGデビュー。このアルバムが彼女の3枚目のアルバムとなります。

ちなみにバリトントリオのヴィオラとチェロはウィーンフィルのメンバーということで、このアルバム、アイドル仕立ての美人奏者に、時代背景やハイドンザールでの録音セッションなどを含めて完璧な企画を立て、脇を一流奏者で固めるという、バリバリに力の入ったアルバム。しかも、このアルバム、演奏が群を抜いて素晴らしい。演奏を聴いてDGが本腰を入れる理由がわかった気がしました。

Hob.XI:113 Divertimento a tre per il pariton, viola e violincello : Baryton Trio [D] (before 1778, 1772–78)
開放弦をつまびくところから始まるバリトントリオの中でも録音の多い有名曲。手元にはこの演奏を含めて9種の演奏があります。入りのアダージョは静けさに包まれた中にゆったりと流れる音楽。これまでの演奏の中で最も響きのニュアンスがデリケート。ゴッボのバリトンは弱音のコントロールと音楽の大きな波の表現が秀逸。そしてヴィオラとチェロの美しくしなやかな音色が花を添えます。バリトントリオの演奏が新次元に突入した感じ。2楽章のアレグロ・ディ・モルトで緊密なアンサンブルを聴かせ、そして3楽章のメヌエットでは中間部でバリトンの開放弦の魅力を振りまく見事な演奏。それにしてもヴィオラとチェロの雄弁なサポートが絶品です。流石に一流どころ。

この後のリドルの曲はハイドン同様バリトン、ヴィオラ、チェロのための3楽章のディヴェルティメント。ハイドンに負けず劣らずの素晴らしい曲。ハイドンの曲のバリトンパートはプリンスエステルハージが弾きやすいように書かれているのに対し、自身がバリトン奏者だっただけにリドルの曲はかなりテクニックを要する曲のよう。

続くハマーの曲はゴッボはガンバに持ち替え、ハープシコードとの二重奏の5楽章の曲。こちらもハマーがチェロ奏者だっただけに重音を多用したテクニカルなバロック調の曲。ハープシコードはかなり音量が控えめに録られていていて、ゴッボのガンバが明らかに主役。ガンバ奏者だけあってキレのいいガンバの響きが心地よい音楽です。

Hob.XI:27 Divertimento a tre per il pariton, viola e violincello : Baryton Trio [D] (1776–77)
ハイドンのバリトントリオの2曲目は滅多に演奏されない曲を選んできました。1楽章は慈愛に満ちた非常に優しい曲調。シンプルながらバリトンとヴィオラとチェロと音域の非常に近い楽器のハーモニーの重なりの美しさが素晴らしいですね。2楽章は穏やかな中に弾むような推進力が楽しげな印象を与える曲。そして最後のメヌエットも穏やか。実に楽しげに演奏している様子が伝わってきます。相変わらずヴィオラとチェロの表情の豊かさが素晴らしい。

続く曲はヴァイオリンの名手トマジーニの曲。リドル同様ハイドンのバリトントリオと同じ楽器構成で3楽章の曲。軽快で明るいメロディーが乱舞しますが、メロディーと伴奏が完全に別れるなど構成はやや単調さが伴います。しかしながら演奏はここでも絶品。バリトンのキリッとした音色とヴィオラ、チェロの豊かな音色のハーモニーの美しさで聴かせます。

Hob.XI:97 Divertimento a tre per il pariton, viola e violincello : Baryton Trio [D] (before 1778, 66?)
最後はハイドンのバリトントリオの中で最も演奏される曲。ニコラウス・エステルハージ侯の命名祝日のために書かれた曲でバリトントリオで唯一7楽章構成の曲。手元には14種の演奏がありますが、どの演奏よりも弱音のコントロールが精緻で3人のアンサンブルの緊密さが見事。演奏はもはやいうことなし。録音会場はアイゼンシュタットのハイドンザールですが、静けさが際立ち適度な残響を伴って三つの楽器が鮮明に録られている絶品の録音。ハイドンザールに響き渡る図太く実体感あるチェロの響きが素晴らしいですね。

ハイドンのエステルハージ侯爵時代のバリトン曲を集めたDG激推しのガンバ奏者、マッダレーナ・デル・ゴッボの3枚目のアルバムでしたが、これはバリトントリオの新たな地平を開く快演と言っていいでしょう。演奏、録音、企画共にずば抜けて素晴らしい! 主役のゴッボに加えて脇の2人も絶品の演奏で支える名演奏。これまでハイドンのバリトントリオはバリトンという特殊な楽器のためのちょっと特殊な存在とおもわれていた節がありましたが、このアルバムで聴くバリトントリオは、バリトンという楽器がいかに素晴らしい楽器で、ハイドンのバリトントリオが、アンサンブルとしての弦楽四重奏やピアノトリオに負けない素晴らしい曲であることをはっきりと示した意義があります。これは必聴のアルバムでしょう。もちろん評価は3曲とも[+++++]とします。



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tag : バリトン三重奏曲

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Daisy


Author:Daisy

ハイドン(Franz Joseph Haydn)の膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。私はなぜハイドンにはまったのか?

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Joseph Haydn Discography
所有盤をジャンル別にリスト化しています。基本的に録音年順とし、録音年不明のものはリスト冒頭に記載。演奏者名はジャケットなどの表記に合わせています。

登録曲数:1,368
登録演奏数:11,793
(2019年12月31日)
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